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うつ病の方は訪問看護を利用できる?受けられるサービスや利用方法を解説

2023.08.10 精神科訪問看護とは

落ち込む男性の後ろ姿の画像
「うつ病で訪問看護は利用してよいの?」
「うつ病で入院して退院したけれど、今後の日常生活が不安」
との悩みを抱えている方もいるかもしれません。



現在、精神疾患を患っている方の割合は増加傾向にあります。厚生労働省のデータによると、2017年(平成29年)の精神疾患を有する総患者数は419.3万人とされており、2002年(平成14年)の258.4万人と比較して160.9万人増加していることがわかります。

精神疾患を有する患者増加にともない、精神科病院のみならず、精神科訪問看護の需要も高まりつつあるのが現状です。

そこで本記事では、うつ病で訪問看護は利用できるのか、利用する際の手順やサポート内容などを解説します。精神科訪問看護を利用するための有益な情報をまとめていますので、ぜひ参考にしてください。



参照:厚生労働省「第13回 地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会 参考資料」


うつ病でも訪問看護を利用できるの?

うつ病を抱えている方のなかには、「訪問看護によるサポートを受けたい」と考えている方もいるでしょう。

結論からお伝えすると、うつ病の方も訪問看護を利用することは可能です。

精神科訪問看護に区分され、原則、病院やクリニックなどの医療機関を受診・通院されている方が対象となります。

うつ病と診断された方は、不安や悩みを抱え、継続的に精神的・身体的のケアやフォローが必要なことも珍しくありません。本人やご家族の不安や悩みに対して、適切なサポートを提供するのが精神科訪問看護の大きな役割の一つです。

「うつ病と診断されたが、なかなか通院できない」
「うつ病で入院していて退院したが、日常生活を送るのが不安」
といった方は、精神科訪問看護の利用を選択肢の一つとして検討してみましょう。



精神科訪問看護については、こちらの記事でも詳しく解説しています。


うつ病の方への訪問看護の役割とサポート内容

精神科訪問看護では、どのようなサポートを受けられるのでしょうか?

精神科訪問看護の主な役割は、精神疾患を抱えている方の精神的・身体的ケアや観察を行い、その人が理想とする生活や社会活動に向けてサポートすることです。

この章では、精神科訪問看護にて受けられるサポート内容を、ひとつずつ解説します。


服薬管理・指導

うつ病の治療として、薬物療法を実施している人は多くいます。なかには、長期的に内服が必要になることも。

自宅でも継続的に正しく治療が進められるように、服薬管理を実施して、飲み忘れや過剰内服を予防します。また、内服薬による副作用の有無を観察するのも、精神科訪問看護の役割の一つです。


病状の確認・評価・症状のケア

バイタルサインの観察やコミュニケーションを通じて、本人の症状や状態を確認・評価します。

精神疾患を抱えている方の場合、症状の日内変動なども考慮しつつ、表情や仕草・行動から些細な変化をとらえられるよう、毎回徹底したヒヤリングを実施しています。


再発・再入院の予防

精神科訪問看護による、定期的なケアや症状の確認は、再発・再入院の予防にも効果的です。

うつ病による症状が一度回復しても、退院後自宅で過ごしている間に、症状が悪化してしまうケースも少なくありません。うつ病は再発しやすく、初発の場合、50~60%もの人が再発する可能性があるといわれています。

症状が改善しても半年間は再発率が高いとされているため、継続的なケアや症状の観察が必要といえるでしょう。


日常生活支援・生活リズムの調整

うつ病の症状緩和には、生活リズムを整えることも大切です。

生活リズムや食生活が乱れることで、心身への負担が大きくなり、うつ病の症状悪化を招く恐れがあります。

訪問看護師が定期的に訪問することで、生活リズムを整え、規則正しい食生活を目指します。「衣食住」のサポートも、精神科訪問看護の役割の一つです。


自立支援・社会復帰支援

本人が目指す方向へ自立できるよう支援するのも、精神領域にかかわらず、訪問看護の大きな役割の一つです。自立した日常生活が送れるように支援し、心身の回復や生活機能の維持・向上を目指します。

