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a型事業所はやめとけ?理由や対策・メリットを徹底解説

2025.08.17 精神科訪問看護とは

a型事業所 やめとけ

a型事業所は、障害がある方でも雇用契約を結んで働ける福祉サービスです。一方で、インターネットなどでは「やめとけ」「おかしい」といった声も見かけます。実際に悪質な運営事例や自分に合わない環境が原因のトラブルもあり、慎重に検討すべき場面があるのは事実です。この記事では、a型事業所がやめとけと言われる理由やメリット、選び方などを詳しく紹介します。

a型事業所がやめとけと言われる理由

a型事業所がやめとけと言われる理由

a型事業所は就労継続支援A型とも呼ばれ、法的に最低賃金以上の給料が保証される仕組みが特徴です。実際、支援が整っている良質な事業所も存在しますが、中には悪質な経営や相性の問題などが原因で「やめとけ」と言われるケースがあります。ここからは具体的な理由を整理していきます。

悪質な運営体制

一部のa型事業所では助成金を主目的として開業し、利用者に十分なサポートを提供しない事例が見られます。作業内容が実態に合っていないにもかかわらず、書類上だけで「雇用契約」を成立させているケースも報告されています。さらに、経営がうまくいかなくなると利用者を大量解雇する事態に至ることもあるため、結果的に「やめとけ」という評判が広まりやすいです。

こうしたトラブルは、事業所が自治体からの厳しい監査を受けるなどして判明するケースもあります。しかし利用者にとっては、就労の場を突然失うダメージが大きい点が深刻です。事業所の信用度を見極めるためにも、自治体が公表している経営スコアや実績データをチェックしておくとリスクを減らせます。

支援員や利用者との相性

a型事業所では支援員が利用者をフォローしてくれますが、スタッフとの相性が合わない場合は大きなストレスになることがあります。たとえば、利用者の障害特性を理解せずに一方的な指示ばかり出すスタッフや、逆に放置して十分に関わらないケースも考えられます。すると「思っていた支援と違う」と感じて退所する流れになりやすいです。

さらに、利用者同士の相性問題も見過ごせません。複数人で作業を行う環境では、コミュニケーションが苦手な方や特定の刺激に敏感な方が衝突を起こす例があります。事業所の規模や雰囲気、在籍する利用者の傾向などを事前に把握しておかないと、やめとけと言われる要因の一つになりやすいでしょう。

仕事内容が単調・適性が合わない

a型事業所では比較的シンプルな軽作業や清掃、農作業、事務補助などが中心となることが多いです。ただし、本人の得意分野や興味とはかけ離れた仕事ばかりだとやりがいを感じられず、退所する人が増える原因になる場合があります。特に「一般就労に近い形態で働ける」と期待していた人が、想像と違う単純作業ばかりだと不満を抱きやすいです。

また、仕事の進め方に対して細かいマニュアルがなく、指導も不十分なまま放り出されるケースも考えられます。通所者が混乱やストレスを抱えやすい環境では、いくら賃金が支給されてもモチベーションが続きません。結果として「やめとけ」と噂が広まりがちです。

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a型事業所で起こりやすい問題

a型事業所に通う中で、具体的にどのような問題が発生しやすいのでしょうか。人間関係のトラブルや収入面での不安、事業所の経営リスクなど、いくつか共通する課題があります。これらの点を事前に把握しておくことで、自分に合った事業所を探すヒントに繋げられるはずです。

人間関係やコミュニケーションの摩擦

障害福祉サービスを利用する場には、さまざまな障害特性を持つ人が集まります。特に発達障害や精神障害を抱えている方は対人コミュニケーションが苦手な場合もあり、何気ない会話で誤解が生じたり、小さな意見の食い違いから大きなトラブルに発展したりします。

支援員が上手に調整し、利用者同士の感情面のケアを行えば問題は軽減できますが、事業所によってはスタッフの人数不足でフォローが手薄になるケースがあります。人間関係に疲れてしまい、「やめとけ」と感じて離れる利用者が出ることも否定できません。事業所を選ぶ際には、コミュニケーションのサポート体制を確認するのが大切です。

