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発達障害のある利用者さんへの看護とは?関わり方やポイントを解説!

2023.09.25 精神科訪問看護とは

精神科の看護師として働く中で、発達障害のある患者さんや利用者さんと関わったことがある方もいるでしょう。
またその中でどのように関わると良いのか悩んだという方もいるのではないでしょうか。
今回は発達障害の方への看護について解説していきます。


発達障害とは?

発達障害という言葉を耳にしたことがある方はいるでしょう。発達障害の定義は発達障害者支援法から「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能障害であってその症状が通常低年齢において発現するもの」とされています。また低年齢というのは、通常18歳くらいまでとされています。

まずは発達障害について大きく3つに分けてみていきましょう。



参照:厚生労働省「発達障害の理解のために」
参照:厚生労働省「発達障害の定義についての考え方」


ADHD(注意欠陥多動性障害)

ADHDは注意欠陥多動性障害とも言われ、最近では注意欠如・多動症と言われています。
名前の通り、注意力が乏しかったり、集中力が低かったりなどの特性があり、多動性という言葉から衝動性や活動性が高いという特性もみられるのが特徴です。
脳の病気と言われており、出生児や出生直後にみられるケースもありますが、しばらく発育が進んでから気づくケースも多いです。

参照:MSD マニュアル家庭版「注意欠如・多動症(ADHD)」


自閉スペクトラム症(ASD)

以前までは広汎性発達障害と呼ばれたり、自閉症と呼ばれたりすることもありましたが、アメリカの精神医学会(APA)の診断基準DSM-5の2013年のものから、自閉スペクトラム症(ASD)と統一されています。
遺伝子が絡んだ脳機能の障害とされており、生まれつきみられるものです。
さまざまな特性を持つ方がいるため、一概に統一したものは言えませんが、例えば下記のような特性がみられます。

・対人関係の維持・構築が不得意
・ものや会話など何らかに対するこだわりが強い
・年齢に対して学習スピードが遅い など



知的障害や全般性発達遅延と類似する場合もあり、診断の際はそれらの可能性を否定した上で判断されます。



参照:厚生労働省「e-ヘルスネット|ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)について」


LD(学習障害)

学習障害はLDや限局性学習症とも呼ばれ、一部の学習に関する機能に障害が伴っている方を指します。
具体的に下記の3つに分けられます。

・計算が苦手
・読字が苦手
・書字表出が苦手

特に読み書きが苦手な場合は「発達性ディスレクシア」とも呼ばれる場合があります。2012年の日本の小中学校を対象とした調査では、読み書きの学習が不得意な子供は4.5%いたという結果を示しています。


参照:厚生労働省「e-ヘルスネット|学習障害(限局性学習症)」


発達障害の方への看護のポイント

同じ発達障害の種類だからといって、悩んでいる部分や困っている部分は同じとは限りません。発達障害の方への看護のポイントとして大切なのは、それぞれの特性に合わせた看護計画を考えて関わる必要があるという点です。

例えば同じADHDの方であっても、職場での人との関わり方に悩んでいるのか、なかなか仕事の管理やスケジューリングがうまく行かなくて困っているのかなど悩むポイントや個々が問題と考えている点は異なるでしょう。

自閉スペクトラム症(ASD)の場合や学習障害(LD)の場合も同様です。本人の特性や苦手としていることなど、個別性に配慮した看護を提供するよう意識しましょう。


発達障害の方との看護師としての関わり方

発達障害の方への看護として特性を重視することが大切と前述しました。
最後に発達障害の方との看護師としての関わり方を解説します。共通して言えることは下記の2つです。

・本人の悩みや思いを否定しない
・予定は明確に伝えてイレギュラーが起こらないようにする

それぞれ解説していきます。


本人の悩みや思いを否定しない

発達障害の当事者がこれまで生きてきた中で悩んだことや感じたことがあるかもしれません。それらに対して否定するような発言はしないようにしましょう。
周囲への批判的な思いや「わかってくれない」というような思いであっても、本人が実際に抱えた感情であることは事実なため、まずはそれを否定せず思いを聴くことが大切です。
本人のこれまでの悩みや思いを伺った上で、できないことに意識が向きやすい発達障害の方へ、できていることを支持しながら少しずつ関わっていくことが大切です。
これは家族も同様で、発達障害を抱える本人に対して、関わっていく中でご家族も感じたことがあるでしょう。これらの思いを伺いながらご家族も合わせて関わっていく必要があります。

予定は明確に伝えてイレギュラーが起こらないようにする

関わりの中でイレギュラーが発生することもあるでしょう。「約束をしていた時間に少しだけ間に合わなさそう」「訪問に行く看護師が事前に伝えていた方と変わった」などのイレギュラーは、看護師側から見て「少しのこと」と思っていても、発達障害の方はイレギュラーを受け入れるのに時間がかかったり、パニックになったりすることもあるため一大事です。
必ず予定は明確に伝えることと、なるべくイレギュラーが起こらないようにし、もし怒るようなら早めに連絡をするようにしましょう。


発達障害の方への看護を実践するなら精神科訪問看護へ

ここまで発達障害の方への看護について解説してきました。
精神科訪問看護では発達障害の方への看護について働きながら学んでいくこともできます。

『訪問看護ステーションくるみ』では現在、一緒に働く仲間を募集しています。
看護師資格を持っていて、精神科訪問看護に興味がある方、ブランクがあっても歓迎します!
また、ちょっと気になるという方の見学も受け付けています。
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