過眠症の治し方とは?今日からできる対策を解説
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日中に強い眠気に襲われ、つい居眠りしてしまうという方は少なくありません。また、仕事や学業に集中できず思うように力を発揮できない状態に悩む方もいるのではないでしょうか。
過眠症は、単なる寝不足や気の緩みではなく、本人の努力だけでは改善が難しい症状です。ただし、原因を正しく理解し、適切な対策や治療することで治る可能性は十分にあります。
本記事では、過眠症の主な原因や症状、検査の概要を踏まえて、治し方をわかりやすく解説します。あわせて、日常生活のなかで今日から取り入れられる具体的な対策にも触れるため、ぜひ参考にしてみてください。
過眠症の症状をチェック!

日中の強い眠気は、単なる寝不足と見過ごされがちですが、日常生活に支障をきたす場合は過眠症の可能性があります。ここでは、ご自身の症状が過眠症に当てはまるかどうかをチェックするポイントと、病院を受診する目安について解説します。
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自分でできる自己チェック
過眠症の症状は多岐にわたりますが、特に「日中の強い眠気」が特徴です。以下のチェックリストで、ご自身の眠気の程度や関連する症状を確認してみましょう。
- 日中の眠気の強さ:
- 静かな環境(会議中、映画鑑賞中など)で、意図せず眠り込んでしまうことがある。
- 活動的な状況(会話中、食事中など)でも、強い眠気に襲われることがある。
- 昼寝をしても、すっきりせず、すぐにまた眠くなる。
- 集中力と記憶力の低下:
- 以前よりも集中力が続かず、仕事や学業の効率が落ちたと感じる。
- 物忘れが増えたり、新しい情報を覚えにくくなったりした。
- 身体的な症状:
- 目覚めが悪く、なかなか起きられない。
- 頭が重い、体がだるいといった倦怠感が続く。
- 感情の変化:
- 気分の落ち込みやイライラが増えた。
- 人との交流を避けるようになった。
これらの症状が当てはまる場合、過眠症の可能性が考えられます。
病院を受診する目安
自己チェックの結果、過眠症の可能性があると感じた場合は、専門医の診察を検討しましょう。日中の強い眠気によって仕事や学業、家事などに明らかな支障が出ている場合や、運転中の眠気など危険な状況を経験したことがある場合は、早めの受診が望まれます。
また、十分な睡眠時間を確保しているにもかかわらず眠気が改善しない状態が続いている、あるいはこうした症状が数週間以上継続している場合も、医療機関での相談を検討すべきサインといえるでしょう。
過眠症は、適切な診断と治療によって改善が期待できる病気です。単なる寝不足と自己判断して我慢を続けるのではなく、専門家のサポートを受けることが、快適で安心できる日常生活を取り戻すための第一歩となります。
過眠症の検査と診断
過眠症が疑われる場合、専門の医療機関では、日中の眠気の原因を特定し、適切な診断を下すためにいくつかの検査が行われます。これらの検査は、単なる眠気と過眠症を区別し、適切な治療へとつなげるために欠かせません。
どのような検査を行うのか
過眠症の診断には、主に以下の検査が用いられます。それぞれの検査には目的があり、組み合わせて行うことでより正確な診断が可能になります。
- 睡眠日誌: 毎日の睡眠時間、就寝・起床時刻、日中の眠気の程度などを記録するものです。患者さん自身が自宅で記録し、医師が睡眠パターンを把握する上で重要な情報となります。
- アクチグラフィー: 腕時計型の小型装置を装着し、手首の動きから睡眠・覚醒リズムを客観的に記録する検査です。数日から数週間にわたって装着することで、自宅での自然な睡眠パターンを詳細に把握できます。
- 睡眠ポリグラフ検査(PSG): 一晩入院して行う精密な検査です。脳波、眼球運動、筋電図、心電図、呼吸、血液中の酸素飽和度など、睡眠中の様々な生理現象を同時に記録します。これにより、睡眠の質や睡眠時無呼吸症候群などの合併症の有無を評価します。
- 反復睡眠潜時検査(MSLT): PSGの翌日に行われることが多い検査で、日中の眠気の客観的な評価を目的とします。2時間おきに、静かで暗い部屋で横になり、眠りにつくまでの時間(睡眠潜時)を複数回測定します。これにより、日中の過度な眠気の有無や、レム睡眠への移行しやすさなどを評価します。
