クルミのアトリエ クルミのアトリエ TOPへもどる
  1. トップページ
  2. コラム
  3. トゥレット症 ...

トゥレット症候群の「汚言症」とは? 症状と治療、家族のサポート

精神科訪問看護とは

「突然、汚い言葉が出てしまう…」 それは、もしかしたらトゥレット症候群の症状である「汚言症」かもしれません。この病気について、あなたはどんな疑問を持っていますか?症状?原因?治療法?周りの人に理解してもらうには? この記事では、トゥレット症候群、特に「汚言症」に焦点を当て、その基礎知識から、治療法、そして周囲の理解を得るための具体的な方法まで、詳しく解説していきます。

大阪市、寝屋川市、守口市、
門真市、大東市、枚方市全域対象

“精神科に特化”した
訪問看護ステーション
「くるみ」

06-6105-1756 06-6105-1756

平日・土曜・祝日 9:00〜18:00 
【日曜・お盆・年末年始休み】

※訪問は20時まで
対応させていただいております。


トゥレット症候群と汚言症とは?

突然、制御できない言葉が口をついて出てしまう。そんな経験はありませんか?それは、トゥレット症候群という神経疾患の症状の一つである「汚言症(おげんしょう)」かもしれません。

まずはじめに、まずトゥレット症候群とはどのような病気なのか、そしてその中でも特に悩ましいとされる汚言症について、基本的な定義から解説していきます。

トゥレット症候群の定義

トゥレット症候群は、脳の機能的な問題によって引き起こされる神経疾患の一つです。主な特徴は、「チック」と呼ばれる、本人の意思とは関係なく、突然に、そして繰り返し行われる体の動き(運動チック)や声(音声チック)が現れることです。

これらのチックは、まばたきや顔しかめ、肩をすくめる、咳払い、鼻をすする、特定の言葉を繰り返すなど、多岐にわたります。これらの症状は、一般的に幼少期に始まり、学齢期に最も顕著になることが多いですが、思春期以降に軽減したり、大人になっても続く場合もあります。

汚言症とは?

汚言症(コプロラリア)は、トゥレット症候群の症状の中でも、不快な言葉や社会的に不適切とされる言葉(罵声、卑猥な言葉、差別的な言葉など)を、本人の意思に反して発してしまう症状を指します。

これは、トゥレット症候群の患者さんのうち、約10~15%に見られるとされる、比較的まれな症状です。汚言症による発言は、周囲の人を驚かせたり、傷つけたりすることがあるため、本人は強い苦痛や社会的な孤立感を感じることが少なくありません。しかし、これは本人の意思でコントロールできるものではなく、あくまでチック症状の一つなのです。

チック症との関係

トゥレット症候群は、運動チックと音声チックが組み合わさって現れることが特徴ですが、汚言症は音声チックの一種として分類されます。例えば、頻繁に咳払いをする音声チックや、特定の単語を繰り返す音声チックと同じように、汚言症も音声チックの範疇に入ります。

汚言症の症状が現れる背景には、脳内の神経伝達物質のバランスの乱れなどが関与していると考えられています。汚言症の症状は、他の運動チックや音声チックと同時に現れることも多く、それらが複合的に患者さんの日常生活に影響を与えることがあります。

汚言症の具体的な症状

前のセクションでは、トゥレット症候群と汚言症の基本的な定義について解説しました。このセクションでは、汚言症の具体的な症状について、より詳しく掘り下げていきます。どのような言葉が出てしまうのか、その頻度や強さはどうなのか、そして他の症状との関連性について、詳しく見ていきましょう。

どのような言葉が出てしまうのか?

汚言症(コプロラリア)で出る言葉は、性的・侮辱的・下品・宗教的冒涜など、多岐にわたります。「クソ」「死ね」などの罵倒語から、文脈に合わない性的表現、特定の人物を侮辱する言葉まで様々です。

共通しているのは、本人が最も口にしたくない、不快と感じる言葉ほど出やすい傾向がある点です。これらは本人の意思や悪意ではなく、脳の機能的問題による不随意のチックであり、制御が極めて難しい症状です。

症状の強さや頻度

汚言症の強さや頻度は個人差が大きく、同じ人でも状況により大きく変動します。軽い人は一日に数回程度ですが、重い人では会話に支障が出るほど頻繁に起こります

ストレスや疲労、緊張、刺激の多い環境では悪化し、リラックス時には軽減することが一般的です。症状は波のように強まったり弱まったりするため、この変動性を理解しておくことが、本人や周囲が適切に対応する上で重要です。

