チック症とは?原因、症状、治療法を徹底解説!子供との接し方も
精神科訪問看護とはお子さんの些細な行動に、ふと不安を覚えることはありませんか? まばたきを頻繁にしたり、咳払いを繰り返したり… それが「チック症」というものかもしれません。本記事では、チック症の基礎知識から、原因、症状、治療法、そしてご家庭でできることまで、専門医監修のもと分かりやすく解説します。
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チック症とは?その定義と種類

お子さんのちょっとした癖や、繰り返される発声に、「もしかしてチック症?」と不安を感じている保護者の方もいらっしゃるかもしれません。チック症は、突然、不随意(自分の意思とは関係なく)に起こる、素早い動きや発声が特徴の神経発達症の一つです。
ここでは、チック症の基本的な定義と、主な二つの種類である運動チックと音声チックについて、詳しく解説していきます。
チック症の基本的な定義
チック症とは、意図しないのに体が勝手に動いたり、声が出たりする「チック」と呼ばれる症状が繰り返し起こる神経発達症の一つです。まばたき、顔をしかめる、肩をすくめるといった運動チックのほか、咳払い、鼻鳴らし、意味のない声などの音声チックが見られます。
多くは幼児期から学童期に発症し、症状は一時的に増減することが特徴です。本人の意思で完全に止めることは難しく、周囲の理解と適切な対応が重要とされています。
運動チックとは
運動チックとは、顔や体の特定の部分を、突然、素早く、そして不随意に動かしてしまう症状のことです。これは、まばたき、顔しかめ、鼻をひくひくさせる、肩をすくめる、首をかしげるなど、様々な形で現れます。
一時的なものから、長期間続くものまでありますが、多くの場合、子供の成長とともに変化したり、自然に軽減していくこともあります。例えば、無意識に目をパチパチさせる、鼻をピクピクさせる、首をカクンと動かす、といった動作がこれにあたります。これらの動きは、本人が意識して行っているわけではなく、抑えようとしても難しい場合が多いのが特徴です。
音声チックとは
音声チックとは、声や音を不随意に発してしまう症状のことです。これは、単純な音から複雑な言葉まで、様々な形で現れます。例えば、咳払いを繰り返す、鼻をすすったり、ヒューヒューといった音を出す、といった単純なものから、突然意味のない言葉を繰り返したり、周囲の人の言葉を真似たり(エコラリア)、あるいは社会的に不適切な言葉(不適切な言葉や性的な言葉)を不随意に発してしまう(コプロラリア)といった複雑なものまであります。
コプロラリアは、チック症の中でも比較的まれな症状ですが、周囲に誤解されやすく、本人や家族を悩ませることがあります。咳払いや鼻をすする音、意味のない「アー」という声などが、比較的よく見られる音声チックの例です。
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チック症の原因

お子さんのチック症について、原因を知ることは、理解を深め、適切な対応をとる上で非常に重要です。チック症の発症には、単一の原因があるわけではなく、様々な要因が複雑に絡み合っていると考えられています。ここでは、主に「神経学的な要因」と「環境的な要因」の二つの側面から、チック症の原因について詳しく解説していきます。
神経学的な要因
チック症の発生には、脳の機能や遺伝的要因が深く関わっていることが指摘されています。具体的には、脳内の神経伝達物質のバランスの乱れが、チック症状を引き起こす一因と考えられています。
特に、ドーパミンという神経伝達物質の働きが、チック症状の発現や重症度に関係しているという研究が多く行われています。また、遺伝的な要因も無視できません。
家族の中にチック症や、チック症と関連の深いトゥレット症候群の人がいる場合、お子さんがチック症を発症するリスクは高まると言われています。しかし、遺伝だけで決まるわけではなく、あくまで「なりやすさ」に影響を与えるものと考えてください。
環境的な要因
神経学的な要因に加え、お子さんの周りの環境もチック症の発症や症状の悪化に影響を与える可能性があります。中でも、ストレスはチック症状を誘発したり、強くしたりする代表的な要因です。
例えば、学校での新しい環境への適応、友人関係の悩み、家庭内の変化(引越し、家族構成の変化など)といった、お子さんにとって精神的な負担となる出来事は、チック症状として現れることがあります。