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給料や労働条件のギャップ

a型事業所は最低賃金が保障されるのが特徴ですが、通所時間や出勤日数が限られていると、実際の月収はあまり高くならないことがあります。週5日フルタイムで働くのが前提の事業所もあれば、短時間勤務を認めているところもあるため、その違いで収入に大きな差が生じるわけです。

また、事業所によっては残業が発生しない方針だったり、社会保険の加入条件が曖昧だったりすることもあります。結果として、想定していたよりも収入が低く「これでは生活できない」と感じる人が少なくありません。給料面のギャップに落胆して「やめとけ」と言う声が出るのは、このような背景があるでしょう。

経営リスクによる突然の閉鎖

過去には、経営不振に陥ったa型事業所が急に閉鎖され、在籍していた利用者が大量解雇される事件が社会問題となりました。こうした急変は利用者に大きな不安とダメージを与え、a型事業所全体へのイメージダウンにも繋がっています。自治体が管理や監督を強化しつつありますが、依然として経営リスクはゼロではありません。

事業所の運営状況や安定性は、利用者が簡単に把握しづらいのが現実です。とはいえ、近年は自治体が経営スコアなどのデータを公開する取り組みも進めているため、気になる事業所があれば情報を収集して参考にするとよいでしょう。安定して働きたい方は、運営母体の規模や実績をチェックすることが大事です。

それでもa型事業所を利用するメリット

それでもa型事業所を利用するメリット

「やめとけ」という意見は確かに存在しますが、a型事業所を活用することで得られるメリットもあります。特に障害を抱える方が安定した雇用形態で仕事を経験できる意義は大きく、適切な事業所を選びさえすれば前向きに働き続けるチャンスが広がるでしょう。ここではメリットを確認します。

最低賃金以上の収入が保証される

就労継続支援A型は、雇用契約による就労であるため、地域の最低賃金以上の時給が支給されます。B型事業所などでは工賃として少額しか支払われないケースもあるなか、a型事業所なら働いた分が一定の収入となる点は大きな魅力です。

実際、給与収入は生活費の一部を賄うだけでなく、働く意欲の源にもなり得ます。作業を続けるモチベーションが高まりやすく、自立へのステップアップにもつながるかもしれません。もちろん事業所によって労働時間の設定が異なるため、希望する就労スタイルに合うところを探すことが重要です。

スタッフや周囲の理解が得られやすい

一般就労では、障害特性や体調不良をうまく配慮してもらえないまま働くケースがあるかもしれません。しかしa型事業所であれば、支援員が利用者の障害特性を理解しており、勤務時間や業務量を調整しながら働きやすい環境を作りやすいです。

また、仲間や先輩利用者との情報交換を通じて「自分だけが困っているわけではない」と実感する場面も増えるでしょう。社会参加が難しいと感じている人にとって、こうしたサポート体制は大きな安心材料となります。自分なりのペースを保ちつつ職業経験を積み重ねられる意義は見逃せません。

一般就労へのステップアップ

a型事業所を経て一般企業に就職する人も少なくありません。職歴にブランクがあった方や、障害を理由に就職活動で苦戦してきた方が、まずはA型で実務や社会生活のリズムを整え、その後に転職を目指す流れがよく見られます。

支援員による就職相談や外部企業との連携研修などを実施している事業所もあり、意欲のある人にはスキルアップや資格取得をサポートする体制が整っている場合もあります。環境が合えば、長期的に見て一般就労への道が開ける可能性が高くなるでしょう。

a型事業所に向いている人・向かない人

a型事業所はやめとけといわれる一方で、多くの利用者が実際に仕事を継続し、社会参加を実現しているのも事実です。最終的には個々の障害特性やライフスタイル、将来の目標に応じて向き・不向きが分かれます。ここでは、どのような人がa型事業所をうまく活用できるのか、また逆に向かない場合があるかを整理します。

向いている人

・一般企業でのフルタイム勤務が難しいが、雇用契約で働きたい人
・定期的な収入を確保しつつ、体調に合わせた配慮を得たい人
・対人サポートがないと業務継続が厳しいと感じる人
・将来的に一般就労へ移行するステップアップを目指したい人
・自分のスキルや障害特性に合った作業を選べる環境を求めている人