他の症状との関連性

汚言症はトゥレット症候群の音声チックの一つであり、多くの場合、運動チックや他の音声チックと併存します。まばたきや首振り、肩すくめなどの運動チック、咳払い・鼻鳴らし・うめき声などの音声チックが同時に見られることが一般的です。

これらは、脳内の神経伝達物質のバランス異常や基底核などの機能的な不調が背景にあるとされています。複数のチックが重なることで、社会生活や学業での困難が増す場合があります。

関連記事:ADHDグレーゾーンとは?特徴・仕事・使える支援を徹底解説

汚言症の原因とメカニズム

前のセクションでは、トゥレット症候群と汚言症の基本的な定義について解説しました。このセクションでは、なぜ汚言症が起こるのか、その原因とメカニズムに迫ります。脳の機能、遺伝、そして環境要因といった多角的な視点から、汚言症への理解を深めていきましょう。

脳の機能との関係

汚言症を含むトゥレット症候群は、脳の神経伝達物質の機能異常が関係していると考えられています。特に、行動や感情を調整するドーパミンが過剰に働いたり、受容体が過敏であったりするとチックや汚言症が起こりやすくなります

また、運動や衝動の制御に関わる大脳基底核や前頭葉などの働きに乱れが生じることで、不適切な言葉が意図せず出てしまうと考えられています。これらの神経ネットワークの連携不良が症状の根本にあるとされ、脳機能のアンバランスが汚言症の主要な要因とみられています。

遺伝的要因

トゥレット症候群や汚言症には遺伝が影響するとされ、家族にチック症やトゥレット症候群の人がいると発症リスクが高まります。ただし、一つの遺伝子で決まる単純なものではなく、複数の遺伝子が複合的に関わると考えられています

遺伝的素因があっても必ず発症するわけではなく、遺伝は「発症しやすくなる体質」を形成する要因の一つに過ぎません。遺伝は重要なリスク因子ではあるものの、発症には他の要因も影響し、個人差が大きいことが特徴です。

環境要因

汚言症の発症には、遺伝に加えて環境的要因も影響すると考えられています。妊娠中の母親の喫煙や飲酒、早産・低出生体重などの周産期要因は、後のチック症状や汚言症のリスクを高める可能性があります。

また、発達期の感染症(例:PANDAS)や頭部外傷も症状の発症・悪化に関係すると指摘されています。これらの環境要因は、遺伝的素因を持つ人に症状を引き起こすきっかけとなることもあり、発症には複合的な要素が関わっています。

汚言症の診断方法

このセクションでは、汚言症の診断プロセス、診断基準、そして具体的な検査方法について詳しく解説します。ご自身の症状に悩んでいる方や、その疑いがある方が、医療機関を受診する際の不安を軽減し、正確な診断への道筋を示すことを目的としています。

専門医による診断

汚言症の診断は、精神科医、神経内科医、または発達障害を専門とする医師などの専門家によって慎重に行われます。自己判断は難しく、正確な診断と適切な治療を受けるためには、専門医の診察が不可欠です。専門医は、患者さんの症状、病歴、生活背景などを総合的に評価し、他の疾患との鑑別を行いながら診断を進めます。

診断基準

汚言症の診断は、一般的にアメリカ精神医学会が発行する『精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM-5)』などの国際的な診断基準に基づいて行われます。主な診断基準には、以下のようなものが含まれます。

  • 複数の運動チックと音声チックが1年以上続いていること。
  • 汚言症(コプロラリア)の症状が、トゥレット症候群の診断基準を満たす音声チックとして現れること。 
  • 症状が12歳以前に現れていること。
  • チック症状が、薬物や他の疾患によるものではないこと。
  • 症状が、社会的、職業的、または他の重要な機能領域での著しい苦痛や機能障害を引き起こしていること。

これらの基準を満たすかどうかを、医師が詳細な問診や観察を通じて判断します。

検査方法

汚言症の診断では、まず問診で症状の始まり、頻度、場面、日常生活への影響、家族歴などを詳しく確認します。どんな言葉がどの状況で出るのか、コントロールできない感覚があるかも重要な情報です。

