精神疾患をお持ちの方で日常生活を送るのに不安や困難さを感じたり、家族としてどうサポートしたらいいのかわからない場合に、専門職に定期的に相談できる状況があると心強く感じるでしょう。そういった場合に精神科訪問看護を受けるのがおすすめです。
今回は、精神科の訪問看護を受けるための流れや対象者、精神科訪問看護で実施していることについて解説していきます。
精神科の訪問看護を受けるには?
精神科の訪問看護を受けるにはいくつかの条件があります。
精神科訪問看護の対象
精神科の訪問看護の対象となる方は、精神科か心療内科に通っていて何かしらの診断を受けている方が条件となります。
それ以外で特別に必要な条件はなく、年齢は全年齢が対象です。(ただしある程度の年齢になったら介護保険に切り替える場合もあります。)
精神科訪問看護指示書が必要
精神科の訪問看護を受けるには、医師から発行される「精神科訪問看護指示書」が必要です。
もし担当医師から「訪問は必要ない」といわれた場合でも、私たちにご相談ください。日常生活の話を詳しく聞かせていただき、医師に打診させていただくことも可能です。
精神科訪問看護指示書には、担当看護師に向けて、主に以下の情報が書かれています。
①その方の病気と療養状況・内服薬などの基本情報
②どのように訪問するか(複数名必要か、何回も訪問する必要があるか、短時間で実施する必要があるか、など)
③訪問で何を実施するかケアの内容
精神科の訪問看護を受けるまでの流れ
精神科訪問看護を受けるまでの流れを紹介します。
①精神科訪問看護事業所を探す
まずは、訪問をしてもらう訪問看護事業所を探しましょう。通院先の主治医や看護師、担当ケースワーカーや、市町村の担当窓口に相談をして、事業所を探してもらい紹介をうけます。
②精神科訪問看護事業所に申請をして契約する
事業所が見つかったら、その事業所に連絡をして空き状況等を確認し、自身の生活スケジュールともすり合わせながら受けてもらえるかを相談します。
訪問が可能とわかったら、事業所と契約をします。この契約は医師の指示がない限りは、複数の事業所と同時に契約をすることはできません。1つの事業所に絞って契約をして、時間をかけてその人とスタッフ・事業所との相性を見ていきます。
既に訪問看護を利用されている方で、合わない・変えたいと考えている方のご相談も承っています。
③精神科訪問看護指示書を取得する
担当医に相談をして精神科訪問看護指示書を取得しましょう。外来受診時に担当医への打診が難しい方は、私たちがサポートをします。お気軽にご相談ください。
④訪問日を設定して訪問開始
「〇曜日の〇時」という形で曜日と時間を決めて、初回訪問日を設定をし、訪問看護がスタートとなります。
必要であれば、自立支援医療の取得もしていきます。取得方法は当事業所でサポートを行っていきます。
詳しくはこちらの「ご利用の流れ」でも解説しております。
併せてご覧ください。
精神科訪問看護でできるケア
精神科の訪問看護は主に自立を促し、地域で安定して生活を送れるようになっていただくことが目的です。
ここではサービスを申し込むと、具体的にどんなケアを受けられるのかを解説していきます。
症状に対するケア
訪問看護が介入する中で、疾患の症状がこれ以上悪化しないか、再発をしないかが重要です。
そのため、症状が出現していないか、症状が悪化していないか観察したり、症状が出やすい状況について相談をしていき、必要であれば対処法を考えていきます。
例えば統合失調症の方で幻聴が聞こえている方の場合、小さな変化を敏感に察知してしまい、強い不安を抱えている場合があります。どのくらいの不安の程度なのか、他者や自分自身に対して攻撃性はないかをアセスメントしつつ、これまでどう対処してきたのかなど、不安に寄り添いつつも傾聴していくことが、看護師に求められるケアとなっていきます。
日常生活の援助
日常生活で困っていることがないかを相談できます。社会参加をして自立をしていくなかで、人間関係の苦労やストレスを感じることもあるでしょう。抱えている人間関係の苦労やストレスを看護師に相談をすることで、軽減できるかもしれません。
家族へのサポート
精神疾患を持つ方に関わるご家族さまへ、病気や経過についてのご説明をさせていただくことも可能です。現在のサポート状況やご家族さまがストレスに感じることを詳しくお伺いしたり、本人から家族、または家族から本人へのコミュニケーションの取り方や対応方法についてアドバイスをしたりすることもできます。
他職種連携
主治医・看護師・ケースワーカーなど、利用者さまに関わる方と情報共有や連携をしていき、多職種の視点から利用者さまを支えていきます。
利用を検討されている方はまずはご相談ください
今回は、精神科の訪問看護を受けるための流れや対象者、精神科訪問看護で実施していることについて解説してきました。
病気をもちながら在宅で暮らす場合、さまざまな悩みや障害、不安がつきものです。
そのお悩みを私たちに共有して、 一緒に考えさせてください。
私たちと一緒に解決していきましょう。
話をすることで気持ちが楽になって、生活に前向きになる場合もあります。
お気軽にご相談ください。
詳しいサービスや料金体系は、こちらのページで解説しています。
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