家族の誰かがアルコール依存症になった場合、家庭内にはさまざまな問題が生じます。
アルコール依存症の方における問題を乗り越えるには、本人だけでなく家族も病気について理解することが大切です。
この記事では、アルコール依存症の症状や家族への影響などを解説します。
アルコール依存症患者に対する家族への接し方や対処法、相談する窓口についてもまとめていますので、ぜひ最後までお読みください。
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アルコール依存症とは
アルコール依存症とは、飲酒をやめたいと思ってもコントロールが効かなくなる精神疾患です。飲酒が日常生活に深刻な影響を及ぼすようになり、身体的な健康障害だけでなく、社会的な生活や人間関係にも問題を引き起こします。早期に治療へつなげることが重要です。
アルコール依存症の症状と家族への影響
家族のうち誰かがアルコール依存症になると、本人だけでなく家庭全体に影響が出ることがあります。
この章では、アルコール依存症の症状と家族への影響を詳しく見ていきましょう。
飲酒をコントロールできなくなる
アルコール依存症の代表的な症状は「飲酒の欲求がコントロールできなくなること」です。
飲み過ぎだと理解していても自制できず、アルコールを摂取しなければ気が済まなくなってしまいます。
場所や時間に関係なく飲酒するため、家族や他人に迷惑をかけてしまう方も珍しくありません。
禁酒すると離脱症状が出現する
アルコール依存症で深刻なのが、禁酒した際の「離脱症状」です。
アルコールが体内から切れてくると、以下のような症状が出現します。
・不眠
・頭痛
・発汗
・手の震え
・けいれん
・血圧上昇
・幻覚症状 など
上記のような身体症状に加え、いらいらや不安を覚える場合もあり、落ち着かせるためにまた飲酒してしまう方もいます。
言動が攻撃的になる
アルコール依存症になると、家族や周りの人に暴力をふるってしまうケースもあります。
言葉の暴力や身体的な暴力だけでなく、経済的な暴力、性的な暴力が見られる場合もあるため注意が必要です。
アルコールによる暴力は、DVや児童虐待など家庭崩壊の原因になってしまうため、早めに対処しなければいけません。
アルコール依存症の家族への影響
依存症は本人だけでなく、家族にも大きな影響を与えます。経済面や精神面での負担が積み重なり、家族全体が疲弊してしまうケースも少なくありません。
経済的な負担
アルコール購入費用が家計を圧迫し、食費や教育費といった必要な支出に回せなくなるケースが多く見られます。さらに飲酒による体調不良で欠勤や失職につながれば収入減にも直結し、医療費の増加とも重なります。家計の悪化は生活水準を下げるだけでなく、家族の将来設計にも深刻な影響を及ぼすことがあります。
精神的な負担
飲酒に伴う暴言や攻撃的な言動に日常的にさらされることで、家族は強いストレスや不安を抱えます。特に配偶者や子どもは精神的に追い詰められ、うつ症状や適応障害を発症する場合もあります。また「周囲に知られたくない」という思いから孤立しやすく、相談できないまま悩みを抱え込むことが、さらに精神的な重荷となってしまいます。
アルコール依存症の末期症状
アルコール依存症が進行すると、飲酒以外のことが考えられなくなり、日常生活に支障をきたすおそれがあります。
仕事に行けず収入がなくなり、家庭に大きな影響が出る場合も。
中には、食事よりも飲酒を優先して体調を崩してしまう方もいるため、症状が深刻になる前に治療することが大切です。
アルコール依存症患者に対する家族の接し方
アルコール依存症を改善するには、本人の努力だけでなく、家族の理解や関わり方に対する工夫が必要です。
この章では、アルコール依存症の方に対する家族の接し方を見ていきましょう。
病気に対して干渉しすぎない
アルコール依存症は、他人から指摘されると症状が悪化する場合があるため、干渉しすぎないように注意が必要です。