- 維持覚醒検査(MWT): MSLTと同様に日中の眠気の評価を行いますが、こちらは「眠らないでいられるか」を測定する検査です。静かな環境で座り、眠らずに覚醒状態を維持できる時間を複数回測定します。
診断までの流れ
過眠症の診断は、問診から始まり、各種検査を経て総合的に判断されます。まず、医師が日中の眠気の症状や睡眠習慣、既往歴、服用中の薬などについて詳しく問診を行います。この際、睡眠日誌やアクチグラフィーの結果が参考にされることも多いでしょう。
次に、必要に応じて睡眠ポリグラフ検査(PSG)が行われ、睡眠の質や他の睡眠障害がないかを確認します。PSGで明らかな異常が認められない場合や、過眠症が強く疑われる場合には、日中の眠気の程度を客観的に評価する目的で、反復睡眠潜時検査(MSLT)や維持覚醒検査(MWT)が実施されます。
これらの検査結果と問診内容をあわせて検討し、国際的な診断基準(ICSD-3など)に基づいて、ナルコレプシーや特発性過眠症といった過眠症のタイプが判定されるのが一般的です。診断にはある程度の時間を要することもありますが、正確に見極めることが、その後の適切な治療方針につながる重要なプロセスといえるでしょう。
過眠症の一般的な治し方
過眠症の治療は、その原因や種類、症状の重さによって異なりますが、主に「薬物療法」「生活習慣の改善」「認知行動療法」の3つの柱があります。これらの治療法を組み合わせることで、日中の眠気を軽減し、日常生活の質を高めることを目指します。
薬物療法
薬物療法は、過眠症による強い眠気を緩和するために用いられる治療方法です。主に、日中の覚醒状態を維持する「覚醒維持薬」や、脳の中枢神経を刺激して眠気を抑える「中枢神経刺激薬」などが処方されます。
これらの薬の目的は、眠気の根本原因にアプローチするというよりも、症状をコントロールし、日常生活を送りやすくすることです。
生活習慣の改善
薬物療法と並行して、生活習慣の見直しは過眠症の治療において欠かせません。規則正しい睡眠習慣の確立はもちろん、カフェインやアルコールの過剰摂取を控えることも推奨されます。
また、日中の仮眠の取り方も工夫が必要です。短時間の効果的な仮眠は眠気を軽減する一方で、長すぎる仮眠は夜間の睡眠を妨げる可能性があります。これらの生活習慣の改善は、治療効果を高め、再発を防ぐうえでも大きな役割を果たします。
認知行動療法
過眠症は、身体的な問題だけでなく、心理的な側面や行動パターンにも影響を及ぼすおそれがあります。認知行動療法(CBT-I:不眠症に対する認知行動療法が有名ですが、過眠症に応用される事例もある)は、過眠症に伴う誤った考え方や行動を修正し、より健康的な睡眠習慣を身につけることを目指す心理療法です。
例えば、「眠ってしまう状態への不安」や「日中の活動を避ける行動」などを改善し、過眠症の症状軽減へと導きます。
過眠症の薬について

過眠症の治療では、日中の過度な眠気を軽減し、覚醒を維持するために薬物療法が用いられることがあります。ここでは、過眠症に用いられる主な薬の種類と、それぞれの効果、副作用について解説します。
どんな薬があるのか
過眠症の治療薬は、主に覚醒を促す作用を持つものが中心となります。代表的な薬剤には以下のようなものがあります。
モダフィニル(商品名:モディオダールなど)
脳の覚醒システムに作用し、自然な覚醒状態に近づける薬です。覚醒効果は高いものの、依存性が低いとされています。ナルコレプシーや特発性過眠症の治療に用いられます。
アルモダフィニル(商品名:ヌビジルなど)
モダフィニルの改良版で、効果がより長く持続すると言われています。モダフィニルと同様に、ナルコレプシーや特発性過眠症の治療に使われます。
ピトスプリサント(商品名:ワケイク)
脳内のヒスタミン神経系に作用し、覚醒を促す薬です。ヒスタミンは覚醒に関わる神経伝達物質であり、その働きを強めることで眠気を軽減します。
ソボレキサント(商品名:デエビゴ)
オレキシン受容体拮抗薬と呼ばれる新しいタイプの薬で、オレキシンという覚醒を促す物質の働きを抑えることで、睡眠を誘発する効果があります。主に不眠症の治療に用いられますが、過眠症の一種であるナルコレプシーの患者さんが夜間の不眠を併発している場合に考慮されることがあります。
メチルフェニデート(商品名:リタリン、コンサータなど)