また、睡眠不足や生活リズムの乱れも、心身のバランスを崩し、チック症状に影響を与えることがあります。ただし、環境要因だけでチック症が発症するわけではなく、あくまで神経学的な要因と組み合わさって影響を及ぼすと考えられています。
チック症の症状
チック症の症状は、大きく分けて「単純チック」と「複雑チック」の2種類があります。それぞれどのような症状が現れるのか、具体的な例を交えて解説します。
単純チック:短時間で終わる、比較的単純な動きや音を繰り返す症状
複雑チック:単純チックよりも複雑で、より協調された動きや、意味のある言葉、フレーズを伴う症状
| 運動チック | 音声チックの例 | |
| 単純チック | ・まばたきを頻繁にする
・鼻をひくひくさせる、鼻すすり ・顔をしかめる、首をかしげる、肩をすくめる ・頭を振る |
・咳払いや鼻を鳴らす音を繰り返す
・「んー」「あー」といった短い発声 ・くしゃみのような音を出す |
| 複雑チック | ・飛び跳ねる、くるくる回る、体をよじらせる
・他の人に触る、叩くといった行為 ・特定の物や言葉に触ろうとする、指でサインをするような動作 |
・特定の言葉やフレーズを繰り返す(常同性音声)
・周囲の人が言った言葉を繰り返す(反復性音声、エコラリア) ・不快な言葉や社会的に不適切な言葉(汚い言葉など)を不随意に発する(強迫性言語、コプロラリア) |
チック症の診断方法
お子さんの行動に「チックかも?」と感じたとき、まず気になるのは「本当にチック症なのか」ということでしょう。ここでは、専門医がチック症をどのように診断していくのか、そのプロセスを詳しく解説します。
診断のプロセス
チック症の診断は、医師による丁寧な問診と観察をもとに進められます。まず、どのような症状がいつからどの程度続いているのか、保護者から詳しく聞き取り、発達状況や家族歴も確認します。診察室ではお子さんの様子を観察しますが、緊張で症状が出にくいこともあるため、家庭や学校での様子、動画の提供も重要な手がかりとなります。
特別な検査はありませんが、必要に応じて他の疾患を除外するための検査を行う場合があります。最終的には、収集した情報をDSM-5などの診断基準と照らし合わせ、チック症の種類や程度を判断します。不安がある場合は、早めの専門機関への相談が安心につながります。
チック症の治療法
チック症の治療は、症状の程度や種類、そしてそれが個人の生活に与える影響などを考慮して、個別に選択されます。一般的には、薬物療法、行動療法、カウンセリングなどが組み合わせて行われることが多いです。これらの治療法は、症状の軽減だけでなく、チック症に伴う心理的な負担を和らげ、より質の高い生活を送ることを目指します。
薬物療法
薬物療法は、チック症状が強く日常生活に支障がある場合や、ADHD・強迫症などを併発している場合に検討されます。主にドーパミンの働きを調整する薬が使われ、抗精神病薬の一部はチックの抑制に有効とされています。
また、併発している発達障害の治療薬が結果的にチックを軽減するケースもあります。ただし、副作用として眠気や体重増加などが現れることもあるため、医師は状態を見ながら慎重に薬の種類・量を調整します。薬の中断や増減は自己判断せず、必ず医師の指示に従うことが重要です。
行動療法
行動療法は薬に頼らずチック症状の改善を目指す方法で、特に「習慣逆転法(HR)」が効果的とされています。これはチックが出そうな予兆を察知し、それに対抗する動きを行うことでチックを抑えるトレーニングです。
治療は、自分のチックのパターンを記録・分析することから始まり、拮抗反応の練習やリラックス法の習得も含まれます。本人が主体的に取り組むことで効果が高まるため、継続するモチベーションが重要です。専門家の指導のもとで行うことで、より高い改善が期待できます。
カウンセリング
チック症は症状そのものだけでなく、本人や家族の心理的負担も大きいため、カウンセリングは有効な支援となります。臨床心理士や公認心理師との対話を通して、チック症への理解を深め、不安やストレスへの対処法、自己肯定感の向上、対人関係改善を目指します。
特に子供の場合、学校生活や友人関係で悩みを抱えることも多いため、心理的サポートは重要です。また、保護者の不安や対応の悩みに寄り添い、必要に応じて学校との連携や他の支援機関の紹介も行われます。
ご家庭での対応と接し方
お子さんのチック症状は、親御さんにとって心配なことばかりかと思います。しかし、過剰に心配したり、否定的な態度をとったりすることは、かえってお子さんを追い詰めてしまう可能性があります。ここでは、お子さんのチック症状に寄り添い、健やかな成長をサポートするための家庭での対応と接し方について、具体的な方法を解説します。