生活支援だけでなく、就労支援も行い、無理なく社会復帰できるよう環境を調整することも、精神科訪問看護の大切な役割です。


家族へのサポート

精神科訪問看護では、本人だけでなく、家族へのサポートも欠かせません。
精神疾患を抱えている方が孤立しないよう、家族とこまめにコミュニケーションを図り、よりよい環境作りを目指します。

また、ご家族への言葉に耳を傾け、周囲の人の不安や悩みを軽減することも役割の一つです。


ほかの医療機関や地域との連携

主治医との連携はもちろん、市役所やケースワーカーなどの他職種や地域との連携をとり、スムーズな支援を実現します。

トラブルだけでなく、症状や気持ちの小さな変化などもすぐに主治医へ報告できるため、早期対応が可能です。お互いの職種が連携することで、チームでサポートでき、本人やご家族が安心して過ごせる環境作りが期待できます。



参照:厚生労働省「訪問看護のしくみ」
参照:一般社団法人 静岡県訪問看護ステーション協議会「訪問看護活用ガイド2022年度版」


うつ病で訪問看護を受けられる条件

訪問看護の利用は、介護保険と医療保険のいずれかが適用となります。

うつ病のみの場合は、「医療保険」が適用となり、小児から高齢者までが対象です。年齢に応じて条件が異なるため、詳しい利用条件につきましては、以下の資料をご参照ください。



一般社団法人 静岡県訪問看護ステーション協議会「訪問看護活用ガイド2022年度版」



また、精神科訪問看護を利用するには、上記の条件にあてはまることと、主治医の「訪問看護指示書」が必要となります。
受診歴がある方は、精神科訪問看護を使用したい旨を主治医へ伝えましょう。

なお、訪問看護ステーションくるみでの利用の流れは、こちらのページをご確認ください。



参照:厚生労働省「訪問看護のしくみ」


うつ病で訪問看護を利用できる頻度と費用

訪問看護は、利用回数や時間が定められています。

原則、週に3回(30分~90分/回)が限度となっていますが、厚生労働大臣が定める疾病や特別な処置・管理が必要の場合は、週4日以上かつ1日2~3回の難病等複数回訪問看護が利用可能です。
ただし、うつ病のみで訪問看護を利用する場合は、上記条件には該当しません。

精神科訪問看護の利用料金は、適用される保険や利用状況に応じて費用が異なりますが、医療保険適用の場合は、基本1~3割負担になります。

精神科訪問看護を利用する際の料金などについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

参照:厚生労働省「訪問看護のしくみ」


うつ病の方はどのように訪問看護を利用しているの?

最後に、うつ病を抱えている方がどのように訪問看護を利用しているのかをご紹介します。

うつ病で精神科訪問看護を利用しているケースでは、以下のような方がいます。


・外出が苦手で通院できない
・孤独を感じている・相談できる人が身近にいない
・不眠などの症状で日常生活に支障をきたしている



うつ病を抱えている方のなかには、「外出できない」と悩んでいるケースも珍しくありません。精神科訪問看護なら、自宅に看護師が訪問してくれるため、定期的に通院するのが難しいとお悩みの方でも、状況に応じたサポートを受けられます。なお、症状の変化や困りごとなどは、訪問看護師を通じてしっかりと主治医に報告されます。

ほかにも、日常生活などでの困りや小さな悩みも、訪問看護師に相談できるため、気軽に相談できる相手が欲しいとの理由で利用している方も少なくないでしょう。


うつ病で日常生活に不安がある方は訪問看護を利用しよう

うつ病を抱えている方は、医療保険内で精神科訪問看護サービスを利用できます。

精神科訪問看護では、精神的・身体的ケアや症状の観察のほか、日常生活支援や社会復帰へのサポートまで幅広く対応可能です。精神科訪問看護を活用することで、理想とする生活や社会復帰が目指せ、安心材料の一つとして不安の軽減につながるかもしれません。



「訪問看護ステーションくるみ」は、精神科に特化した訪問看護ステーションです。地域の福祉施設や行政と連携を図り、利用者さまとその家族に寄り添ったサポートを提供いたします。

「自宅での生活が不安」「気軽に相談できる人が欲しい」などとお考えの方は、精神科訪問看護利用を検討してみましょう。
サービスの利用にあたり、聞きたいことや確認したいことがある方は、こちらからお気軽にお問い合わせください。

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