全般性不安障害の症状は?精神的・身体的症状の特徴と原因、対策について
精神科訪問看護とは漠然とした不安や心配が絶えず、日常生活に支障をきたしていませんか?もしかしたら、それは「全般性不安障害」かもしれません。この記事では、全般性不安障害の症状、原因、診断、治療法について詳しく解説します。 大阪市、寝屋川市、守口市、 平日・土曜・祝日 9:00〜18:00 ※訪問は20時まで
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全般性不安障害(GAD)とは?

漠然とした不安や心配が絶えず、日常生活に支障をきたしていませんか?もしそうであれば、それは「全般性不安障害(Generalized Anxiety Disorder, GAD)」かもしれません。ここでは、全般性不安障害の定義と特徴、DSM-5やICD-10といった国際的な診断基準に基づき、全般性不安障害と診断されるための具体的な条件を解説します。
全般性不安障害(GAD)の定義
全般性不安障害(GAD)は、特定の状況や対象に限定されない、広範囲にわたる過剰な心配や不安が、長期間(6ヶ月以上)にわたって続く精神疾患です。この不安は、日常生活の様々な側面、例えば仕事、学業、家庭、健康、経済状況など、多岐にわたる事柄に対して生じます。
GADを持つ人々は、将来起こりうる様々な出来事に対して、現実的な可能性を超えたレベルで心配し、その心配をコントロールすることが難しいと感じています。この状態は、単なる一時的なストレスや心配とは異なり、本人の意思だけでは軽減が困難であり、しばしば不眠、集中力の低下、易疲労感、筋肉の緊張、落ち着きのなさといった身体的・精神的な症状を伴います。
一般的な不安が特定の出来事への一時的な反応であるのに対し、GADの不安は持続的で、しばしば根拠のないものに感じられることがあります。
全般性不安障害(GAD)の診断基準(DSM-5、ICD-10)
全般性不安障害(GAD)の診断は、主にアメリカ精神医学会が発行する『精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM-5)』や、世界保健機関(WHO)が発行する『疾病及び関連保健問題の国際統計分類(ICD-10)』に定められた基準に基づいて行われます。これらの基準では、以下の点が重視されます。
DSM-5における主な診断基準のポイント
- 過剰な不安と心配: 6ヶ月以上にわたり、仕事、学業、家庭生活、健康など、様々な出来事や活動に対して、過剰でコントロール困難な不安や心配が続く。
- 付随する症状(以下のうち3つ以上が、不安や心配の期間の半分以上続く):
- 落ち着きのなさ、または、いらだたしく、瀬戸際にいるような感覚。
- 極端に疲れやすい。
- 集中できない、または、頭が空白になる。
- 易刺激性。
- 筋肉の緊張。
- 睡眠障害(入眠困難、中途覚醒、熟眠障害など)。
- 症状による苦痛または障害: 不安、心配、または身体症状が、社会的、職業的、または他の重要な機能領域で、臨床的に意味のある苦痛を引き起こしている、または、機能の低下を招いている。
- 除外診断: これらの症状が、物質(乱用薬物、医薬品など)の生理学的な影響や、他の精神疾患(パニック障害、社交不安障害、強迫性障害、心的外傷後ストレス障害など)ではうまく説明されない。
ICD-10における主な診断基準のポイント: ICD-10でも、同様に広範で持続的な不安が中心となります。多くの場合、不安は身体症状を伴い、特定の状況に限定されません。診断には、数ヶ月以上にわたる症状の持続、日常生活への支障、他の疾患の除外などが考慮されます。
これらの診断基準は、専門家が患者さんの状態を客観的に評価し、適切な診断を下すための重要な指針となります。もしご自身の症状がこれらの基準に当てはまるかもしれないと感じる場合は、専門の医療機関への相談をお勧めします。
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【精神的症状】全般性不安障害の症状
GADは、特定の出来事に限定されない“漠然とした強い不安”が長期間続く点が特徴で、精神面・身体面の双方に幅広い症状をもたらします。代表的な症状には、精神的症状・身体的症状があり、ここでは精神的症状について詳しく解説します。
絶え間なく続く過度な心配
