自閉スペクトラム症(ASD)の診断プロセスとは?症状、検査、専門家への相談方法を解説
精神科訪問看護とは「もしかしたら、私(または私の子供)は自閉スペクトラム症(ASD)かもしれない…」そう感じているあなたへ。この記事では、ASDの診断について、症状、検査、診断の流れ、専門家への相談方法を分かりやすく解説します。診断を受ける前に知っておくべきこと、早期発見の重要性、診断後のサポートまで、あなたの疑問を解消し、より良い未来への第一歩をサポートします。
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自閉スペクトラム症(ASD)とは?

「もしかしたらASDかもしれない」と感じている方、あるいは小さなお子さんの発達に気になる点がある保護者の方にとって、ASDの正しい理解は第一歩となります。ここでは、自閉スペクトラム症(ASD)の基本的な定義と特徴、そして診断の基盤となるDSM-5における診断基準について詳しく解説していきます。
自閉スペクトラム症(ASD)の定義と特徴
自閉スペクトラム症(ASD)は、以前は自閉症、アスペルガー症候群などと個別に診断されていましたが、現在はこれらを包括する一つの状態像として捉えられています。ASDは、脳機能の特性による発達障害の一種であり、その特性は人によって多様であり、連続体(スペクトラム)として存在するという特徴があります。
自閉スペクトラム症(ASD)の特徴
主な特徴として、大きく分けて「社会的コミュニケーションの困難」と「限定された興味や反復的な行動」の2つが挙げられます。
社会的コミュニケーションの困難
自閉スペクトラム症(ASD)では、対人コミュニケーションや社会的なやり取りに難しさが生じることがあります。例えば、相手の気持ちや意図を読み取ることが苦手だったり、表情・声のトーン・ジェスチャーといった非言語的なサインを理解しにくい場合があります。
また、雑談の流れがつかみにくい、自然な距離感を保つのが難しい、友人関係を築いたり維持したりすることに困難を感じるなど、人との関わりにおけるハードルが現れやすいことが特徴です。これらの特徴は、本人の性格ではなく脳の働きによるものであり、適切なサポートや環境調整により改善が期待できます。
限定された興味や反復的な行動
ASDのもう一つの特徴は、興味や行動のパターンが限定されやすい点です。特定の分野に強いこだわりを持ち、深く集中して取り組むことがある一方で、決まった手順やルーティンを崩すことに強い不安を感じることもあります。
また、同じ動作を繰り返す、視覚・聴覚・触覚などにおける感覚過敏や鈍麻が見られる場合もあります。これらの特性は個人差が大きく、幼少期から見られることもあれば、成長とともに明確になることもあります。ASDの特徴は「病気」ではなく、その人固有の脳の特性として理解することが大切です。
DSM-5における診断基準
ASDの診断は、一般的に米国精神医学会が発行する『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版(DSM-5)に記載されている診断基準に基づいて行われます。DSM-5では、ASDは以下の2つの主要な領域における持続的な困難として定義されています。
- 社会的コミュニケーションおよび対人関係における、持続的な欠陥(これらの欠陥は、発達水準に比べて著しく低いレベルで現れる):
- 社会的-感情的相互性の欠陥: 例えば、自発的な挨拶や他者との関わりへの参加の試みの欠如、他者との会話や感情の共有の困難さなどが含まれます。
- 非言語的コミュニケーション行動の欠陥: 例えば、言葉によるコミュニケーションと非言語的コミュニケーション(アイコンタクト、身振り、表情、声のトーンなど)の統合の困難さ、あるいはこれらの行動の理解や使用の困難さなどが含まれます。
- 関係の維持・発達・理解における欠陥: 例えば、他者との友情の確立や維持の困難さ、共感の欠如、あるいは社会的な状況に適応した行動をとることの困難さなどが含まれます。
- 限局した、反復的な行動、興味、または活動:
- ステレオタイプ(決まった型)あるいは反復的な運動、物の使用、あるいは会話: 例えば、単純な運動(手や指をひらひらさせる、体を揺らす)、おもちゃを直線に並べる、あるいは言葉を繰り返す(エコラリア)などが含まれます。
- 常同的あるいは儀式的な行動の固執、ルーティンへの固執、あるいは変化に対する過度な抵抗: 例えば、些細な変化に対する強い苦痛、思考の柔軟性の欠如、儀式的な挨拶の順序、あるいは毎日同じ道を歩くことなどがあります。
- 非常に限定され、常同的で、異常に強い興味: 例えば、異常に強い関心、あるいは特定の物事(自動車、テレビ番組など)への過度の執着があります。
- 感覚入力に対する過度あるいは過少な反応、あるいは感覚的な探求に対する異常な興味: 例えば、痛み、温度、あるいは触覚に対する無関心、特定の音や素材への過度の反応、あるいは物を舐めたり、触ったり、光を見つめたりすることへの異常な関心などが含まれます。
