これから訪問看護師として働く方や、訪問看護師に興味のある方のなかには「何か勉強しておくことはあるのだろうか？」と疑問をお持ちの方もいるかもしれません。

訪問看護は病棟看護と比べて仕事内容や役割が異なる点があるため、今まで病院やクリニックで働いていた方は、訪問看護についての知識を身につける必要があります。

そこで今回は、訪問看護師として働く際に勉強しておく内容や必要なスキルについて解説します。

訪問看護師として勉強しておくこととは？

訪問看護師として働くには、基本的な看護知識や技術はもちろん、在宅医療や介護保険サービスなどの知識も必要です。

この章では、訪問看護師として働くために勉強しておくことをご紹介します。

基本的な看護知識と技術

訪問看護ではまず、利用者さまの全身状態を把握し、必要な看護や処置を適切に検討・実施することが大切です。

フィジカルアセスメント（問診・視診・触診・聴診・打診を用いて全身状態をアセスメントすること）や、日常生活動作を支援するための看護技術、処置は最低限勉強しておきましょう。
看護師としての経験がある場合は、すでに一通りの看護技術は習得していると思いますので、不安な技術や経験の少ない処置などをおさらいしておくと安心です。

スケールや評価基準

訪問看護では毎回の訪問時に、利用者さまの状態に変化がないかを確認することが重要です。共通するスケールや評価基準（意識レベルやフェイススケールなど）を用いて観察することで、正しく評価できるだけでなく、ほかスタッフへ利用者さまの状態を伝えやすくなります。

利用者さまの疾患や状態に合わせて、必要なスケールや評価基準を選択しましょう。ほかのスタッフとスムーズに情報が共有できるよう、正しく評価できるスキルが求められます。

在宅医療の仕組みや利用可能なサービス

在宅医療における看護師の役割は、日々の看護や日常生活の支援以外にも、多職種との連携や社会復帰支援、家族サポートなどが含まれます。そのため、在宅医療に対しての知識や、利用者さまが利用可能なサービスについての理解を深めることも大切です。

実際の勉強方法について詳しく知りたい方は、「訪問看護の勉強を効率よく進める方法｜必要な知識やスキルも解説」の記事もあわせてお読みください。

訪問看護師に必要な4つのスキル

次は、必要となるスキルを見てみましょう。この記事では、近年需要が高まりつつある「精神科訪問看護」にフォーカスしてご紹介します。

精神科訪問看護について詳しく知りたい方は、「精神科訪問看護師として働くうえで必要な資格やスキルを解説！」の記事もあわせてお読みください。

コミュニケーション力

訪問看護では、利用者さまとその家族の間で関係性を深めていくことが大切です。共感や傾聴などさまざまな手法を使いながら、日々の関わりを通じて信頼関係を築く必要があります。

さらに利用者さまのなかには、訪問診療や訪問リハビリテーションなどほかのサービスを併用しているケースも見られます。そのため、多職種と関わる機会も多いため、情報を共有しながら協力して利用者さまをサポートすることが重要です。

アセスメント力

訪問看護では、日々の関わりのなかで状態に変化がないかを、常にアセスメントする必要があります。多角的にアセスメントをして、利用者さまの全体像を把握することが大切です。

また、精神疾患を抱えた方は、悩みや問題を表出できず一人で悩んでしまう傾向にあります。ささいな言動や仕草から、小さな状態変化を察知するスキルが求められるでしょう。

順応力・行動力

訪問看護では、利用者さまの家庭環境に合わせて、ケアや処置内容を検討する必要があります。必ずしも、病院のように設備や物品が整っているわけではありません。利用者さまや家族の協力を得ながら、家にあるもので代用できないか、より安全安楽に処置を進められないかなどを常に考慮することが大切です。

また、精神疾患を抱えている方のなかには、社会復帰を目指しているケースもあります。利用者さまや家族が何を求めているのかを理解して、必要なサービスや支援を提案したり多職種へ相談したりと、積極的に行動するスキルも必要でしょう。

急変対応力

訪問看護でも、緊急事態や急変に遭遇する可能性があります。そのときに、焦らず落ち着いて対応できるか否かが重要です。病院ではすぐにほかのスタッフへ応援を頼めますが、訪問看護では自分一人で対応しなければならないケースも珍しくありません。

すぐにステーションへ連絡して、応援がくるまでの間一人で対応できるスキルが必要といえるでしょう。パニックにならず落ち着いて対応できるよう、万が一の状況を想定して対処法をシミュレーションしておきましょう。

訪問看護師として働くには計画的に勉強しておくことがおすすめ

訪問看護師として働くには、あらかじめ勉強しておくことを頭に入れ、計画的に知識やスキルを習得することが大切です。

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