全般性不安障害でもっとも特徴的なのが、制御できない心配が毎日のように続くことです。
対象は仕事、家族、学校、健康、金銭面など多岐にわたり、ほとんどの場合「実際には起きていない未来の心配」です。
- 「失敗したらどうしよう」
- 「重大な問題が起こるかもしれない」
- 「家族に何か悪いことが起こるのでは」
このように、常に最悪の展開を想定してしまい、不安を止められない状態が続きます。
集中力低下・注意散漫
頭の中が心配事で占められるため、仕事や学業に集中できず、作業効率が落ちることがあります。
- ミスが増える
- 作業に時間がかかる
- 会話の内容が頭に入らない
など、日常生活に明確な支障が出ることも少なくありません。
緊張・イライラ・情緒不安定
絶えず不安を抱えている状態は、精神的な緊張を強め、イライラ感の増加や落ち着きのなさにつながります。ちょっとした刺激でも不安や怒りが急に高まったり、気分が落ち込みやすくなったりするなど、感情のコントロールが難しくなるのも特徴です。
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【身体的症状】全般性不安障害の症状
次に、身体的症状について詳しく解説します。
筋肉の緊張・痛み
常に体が緊張しているため、以下のような症状が起こりやすくなります。
- 肩こり・首のこり
- 緊張型頭痛
- 腰痛
- 全身の張り
精神的な不安が、身体の筋肉にも影響し続けてしまうのです。
慢性的な疲労・倦怠感
不安によって心身が常に負荷を受けているため、十分に休んでも疲れが取れない「慢性疲労」が続きます。理由のない倦怠感が日常生活の意欲を奪うこともあります。
睡眠障害
睡眠の質が大きく低下し、
- 寝つけない
- 夜中に何度も起きる
- 早朝に覚醒してしまう
といった問題が生じます。睡眠不足がさらに不安を悪化させ、負のスパイラルに陥ることも珍しくありません。
自律神経の乱れによる身体不調
不安が続くと自律神経が乱れ、以下のような身体症状が現れることがあります。
- 動悸・息苦しさ
- めまい
- 胃痛・吐き気
- 下痢や便秘などの腸トラブル
こうした症状から「別の病気では?」と不安が増し、さらに症状が悪化する悪循環につながることもあります。 大阪市、寝屋川市、守口市、 平日・土曜・祝日 9:00〜18:00 ※訪問は20時まで
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環境要因で起こる全般性不安障害の原因

漠然とした不安や心配が続く全般性不安障害ですが、その原因は一つではなく、様々な要因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。発症に関わる主な要因について、環境的要因と遺伝的要因・生物学的要因に分けて考えられます。
ここでは、環境要因で起こる全般性不安障害の原因について詳しく解説していきます。
ストレスの多い出来事
就職、転職、結婚、離婚、死別など、人生における大きな変化や、仕事上のプレッシャー、経済的な問題、人間関係のトラブルといった、継続的なストレスは発症の引き金となることがあります。特に、予期せぬ出来事や、自分でコントロールできないと感じるストレスは、不安を増幅させやすい傾向があります。
幼少期の経験
幼少期に親からの愛情が不足していた、過度に干渉された、あるいはネグレクト(育児放棄)などの経験があると、大人になってから不安を感じやすくなることがあります。また、幼少期に経験したトラウマも、後の人生で不安障害の原因となる可能性があります。
対人関係の悩み
家族、友人、職場の同僚など、身近な人々との関係における悩みや、孤立感、コミュニケーションの難しさも、精神的なストレスとなり、全般性不安障害の発症に関与することがあります。特に、自己肯定感が低い場合、他者からの評価を過度に気にしてしまい、人間関係に不安を感じやすくなります。
生活環境の変化
引っ越し、転職、失業など、生活環境が大きく変化した際に、適応するためのストレスが原因で発症することもあります。また、現代社会における情報過多や、SNSによる比較なども、知らず知らずのうちに精神的な負担となっている可能性があります。
これらの環境要因は、個人の性格やストレスへの対処能力によって、影響の度合いが異なります。しかし、これらの要因が複合的に作用することで、全般性不安障害の発症リスクが高まることが指摘されています。
