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間欠性爆発性障害と職場|すぐキレる上司・同僚への対応と自分を守る方法

精神科訪問看護とは

「些細なミスで、フロア中に響き渡るような大声で怒鳴り散らされた」 「会議中に突然スイッチが入り、机をバンバン叩いて激昂し始めた」 「機嫌が良いときは普通なのに、いつ爆発するかと思うと怖くて仕事が手につかない」

職場にこのような上司や同僚がいると、周囲は常に顔色をうかがわなければならず、張り詰めた緊張感の中で心身ともにすり減ってしまいますよね。「自分の仕事の仕方が悪いのだろうか」「でも、どこに相談すればいいのかわからない」と、一人で恐怖やストレスを抱え込んでしまっている方も多いのではないでしょうか。

まずお伝えしたいのは、「怖い」「つらい」と感じるあなたのそのお気持ちは、ごく自然なものだということです。あなたが悪いせいでは決してありません。そして、どうすればいいか分からずに戸惑ってしまうその迷いも、無理はありません。

もしかすると、その激しい怒りの裏には「間欠性爆発性障害」という、脳の感情コントロールに関わる疾患が隠れているかもしれません。この記事では、職場で突然キレる人への適切な対応方法や、ご自身を守るための具体的な手段、そして組織としてどう向き合うべきかについて詳しく解説します。

一人で我慢する必要はありません。まずはあなた自身の安全を守り、組織や専門家と連携しながら対処していくための糸口を一緒に見つけていきましょう。

※本記事は、職場の人間関係に悩む方へ向けた一般的な情報提供を目的としており、医学的な診断や法的なアドバイスに代わるものではありません。心身の不調や深刻なトラブルがある場合は、必ず医療機関や法律の専門家にご相談ください。

ご不安な気持ちが強い時や、文章を読むのがお辛い時は、無理をせず私たちにお声がけください。

精神科の専門スタッフが、あなたの状況に合わせてお話をお伺いします。まずはお気軽にご相談ください。

大阪市、寝屋川市、守口市、
門真市、大東市、枚方市全域対象

“精神科に特化”した
訪問看護ステーション
「くるみ」

06-6105-1756 06-6105-1756

平日・土曜・祝日 9:00〜18:00 
【日曜・お盆・年末年始休み】

※訪問は20時まで
対応させていただいております。

 

職場で「すぐキレる人」が間欠性爆発性障害かもしれない

職場に多い間欠性爆発性障害の特徴

職場で間欠性爆発性障害の症状が現れる場合、周囲から見ると「なぜそこまで怒るのか全く理解できない」という場面が多々発生します。例えば、提出書類の小さな誤字脱字や、スケジュールのわずかな変更といった些細な出来事に対して、過剰に怒鳴り声を上げたり、物に当たったり、会議中に突然激昂して場を凍りつかせたりするといった職場特有の現れ方をします。

重要な特徴は、その人が「常に怒っているわけではない」ということです。普段はごく普通に業務をこなし、愛想が良いことすらあるのに、ある瞬間に突然スイッチが入り、状況に全く不釣り合いなほどの激しい怒りを爆発させます。そして多くの場合、嵐のような怒りが過ぎ去った後には、何事もなかったかのように振る舞ったり、あるいは本人自身が激しく後悔したりする様子が見られます。

なぜ職場でも爆発するのか

間欠性爆発性障害による怒りの発作は、脳内で感情にブレーキをかける機能がうまく働かないことなどが関係していると考えられています。本来、こうした症状は家庭のような安心できる場所で抑えきれずに爆発してしまうケースが多いのですが、それが職場でも起こってしまうのには理由があります。

職場という環境は、常に業績へのプレッシャーや厳しい締め切り、そして複雑な人間関係による摩擦が存在し、日々のストレスが非常に蓄積しやすい場所です。この過度なストレスや慢性的な疲労が脳の余力を奪い、感情をコントロールするためのダムをいとも簡単に決壊させてしまうのです。そのため、普段は外向けの顔を取り繕っていても、限界を超えた瞬間に、職場であっても衝動的な爆発を引き起こしてしまうケースが少なくありません。

関連記事:間欠性爆発性障害とは?症状・原因・治療法を徹底解説

職場での爆発に遭遇したときの対応

いざ職場で激しい怒りの爆発に遭遇してしまったとき、どのように動くべきかを知っておくことはご自身を守る上で非常に重要です。まず何よりも大切なのは、その場で反論したり相手をなだめようとしたりしないことです。怒りのピークにある人間の脳は極度の興奮状態にあり、どのような正論や優しい言葉を投げかけても一切届きません。相手の感情の渦に巻き込まれないよう、まずは物理的に距離を置くことが最優先の行動となります。自分の席を立ってトイレに向かったり、少しの間別室に移動したりして、相手の視界から外れるようにしてください。

