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うつ病の人が言ってほしい言葉とは?心に寄り添う声かけと接し方

2025.11.07 精神科訪問看護とは

うつ病の人にどう声をかければいいのか悩む方は多くいます。「頑張って」「元気出して」と励ますつもりが、相手にとってはつらい言葉になってしまうこともあります。この記事では、うつ病の人が本当に言ってほしい言葉や避けたい言葉、寄り添い方のポイントを解説します。身近な人を支えるために、まずは「言葉の力」を正しく理解することが大切です。

うつ病の人が言葉を求める理由

うつ病の人にとって、言葉は薬にもなれば、刃にもなります。どんな言葉をかけるかで、心の回復スピードが変わることもあります。ここでは、なぜ言葉がこれほど重要なのかを解説します。

うつ病の人にとって言葉は「支え」でも「負担」にもなる

うつ病の人は、自己否定感や無価値感を抱えています。そんな中でかけられる言葉は、相手の自己評価に直結します。「あなたは大切だよ」「無理しなくていい」という言葉は支えになりますが、「もっと頑張れ」「気の持ちようだよ」は責められているように感じられます。

励ましの意図でも、受け取る側の心が弱っていると、逆の意味に響くことがあります。言葉の重みを理解し、「相手の心の状態に寄り添った声かけ」を意識することが大切です。

沈黙も「優しい言葉」のひとつ

うつ病の人は、話すこと自体が負担になる時期があります。沈黙の時間を恐れず、無理に言葉を探そうとしなくても構いません。そっと隣に座って寄り添うだけでも、相手は「一人じゃない」と感じます。

「何も話さなくてもいいよ」「ここにいるからね」という姿勢が、安心感につながります。沈黙は、心の整理のために必要な時間でもあります。何も言わないことも、最高の思いやりの言葉になり得ます。

共感と理解が「孤独」を和らげる

うつ病の人が最も苦しむのは、「分かってもらえない」という孤独です。「つらかったね」「しんどかったね」という共感の言葉は、相手の心を少しだけ軽くします。アドバイスではなく、気持ちをそのまま受け止める言葉が支えになります。

人は「理解してもらえた」と感じると、自分を責める気持ちがやわらぐものです。大切なのは、「気持ちを否定せず、そのまま認める」姿勢です。

関連記事:うつ病の症状を徹底解説|初期症状から重症まで医師監修

うつ病の人が言ってほしい言葉【具体例】

ここでは、うつ病の人が心から求めている言葉を紹介します。いずれも、安心や信頼、受け入れを伝える言葉です。

「無理しなくていいよ」

うつ病の人は、「頑張らないと」「迷惑をかけてはいけない」と自分を責めています。そんな時に「無理しなくていいよ」と言われると、心が少し軽くなります。この言葉には「あなたのままで大丈夫」というメッセージが込められています。

人は休むことを許されると、心に余裕が生まれます。焦らず休むことを肯定する言葉は、回復を促す大切なサポートになります。

「そばにいるよ」

「そばにいるよ」という言葉は、うつ病の人にとって強い安心を与えます。孤独を感じている人にとって、存在を認められることは何よりの支えです。行動を伴わなくても、気持ちを伝えるだけで十分です。

実際に何をするかより、「離れないよ」という気持ちを伝えることが重要です。この言葉には、「あなたを見捨てない」「大切に思っている」という温かい意味が含まれています。

「つらかったね」「大変だったね」

共感の言葉は、うつ病の人にとって救いの光になります。「つらかったね」という短い言葉でも、「分かってくれている」と感じるだけで心が落ち着きます。相手の気持ちを変えようとせず、「その感情をそのまま受け止める」ことが大切です。判断や意見を挟まず、ただ共感を伝えることで、信頼関係が深まります。共感こそが、最も効果的な支援の第一歩です。

「少しずつでいいよ」

うつ病の回復には時間がかかります。「少しずつでいいよ」という言葉は、焦る気持ちをやわらげ、心に余裕を取り戻させます。うつ病は「頑張りたいのにできない」自分を責める病気です。だからこそ、回復を急かさず、ペースを尊重することが大切です。小さな前進を認め、「ゆっくり進めばいい」と伝えるだけで、相手の希望を取り戻す手助けになります。

