統合失調症の「陰性症状」が出現したために、日常生活で悩みを抱える方は珍しくありません。
陰性症状が見られる場合、過ごし方を工夫することで、社会復帰がスムーズになる可能性があります。
この記事では、統合失調症で陰性症状が強く見られる場合の上手な過ごし方を解説します。
過ごし方に悩んだ場合の相談先も紹介しますので、ぜひご覧ください。
統合失調症の陰性症状とは?
統合失調症における「陰性症状」とは、「あるはずの機能」が失われる症状です。
陰性症状が出現している人は、以下の特徴が見られる場合があります。
・集中力が続かない
・喜怒哀楽が乏しい
・無口や無表情
・人と関わるのを避ける
・部屋から出ようとしない
これらの症状から、仕事や勉強に支障が出たり、他人との意思疎通が難しくなったりして社会生活に適応できなくなる方もいます。
参照:MSDマニュアル/統合失調症
統合失調症で陰性症状が強く出ているときの過ごし方
統合失調症で陰性症状が強く見られる時期は、過ごし方を工夫してみるとよいでしょう。
この章では、陰性症状がつらいときの上手な過ごし方を解説します。
休職や休学してゆっくり生活する
陰性症状に悩む場合は、休学や休職してゆっくりと休む選択肢もあります。
陰性症状により仕事や勉強が手に着かず、他人に迷惑をかけてしまっていると考える方も珍しくありません。
症状が落ち着くまでは、仕事や勉強を休むのも大切な治療の1つです。医師や職場の上司、教師と相談して休みを取ってみましょう。
関連記事:統合失調症の休職選択肢と症状の自己管理:訪問看護の有用性と他の精神疾患との関係
医師とコミュニケーションを取る
陰性症状が強い時期は、通院して医師と積極的にコミュニケーションを取りましょう。
精神療法や薬物療法を通して症状の緩和を図れるほか、人とのコミュニケーションの機会として活用できるでしょう。
リハビリや社会生活スキルトレーニングを受ける
リハビリや社会生活スキルトレーニング(SST)などを受け、社会復帰を目指すのもよいでしょう。
日常生活に必要なスキルやコミュニケーションの練習を行えば、社会生活へ復帰しやすくなります。
病院やデイケアなど、リハビリやトレーニングを受けられる場所に相談し、陰性症状による社会生活への影響を減らしてみましょう。
統合失調症の陰性症状に悩むときの相談先
陰性症状に悩んでいるものの、誰に相談すべきかわからない方もいるでしょう。
この章では、統合失調症で陰性症状に悩む場合の相談先を紹介します。
精神科/心療内科
統合失調症の陰性症状が強く現れた場合、まずは精神科や心療内科を受診しましょう。
どんな陰性症状が出現しているのかを検査し、症状に合わせた薬の処方や精神療法など、さまざまな治療を受けられます。
また、生活の仕方へのアドバイスを受けたり、リハビリなどによる社会復帰のためのサポートを受けたりするのも可能です。
保健所/精神保健福祉センター
地域の保健所や精神保健福祉センターでも、陰性症状との向き合い方や生活方法のアドバイスを受けられます。
保健所や精神保健福祉センターには「保健師」や「心理士」など精神疾患の専門家が在籍しており、統合失調症の症状についての相談が可能です。
また保健所などでは、統合失調症の「家族会」を周知している場合もあります。
家族会は統合失調症に悩む方が参加するグループであり、陰性症状に悩む方と相談し合ったり、症状を克服した方の経験談を聞いたりすることが可能です。
参照:こころの情報サイト/相談しあう・支えあう
訪問看護ステーション
陰性症状が日常生活に強く影響している場合、訪問看護ステーションに相談するのも手段の1つです。
訪問看護では、自宅に看護師が訪問してケアを実施するため、日常生活に寄り添ったサポートやアドバイスを受けられます。
症状の管理や服薬のサポートを受けつつ、普段の過ごし方や悩みについての相談も可能なので、利用を検討してみましょう。
統合失調症の陰性症状に悩むときは過ごし方を工夫しよう
統合失調症の陰性症状に悩む場合は、治療中の過ごし方を工夫してみるとよいでしょう。
症状が強いときは、休職してゆっくり過ごしたり医師や看護師、カウンセラーなどのサポートを受けたりして、じっくりと社会復帰を目指すのが大切です。
症状が強く自分だけではうまく生活できないと感じた場合は、精神科や保健所、訪問看護ステーションなどに相談し、日常生活を送るためのアドバイスや支援を受けてみてください。
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