精神科を受診したことがない方は、初診料や通院にかかる費用について詳しく知らない方も多いでしょう。
どのような診察内容で、どのくらいの費用が必要になるのか事前に理解しておくと安心です。
この記事では、精神科の受診に必要な料金の相場を、初診・再診の場合に分けて解説します。精神疾患をお持ちの方が医療費を抑えられる方法も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
精神科の初診にかかる料金
精神科の初診にかかる費用は、2,000〜6,000円ほどです。初診にかかる料金には、以下のような項目が含まれます。
・初診料
・通院、在宅精神療法料
・各種検査費
・処方料、処方せん料
・時間外費用 など
上記の項目には診療点数が定められており、診察内容によってさまざまな加算が加わる場合があります。自己負担額の割合は年齢や所得などによって変化しますが、初めて精神科にかかる場合は6,000円以上用意しておけば安心でしょう。
精神科の通院にはいくらかかるのか
継続して通院する場合、再診費用1回あたりはおよそ1,500〜2,000円かかります。
受診の際にどのような検査・治療を実施したかで変わるため、再診費用に関わる項目を確認しておくと安心です。
それぞれの項目について、少し詳しく見てみましょう。
再診料
再診料は1回あたり700円ほど(3割負担で200円ほど)かかります。
再診料とは、初診以降毎回かかる費用です。上記の費用は、病床数が200床以下の病院やクリニックの場合であり、規模の大きい病院の精神科にかかった場合は費用が高くなる場合があります。
検査、診察料
さまざまな検査を行った場合、その検査の診療点数に応じた料金がかかります。
・心電図検査
・心理検査
・血液検査 など
検査によって費用には差があります。検査の項目が多くなったり、検査時間が長くなったりするほど、多くの費用が必要です。
薬の料金
診察を受け薬を処方してもらう際には、処方料がかかります。さらに、医師が薬剤師へ薬を処方するには処方せん料が必要です。
薬の処方料は、処方する薬の種類や量によっても変わります。
通院・在宅精神療法
精神科の受診で大きな金額を占めるのが通院・在宅精神療法の項目です。
精神科では、診察の時間によって費用が大きく変わります。たとえば「通院精神療法」では、再診5〜30分未満であれば3,300円(3割負担で990円)、再診30分以上になると4,100円(3割負担で1200円ほど)かかります。
また、通院・在宅精神療法は、初診・再診でも料金が異なるため、気になる場合は明細書を確認してみましょう。
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その他の加算料金
夜間・休日・時間外加算など、さまざまな加算によって料金が上乗せされる場合があります。特に通常の診察時間外に受診すると、数千円費用が上乗せされることもあるため、受診する曜日や時間に注意が必要です。
平日の日中以外に受診する場合は、いつもよりも余裕を持ってお金を準備していきましょう。
精神科の料金が高いために通えない場合
精神科に通いたくても、受診料の高さから通院が難しいという方は「自立支援医療制度」を活用することで費用を抑えられるかもしれません。
自立支援医療制度は、精神疾患を持っている方の1か月の医療費に上限を設け、上限額以上は国が負担する制度です。対象となる障害や治療はいくつかありますが、精神疾患による治療や通院は「精神通院医療」に該当します。
上記の制度を利用すると医療費の自己負担割合が1割となったり、上限を超える支払いがなくなったりするのです。このほか、精神保健福祉手帳を取得すると、所得税や住民税の優遇を受けられるケースもあります。
これらの制度を活用することで、医療費や税金の節約が期待できるでしょう。
精神科病院に行くお金がない場合は後払いできる?
精神科を受診した際、思ったよりも費用が高くなったらどうしようと不安な方もいるかもしれません。
精神科病院に限らず、医療機関によっては受診料の後払いが可能な場合もあります。これは「医療費あと払いサービス」などを導入している医療機関であれば、受診後に会計を待たずに帰宅できるようになります。サービスの利用には事前登録が必要な場合もあるため、準備しておくといざという時に役立つでしょう。
ただし、自立支援制度を利用している方は支払い方法が限定されてしまう可能性もあります。また、後払いサービスが導入されていない医療機関で、どうしても後払いでなければいけない事情があるときは、事務の方に相談してみてください。
精神科にいくらかかるのかを理解しておくと安心
精神科の診察料金は、受診の際に行った検査や治療によって異なります。継続して通院する場合、費用が大きくなってしまうこともありますが、支援制度をうまく利用すれば抑えられるかもしれません。
また、精神疾患は症状の強さや種類によって、通院が難しいこともあります。その場合は、訪問看護の利用を検討してみましょう。日常生活での支援や治療の継続、服薬管理などのサポートを受けられます。
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