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【強迫性障害】確認行為をやめる2つの方法や看護師としての関わり方を解説

2024.08.15 精神科訪問看護とは


強迫性障害とは、特定の物事に対して強い不安を感じ、その不安を取り除くための行動を何度も繰り返してしまう精神疾患です。代表的な症状として「確認行為」があります。確認行為とは、戸締りや電気のスイッチなどを何度も確認してしまう行動を指し、やめたいと考えていてもなかなか改善されず悩んでいる患者さまもいます。

そのような患者さまとの関わり方には、看護師としていくつかの配慮が必要です。そこで今回は、強迫性障害の確認行為をやめる方法(治療法)や、看護のポイントを解説します。

 

強迫性障害の「確認行為」による問題とは

強迫性障害の確認行為とは、戸締りや電気のスイッチ、火の元を何度も確認したり、じっと見張っていないと不安で仕方ない状態を指します。
出かけても、戸締りをしたか不安で家に戻らずにはいられない、家を出る前に何度も確認をしてしまい時間がかかってしまうなど、日常生活にも影響が見られるケースもあります。結果として、会社や約束事に遅れてしまうといった問題が生じ、スムーズに生活が遅れず大きなストレスを感じてしまうのです。

強迫性障害による苦痛やストレスが続くことで、症状の悪化やほかの精神疾患の発症を引き起こす恐れがあります。なかには、誰にも相談できず一人で悩んでいる方もいるかもしれません。苦痛の原因が強迫性障害なのかを明確にして、早期に適切な治療を開始することが、回復への第一歩です。

参照:厚生労働省 e-ヘルスネット「強迫症/強迫性障害」
参照:国立精神・神経医療研究センター「強迫性障害」

 

強迫性障害の確認行為をやめるための2つの治療法

強迫性障害の主な治療法は、精神療法(心理療法)と薬物療法の2つです。まずは医師の診察やカウンセリングを通して、患者さまの症状や悩みに合わせて適切な精神療法が開始されます。

確認行為自体をやめるためには、認知行動療法や曝露反応妨害法が有効であり、なかでも曝露反応妨害法が選択されることが比較的多いとされています。曝露反応妨害法とは、不安を強く感じる物事にあえて触れ、繰り返してしまう行為を我慢する治療法です。続けていくうちに不安が軽減され、確認行為の改善が期待できます。

精神療法と併用して、薬物療法が選択されることもあります。代表的な薬剤は、抗うつ薬の1つである「選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)」です。ほかにも症状や苦痛に合わせて、抗不安薬や抗精神病薬などが選択されるケースも。

強迫性障害の治療法について詳しく知りたい方は、「強迫性障害に対する2つの治し方を解説|自宅で治療するには訪問看護も検討しよう」もお読みください。

強迫性障害を持つ方への看護師として適切な3つの関わり方

この章では、強迫性障害の方への看護のポイントや関わり方を解説します。
どのように看護すればよいか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

患者さまの意思を尊重する

いきなり治療に対して介入するのではなく、まずは患者さまの意思や思いを尊重して、話を傾聴することが大切です。少しずつ関わりを持ち、信頼関係を築くことで本音を引き出し、個別性に配慮した介入が検討・提案できるでしょう。

患者さまの意思を尊重するには、気持ちを否定も肯定もせずに受け入れ、共感することがポイントです。しっかりと受け入れてもらえたと感じると、患者さまの安心感につながります。

確認行為を否定しない

確認行為自体を否定したり、問題であることを説得したりするのは、本人の大きな負担となります。

強迫性障害を抱えている方の多くは、自分でも理不尽で無意味な行為とわかっているのに、なかなかやめられずに悩んでいます。確認行為によって困り事やトラブルが起こっている事実を伝える分には問題ないですが、異常であると患者さまを説得したり、問いただしたりすることは有効ではありません。

患者さまの苦痛や思いに共感しつつ、確認行為をしなくても大丈夫と伝えることが大切です。

治療によるストレスや苦痛をケアする

強迫性障害の治療は、患者さまにとって大きな負担になる可能性があります。治療中に感じるストレスや苦痛のケアも、看護師の役割のひとつです。

特に精神療法で実施される「曝露反応妨害法」は、強迫行為を我慢しなければなりません。そのため、最初は強い不安や不快感を抱くケースが多く、精神的苦痛につながるのです。ほかにも治療を進めていくうえでの葛藤や、なかなかやめられないことによる不安もストレスになり得るため、精神的な側面からのケアが重要といえるでしょう。

強迫性障害の確認行為をやめるには苦痛がともなう|看護師の関わり方には工夫が必要

「確認行為」は強迫性障害のなかの症状のひとつであり、戸締りや火の元などを何度も確認してしまう状態です。人によっては外出するのに時間がかかったりと、日常生活に支障をきたしてしまうケースもあります。

確認行為をやめるための治療には精神的苦痛をともなう恐れがあり、看護師として関わる際には配慮や工夫が必要です。

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