診察中の行動観察で運動チックや音声チックを確認し、必要に応じて知能検査・発達検査などの心理検査を行います。他の疾患を除外する目的でMRIなどの画像検査が行われることもありますが必須ではありません。これらを総合して診断し、治療方針が決定されます。

大阪市、寝屋川市、守口市、
門真市、大東市、枚方市全域対象

“精神科に特化”した
訪問看護ステーション
「くるみ」

06-6105-1756 06-6105-1756

平日・土曜・祝日 9:00〜18:00 
【日曜・お盆・年末年始休み】

※訪問は20時まで
対応させていただいております。


汚言症の治療法

汚言症の治療は、症状の緩和と、それによって引き起こされる日常生活への影響を軽減することを目的とします。ここでは、主な治療法である薬物療法、行動療法、心理療法について、専門医の解説や当事者の体験談を交えながら具体的に解説します。

薬物療法

汚言症に特効薬はないものの、症状の緩和や不安・抑うつなどの精神的負担を軽減する目的で薬物療法が行われます。主に、ドーパミンに作用する抗精神病薬や、強迫や不安を和らげるSSRIが用いられます。

これらはチックの頻度や衝動性を抑える効果が期待されますが、効果には個人差があり副作用も伴うため、医師の指導下で慎重に使用する必要があります。汚言症そのものへの直接的効果は限定的な場合もあるため、他の治療と併用することが一般的です。

行動療法

行動療法は、チックを自分でコントロールするスキルを育てる治療法で、薬物療法と併用または単独で実施されます。代表的な「習慣逆転法(HRT)」では、チックの前兆となる感覚に気づき、別の動きへ置き換える練習を行います。

また、チック抑制練習では意識的にチックを我慢することで発生頻度を減らします。継続的な練習が必要ですが、症状の自己管理に大きく役立ち、日常生活が楽になったと実感する人も多い治療法です。

心理療法

汚言症は、不適切な発語だけでなく、罪悪感・羞恥心・不安・抑うつ・孤立感などの深い心理的苦痛を伴うことがあります。認知行動療法(CBT)は、否定的な思考を現実的で前向きな考え方に修正し、ストレスへの対処法を習得するために役立ちます。

また、対人不安を和らげるソーシャルスキルトレーニングやリラクセーション法も取り入れられます。心理療法は症状そのものを治すものではありませんが、自己肯定感の回復や生活の質向上に大きく貢献します。

周囲の理解を得るために

トゥレット症候群、特に汚言症の症状を抱える方々にとって、周囲の理解とサポートは、日常生活を送る上で非常に重要です。ご家族や親しい友人、学校や職場といった様々な環境で、どのように症状を伝え、協力を得ていくかは、大きな課題となるでしょう。

ここでは、それぞれの場面に応じた具体的なアプローチ方法と、同じ悩みを持つ人々との繋がりを得られるサポートグループの活用法について解説します。

家族や親しい人への説明

ご家族や親しい友人には、まずトゥレット症候群と汚言症について、正確な情報を提供することが大切です。専門的な知識がなくても理解できるよう、症状の特徴や、なぜそのような言葉が出てしまうのか、ご自身の言葉で説明しましょう

例えば、「これは病気の症状であって、あなたのことを否定しているわけではない」ということを繰り返し伝えることが、誤解を防ぐ鍵となります。また、どのような時に症状が出やすいか、どのようなサポートがあれば助かるかを具体的に伝えることで、相手も協力しやすくなります。

感情的にならず、落ち着いて話し合う時間を持つことが、関係性を深め、理解を得るための第一歩となるでしょう。

学校や職場での対応

学校の先生や職場の同僚、上司に対しては、症状について理解を求めるための具体的な説明と、必要な配慮を依頼することが重要です。学校の場合は、担任の先生やスクールカウンセラーに相談し、授業中の発言への配慮や、友人関係でのトラブルがないかなどのサポートをお願いすることができます。

職場においては、人事担当者や上司に、症状について説明し、必要であれば業務内容の調整や、休憩時間の確保などの合理的配慮について相談しましょう。説明する際には、診断書などの公的な証明があると、よりスムーズに進む場合があります。どのような配慮が必要かを具体的に伝えることで、職場の理解と協力を得やすくなります。

サポートグループの活用

同じような経験を持つ人々が集まるサポートグループは、非常に心強い存在となります。ここでは、自身の経験や悩みを共有し、共感を得られるだけでなく、他のメンバーからの具体的なアドバイスや、生活の工夫、情報交換などを得ることができます。

