大阪市全域を訪問区域とする『訪問看護ステーションくるみ』の代表、中野誠子が綴る『社長エッセイ』第16弾!
みなさんこんにちは。中野です。
あっという間に1年が終わりました。
2023年、私は全速力で走り抜けました。
今まで限界という言葉を使っていましたが、今までの限界は限界ではなかったのではないかと思うほど、何回も限界を感じました。
こうして振り返ってみると、自分の限界を決めているのは自分なんだな、と改めて感じます。
さて今回から新しいテーマでエッセイを書かせていただきます。
『訪問看護ステーションくるみ一周年を迎えて』
濱脇のほうでは既にはじまっているテーマですが、今回から私も合流します。
今までは濱脇とまったく同じタイトルに沿って書いてきたのですが、今回から大枠は同じ、タイトルがそれぞれ違ってくるのではないかと思います。
へーと思いながら読んでいただけますと幸いです。
まずは、一周年を迎えて書きたかったこと、私だから伝えられることを書いていきたいなと思います。
このエッセイをはじめてから何度も書いてきましたが、私は約8年間、看護学校で専任教員として看護学生に看護を伝えてきました。
なので、一旦臨床からは離脱しています。
今まで現場で働いてきた自分が、看護を教えるという立場に立ったときにまず感じたこと、それは自分の知識の「危うさ」でした。
学生に伝えるには「根拠」が必要です。
その「根拠」を伝えるカタチにするために、自分の看護を振り返ってみたのですが、そこには恐ろしいくらいに「経験」で動いている自分がいました。
そんな私だったにもかかわらず、学生さんには「根拠は?」と、恐ろしい顔で言っていたのでしょう。
学生さんの表情は曇っていましたから。
そのときの自分は、根拠をもって看護をしていると思っていました。
しかし自分の行動一つひとつを振り返ってみると「あれ?」と思うことがあり、そこから始まったのが「学び直し」です。
その「学び直し」では、どれほど自分が思い込みやあやふやな知識・経験則でものを見て、業務を行っていたかに気づかされ、傷つきました。
「何してたん?自分」と。
なのでたくさん本を読みました。
理論から概論、看護に関わる本をたくさん買いました。
そこからわかったことは、やっていたことは間違っていなかった、でも一度立ち止まって振り返り、学び直しをしないと看護は考えられない、ということ。
そのことに気づけたのは、学生との関わりがあったからだと思います。
学生さんは自分で学習をし、「なぜ? どうして?」と思ったことをたくさん質問してこられます。
その質問に答えられないことがあり、そのときに自分の「危うさ」が見えてきました。
私は器用ではないので、学生さんには正直に「私もわからない」と伝え、一緒に学ぶことで教員として成長してきました。
この機会は本当にありがたかったし、自分の転機だと思っています。
教員になりたてのとき、学生さんからの「先生、なんでそんなことするの?」という純粋な質問が怖かったことを今でも忘れられません。
そんな経験をした私は教育を「共育」だと感じるようになりました。
学生を信じて、一緒に考えて、一緒に育つことの大切さを知り、この考え方は今の看護にも大きく影響しています。
教員としてさまざまな経験をさせていただき、再び看護師として看護をする立場に戻ってきたのですが、訪問看護師になった当初はやっぱり自分の看護に不安を感じていました。
うまくいかないこともありますし、悔しい思いもします。
でも、嫌な気持ちにはなりません。
それはどうしてかと考えたとき、看護学校で徹底的に自分と向き合うことができたおかげで、考え方が少し柔軟になってきているからではないかと感じています。
また、以前はできなかった「人を信じること」と「成長を見守ること」もできるようになってきている気がします。
それができるようになったからこそ、利用者さんと一緒に悩み考え、そして利用者さんの力を信じることの大切さがわかり、看護が提供できているのだと感じています。
人生100年時代。
今看護師になりたい人、看護師として働いてる人、働きながら辞めたいと思っている人みなさんに言いたいことは、まず自分と向き合ってほしいということです。
徹底的に自分の嫌なところ、弱いところと向き合ってみてください。
そうすると「本当に自分のしたいこと」が見えてきます。
自分の想いに蓋をして後悔しても後の祭りです。
自分がやりたいことに挑戦をしてみましょう。
もちろんうまくいかないことだってあると思います。
でもそのときに頑張れる軸になるのは自分の気持ちです。
「自分は本当はどうしたいのか」
うまくいくとかいかないとかで考えない。
やりたいことをやっていく、勇気を持ちましょう。
一歩を踏み出すのは自分しかできません。
踏み出したら後は周りに頼りながら時間がかかってもいい夢に進んでいきましょう。
一度臨床から離れたからわかる自分の想い、看護の難しさと楽しさを今感じています。
その環境が整っているところで働きながら、看護師としてのキャリアを育てていきましょう。
自分の人生の主人公は自分です。
楽しんだもんがち。
スタッフも利用者さんも、そしてくるみに関わってくださったみなさんも、楽しい毎日が送れるように、今までの自分が学んだことを全部活かしながら頑張っていきたいと思います。
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