クルミのアトリエ クルミのアトリエ TOPへもどる
  1. トップページ
  2. コラム
  3. PTSDは薬で治る ...

PTSDは薬で治る?治療薬の種類や副作用について解説

精神科訪問看護とは

トラウマ体験をきっかけにPTSD(心的外傷後ストレス症)を発症し、フラッシュバックや悪夢に悩んでいる方もいるでしょう。

PTSDの治療には時間が必要なケースも多いため、治療期間につらい思いをする方も少なくありません。

そのようなケースでは、薬物療法の実施により、症状を抑えながら治療を進めることも可能です。

この記事では、PTSDの治療薬について、期待できる効果や副作用、服用のポイントを解説します。

PTSDに対し薬物療法を行うケースもある

PTSDで不安や気分の落ち込み、フラッシュバックなどの症状が見られる場合、治療に薬物療法を選択するケースも珍しくありません。

PTSDでは、トラウマとなった出来事が目の前に浮かぶ「フラッシュバック」が出現したり、強い不安や恐怖心を感じたりなど、さまざまな精神症状が出現します。

精神症状が強く出る方のなかには、日常生活や仕事に支障が出てしまう方もいます。
治療を進める間の苦痛をやわらげ、穏やかに生活するための手段として、薬物療法は選択肢の1つです。

参照:心的外傷後ストレス症(PTSD)
関連記事:PTSDの治し方は?PTSDの治療と訪問看護を利用するメリットを解説

PTSDに使用する治療薬の種類

PTSDに使用する治療薬には以下があります。

・抗うつ薬
・抗精神病薬
・気分安定薬
・睡眠薬

詳しく見ていきましょう。

抗うつ薬

抗うつ薬は、主にうつ病の治療に使用される薬ですが、PTSDの不安や気分の落ち込みを和らげるのにも使用されます。

「パロセキチン」や「セルトラリン」などの薬剤は、PTSDの治療にも効果が認められており、保険適用もされているため、安心して使用できるでしょう。

抗うつ薬を効果的に使用できれば、トラウマ体験を呼び起こす不安や、日常生活で感じる焦りなどの緩和が期待できます。

参照:MSDマニュアル/うつ病の治療薬
参照:厚生労働省/薬局における疾患別対応マニュアル~患者支援の更なる充実に向けて~【精神疾患(気分障害)】

抗精神病薬

抗精神病薬は、主にフラッシュバックや幻覚・妄想などの症状が見られる場合に使用されます。

本来は統合失調症に使用する抗精神病薬ですが、PTSDの躁状態やフラッシュバック、幻覚・妄想などにも効果が期待できるためです。

幻覚症状によって日常生活に支障が出ている場合は、抗精神病薬の使用が効果を表すでしょう。

気分安定薬

PTSDで気分の落ち込みや罪悪感、イライラなどが見られる場合は、気分安定薬を使用します。

トラウマとなった出来事がきっかけで感情がコントロールできなくなったり、否定的な感情しか浮かばなくなったりする場合は、気分安定薬が効果を発揮するケースも少なくありません。

参照:MSDマニュアル/双極症の治療に用いられる薬剤

睡眠薬

PTSDで不眠症が見られるケースでは、睡眠薬も使用されます。

睡眠薬に含まれる鎮静効果には、寝付きを良くする効果だけでなく、気分の変動を落ち着かせる効果もあるためです。

PTSDの治療中に、トラウマを思い出して眠りが浅くなったり、悪夢を見たりする方も少なくありません。

必要に応じて睡眠薬を服用し、心身の疲労をやわらげることも大切です。

PTSDの薬物療法で起こる副作用一覧

PTSDの薬物療法では、以下の副作用が見られる場合があります。

薬の種類 副作用
抗うつ薬 動悸・吐き気・粘膜の渇き・頭痛・便秘
抗精神病薬 眠気・筋肉のこわばり・震え・体重増加
気分安定薬 頭痛・めまい・震え・下痢・体重増加・発熱・発疹
睡眠薬 日中の眠気・集中力の低下

症状や体質に合わせた処方が行われますが、日常生活に影響が出るほど副作用が強い場合は、医師との相談も必要です。

PTSD薬物療法は服薬管理がポイント

PTSDの精神症状を抑制するには、薬を適切に使用する必要があります。

飲み忘れや薬への抵抗感、量の間違いなどをしてしまうと、正しい効果が得られないだけでなく副作用でつらい思いをしてしまうかもしれません。

また、精神病の服用を急に止めた場合、心身の不調が生じる「離脱症状」が出現する場合もあります。
自己判断での減薬や断薬は危険であるため、医師の処方に従って正しく薬を服用し、できる限り飲み忘れを防がなければいけません。

自己管理が難しい場合は、医師や専門家に相談し、適切な量とタイミングでの服薬を心掛けましょう。

PTSDの服薬に悩むなら訪問看護も検討しよう

PTSDの薬を適切に服用できれば、症状を抑えながら治療を進められます。
フラッシュバックなどの精神症状に悩む場合は、ほかの治療と薬物療法を併用することで、苦痛を軽減しつつ改善を目指せるでしょう。

PTSDの服薬管理が難しいと感じている場合は、訪問看護を利用するのも手段の1つです。

訪問看護では、PTSDの症状に合わせたケアや服薬のサポートのほか、薬に頼らない治療のお手伝いをさせていただきます。
自宅にいながら服薬管理や日常生活の支援を受けられるため、外出に抵抗のある方でも安心して治療を進められます。

なるべく早期にトラウマを克服したい方、自宅での治療を希望する方は『こちら』から、お気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

鬼頭怜那

鬼頭 怜那(きとうれな)

看護師 / 産業心理カウンセラー

看護師資格を取得後、産科病棟で勤務。その後、精神科の急性期・慢性期病棟にて、精神疾患だけでなく身体疾患のある患者の看護にも携わる。精神科の訪問看護での勤務経験も活かしながら、現在はライターとして医療・薬理・在宅ケア・メンタルヘルスに関する記事を執筆中。

この記事を監修した人

鬼頭怜那

鬼頭 怜那(きとうれな)

看護師 / 産業心理カウンセラー

看護師資格を取得後、産科病棟で勤務。その後、精神科の急性期・慢性期病棟にて、精神疾患だけでなく身体疾患のある患者の看護にも携わる。精神科の訪問看護での勤務経験も活かしながら、現在はライターとして医療・薬理・在宅ケア・メンタルヘルスに関する記事を執筆中。

訪問看護師募集中