子供への声かけ
チック症状のあるお子さんには、安心できる声かけがとても重要です。チックを叱ったり「やめなさい」と注意したりすると逆効果で、症状が悪化することもあります。まずは「大丈夫だよ」と受け止め、無理に止めさせようとしないことが基本です。
親が過剰に反応しないことで、お子さんも落ち着いて過ごせます。また、本人の気持ちに寄り添い、「気になる?」「困っていることある?」などと優しく確認することも大切です。チック以外の良い点を積極的に褒め、自己肯定感を高めることも効果的。お子さんがチックについて話したい時は、最後まで話を聞く姿勢を大切にしましょう。
環境調整
家庭の環境づくりは、チック症状の軽減に大きく役立ちます。まず、十分な睡眠・食事・運動など、規則正しい生活習慣を整えることが基本です。ストレスはチックを悪化させるため、習い事の負担や家庭内の緊張といったストレス原因を見直すことも大切です。
また、リラックスできる安心のスペースを作り、親子で落ち着いて過ごす時間を増やしましょう。騒音や強い光など、チックを誘発しやすい刺激を避ける工夫も効果的です。さらに、家族でチックに関する理解を共有し、対応を統一することで、お子さんがより安心して過ごせる環境が整います。
専門家への相談
お子さんのチック症について、ご自身で抱え込まず、専門家の力を借りることは非常に大切です。ここでは、どのような相談窓口があり、どのように相談を進めれば良いのかを具体的に解説します。
医療機関
チック症の診断や治療の中心となるのが医療機関です。まずは、かかりつけの小児科医に相談してみるのが良いでしょう。必要に応じて、専門医(神経内科医、精神科医、児童精神科医など)を紹介してもらえます。大学病院や専門クリニックでは、より専門的な検査や治療を受けることができます。
- 受診のタイミング: 症状が続く、日常生活に支障が出ている、親御さんの心配が大きい場合など。
- 受診時のポイント: お子さんの症状(いつから、どのような症状か、頻度、強さなど)を具体的にメモしておくと、医師に伝えやすくなります。
公的な相談窓口
自治体が設置している保健センターや子育て支援センターでも、チック症に関する相談を受け付けています。専門的な医療機関ではない場合もありますが、初期の相談や情報提供、適切な機関への紹介などを行ってくれます。
- 相談内容: 子どもの発達に関する悩み全般、チック症の可能性、家庭での関わり方など。
- メリット: 気軽に相談しやすい、地域に根差した情報が得られる。
民間の支援団体・NPO法人
チック症や発達障害に関する当事者や家族を支援する団体も存在します。これらの団体では、同じ悩みを持つ人たちとの交流会や、情報交換の場を提供していることがあります。
- 得られる情報: 同じ経験を持つ保護者からのアドバイス、生活上の工夫、最新の研究情報など。
- 注意点: 医療的な診断や治療は行わないため、あくまで情報収集や精神的なサポートとして活用しましょう。
日常生活での工夫と改善策

これまでにチック症の定義、原因、症状、治療法について解説してきました。ここでは、それらの知識を踏まえ、日常生活の中でチック症状を抱えるお子さんやご本人ができる具体的な工夫や、症状を和らげるための改善策についてご紹介します。お子さんの様子をよく観察しながら、無理のない範囲で取り入れてみてください。
リラクゼーションを取り入れる
ストレスや疲労はチック症状を悪化させることがあります。就寝前のリラックスできる時間を作ったり、深呼吸や軽いストレッチを取り入れたりすることで、心身の緊張を和らげましょう。絵を描く、音楽を聴くなど、お子さんがリラックスできる活動を見つけることも大切です。
十分な睡眠時間を確保する
睡眠不足は、チック症状だけでなく、日中の集中力や情緒にも影響を与えます。規則正しい生活リズムを心がけ、寝る前のスマートフォンやテレビの使用を控えるなど、質の高い睡眠がとれるような環境を整えましょう。
チックを過度に気にしない環境を作る
周囲の人がチック症状を過度に指摘したり、注意したりすると、お子さんはかえってプレッシャーを感じ、症状が悪化してしまうことがあります。チックが出ても、できるだけ自然に受け流し、落ち着いて対応することが大切です。ただし、症状がひどい場合や、ご本人が気にしている場合は、優しく声をかけ、安心感を与えるようにしましょう。
成功体験を積ませる
お子さんが自信を持てるように、小さなことでも達成できたときに具体的に褒めてあげましょう。チック症状そのものに焦点を当てるのではなく、お子さんの良いところや頑張りを認め、肯定的な声かけを心がけることが、お子さんの自己肯定感を高め、精神的な安定につながります。