中枢神経刺激薬と呼ばれるもので、脳を直接刺激して覚醒を促す作用が非常に強い薬です。効果が高い一方で、依存性などのリスクもあるため、厳重な管理のもとで処方されます。ナルコレプシーの重症例などに限って用いられることが多いです。
これらの薬は、個々の症状や過眠症の種類に応じて医師が適切に判断し、処方します。
副作用と注意点
過眠症の治療薬には、効果がある一方でいくつかの副作用や注意点があります。
主な副作用は、頭痛、吐き気、食欲不振、不眠、動悸などです。中枢神経刺激薬では、精神的な興奮や血圧上昇、依存性などのリスクも考慮されます。これらの症状が現れた場合は、速やかに医師に相談してください。
また、服用中は車の運転や危険な機械の操作を避けるよう指示されることがあります。他の薬との併用によって相互作用が起こる可能性もあるため、市販薬を含むすべての服用薬について、必ず医師や薬剤師に伝えるようにしましょう。
過眠症の薬は、医師の指示に従い、用法・用量を守って正しく服用する必要があります。自己判断で服用を中止したり、量を変更したりするのは避けましょう。定期的に診察を受け、効果や副作用について医師と情報を共有しながら、治療を進めていく姿勢が重要です。
日常生活でできる過眠症の治し方
過眠症の改善には、薬物療法だけでなく、日々の生活習慣を見直すことが大切です。ここでは、今日から実践できる具体的な対策をいくつかご紹介します。
質の高い睡眠をとるために
質の高い睡眠をとるためには、日々の生活リズムと睡眠環境を整える意識が欠かせません。まず大切なのは、毎日できるだけ同じ時間に寝て、同じ時間に起きる習慣を身につけることです。平日と休日で睡眠時間が大きくずれると体内時計が乱れやすくなり、日中の眠気を強める原因になります。
また、寝室の環境も睡眠の質に大きく影響します。室温は夏場で25〜28℃、冬場で18〜23℃を目安に調整し、湿度は50〜60%を保つと快適に眠りやすくなります。強い光や騒音は睡眠を妨げるため、遮光カーテンを活用したり、必要に応じて耳栓を使ったりする工夫もよいでしょう。
さらに、就寝前の過ごし方も押さえておきたいポイントです。寝る直前までスマートフォンやパソコンを使用すると脳が覚醒しやすくなるため、できるだけ控えましょう。ぬるめのお風呂に入る、軽いストレッチを行う、アロマなどで気持ちを落ち着かせるなど、心身をリラックスさせる習慣を取り入れることで、自然な眠りにつながります。
食事のポイント
食事は睡眠の質に大きく影響するため、過眠症の改善を考えるうえでも見直したいポイントの一つです。特定の栄養素に偏らず、タンパク質や炭水化物、脂質に加え、ビタミンやミネラルをバランスよく摂取することで、体内リズムが整いやすくなります。
また、カフェインやアルコールの摂取には注意が必要です。カフェインには覚醒作用があり、眠りにつきにくくなる原因となります。一方、アルコールは一時的に眠気を感じやすくなるものの、睡眠の質を低下させやすいため、特に就寝前の摂取は控えたほうがよいでしょう。
さらに、寝る直前の食事も睡眠を妨げる要因です。消化にエネルギーを使うことで体が十分に休まらず、眠りが浅くなる可能性があります。就寝の2〜3時間前までに食事を済ませるよう意識すると、より質の高い睡眠につながります。
適度な運動のススメ
日中の適度な運動は、夜間の睡眠の質を高め、日中の覚醒度を向上させる効果があります。ウォーキングやジョギング、水泳などの有酸素運動を、毎日30分程度行うのが理想的です。
ただし、就寝直前の激しい運動は体を興奮させ、かえって寝つきを悪くする可能性があるため、避けましょう。夕方までの時間帯に行うのがおすすめです。
ストレスを軽減する方法
ストレスは過眠症の症状を悪化させる要因の一つとされており、心身の負担を上手にコントロールすることが睡眠の質の改善につながります。深呼吸や瞑想、ヨガなどのリラクゼーション法は、緊張した心と体を落ち着かせ、日常的に取り入れやすい方法です。
また、趣味や好きなことに意識的に時間を費やすと、気分転換になり、慢性的なストレスから距離を置きやすくなります。さらに、今この瞬間に意識を向けるマインドフルネスを取り入れることで、考えすぎや不安の連鎖を断ち切り、精神的な安定を保ちやすくなるでしょう。
過眠症の治し方を専門家に相談するポイント
過眠症の症状に悩んでいる場合、専門家への相談は改善への第一歩です。どの診療科を受診すべきか、信頼できる専門医の選び方、そして受診時に何を伝えるべきかを知ることで、スムーズに適切なサポートを受けられるようになります。
何科を受診すれば良い?