「何かできることがあったら言ってね」

うつ病の人は、「迷惑をかけたくない」と助けを求めるのをためらいます。「何かできることがあったら言ってね」と伝えることで、「頼ってもいいんだ」と感じてもらえます。自分の気持ちを尊重してもらえることで、少しずつ信頼関係が築かれます。強要ではなく「選択肢を渡す言葉」であることが、この言葉の優しさです。

関係性別・うつ病の人への言葉と接し方

うつ病の人との関係性によって、適切な言葉や態度は変わります。ここでは恋人・友人・家族それぞれの場合に分けて解説します。

恋人がうつ病のときにかけたい言葉

恋人がうつ病になると、「何とか支えたい」という気持ちが強くなります。しかし無理に励ましたり、解決しようとすると逆効果です。「あなたのペースでいい」「焦らなくていい」という言葉が大切です。

また、「好きだよ」「いてくれてありがとう」といった存在を肯定する言葉も心に響きます。日常の中で、安心できる時間を共有することが信頼につながります。

友人がうつ病のときにかけたい言葉

友人がうつ病のときは、「いつでも話を聞くよ」「返事はいらないけどLINE送ってみたよ」といった軽い言葉が効果的です。深刻になりすぎず、自然なやり取りを心がけましょう。過度な心配よりも「気にかけているよ」という雰囲気が大切です。友情の中で生まれる自然な距離感が、うつ病の人にとっての安心になります。

家族がうつ病のときにかけたい言葉

家族がうつ病の場合、長期的な支えが必要です。「焦らなくていい」「無理に元気にならなくていい」と伝えることで、安心して休む時間を持てます。「あなたがいてくれるだけで嬉しい」「生きていてくれてありがとう」という言葉も、強い支えになります。家族こそ、安心できる居場所を作る存在です。

うつ病の人に言ってはいけない言葉

善意でかけたつもりの言葉が、うつ病の人にとっては心を傷つけることがあります。相手の状態を理解しないままの発言は、知らず知らずのうちにプレッシャーや孤独を強めてしまう場合があります。ここでは、避けるべき言葉とその理由を具体的に説明します。

「頑張れ」は責める言葉に聞こえることがある

「頑張れ」という言葉は、元気な時には励ましになります。しかし、うつ病の人にとっては「もう十分頑張っているのに」「これ以上どう頑張ればいいの?」と自分を責めるきっかけになることがあります。本人は、日常の小さなことにも強い疲労や無力感を感じており、「頑張る」という行為自体が大きな負担になっているのです。

そのため、頑張ることを促す言葉は、意図せず「あなたの努力が足りない」と聞こえてしまうことがあります。代わりに、「無理しないでね」「少し休もうか」など、休息や安心を許す言葉を選ぶことが大切です。相手の頑張りを認め、頑張らなくてもいいというメッセージを伝えましょう。

根性論や比較を含む言葉

「自分だってつらいけど我慢してる」「世の中にはもっと大変な人がいる」という言葉は、相手の痛みを軽く扱ってしまう印象を与えます。うつ病の原因や症状は人それぞれであり、他人と比較することに意味はありません。こうした比較や根性論を押しつける言葉は、「自分の苦しみを理解してもらえない」という孤独感を強めてしまいます。

また、「もっと前向きに考えよう」「気持ちの持ちようだよ」といった発言も、本人の努力不足と誤解されやすく、深い傷を残します。大切なのは、「あなたの感じている苦しみは、あなたにしか分からない」と受け止める姿勢です。相手の気持ちを否定せず、共感の言葉をかけることが信頼関係の第一歩になります。

安易なアドバイスや意見

「外に出たら気分転換になるよ」「趣味を持てば元気になるよ」という言葉は、うつ病を軽く見ているように聞こえることがあります。本人にとって、日常的な行動ですら大きな負担であり、外出や新しい挑戦を求めることはプレッシャーになります。

また、「考えすぎじゃない?」「寝れば忘れるよ」といった助言も、相手の苦しみを理解していない印象を与えます。うつ病は意志や気分の問題ではなく、脳と心のバランスが崩れる病気です。