遺伝的要因と生物学的要因で起こる全般性不安障害の原因
全般性不安障害の発症には、遺伝的な要因や、脳内の生物学的な要因も関わっていると考えられています。近年の研究では、これらの要因がどのように影響するのかが明らかになってきています。
遺伝的要因
全般性不安障害は、家族内に同じような症状を持つ人がいる場合に、発症しやすい傾向があることが分かっています。これは、遺伝子が発症リスクに影響を与えている可能性を示唆しています。ただし、遺伝だけで発症が決まるわけではなく、あくまで「なりやすさ」に関わる要因の一つと考えられています。両親や兄弟姉妹に不安障害の人がいる場合、ご自身も不安を感じやすい体質である可能性はありますが、必ずしも発症するわけではありません。
生物学的要因
脳内の神経伝達物質のバランスの乱れも、全般性不安障害の原因として注目されています。特に、感情や意欲、睡眠などに関わるセロトニンや、ストレス反応に関わるノルアドレナリン、GABA(γ-アミノ酪酸)といった神経伝達物質の機能異常が、過剰な不安感や緊張感を引き起こすと考えられています。これらの神経伝達物質のバランスを整えることが、治療の鍵となります。
脳の構造や機能
一部の研究では、全般性不安障害を持つ人は、扁桃体(恐怖や不安を感じる脳の領域)の活動が過剰であったり、前頭前野(理性的な判断や感情のコントロールを司る領域)の機能が低下している可能性が示唆されています。これらの脳の構造や機能の違いが、不安を過剰に感じてしまう原因となっている可能性があります。
このように、全般性不安障害は、単一の原因ではなく、環境的要因と遺伝的・生物学的要因が複雑に相互作用して発症すると考えられています。ご自身の症状の原因を理解することは、適切な対処法を見つけるための第一歩となります。
全般性不安障害の治療法

漠然とした不安が続く全般性不安障害(GAD)は、適切な治療によって症状を改善し、より穏やかな日常生活を送ることが可能です。ここでは、精神科医や心療内科医が用いる主な治療法について、それぞれの特徴や効果、進め方を詳しく解説します。
薬物療法
薬物療法は全般性不安障害の主要な治療法で、脳内の神経伝達物質のバランスを整える抗不安薬や抗うつ薬が用いられます。抗不安薬は即効性があり急な不安を和らげますが、依存性のリスクがあるため医師の指示が必須です。
SSRI・SNRIなどの抗うつ薬は、不安や心配を根本的に軽減し、長期的な症状安定に有効とされています。効果は数週間後に現れることが多く、副作用も多くは一時的で調整可能です。医師と相談しながら継続することで高い効果が期待できます。
精神療法・カウンセリング
精神療法やカウンセリングは、薬物療法と併行して不安の背景を理解し、対処力を高めるために行われます。精神分析療法では過去の経験や無意識の葛藤を探り、対人関係療法では人間関係のパターンを見直し、より健全な関係構築を目指します。
セラピストとの信頼関係を築きながら、自己肯定感や問題解決能力を高めることが特徴です。自身の感情と向き合い、安定した心の状態を保つためのスキルを習得することで、不安の根本改善にもつながります。
認知行動療法(CBT)
認知行動療法(CBT)は科学的根拠の高い治療法で、不安を生む「否定的な考え方」や「回避行動」を修正することを目的とします。「もし失敗したらどうしよう」などの破局的思考や、人を避ける行動パターンを特定し、より現実的な認知と前向きな行動へ変えていきます。
主な技法には、思考記録、不安な場面への段階的な挑戦である曝露療法、行動実験などがあります。専門家のサポートを受けながら取り組むことで、不安を長期的に管理し、日常生活での行動範囲を広げる力を養えます。
自力でできる対策
これまで、全般性不安障害の症状や原因、治療法について解説してきました。ここでは、ご自身で取り組める具体的な対策に焦点を当て、日常生活の中で実践できる方法をご紹介します。これらの方法は、専門的な治療と並行して行うことで、より効果を発揮することが期待できます。ご自身のペースで、できることから試してみてください。
生活習慣の改善
全般性不安障害の症状緩和には、生活習慣の見直しが大きな効果をもたらします。特に重要なのが「睡眠・食事・運動」の3つです。まず睡眠は、決まった時間に寝起きし、就寝前のスマホ使用やカフェイン・アルコールを避けることで質が向上します。