もしその場に他の同僚や後輩、部下などがいる場合は、あなた自身だけでなく、その人たちの安全を確保することを優先して一緒に行動を促します。相手の激昂に対して恐怖を感じるかもしれませんが、冷静なトーンを保ちながら「今は落ち着いてお話しできる状態ではないようですので、少し時間を置いてから改めて確認させていただきます」とだけ短く伝え、その場を離れてみてください。

爆発している最中は、どれだけ理引なことを言われても感情的にならず、業務上の必要最低限の対応にとどめることが被害を最小限に抑える秘訣です。とはいえ、パニックになってしまい、もしうまく距離が取れなかった日があっても、決してご自分を責める必要はありません。まずはご自身の心を守るために、できることから少しずつ試していくだけで十分です。

関連記事:間欠性爆発性障害の治し方|本人・家族ができることと専門的な治療法

関連記事:間欠性爆発性障害の接し方|爆発中・落ち着いた後・受診を促す方法を解説

やってはいけない対応

職場で怒りをぶつけられた際、反射的にやってしまいがちな行動の中には、事態をさらに悪化させてしまう危険な対応があります。相手の理不尽な言い分に対して、自分も感情的になって言い返してしまうことは絶対に避けてください。売り言葉に買い言葉で応戦すると、相手の衝動的な怒りはさらにエスカレートし、取り返しのつかない暴言や暴力といったトラブルに発展するリスクが高まります。

一方で、「相手は病気なのかもしれないから仕方ない」「自分が我慢すれば丸く収まる」と、黙ってひたすら耐え続けることも非常に危険です。理不尽な怒りにさらされ続けることは、あなた自身の心を確実に削り取ります。次第に職場へ行くことが怖くなり、適応障害やうつ病など、あなた自身の心身が壊れてしまう危険性があります。どうか、一人で我慢しなくて大丈夫だということを忘れないでください。

また、恐怖や理不尽さを一人で抱え込み、誰にも相談しないことは、状況の悪化を招く最大の要因です。密室化した関係の中でトラブルが深刻化する前に、周囲を巻き込む必要があります。ただし、その辛さを個人的なSNSに書き込んだり、社外の不特定多数に向けて発信したりすることは、名誉毀損や社内規定違反などの新たな問題を惹き起こし、状況を極めて複雑にしてしまうため決して行ってはいけません。

立場別の対応方法

部下・同僚として接する場合

すぐキレる上司や同僚と同じ部署で働く場合、日々のコミュニケーションにおいて工夫が必要です。業務の指示や連絡事項は、口頭だけで済ませず、必ずメールやチャットなど記録に残る形で行うようにしてください。言った・言わないのトラブルを防ぎ、後から事実関係を客観的に確認できるようにするためです。

また、相手の感情的な波に巻き込まれないよう、業務外の個人的な関係に深く踏み込みすぎないことも大切です。そして、もしご自身が「もうこれ以上は耐えられない」と限界を感じたなら、絶対に一人で抱え込まず、他の上司や人事部門、あるいは社内の産業医に相談してください。一度誰かに話しただけでも、心がふっと軽くなり、状況が変わる大きなきっかけになります。

上司・管理職として対応する場合

部下が突然キレて周囲に迷惑をかけている場合、管理職としての対応が問われます。まずは個別の面談の場を設けますが、ここで「なぜあんな態度をとるんだ」と頭ごなしに責め立ててはいけません。「最近とてもイライラしているようだけれど、体調はどうかな」「業務の負担が大きすぎないだろうか」と、体調や環境を気遣うスタンスで話を聞き出すことが重要です。

必要に応じて業務量を調整したり、期限に余裕を持たせたりする配慮を行うとともに、メンタルヘルスの観点から産業医への相談を促します。そして最も大切なのは、一人の管理職が単独で抱え込まず、人事部門や経営層と情報を共有し、組織全体として対応する体制を作ることです。管理職であるあなた自身も、組織を守るために決して一人で抱え込まず、他の部門と連携してご自身の負担を減らしてくださいね。

人事・総務として対応する場合

人事や総務部門としては、職場環境の健全性を保つ責任があります。すぐキレる社員の言動が周囲に悪影響を及ぼしている場合、まずはハラスメント対応の観点から事実関係を丁寧にヒアリングし、客観的な記録を残す必要があります。

その上で産業医と密に連携し、医療的なサポートが必要な状態かどうかの見極めを依頼します。同時に、就業規則に基づく対応方針を検討することも求められます。怒りをコントロールできない当事者への適切な支援・誘導を行うことと、被害に遭っている周囲の従業員へのフォローアップを並行して進めることが、組織を守る上で不可欠です。

パワハラに発展している場合

間欠性爆発性障害の影響で感情のコントロールが効かなくなっているとはいえ、職場で周囲に対して大声で怒鳴りつけたり、暴言を吐いたり、威圧的な態度で机を叩いたりする行為は、決して許されるものではありません。このような言動が業務の適正な範囲を超え、相手に精神的・身体的な苦痛を与えたり、就業環境を害したりしている場合、それは立派なパワーハラスメントに該当する可能性があります。

