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【第一回社長エッセイ】看護師を目指したきっかけ

2023.05.24 くるみの社長エッセイ精神科訪問看護とは誠子さんシリーズ

私は小さい頃から大人になった今でもずっと、病院が怖いし、嫌いです。
薬を飲むことでさえもすごく苦労します。
そんな私がどうして看護師になろうと思ったのか。今日はその話をしていきます。

小さい頃の私の夢は一貫して学校の先生でした。
ある日職員室に行ったとき、先生がお菓子を食べているのが見えたのがきっかけです(笑)。先生になったら仕事をしながらお菓子が食べられるなんて素敵! という不純な動機で学校の先生を志しました。
算数が好きだったので、算数の先生になれたらいいな、と漠然と思っていました。それは中学生になっても変わらず、勉学、そして所属していたバスケットボール部の部活にと励んでいました。

そんな私に転機が訪れました。中学2年生のとき、部活の練習中での出来事です。
必死にルーズボール(どちらのチームのキープからも外れた状態のボールのこと)を追っていたときのことでした。大きな衝撃があったことしか今は覚えていません。
気が付いたら周りにたくさん人がいて「大丈夫?」と言われていました。「うん、大丈夫」と声を発したのと同時に急に目が見えなくなったのです。もちろん私は何が起きたのかわからずパニックになりました。

そのとき何が起こったのかというと、ルーズボールを追っていた私は、ボールしか見えておらず、チームメイトが近くにいたことに気づかないまま、衝突。チームメイトの膝に顔から激突してしまい、一瞬気を失っていたそうです。
そのときに目の下の骨にひびが入ったようで、「大丈夫」と言い、息を吸った瞬間、ひびから空気が入り、瞼が大きく膨れたことで目が見えないと感じたようでした。

その後すぐに熊本大学病院に行き、手術となり、やや1カ月ほどの入院となりました。
初めての入院は、周りに若い人もおらず、ただただベッドの上で1日中ぼーっとするしかなかったので、当時中学生だった私にはとても退屈な時間でした。
どうせ退屈なら……と始めたのが看護師さんの観察。看護師さんたちは、ずっと動き回っていて、ずっと笑顔で、なんでも知っていてすごいなと思いました。

なかでも、入院中に出会った「赤いメガネの看護師さん」は、私の今後の人生を大きく変えてくれました。

その看護師さんは、ただ優しいだけではなく、ダメなことはダメと、厳しいことも言える人でした。患者さんのことを思っているからこその言葉には、とても愛があり、その愛が患者さんへも伝わっているので、怖いときもありましたが、患者さんからはとても人気があったのです。
気が付けば私は、その看護師さんばかりをずっと目で追っていました。

その看護師さんから言われた言葉が今でもこころに残っています。
それは、手術からしばらくの間ずっと点滴で栄養をとっていた私が、やっと少しずつご飯を食べられるようになってきた頃のことです。

久しぶりにご飯が食べられる! と楽しみにしていたのですが、術後の病院食というのは……中学生だった私にはおいしく感じず、結局、病院で出してもらえるごはんは食べずに、コンビニなどで買ってきたゼリーなどを食べて過ごしていました。

ある日のお昼、いつもどおり病院食には手をつけず、病室の外にある配膳台へ下げに行きました。
すると、たまたま通りかかったその看護師さんは、私が下げたごはんを見て、「どうしたの? やっと食べられるようになったのに、毎回残してるね」と声をかけてくれました。
「だって口痛いし、おいしくないです」と私は答えました。
「理由はそれだけ?」と聞かれ、「はい」と答えると、一緒に病室に戻るよう促され、座り、看護師さんは話しはじめました。

口の中を大きく切った手術だったため、「痛いことはわかるよ」と優しく言った後、厳しい顔つきになり、食事の大事さ、作ってくれる給食の方の思いなど……たくさんの話をしてくれました。

看護師さんの話を聞きながら、涙が出てきて……そこで初めて、「どうして自分だけこんなに大きな怪我をして、練習できないのか」と、今まで誰にも言わなかった思いを口に出すことができました。
泣く私を泣き止むまで見守り、話をしっかり聞いてくれて、「しんどかったね。言えてよかったね。夜からは食べようね」と言って、私が落ち着いたあと、笑顔で去っていきました。

「すごいな」と思いました。
そのときに初めて、「私も看護師さんになりたい」と思うようになりました。

これが、「私が看護師を目指したきっかけ」です。

そうそう、退院したあとすぐに、学校で進路指導の先生のところまで行って、「はやく看護師になって仕事をしたい!」「高校から看護が勉強できる学校に行きたい!」と、伝えたんですよね。
今までそんなこと一度も言ったことなかったので、先生は驚いていましたが……(笑)応援してくれて、今があります。

人生って何がきっかけになるかわからないな、と、これを書きながら思っています。
あのときの「赤いメガネの看護師さん」に会えたら、あのとき言えなかった「ありがとう」と「看護師になって頑張ってますよ」ということを伝えたいなと思っています。

自分の人生一度しかありません。
「自分の思いを大事に、そして素直に生きる」。これを今、大切に思っていますが、実は中学生の頃からもう思っていたのだなと感じます。

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