過眠症の症状を感じたら、まずは専門の医療機関を受診することが大切です。主に以下の診療科が考えられます。
- 睡眠外来(睡眠専門クリニック): 最も適切な選択肢です。睡眠障害全般を専門とする医師が在籍しており、詳細な検査と専門的な治療を受けられます。
- 精神科・心療内科: 精神的な要因が過眠症に関わっている場合や、うつ病などの合併症が疑われる場合に適しています。
- 神経内科: ナルコレプシーや特発性過眠症など、脳や神経の異常が原因の過眠症が疑われる場合に相談できます。
まずは睡眠外来を探すのが良いでしょう。もし近くにない場合は、精神科や神経内科で相談し、必要に応じて専門医を紹介してもらうことも可能です。
専門家の選び方
過眠症の診断や治療を進めるうえでは、信頼できる専門家の選定が大切です。まず、日本睡眠学会認定医が在籍しているかを確認すると、睡眠障害に関する専門的な知識や経験を持つ医師に相談しやすくなります。日本睡眠学会の公式サイトなどを活用して、認定医のいる医療機関を探してみるとよいでしょう。
あわせて、睡眠障害の診療実績が豊富かどうかや、睡眠ポリグラフ検査などの検査体制が整っているかも確認したいポイントです。さらに、治療には定期的な通院が必要になるケースもあるため、自宅や職場から無理なく通える立地かどうかも考慮しましょう。口コミや評判も参考にしながら、医師やスタッフの対応、院内の雰囲気などを含めて、自分に合った医療機関を選ぶことをおすすめします。
相談時に伝えるべきこと
初めて専門医を受診する際は、現在の症状や状況を正確に伝えることが、適切な診断と治療につながります。以下の情報を整理して伝えられるように準備しておきましょう。
- 症状の詳細:
- いつ頃から症状が現れたか(発症時期)
- どのような時に強い眠気を感じるか(特定の状況や時間帯)
- 眠気の強さや、居眠りの頻度、時間
- 日中の眠気以外に困っていること(集中力の低下、記憶力の低下など)
- 睡眠パターン:
- 普段の就寝時間と起床時間
- 夜間の睡眠の質(寝つきはどうか、途中で目が覚めるか、いびきはあるかなど)
- 昼寝の有無とその時間、長さ
- 服用中の薬: 現在服用しているすべての市販薬や処方薬、サプリメントなど。
- 既往歴・持病: これまでに診断された病気や治療中の病気、アレルギーなど。
- 生活習慣: 飲酒量、喫煙の有無、カフェインの摂取量、運動習慣、ストレスの状況など。
- 家族歴: 家族の中に睡眠障害の人がいるか。
これらの情報をメモにまとめて持参すると、伝え忘れを防ぎ、スムーズな診察に役立ちます。
周囲への理解を求めるために
過眠症は、日中の強い眠気や居眠りといった症状が、周囲からは「怠けている」「やる気がない」と誤解されやすい病気です。しかし、周囲の理解とサポートは、過眠症と向き合い、治療を続けていくうえで欠かせません。ここでは、家族や職場の人々に過眠症への理解を求めるための具体的な方法と、伝える際のポイントについて解説します。
家族や同僚に理解してもらうには
過眠症について家族や同僚の理解を得るには、本人の努力だけで改善できるものではない病気である点を、丁寧に伝える姿勢が不可欠です。単なる寝不足や怠けではなく、医学的に診断される疾患であると説明すれば、誤解を和らげやすくなります。
あわせて、朝起きるのが難しい、会議中に強い眠気に襲われる、集中力が続かないといった具体的な症状や困りごとを共有すると、日常生活や仕事への影響を理解してもらいやすくなるでしょう。一度の説明で十分な理解を得られない場合もあるため、焦らず時間をかけて繰り返し伝える姿勢が大切です。
伝え方のポイント
過眠症について周囲に伝える際は、感情に流されず、冷静で具体的な説明を意識する姿勢が大切です。事実に基づいて落ち着いて話せば、相手も状況を受け止めやすくなります。あわせて「特定の場面で強い眠気に襲われた」「症状の影響で業務に支障が出やすい」など、実際の出来事を交えて伝えると、相手は状態をより具体的に想像しやすくなるでしょう。