もしあなたがそのような被害に遭っているなら、後々の対応のために客観的な記録を残すことが極めて重要になります。いつ、どこで、誰に、どのような状況で、具体的にどんな言葉を言われたのかを、メモやノートに書き留めてください。可能であれば、スマートフォンやボイスレコーダーを使って実際の音声を録音しておくことも、事実を証明する強力な材料となります。ただし、辛いときはメモをすること自体が心への大きな負担になることもあります。決して無理はせず、ご自身のできる範囲の記録で大丈夫です。

集めた記録をもとに、まずは社内のハラスメント相談窓口や人事部門へ相談してください。社内で解決することが難しい、あるいは相談しても適切に動いてくれない場合は、各都道府県の労働局に設置されている総合労働相談コーナーといった公的な窓口を利用する選択肢があります。さらに状況が深刻な場合には、法律の専門家である弁護士へ相談することも視野に入れてみてください。

本人に気づきを促す・受診につなげる

怒りの爆発を繰り返す本人が適切な医療につながることは、ご本人にとっても周囲にとっても根本的な解決の第一歩となります。しかし、職場の人間が直接「あなたは間欠性爆発性障害という病気かもしれないから、精神科に行ってください」と伝えるのは避けるべきです。本人は強く反発し、かえって関係がこじれて受診を拒絶する事態になりかねません。

このような場合は、社内の産業医や、企業が導入しているEAP(従業員支援プログラム)などの専門的な窓口へ自然に誘導することが有効なアプローチとなります。管理職や人事担当者が面談の機会を設け、「最近、顔色が優れないようだし、疲労が溜まっているようでとても心配している。一度、会社の産業医と面談して体調について相談してみないか」と、あくまで本人の健康を気遣う寄り添い方で受診を勧めるのが望ましい形です。また、ご本人の同意を得た上で、ご家族に職場の状況を伝え、ご家族から受診を促してもらう連携が有効なケースもあります。

それでも本人が外出しようとしない、あるいは精神科のクリニックに足を運ぶこと自体を極度に拒否する場合には、精神科訪問看護という選択肢を活用することができます。これは、看護師などの専門スタッフがご自宅に訪問し、リラックスできる環境で面談や体調確認を行いながら、ゆっくりと医療につなげていく制度です。

「こんなことで相談するほどでは…」という遠慮は一切いりません。ご家族からのご相談でも大丈夫ですし、どんなご相談にも専門スタッフが優しく寄り添います。困ったときは、まず「話してみる」ことから始めてみませんか。私たち「くるみ」のような訪問看護ステーションは、ご本人や周囲の方々が安心できる日常を取り戻すためのサポートを行っています。

関連記事:間欠性爆発性障害のチェックリスト|セルフチェックと他の疾患との見分け方

まとめ

職場で理不尽に激昂し、すぐキレる人がいる環境は、周囲の人間から安心と仕事への意欲を奪い去ってしまいます。しかし、間欠性爆発性障害の可能性がある人への対応は、決してあなた一人が我慢して耐え忍んだり、個人の力だけで解決しようとしたりするべき問題ではありません。すぐキレる人への対応は個人の問題ではなく、組織として取り組むべき課題なのです。

あなたが笑顔で働くこと、そして何よりご自身の心身を守ることが何よりも大切です。怒りの爆発に直面したときは、まず物理的に距離を置いて自分の身の安全を確保し、その後は上司や人事、産業医、そして必要に応じて社外の専門機関をしっかりと頼ってください。

誰かに相談することは、決して弱さではありません。自分と周りを守るための、立派な「強さ」です。その勇気ある選択を、私たちは全力で応援します。

精神科訪問看護ステーション「くるみ」は、ご本人が心穏やかに働き続けられるための支援はもちろんのこと、ご家族や周囲の方々がどのように対応し、専門的な治療へつなげていけばよいかというお悩みにも寄り添います。理不尽な怒りの被害を一人で抱え込み、ご自身の心が壊れてしまう前に、どうぞお気軽に私たちへご相談ください。組織と専門家の力を合わせて、誰もが安心して働ける環境を取り戻していきましょう。

参照:DSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版)

ひとりで抱え込まないでください。私たちがそっと寄り添います。

ご家族やご本人だけで抱え続けることの苦しさを、私たちは知っています。

「少し話を聞いてほしい」だけでも大丈夫です。まずはお気軽にご相談ください。

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この記事を監修した人

中野誠子

株式会社Make Care 代表取締役社長

中野 誠子

看護師 / (元)重症心身障害児者認定看護師

精神科病棟勤務・看護学校教員として経験を積み、「こころに寄り添う看護」を志す。石森・濱𦚰とともに株式会社Make Careを創業。現在は訪問看護ステーションくるみの代表として現場に立ちつつ、メディアにも積極的に登場し、地域精神医療の啓蒙とアップデートに挑む。

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