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【社長エッセイ】Vol.65 ホスピタリティについて語ってみる

くるみの社長エッセイ精神科訪問看護とは誠子さんシリーズ

大阪市全域を訪問区域とする『訪問看護ステーションくるみ』の代表、中野誠子が綴る『社長エッセイ』第65弾!

 

訪問に行く際、毎日車に乗るので歩くことがめっきり減りました。

それではいけないと思い、先日、休みの日に好きな喫茶店でモーニングを楽しんだあと、歩いて目的地に向かいました。

1時間ほど歩きましたが、普段歩かないと目にしない風景がたくさん見えました。


おいしそうなケーキ屋さん、可愛い雑貨屋さん、季節が変わって冷たくなった空気感…。

久しぶりにしっかり歩きましたが、疲れたというより楽しいと感じた1時間でした。


そして、こうして思いっきり一人の時間を楽しむことが、私にとっての癒やしの時間だと改めて感じました。

 

大阪市、寝屋川市、守口市、
門真市、大東市、枚方市全域対象

“精神科に特化”した
訪問看護ステーション
「くるみ」

06-6105-1756 06-6105-1756

平日・土曜・祝日 9:00〜18:00 
【日曜・お盆・年末年始休み】

※訪問は20時まで
対応させていただいております。

 

◆私と人との関わり

これまでエッセイにも何度か書きましたが、私はもともと人と関わるのがあまり上手ではありません。

しかし、看護師として働く限り、人との関わりを避けることはできません。

日々、さまざまな場面を想定して「どうしたらより良い関わりができるか」を考えています。

その中で、私が大切にしているのが「ホスピタリティ」という概念です。

 


◆スターバックスから学ぶホスピタリティ

私はコーヒーが好きで、よくスターバックスに行きます。

実は、このエッセイもスタバで書いています。

私がスタバを好きな理由は、「ゆっくりできる空間」とスタッフさんの「ホスピタリティあふれる接客」にあります。

ホスピタリティとは、相手を心から歓迎し、心地よく感じさせる行為・心構えのこと。

日本のおもてなしには先回りや謙虚さがありますが、ホスピタリティはそれに加え、積極的に声をかけて歓迎する点に大きな特徴があります。

スタバに行くたび、「ここに来てよかった」と感じられるのはそのためです。

 

◆看護にも必要なホスピタリティ

私は、ホスピタリティは看護にも必要だと考えています。

看護も、ある意味では接客業です。

利用者さんや患者さんの気持ちは場面ごとに異なりますが、共通しているのは「不安な気持ち」を抱えていることです。

だからこそ、私たちは配慮をしつつ、ホスピタリティを持って関わる必要があります。

契約時には、私は利用者さんにこう伝えています。

「訪問看護の目的は、安心できる場所を提供することです」

日本人ならではのホスピタリティを提供することで、利用者さんや患者さんが安心して過ごせる環境を作れると信じています。

 

◆ホスピタリティに必要な要素

私が考えるホスピタリティで大切なことは以下の通りです。

温かさ

共感

先を読む力

わかりたいという気持ち

個別対応

自分の気持ちと相手の気持ち

リッツカールトンや大手ホテルでも、これらの接客があるからこそ「ここに泊まってよかった」と思えるのです。

訪問看護ステーションも同じです。

数ある医療機関の中で、私たちのステーションを選んでいただいている。

それに応えるために、「看護」というサービスを提供する意識が大切です。

 

◆相手の安心を作る小さな一言

私も訪問に回ることがありますが、利用者さんから「くるみさんに来てもらってよかった」と言われると、スタッフ全員に感謝しかないなぁと思います。

看護師も人です。

人と人との関わりの中で、相互作用がありながらケアし合っていると感じています。

何を大切にして人と関わるのか、日々意識することが必要です。

自分の言葉や仕草が相手に与える影響を考えながら行動すること。

だからこそホスピタリティが重要なのです。

 

みなさん、「ホスピタル」という言葉の語源をご存じですか?

「ホスピタル」の語源は「ホスピタリティ」といわれています。


患者さんが安心して過ごせる場所であるように、環境を整えていくことが私たちの使命です。

 

私にとって病院は怖い場所です。それは何年経っても変わりません。

同じように病院を怖く感じる患者さんは世の中にたくさんいます。

だからこそ看護師ができることは「表情を見て声をかけること」ではないかと思っています。

不安なとき、待ち時間が長くてイライラしている方もいらっしゃいますよね。

「お待たせしています。お気分悪くないですか? 順番にお呼びします」

この一言で、気持ちは落ち着き、話したいことも話しやすくなると思うんです。

 

看護師は忙しそうで声をかけにくいと思われがちですが、実際は「声をかけてくれてもいいのに」と思っていることもあります。

まず自分からできることを意識することで、少しずつ優しい世界が広がると信じています。

この記事を書いた人

中野誠子

株式会社Make Care 代表取締役社長

中野 誠子

看護師 / (元)重症心身障害児者認定看護師

精神科病棟勤務・看護学校教員として経験を積み、「こころに寄り添う看護」を志す。石森・濱𦚰とともに株式会社Make Careを創業。現在は訪問看護ステーションくるみの代表として現場に立ちつつ、メディアにも積極的に登場し、地域精神医療の啓蒙とアップデートに挑む。

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