こんにちは。株式会社Make Careの代表取締役CEOであり、訪問看護ステーションくるみでマーケティングを担当している石森寛隆です。XではHEROと名乗っていますので、もしよろしければフォローください。
突然ですが、僕が選んだ2025年の漢字は、「挑」です。
詳細はこちら💁 : 【CEOコラム】Vol.059 2025年、僕の今年の漢字は「挑」
訪問看護という、常に変化し、時に過酷な現場において、経営者の役割は「守り」だけではありません。
業界の古い慣習を打破し、新しい時代のスタンダードを創る。そんな「挑戦」の年にしたいという願いを込めました。
くるみの就業規則の「肝」をかいつまんで資料化します
その挑戦の第一弾として、ここ数ヶ月にわたり専門家と議論を尽くし、アップデートした弊社の就業規則の一部ほ開設したスライド(全10ページ)を公開することにしました。
実は、ここ数ヶ月、元々あった就業規則の改訂を弊社顧問弁護士や、顧問社労士と進めている中で、訪問看護事業における就業規則のセミナー登壇を依頼されることがありました。
その一環として作った資料をちょっと改変して公開することにした次第です。
訪問看護ステーションの経営者が、自社の「管理ノウハウの結晶」をここまで曝け出すのは異例かもしれません。
しかし、業界全体の質を底上げし、本当の意味でスタッフと利用者様を守るためには、誰かがこの壁に「挑み」、手の内を見せる必要があると感じたのです。
大阪市、寝屋川市、守口市、
門真市、大東市、枚方市全域対象
“精神科に特化”した
訪問看護ステーション
「くるみ」
平日・土曜・祝日 9:00〜18:00
【日曜・お盆・年末年始休み】
※訪問は20時まで
対応させていただいております。
なぜ訪問看護は「戦場」なのか?
訪問看護の現場は、美しい理想だけでは語れません。そこは、一歩間違えれば組織の存続を脅かす地雷が埋まった「戦場」でもあります。
潜在する「3大リスク」の恐怖
ステーション経営者が直視すべきリスクは主に3つあります。
1. 交通事故リスク: 訪問看護に車両は不可欠ですが、直行直帰やマイカー利用が多い現場では事故発生確率が極めて高くなります 。公私混同による責任の所在の曖昧さは、数千万円規模の賠償トラブルに直結します。
2.情報漏洩リスク: カルテやタブレットの車内放置、自宅への持ち帰り。この「うっかり」による紛失や盗難は、ステーションの存続に関わる信用失墜を招きます。
3.隠蔽体質リスク: 「怒られたくない」という心理から、ミスやクレームを報告しない 。小さな隠蔽の放置が、重大な医療事故や泥沼の訴訟へと発展します。
規程が甘いステーションは、こうしたリスクに対して「丸腰」で立っているようなものです。
アットホームな雰囲気という名の「ルールなき優しさ」は、いざという時に誰も守ってはくれません。
「カッチリ、ガッツリ、ピシッと」させるための鉄壁戦略
今回の改訂で、僕が最もこだわった「攻めと守り」のポイントを詳説します。
車両管理:お願いではなく「許可制」の壁
多くのステーションが「届出制」で済ませている車両管理を、弊社は厳格な「許可制」にしました。
ドラレコ設置の義務化: ドライブレコーダーが設置され、常時録画が可能であることを許可の「必須条件」として明記しました。これは職員を疑っているのではなく、事故時の「客観的証拠」でスタッフを精神的負担から守り、過失割合を適正化するためです。
「するものとする」の魔法: 事故時の賠償請求について、一般的によく使われる「請求することができる」という曖昧な表現を排除しました。あえて「請求するものとする」と言い切ることで、例外のない執行を明文化し、モラルハザードを根絶します。
服務規律:道徳を「ルール」に昇華させる
「ミスを報告しましょう」という精神論は、現場では機能しません。
隠蔽の禁止を明文化: 就業規則第30条(8)および非常勤規程第19条(8)に、「業務上の失敗・ミス・クレームは隠さず、ありのまま会社に報告すること」を義務として刻みました。
報告しないこと=ルール違反: 報告義務違反を明確な「服務規律違反」と位置づけることで、指導や懲戒の正当な根拠を確保しました。これにより、「悪い情報ほど早く上げる」という健全な文化が、制度によって醸成されます。
同一労働同一賃金という「難問」への挑戦
「パートだから賞与がない」という根拠なき格差は、もはや法的リスクでしかありません。
「ないこと」を明記する勇気: 非常勤規程第42条、43条において、賞与と退職金は「支給しない」「設けていない」と断言しました。何も書かないのではなく、明確に否定することで法的安定性を確保します。
企業型DCという現代的回答: ただ「ない」とするのではなく、社会保険加入の非常勤職員には「月額1,000円の企業型DC拠出」をライフプラン手当として約束しました。不確実な将来の約束(退職金)よりも、毎月の確実な積立を選択する。これが弊社の誠実な回答です。
最後に:この規程を、共に「挑む」仲間への贈り物として
以前のコラムで触れた「チェリーピッキング(いいとこ取り)」を許容することは、真面目なスタッフを裏切ることと同義です。
【CEOコラム】Vol.061 「チェリーピッキング」が招く精神科訪問看護の崩壊。
カッチリとした規程は、一見冷たく見えるかもしれません。しかし、実は「誠実に向き合っている職員がバカを見ない」ための最高の仕組みなのです 。
今回公開する資料(10ページのスライド)は、弊社が莫大な時間と専門家コストをかけて練り上げた、いわば「経営の心臓部」の一部です。
全国で孤独に奮闘するステーション経営者の皆様、そしてこれから管理者を目指す皆様へ。 この規程が、あなたのステーションを、スタッフを、そして利用者様を守る強固な「盾」となり、新たなステージへ「挑む」ための足場となることを心から願っています。
訪問看護の未来を、共に「挑」戦しながら作っていきましょう。
【無料公開:資料ダウンロード】
訪問看護就業規則セミナー資料_20251222
是非、事務所に遊びにきてください。
今回公開した資料は、僕だけで作ったものではなく、MakeCareが訪問看護の未来に「挑」み続けるために必要だった装備として、専門家を交えて作り上げたものです。
もちろん、誰でも彼でも、というわけにはいきませんが、個別にご連絡いただければ、現在運用中の就業規則(原本)をお見せすることも可能です。
規程の行間にある「運用の勘所」や、ここには書ききれなかった苦労話など、直接お伝えできることもあるかと思います。
是非、事務所に遊びにきてください。コーヒーでも飲みながら、訪問看護の未来について語り合いましょう。