次に食事では、ビタミンB群・マグネシウム・オメガ3などを含む食品を意識し、加工食品や糖分を控えめにすることがポイントです。さらに、ウォーキングやヨガなど無理なく続けられる運動を週数回取り入れることで、ストレス軽減や気分改善に役立ちます。
リラックス方法とセルフケアの実践
心身を意識的に休める習慣は、不安症状の緩和に非常に効果的です。最も手軽なのが深呼吸・腹式呼吸で、自律神経を整え心拍数を落ち着かせます。次に、瞑想やマインドフルネスは、「今この瞬間」に意識を向け、過剰な思考から距離を置く練習として有効です。
また、ヨガは呼吸と軽い動作を組み合わせることで、心身の緊張をほぐします。さらに、読書や音楽などの趣味に没頭する時間も大切で、気分転換やリフレッシュにつながります。これらのセルフケアは少しずつ継続することで効果が高まります。
専門家への相談
これまでは、全般性不安障害の症状、原因、そしてご自身でできる対策について解説してきました。しかし、症状が改善しない場合や、日常生活への影響が大きい場合は、一人で抱え込まずに専門家の力を借りることが大切です。このセクションでは、どのような場合に専門家への相談を検討すべきか、具体的な相談窓口、そしてご家族やご友人がどのようにサポートできるかについて詳しく解説します。
相談できる窓口と受診のタイミング
精神科や心療内科といった医療機関では、医師が症状を詳しく伺い、必要に応じて診断や治療を行います。薬物療法や精神療法(カウンセリングなど)を通じて、不安の軽減や症状の改善を目指します。また、公的な相談機関や民間のカウンセリング機関でも、専門家によるサポートを受けることが可能です。受診の目安としては、以下のような点が挙げられます。
- 常に強い不安や心配を感じ、それが数ヶ月以上続いている。
- 不安のために、仕事や学業、家事などの日常生活に支障が出ている。
- 不眠、動悸、めまい、肩こり、頭痛などの身体的な症状が続いている。
- 集中力が低下し、物事を決められなくなっている。
- 「何か悪いことが起こるのではないか」という予期不安が強い。
- 自分一人ではどうにもならないと感じ、気分が落ち込んでいる。
これらのサインが見られる場合は、専門家への相談を検討してみてください。かかりつけ医に相談して、専門医を紹介してもらうこともできます。
家族や友人へのサポート依頼と理解促進
全般性不安障害は、患者さん本人だけでなく、ご家族やご友人にとっても、どのように接したら良いか悩むことがあるかもしれません。大切なのは、まず病気への理解を深めることです。患者さんの不安や心配は、決して気のせいではなく、脳の機能的な問題が関わっていることを認識しましょう。
責めたり、無理に励ましたりするのではなく、患者さんの気持ちに寄り添い、話をじっくり聞く姿勢が大切です。具体的には、以下のようなサポートが考えられます。
- 共感と受容: 患者さんの不安な気持ちを受け止め、「つらいね」「大変だね」と共感の言葉を伝えましょう。
- 安心感の提供: 「一人じゃないよ」「いつでも話を聞くよ」といったメッセージで、安心感を与えましょう。
- 受診の促し: 専門家への相談や受診を、無理強いせず、しかし根気強く促しましょう。
- 情報提供: 患者さんが安心できるような、病気に関する正しい情報を提供しましょう。
- 休息の確保: 患者さんがリラックスできる時間や、休息できる環境を整えましょう。
ご家族やご友人も、サポートを続ける中で疲れてしまうことがあります。ご自身の心身の健康も大切にし、必要であれば、支援者向けの相談窓口や、患者さんのご家族向けの自助グループなどを活用することも検討しましょう。一人で抱え込まず、周囲のサポートを得ながら、患者さんと共に病気と向き合っていくことが重要です。
まとめ:全般性不安障害と向き合い、より良い生活を送るために
全般性不安障害(GAD)は、原因のはっきりしない不安が続くつらい状態ですが、適切な治療とセルフケアによって必ず改善を目指せる病気です。本記事では、症状・原因・治療法を詳しく解説し、自分の不安を理解する助けになれば幸いです。薬物療法や精神療法、認知行動療法に加え、生活習慣の見直しやリラクゼーションも症状緩和に有効です。専門家への相談に迷う場合も、まずは身近な窓口に連絡することから始めましょう。FAQや克服事例も心の支えになります。不安から解放され、自分らしい生活を取り戻すための一歩を踏み出してください。
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