集団生活での配慮を依頼する
学校や保育園などの集団生活では、チック症状が目立つことで、お子さんが不安を感じたり、いじめの対象になったりする可能性も考えられます。担任の先生やスクールカウンセラーに事前に相談し、お子さんの状態を理解してもらい、必要に応じた配慮(例えば、発表の順番を工夫してもらう、休憩時間を設けてもらうなど)をお願いすることも有効です。
チック日記をつける
どのような状況でチックが出やすいか、あるいは出にくいかを記録する「チック日記」をつけることも、改善策を見つける手がかりになります。日記をつけることで、チックの誘因となるストレスや、リラックスできる状況を客観的に把握しやすくなります。記録した内容は、専門家との相談の際にも役立ちます。
バランスの取れた食事を心がける
特定の食品がチック症状に直接影響するという科学的根拠は確立されていませんが、一般的に、栄養バランスの取れた食事は心身の健康維持に不可欠です。規則正しく、バランスの取れた食事を心がけましょう。
チック症に関するよくある質問
これまでのセクションで、チック症の定義、原因、症状、治療法、そしてご家庭での対応について詳しく解説してきました。ここでは、多くの方が抱える疑問について、Q&A形式で分かりやすくお答えしていきます。
Q1: チック症は自然に治りますか?
チック症は、成長とともに自然に改善するケースも少なくありません。特に、一時的なチック(短期チック)の場合、数週間から数ヶ月で症状が消失することがあります。しかし、症状が長期間続く場合や、日常生活に支障をきたすほど重度である場合は、専門的な治療やサポートが必要になることがあります。お子さんの様子を注意深く観察し、必要であれば専門医に相談することが大切です。
Q2: チック症は大人になっても続きますか?
チック症は、子供の頃に発症しても、成人期まで続く場合と、思春期頃に自然に軽快・消失する場合があります。一部のチックは成人期まで症状が残ることがありますが、多くの場合は症状の程度が弱まったり、自分でコントロールできるようになることが多いです。ただし、トゥレット症候群を合併している場合などは、成人期まで症状が持続する傾向があります。
Q3: チック症の原因は何ですか?
チック症の正確な原因はまだ完全には解明されていませんが、脳内の神経伝達物質(特にドーパミン)のバランスの乱れが関与していると考えられています。遺伝的な要因や、妊娠中の母体の健康状態、ストレスなどの環境的な要因が複合的に影響している可能性が指摘されています。単一の原因ではなく、複数の要因が絡み合って発症すると考えられています。
Q4: チックを「やめなさい」と言っても効果がありませんか?
チックは本人の意思でコントロールできるものではないため、「やめなさい」と強く叱ったり、無理に我慢させたりすることは逆効果になることがあります。かえって子供を追い詰め、ストレスを与え、チック症状を悪化させてしまう可能性があります。
チックは病気であり、本人が意図的に行っているわけではないことを理解し、温かく見守ることが重要です。代わりに、チックが出たときにどうすれば子供が安心できるかを考え、声かけや環境調整を行うことが大切です。
Q5: チック症と診断されたら、すぐに薬を飲む必要がありますか?
チック症の治療法は、症状の程度や日常生活への影響度によって異なります。症状が軽度で、本人の苦痛が少なく、学業や社会生活に大きな支障がない場合は、必ずしも薬物療法が必要とは限りません。
まずは、行動療法や環境調整、カウンセリングなどの非薬物療法が検討されます。薬物療法は、チック症状が重度で、本人や周囲に強い苦痛を与えている場合に、医師の判断のもとで慎重に検討されます。まずは専門医に相談し、お子さんに合った治療方針を決定することが重要です。
まとめ
チック症は、まばたきや咳払いなどの不随意な動き・発声が繰り返し起こる神経発達症で、多くは子供の頃に見られます。原因には脳内の神経伝達物質のバランスや遺伝、ストレスなどの環境要因が関わると考えられています。
治療は、症状の強さや生活への影響に応じて、薬物療法・行動療法・カウンセリングなどを組み合わせて行います。家庭では、叱らずに受け止める声かけと、規則正しい生活やストレスを減らす環境づくりが大切です。不安がある場合は、医療機関や公的相談窓口、支援団体に早めに相談し、一人で抱え込まず支援を得ることが安心につながります。
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