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【社長エッセイ】Vol.24 看護の対象であるすべての人へ向けての支援

2024.05.01 くるみの社長エッセイ精神科訪問看護とは誠子さんシリーズ

大阪市全域を訪問区域とする『訪問看護ステーションくるみ』の代表、中野誠子が綴る『社長エッセイ』第24弾!

 

こんにちは。

急に夏みたいな気候になり気温差に適応できずに嫌いな夏が来るのを震えて待っている中野です。

 

「訪問看護である理由」というお題についてエッセイを書くにあたって、「看護の対象」についてを改めて考えてみました。

私たち看護師の「看護の対象」は、病院に入院している方だけではありません。

病院ではない場所で過ごせているけれど、病気や障がいがある方、死に直面している方、病気や障がいがある人を支えている方、そして健康な方ーー。

さまざまな段階にいるすべての方に対して支援が必要だと思っています。

 

その方々がいるのは「地域」です。

病気や障がいを抱えながら地域で生活されている方には、病気や障がいとうまく付き合いながら、なりたい自分や夢を捨てずに生活ができるような支援をしています。

また、死に直面している方には、自分と向き合いながら穏やかに死へ向かうために私たちができることとその方の軌道を擦り合わせて考え支援をしています。

そんな方々を支える家族ももちろん看護の対象です。

障がいがある方はどうしても一人で生活することが難しい部分が出てきます。

そこには、家族や友人などその人を支える方々がいらっしゃいます。

そんな「支える側」の人たちの支援も行うことで、みんなが安心・安全な環境で生活できるようになるのではないかと思ったのも、訪問看護を選んだ大きな理由です。

 

そして、不思議に思われるかもしれませんが「健康な人」も看護の対象だと私は思うのです。

考えてみると、健康な人は、日々健康に気をつけようと思っている方はいらっしゃると思いますが、実際は自分の状況を把握することもできないぐらい忙しく、自分のこころと体から出ているサインに気づかない……という方が多いです。

そんな方たちにも、この訪問看護での経験を活かして何かできることはないかと「株式会社MakeCare」として考えていきたいと思っています。

 

支援をするなかで必要なのが社会資源を含む資源の充実です。

病院では人的にも物的にも資源が豊富であり、治療をする環境が整っています。

私が看護師になりたての頃はまだ治療を完結してから退院、という流れが多かったのですが、最近は入院期間を短くし、地域に帰るような取り組みがなされています。

地域で治療を「続けていく」ことで「いい状態を維持する」というような仕組みになっているのです。

 

しかし地域、訪問するお宅には圧倒的に資源が少ないというのが現状です。

しかも、入院している患者さんよりも病気や障がいを抱えながら生活されている方は多くなる一方なのに、その方たちを支える人が少ない。

さて地域で働くのは誰か? と言いますと、医師や作業療法士、薬剤師、それ以外にもたくさんの職種の方々がいます。

その一員である私たち訪問看護師も、今自分に何ができるのかを常に考えて働くことが重要であると考えています。

 

病院のように整ったシステムのなかで働くよりも、これから改善の余地がある世界のなかで自分たちに何ができるのかを常に考え、試行錯誤しながら利用者さんと一緒に歩んでいきたい……。

 

そこを考えていると、支援をする多職種への理解が必要だと考えるようになりました。

「どんな職業の方」が「何を学び、どのような仕事をしているのか」「どんな視点で利用者さんを見ているのか」。

これがわからないと連携はできないと考えています。

学び直していると自分の知識がいかに曖昧だったのかがわかります。

「地域包括ケアシステム」についてを考えたとき、チームの一員として支えることの重要性と難しさを感じながら支援を考えています。

自分たちだけで考えるのではなく、支援者同士で話し合う場として会議を開き、また情報共有をしながらさまざまなチームのメンバーが見て、捉えて、利用者さんの状況を聞き、一緒に考えていく重要性と楽しさ、難しさを感じています。

 

病院では看護師が患者さんの状況をアセスメントしながら看護計画を立て、必要であると考える看護を提供します。

一方、地域では利用者さんの思いがより大切になってきます。

 

病院では患者さんと常に同じ空間にいながら話を聞き、ケアを続けることができます。

一方、地域で行う訪問看護ではそうはいきません。

 

利用者さんは病気や障がいで思考が混乱してしまうこともあり、自分が何を考えて、どうなりたいかを聞かれても、すぐに答えられる状況でないことも多々あります。

そのため「安心して話せる場所」で「ゆっくり話をしながら」自分と向き合ってもらえるようにしています。

 

その分、病院で働いていた頃は考えることもなかった壁がたくさん出てくるのですが……。

次回はその話をしていきましょう。

それではまた。

 

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