これらの基準は、症状が幼少期に現れていること、そしてこれらの症状が社会性、職業、または他の重要な機能領域において、臨床的に意味のある障害を引き起こしていることが条件となります。
診断においては、これらの基準を満たすかどうかを、専門家が問診、行動観察、心理検査などを通して総合的に判断します。
関連記事:自閉症の方に関する看護のポイント|特性に応じた関わり方を解説
自閉スペクトラム症(ASD)の診断プロセス

「もしかしたらASDかも」と感じたとき、どのように診断を受ければ良いのか、具体的な流れを知りたいと感じている方は多いでしょう。このセクションでは、診断を受けるための最初のステップから、実際の診察内容、そして診断にかかる期間や費用までを詳しく解説します。
診断を受けるための最初のステップ
ASDの診断を受けるための第一歩は、まずは専門機関に相談することです。もし、かかりつけ医がいる場合は、まず相談してみるのが良いでしょう。かかりつけ医に発達障害の専門医や医療機関を紹介してもらうことができます。
かかりつけ医がいない場合や、直接専門機関に相談したい場合は、お住まいの地域の保健所や発達障害者支援センターに問い合わせてみることをお勧めします。これらの機関では、専門的な相談窓口が設けられており、どこを受診すれば良いか、どのような検査が受けられるかといった情報提供や、必要に応じて専門医への紹介を行ってくれます。
診察の流れと検査方法
ASDの診断は、通常、精神科医、発達障害専門医、または児童精神科医といった専門家によって行われます。診察は、まず詳細な問診から始まります。これまでの生育歴、現在の生活での困りごと、コミュニケーションの取り方、興味関心、こだわりなどについて、本人や保護者から詳しく話を聞き取ります。
次に、専門家が直接、本人の行動を観察します。遊びの様子や、指示への反応、他者との関わり方などを通して、ASDの特性が見られるかどうかが評価されます。さらに、客観的な評価のために、様々な心理検査や発達検査が行われることがあります。
これには、認知能力を測る検査、言語能力を測る検査、社会性やコミュニケーション能力を評価する検査などが含まれます。これらの問診、行動観察、心理検査の結果を総合的に分析し、DSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル)などの診断基準に照らし合わせて、ASDの診断が下されます。
診断にかかる期間と費用
ASDの診断にかかる期間は、医療機関や検査内容によって異なりますが、一般的には数週間から数ヶ月かかることが多いです。初回の相談から診断の確定まで、複数回の受診が必要となる場合もあります。
費用については、健康保険が適用される場合と、自費診療となる場合があります。保険適用の場合、診察や検査の内容にもよりますが、自己負担額は数千円から数万円程度が目安となるでしょう。自費診療となる場合や、より詳細な検査を行う場合は、費用が高くなる傾向があります。
正確な期間や費用については、受診を希望する医療機関や相談機関にあらかじめ確認することをお勧めします。
関連記事:【診断テストつき】ADHD・アスペルガー症候群・自閉症と発達障害の違いとは?
自閉スペクトラム症(ASD)はどこで診断を受ける?
ASDの診断を受けるためには、専門的な知識を持った医師や機関に相談することが不可欠です。ここでは、どのような専門家や機関に相談すれば良いのか、それぞれの特徴と役割について詳しく解説します。
精神科医、発達障害専門医、児童精神科医
ASDの診断で最も中心的な役割を担うのが、精神科医・発達障害専門医・児童精神科医です。精神科医は幅広い心の病気を扱いますが、発達障害の知識が豊富な医師ほど、ASD特有の特徴を見落とさず診断できます。
発達障害専門医はASDを含む発達障害に長年携わっており、最新の研究に基づいた評価や治療が可能です。子どもの場合は児童精神科医が、発達段階に合わせた丁寧な診断を行います。いずれを受診する場合も「発達障害の診療経験が多い医師」を選ぶことが正確な診断につながります。
発達障害支援センター、相談機関
医療機関以外にも、ASDに関する相談や支援を行う公的機関が多数あります。代表的な「発達障害者支援センター」では、本人や家族からの相談対応、情報提供、専門機関の紹介、生活支援まで幅広くサポートしてくれます。
また、地域の保健所、子育て支援センター、教育相談センターなども初期相談の窓口として利用できます。これらの機関では心理士やソーシャルワーカーなど複数の専門家が連携して支援してくれることも多く、まずは気軽に相談してみることで、適切な支援につながりやすくなります。
自閉スペクトラム症(ASD)診断後のサポートと支援

ASDの診断を受けた後、その特性を理解し、より豊かな生活を送るための様々なサポートや支援制度が利用可能になります。ここでは、代表的な発達支援である療育、カウンセリング、ペアレントトレーニング、そして社会参加や就労を支える福祉サービスや支援制度について詳しく解説します。これらの支援を適切に活用することで、ご自身の強みを活かし、困難を乗り越え、より自分らしい生き方を見つけるための一歩を踏み出しましょう。