本人も症状に苦しんでいる場合、飲酒を責めたり行動を監視したりすることは逆効果につながるおそれがあります。
本人のつらさを理解しながらも、一定の距離感を保つよう意識しましょう。
飲酒による失敗に手を出さない
飲酒による失敗を家族が手助けしてしまうと、本人は飲酒が問題になっていることを自覚できなくなります。
本人が起こした問題は自分で責任を取らせ、家族が肩代わりしないよう注意しましょう。
アルコール依存症患者に対する避けるべき行動
家族の善意や焦りからの行動が、結果的に依存を悪化させる場合があります。ここでは避けるべき具体的な対応を整理します。
すべてお世話をする
食事や金銭管理、身の回りのことをすべて家族が引き受けると、本人が自分の生活に責任を持たなくなり依存が強まります。過剰な支援は「飲んでも何とかなる」という誤った安心感を与え、自立を妨げます。できることは本人に任せ、必要な部分だけをサポートする姿勢が大切です。
脅し
「飲んだら離婚する」「出て行け」といった脅しは一時的に飲酒を抑えるように見えても、恐怖や孤立感を強め逆効果となります。本人が萎縮すれば問題を隠すようになり、治療や相談につながりにくくなります。責めるのではなく、冷静に病気として向き合う姿勢が必要です。
家族内で解決しようとする
依存症を「家族だけで解決しよう」と抱え込むのは非常に危険です。専門的治療や支援が不可欠であり、家族だけで向き合えば心身ともに疲弊し関係が悪化します。無理をせず医療機関や家族会、相談窓口を活用することで、適切な治療と支援につながり、家族自身も守られるのです。
家族がアルコール依存症になったときの対処法
家族が病気を正しく理解し、外部支援を取り入れることで回復の道筋が見えてきます。学びと相談を重ねることが第一歩です。
アルコール依存症について学ぶ
アルコール依存症は意思の弱さではなく脳の病気であると理解することが大切です。正しい知識を得ることで感情的な対応を避け、冷静に支援できるようになります。書籍や公的機関の情報を活用し、家族自身の心の負担を軽減する効果もあります。
アルコール依存症の「家族会」へ参加する
家族会は、同じ悩みを抱える人たちとつながり、経験や知識を共有できる場です。孤独感を和らげるだけでなく、実際に役立つ対処法を学べるのが大きな利点です。支援者や専門家からのアドバイスも得られるため、家族が抱えるストレスを軽減する大きな支えになります。
病院への受診
専門医の診察と治療は回復に欠かせません。精神科や依存症専門外来を早めに受診することで、本人の状態を正しく把握できます。家族も一緒に治療方針を理解し、協力する姿勢を持つことが重要です。外来や入院治療を組み合わせることで、回復の可能性は大きく高まります。
家族のアルコール依存症の相談窓口
アルコール依存症は精神科などの医療機関や保健所、精神保健福祉センターなどで相談可能です。
精神科医や保健師などの専門家からアドバイスを受けることで、対処法や問題の解決方法をスムーズに理解できるでしょう。
相談窓口となる機関で家族会を開催していることもあります。
また、訪問看護ステーションの利用も選択肢の1つです。
自宅でケアやサポートを受けられるため、ほかの相談窓口よりも個別性の高いケアやアドバイスを受けられます。
本人はもちろん、家族もケアを受けられる点が特徴です。
じっくり相談したい方は、訪問看護の利用も検討してみましょう。
アルコール依存症は家族で協力して乗り越えよう
アルコール依存症は本人だけでなく、家族もつらい思いをする場合があります。
改善するには本人の努力も必要ですが、家族で協力して問題解決に取り組むことが大切です。
アルコール依存症の方への接し方や対処法に悩んでいる方は、ぜひ一度『訪問看護ステーションくるみ』へご相談ください。
利用者さま、一人ひとりに合わせたケアやサポートを提供いたします。
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