さらに、医師の診断書や病気を解説した資料を提示すると、話の信頼性が高まり、理解が深まりやすくなります。そのうえで、日中に強い眠気が出た際には短い休憩を取りたい、重要な会議は午前中を避けたいなど、求めるサポート内容を明確に伝えると、周囲も配慮しやすくなります。
子供の過眠症の治し方について
小児期に発症する過眠症は、大人の過眠症とは異なる特徴や課題を抱えています。ここでは、子供の過眠症の具体的な特徴と、それに対して親ができることについて解説します。
子供の過眠症の特徴
子供の過眠症は、日中の強い眠気という共通の症状を持ちながらも、大人とは異なる形で現れるケースが少なくありません。例えば、学業不振、集中力の低下、記憶力の低下といった学習面の問題に加え、情緒不安定、イライラしやすい、多動など行動面の問題として認識されることもあります。
これらの症状は、ADHD(注意欠陥・多動症)など他の発達障害と誤解されやすく、診断が困難な点が特徴です。特にナルコレプシーなどの特定の過眠症は、思春期前後に発症することが多く、突然の居眠りや情動脱力発作(感情の動きに伴って体の力が抜ける症状)などの症状が見られます。
親ができること
お子さんに過眠症の兆候が見られる場合、親が早めに変化に気づき、適切に対応する必要があります。日中の強い眠気や学業面・行動面での違和感に気づいた際は、小児科や睡眠を専門とする医師へ相談すると安心です。早い段階で診断や治療につなげることで、成長や発達への影響を抑えやすくなります。
また、学校との連携も欠かせません。担任の先生に状況を伝え、授業中の居眠りや集中力の低下に対する理解と配慮を求めると、学習面での負担を軽減しやすくなります。家庭では、十分な睡眠時間を確保し、就寝・起床のリズムを整える意識が大切です。就寝前のスマートフォンやゲームを控え、静かで落ち着いた寝室環境を整えましょう。
さらに、過眠症の症状はお子さんの自尊心や対人関係に影響する場合もあります。不安や戸惑いに寄り添い、安心して過ごせる家庭環境を保つ姿勢が、心の負担を和らげる支えとなります。
過眠症の治し方と漢方薬の関係
過眠症の治療は、西洋医学的なアプローチが一般的ですが、近年では漢方薬も補完的な治療法として注目されています。ここでは、過眠症と漢方薬の関係について解説します。
漢方薬の効果
過眠症の症状を和らげるために用いられる漢方薬はさまざまです。例えば、疲労感や気力の低下が強く、日中の眠気に悩む方には「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」が処方されることがあります。これは、体のエネルギー(気)を補い、消化吸収機能を高めることで、全身の倦怠感を軽減し、眠気を改善する効果が期待される漢方薬です。
また、精神的なストレスや不安が原因で睡眠の質が低下し、日中の眠気につながっている場合は、「清心蓮子飲(せいしんれんしいん)」などが検討されるケースもあるでしょう。これは、心身の熱を冷まし、精神を安定させる作用があるとされています。
漢方薬は、単に眠気を抑えるだけでなく、体全体のバランスを整えることで、根本的な改善を目指す点が特徴です。
注意点
漢方薬は自然由来の成分で構成されていますが、医薬品であることに変わりはありません。そのため、服用にあたっては専門医や薬剤師への相談が不可欠です。自己判断で服用を開始したり、量を調整したりしないように注意しましょう。
特に、すでに西洋薬を服用している場合は、漢方薬との飲み合わせによって思わぬ副作用が生じる可能性もあります。必ず医師や薬剤師に伝えた上で、適切な指示に従ってください。体質に合わない場合や、稀にですがアレルギー反応などの副作用が現れる可能性があります。異変を感じたら、すぐに医療機関を受診してください。
まとめ:今日からできる対策で過眠症を改善しよう
本記事では、過眠症の原因や症状、検査・治療の考え方から、日常生活で取り入れられる具体的な対策、周囲への伝え方までを解説しました。
日中の強い眠気は努力不足ではなく、適切な知識と対応によって改善が期待できる症状です。気になる場合は症状を正しく理解し、必要に応じて専門医へ相談しましょう。
質の高い睡眠の確保や食生活の見直し、ストレス対策を積み重ねながら、無理のない形で向き合う姿勢が、活動的な毎日につながります。