療育(発達支援)
療育(発達支援)は、主に子どもの発達を促すための専門的なプログラムです。言語能力、社会性、運動能力、学習能力などの向上を目指し、一人ひとりの発達段階や特性に合わせた個別または集団での支援が行われます。
専門家(言語聴覚士、作業療法士、理学療法士、保育士など)が、遊びや様々な活動を通して、子どもの発達を総合的にサポートします。
カウンセリング
カウンセリングは、ASDのあるご本人やそのご家族が抱える心理的な課題や悩みについて、専門家(臨床心理士、公認心理師など)と対話を通じて解決を目指すものです。
自己理解を深め、感情のコントロール方法を学んだり、対人関係のスキルを向上させたりすることに役立ちます。大人の方でも、自身の特性について深く理解し、社会生活におけるストレスを軽減するためにカウンセリングを利用することがあります。
ペアレントトレーニング
ペアレントトレーニングは、子どものASDの診断を受けた保護者を対象としたプログラムです。子どもの特性を理解し、効果的な関わり方や具体的な対応方法を学びます。
子どもの行動を理解するための知識、望ましい行動を促すためのスキル、そして保護者自身のストレスマネジメントなどを習得することで、子育ての負担を軽減し、より良い親子関係を築くことを目指します。
福祉サービス
ASDのある方が地域で安心して暮らせるよう、さまざまな福祉サービスが用意されています。まず「障害者手帳」を取得すると、税金控除、交通機関の割引、福祉サービスの利用など、多くの支援が受けられます。
また「相談支援事業所」では、困りごとの相談やケアプラン作成、各機関との調整など、生活全般をサポートします。さらに「地域活動支援センター」では日中活動の場を、「就労移行支援事業所」では生活訓練や社会参加を促すプログラムを提供するなど、個々のニーズに合わせた幅広い支援が受けられます。
就労支援
ASDの特性に配慮しながら働けるよう、専門的な就労支援も整っています。代表的な「就労移行支援事業所」では、職業スキルの習得、応募書類作成、面接対策、企業マッチング、就職後の定着支援まで一貫してサポートします。
「就労継続支援A型・B型」は、一般就労が難しい方に働く機会を提供し、スキル習得と社会参加を支援する仕組みです。また「ジョブコーチ支援」では、専門スタッフが職場へ同行し、本人への指導や企業との調整を行い、職場適応を細やかにサポートします。
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セルフチェックの注意点
これまで、ASDの定義や診断プロセスについて解説してきました。ここでは、ご自身や身近な方の特性について考える際によく利用される「セルフチェック」について、その注意点と専門家による診断の重要性についてお伝えします。
セルフチェックの結果だけで自己判断しない
ASDのセルフチェックは、自分の特性や困りごとに気づく「きっかけ」として役立ちます。しかし、質問の解釈や回答の仕方によって結果が変わることもあり、あくまで簡易的な目安にすぎません。
チェック項目に当てはまらないからといってASDではないとは言い切れず、逆に当てはまるからといって確定することもできません。そのため、セルフチェック結果だけで「自分はASDだ」と断定したり「違う」と思い込んだりするのは危険です。自己理解を深める一手段として捉え、結果に振り回されすぎないことが大切です。
専門家による診断の重要性
ASDの正確な診断は、精神科医や発達障害専門医、児童精神科医など、専門的な知識を持つ医師によって行われます。問診、行動観察、心理検査を組み合わせて総合的に評価するため、セルフチェックでは見えない特性や、他の障害との違いも丁寧に判断できます。
正しい診断を受けることで、自分の特性を深く理解でき、適切な支援や対処法につながります。誤った自己判断は必要なサポートから遠ざかってしまうこともあるため、ASDの可能性を感じた場合は、まず専門機関に相談することが重要です。
まとめ:診断を通して、より良い未来へ
この記事では、自閉スペクトラム症(ASD)の診断について、基礎知識から診断基準、プロセス、専門家の選び方、診断後のサポートまでを詳しく解説しました。もし「ASDかもしれない」と感じている場合でも、セルフチェックだけで自己判断するのは危険です。
セルフチェックはあくまで理解を深めるための参考であり、正確な診断は専門家による多角的な評価が不可欠です。問診・観察・心理検査を通して得られる診断は、ご自身の特性を客観的に理解し、適切な支援につながる大切なステップです。
診断はゴールではなく、新しいスタートです。正しい診断とサポートによって、あなた自身やお子さんの可能性は大きく広がります。この記事が、その未来へ進む一歩を後押しできれば幸いです。
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