こうした条件に当てはまる方は、a型事業所でスタッフの手厚いサポートや安定した収入を得ながら、自信と経験を積むことで生活基盤を整えやすくなるでしょう。

向かない人

・自分で作業内容を見つけて自主的に動くほうが得意な人
・短時間の通所や不定期な通所しかできないが、固定的なシフトが苦手な人
・最低賃金以上の収入だけでは満足できず、より高い給料を最初から期待している人
・人間関係の調整を積極的にしたくない、あるいは大人数の場が合わない人
・段階的なスキルアップよりも、いきなり高いレベルの業務を希望する人

もし上記のような志向や状況が強い場合、a型事業所よりも就労継続支援B型や在宅ワーク、あるいは別の方法で働くほうが向いているかもしれません。a型で失敗するとモチベーションを削がれ、再チャレンジの意欲が低下する恐れもあるため、自分の特性や希望をよく見極めることが大切です。

a型事業所を選ぶ際の注意点

a型事業所を選ぶ際の注意点

メリットがある一方で、「やめとけ」と言われがちな側面も存在するa型事業所。トラブル回避や自分に合った環境を見つけるためには、事前の情報収集や見学が欠かせません。ここでは選び方を誤らないためのポイントを再度押さえましょう。

経営状況や評判を調べる

最初にチェックしたいのが、事業所の経営状況や運営体制です。自治体が公開する情報や、地域の支援団体がまとめたデータなどを参照し、過去に急な閉鎖事例がなかったか、指導や監査の履歴はどうだったかを確認すると安心です。

また、口コミサイトやSNSで利用者や元利用者の声を探すのも一案ですが、偏った意見だけをうのみにするのは危険です。複数の情報源を照らし合わせ、総合的に判断する姿勢が求められます。もし疑問点があれば、直接事業所に問い合わせて説明を求めるのも有効な手段です。

見学や体験利用で雰囲気を確かめる

実際に事業所を見学したり、体験利用できるプログラムを活用することで、スタッフの対応や利用者の作業環境を自分の目で確かめられます。部品の組み立てや袋詰めなどの軽作業に興味があるか、コミュニケーションの雰囲気はどうかなど、現地でしか分からない情報が得られるはずです。

スタッフが丁寧に仕事内容を説明してくれるか、利用者同士のやりとりに支援員が適切に入っているかもチェックポイントとなります。気になる点があれば率直に質問し、納得できる答えを得られたら契約を検討する流れがベストです。

自分の目標や特性に合っているか

a型事業所の仕事は軽作業だけでなく、農作業や接客関連、事務作業など多岐にわたります。しかし、すべての事業所が多彩な仕事を扱っているわけではありません。もし自分が事務スキルを伸ばしたいのであれば、事務作業を行っている事業所を優先して探す必要があります。

さらに、自分の障害特性や体調を踏まえた上で「週何日通えるか」「通所時間をどのくらいに設定するか」も考慮することが大切です。事業所によっては、フルタイム勤務を前提とするところもあれば、短時間勤務を受け入れているところも存在します。目的やライフスタイルに合わない場所を選ぶと「やめとけ」の声を実感する結果になりかねません。

まとめ

a型事業所がやめとけと言われる理由には、悪質な運営や相性の合わない環境、単調な仕事内容などが挙げられます。一方で最低賃金以上の賃金が保証され、支援員のフォローのもとで安定的に働けるメリットも大きいです。自分に合った事業所を見極めるには、経営状況や評判の調査、見学や体験利用が欠かせません。

a型事業所に関する悩みや、日常生活でのサポートが必要な方は訪問看護を利用してみるのも一案です。相談を大切にしていただき、ぜひ「訪問看護ステーションくるみ」へご相談ください。

この記事を監修した人

石飛美春

株式会社Make Care Webクリエイター

石飛 美春

看護師 / Webクリエイター

看護師として臨床を経験後、一度Web業界に転身。ものづくりの楽しさを知る一方で、やはり人と関わる現場に戻りたいという想いから、訪問看護ステーションくるみに入職。現在は訪問業務とあわせて、Web制作の経験を活かし、HPやSNSの更新を担当している。

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