サポートグループに参加することで、「自分だけではない」という安心感を得られ、精神的な支えとなるでしょう。インターネットで「トゥレット症候群 サポートグループ」や「汚言症 相談」といったキーワードで検索すると、各地のグループやオンラインでの活動が見つかることがあります。まずは情報収集から始めて、自分に合ったグループを探してみてはいかがでしょうか。

汚言症に関するよくある質問

この記事では、トゥレット症候群、特に「汚言症」について詳しく解説してきました。ここでは、読者の皆様が抱えがちな疑問について、Q&A形式で分かりやすくお答えしていきます。

Q1: 汚言症は治りますか?

汚言症を含むトゥレット症候群は、現在の医学では「完治」させることは難しいとされています。しかし、適切な治療や対処法によって、症状を大幅に軽減し、日常生活への影響を最小限に抑えることは十分に可能です。

薬物療法や行動療法、心理療法などを組み合わせることで、言葉が出てしまう頻度や強度をコントロールできるようになることが期待できます。また、ストレス管理やリラクゼーション法も症状の緩和に役立ちます。

Q2: 汚言症は遺伝しますか?

トゥレット症候群は、遺伝的要因が関与していると考えられています。汚言症もトゥレット症候群の症状の一つであるため、遺伝する可能性は否定できません。しかし、遺伝だけで発症するわけではなく、環境要因なども複雑に絡み合って発症すると考えられています。

そのため、家族にトゥレット症候群の方がいるからといって、必ずしも汚言症を発症するわけではありません。

Q3: 汚言症の言葉は、自分でコントロールできませんか?

汚言症の症状は、本人の意思とは関係なく、不随意に現れるものです。そのため、基本的には「自分でコントロールする」ことは非常に困難です。無理に抑えようとすると、かえってチックが悪化したり、精神的な負担が増加したりする可能性があります。

大切なのは、無理にコントロールしようとするのではなく、症状が出たときの対処法を身につけたり、周囲に理解を求めたりすることです。専門家と相談しながら、自分に合った方法を見つけていくことが重要です。

Q4: 汚言症の症状がひどい場合、どのような専門機関に相談すれば良いですか?

汚言症の症状が気になる場合は、まず精神科や神経内科などの専門医に相談することをお勧めします。特に、トゥレット症候群やチック障害の診療経験が豊富な医師が良いでしょう。診断や治療方針の決定には専門的な知識が必要です。

また、公的な相談窓口や、トゥレット症候群の患者会・支援団体なども、情報提供や同じ悩みを持つ人々との交流の場として役立ちます。お住まいの地域の保健所や精神保健福祉センターなどに問い合わせてみるのも良いでしょう。

まとめ

この記事では、トゥレット症候群の中でも特に誤解されやすい「汚言症」について、症状の特徴、原因、診断方法、治療法、日常生活での向き合い方まで幅広く解説しました。汚言症は本人の意思や性格とは無関係であり、脳機能や遺伝的要因などが複合して起こる症状です。

大切なのは、一人で抱え込まず、正しい知識を持って専門家や周囲のサポートを得ることです。薬物療法や行動療法など、症状を和らげる手段は多く存在し、理解ある環境づくりによって生活は大きく変わります。不安を抱えている方も、まずは相談する勇気を持つことで、より自分らしく過ごせる一歩が開けるでしょう。

大阪市、寝屋川市、守口市、
門真市、大東市、枚方市全域対象

“精神科に特化”した
訪問看護ステーション
「くるみ」

06-6105-1756 06-6105-1756

平日・土曜・祝日 9:00〜18:00 
【日曜・お盆・年末年始休み】

※訪問は20時まで
対応させていただいております。

この記事を監修した人

石森寛隆

株式会社 Make Care 代表取締役 CEO

石森 寛隆

Web プロデューサー / Web ディレクター / 起業家

ソフト・オン・デマンドでWeb事業責任者を務めた後、Web制作・アプリ開発会社を起業し10年経営。廃業・自己破産・生活保護を経験し、ザッパラス社長室で事業推進に携わる。その後、中野・濱𦚰とともに精神科訪問看護の事業に参画。2025年7月より株式会社Make CareのCEOとして訪問看護×テクノロジー×マーケティングの挑戦を続けている。

訪問看護師募集中