だからこそ、「どうにかしてあげたい」という思いは大切ですが、まずは「そのままでいい」と受け止めてあげることが支援になります。解決策よりも、「今のあなたを否定しない」言葉こそが回復の力になります。

言葉以外でできるサポート

うつ病の人を支えるには、言葉だけでなく態度や環境づくりも大切です。言葉が出てこない時も、行動や存在そのものが支えになることがあります。ここでは、言葉以外でできるサポート方法を紹介します。

そばにいて見守る

うつ病の人にとって、「誰かがそばにいる」というだけで大きな安心になります。特別なことをする必要はありません。沈黙の中でも寄り添う気持ちを伝えることが大切です。相手が話したい時には耳を傾け、話したくない時は無理に聞き出さない。そのような自然な態度が、心の安全を守ります。

「何もできなくてごめんね」ではなく、「ここにいるよ」と伝えるだけで十分です。人は、理解してもらえる存在がいるだけで、苦しみに立ち向かう力を取り戻せます。行動よりも、そばにいること自体が最大の支援になるのです。

距離感を大切にする

支える側が気をつけたいのは「近づきすぎないこと」です。頻繁に連絡を取ったり、励ましの言葉をかけすぎると、相手にプレッシャーを与えてしまう場合があります。うつ病の人は、「期待に応えられない」と感じることでさらに落ち込むことがあるため、無理に反応を求めないようにしましょう。

「返信はいらないよ」「話したくなったら連絡してね」という一言が、相手に安心感を与えます。支える側が落ち着いた距離感を保つことで、相手は「自分のペースを尊重してもらえている」と感じ、安心して過ごせます。サポートは押しつけず、相手のリズムに合わせて行うことが何より大切です。

専門家への相談を勧める

うつ病の回復には、医師やカウンセラーなど専門家の支援が不可欠な場合があります。身近な人が「一緒に相談してみようか」と提案することで、本人が医療につながる勇気を持てることもあります。ただし、無理に病院へ行かせようとするのは逆効果です。あくまで「あなたが楽になる方法を一緒に考えよう」という姿勢で寄り添いましょう。

専門家につなげることで、支える側の心の負担も軽減されます。自分だけで抱え込まず、地域の支援機関や訪問看護などのサービスを活用することも有効です。サポートは一人で完結させるものではなく、周囲と連携して行うことが大切です。

関連記事:うつ病の支援方法を徹底解説:症状別アプローチと回復に向けた支援の重要性

まとめ

うつ病の人を支える上で最も大切なのは、「励まし」よりも「理解」と「受け入れ」です。相手を変えようとせず、そのままの状態を尊重することが回復への第一歩になります。「頑張って」ではなく「無理しなくていいよ」、「どうしたらいいか」よりも「そばにいるよ」。

そんなシンプルな言葉が、うつ病の人にとっては大きな希望になります。焦らず、相手のペースを尊重しながら関係を築くことが、支援の本質です。優しい言葉は、相手の心を癒すだけでなく、自分自身の優しさにも気づかせてくれる力を持っています。

うつ病や精神的な不調で悩んでいる方は、訪問看護を利用するのも一つの方法です。専門の看護師がご自宅で心身のケアを行い、生活面・服薬・対人関係など幅広くサポートします。大阪市・寝屋川市・守口市・門真市・大東市・枚方市で支援を希望される方は、ぜひ「訪問看護ステーションくるみ」へご相談ください。あなたの気持ちに寄り添い、一緒に解決への道を歩んでいきましょう。

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対応させていただいております。

 

この記事を監修した人

石森寛隆

株式会社 Make Care 代表取締役 CEO

石森 寛隆

Web プロデューサー / Web ディレクター / 起業家

ソフト・オン・デマンドでWeb事業責任者を務めた後、Web制作・アプリ開発会社を起業し10年経営。廃業・自己破産・生活保護を経験し、ザッパラス社長室で事業推進に携わる。その後、中野・濱𦚰とともに精神科訪問看護の事業に参画。2025年7月より株式会社Make CareのCEOとして訪問看護×テクノロジー×マーケティングの挑戦を続けている。

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