大阪市全域を訪問区域とする『訪問看護ステーションくるみ』の代表、中野誠子が綴る『社長エッセイ』第69弾!
令和8年の診療報酬改定(いわゆる短冊)を読みました。
石森も濱脇もすでにそれぞれの視点で書いているので、
今回は私なりに感じたことを書いてみようと思います。
【CEOコラム】Vol.067 訪問看護ステーションくるみ的・令和8年度診療報酬改定短冊の読み取り方
【専務エッセイ】Vol.69 令和8年診療報酬改定短冊(改訂案)を読んでみての率直な感想
改めてになりますが、私は看護師です。
精神科病棟で、患者さんの苦しみを間近で見てきました。
退院後「家で本当に大丈夫だろうか」と心配しながらも、
当時は何もできない自分がいました。
そして今、看護師である私が、経営者として
石森・濱脇とともに訪問看護ステーションくるみを運営しています。
大阪市、寝屋川市、守口市、
門真市、大東市、枚方市全域対象
“精神科に特化”した
訪問看護ステーション
「くるみ」
平日・土曜・祝日 9:00〜18:00
【日曜・お盆・年末年始休み】
※訪問は20時まで
対応させていただいております。
◆今回の診療報酬改定を読んで思ったこと
2026年度の診療報酬改定では、在宅医療強化の流れが引き続き示されています。
重症精神疾患と身体合併症への対応評価の見直し、機能強化型訪問看護ステーションの要件緩和や新たな評価、ICTを活用した多職種連携の加算新設、地域連携の推進などが大きなポイントだと感じました。
読んでまず思ったのは、 「いつもやっていることを丁寧に続けていれば、とにかく大丈夫なんだな」ということです。
改定があるからといって、あたふたしてはいけない。
診療報酬は「目的」ではなく「手段」だと、改めて感じました。
◆くるみが大切にしていること
くるみが一番大事にしているのは、
利用者さんとご家族が地域で安定した生活を送れること・安心できる環境をつくることです。
改定がプラスであってもマイナスであっても、
「断らない」姿勢、利用者さんファーストであること、そして職員を守ること。
この軸は変わりません。
改定はあくまで道具。
道具に振り回されないように、先を見ながら「今、何をするべきか」を考える。
その話を、私たちは3人で毎日のようにしています。
◆訪問看護ステーションくるみが「できること」
短冊の内容と今後の展望を踏まえ、
改めて「くるみの強み」を整理してみました。
1.症状の早期発見
看護師や作業療法士が定期的に訪問しているからこそ、
ほんの小さな変化にも気づくことができます。
その変化を見逃さずに関わることで、
入院せず地域で生活を続けられている方も多くいらっしゃいます。
今後、精神科重症患者支援管理連携加算の見直し(要件緩和)が進めば、
重症の方の受け入れをさらに強化できると考えています。
そのための準備として、教育委員を中心に新人教育の見直しを行い、
未経験の方でも精神科訪問看護を学べるオリエンテーションを設計しています。
2.服薬アドヒアランスを「現場目線」で支援する
「飲めない」のか、「飲まない」のか。
その背景は、利用者さん一人ひとり違います。
お話を丁寧に聞きながら、薬について一緒に考える。
必要に応じて薬剤師さんとも連携し、
その方に合った服薬方法を探していきます。
3.生活全体を整えるための習慣化支援
「外に出たいけど出られない」段階からの支援、
食事や清潔のルーティンづくり、就労への関わりなど、
生活全体を見ながら支援しています。
就労支援事業所やデイケアのスタッフなど、さまざまな職種と連携し、
安定した生活につながる関わりを大切にしています。
また、就労選択支援も始まっています。
子どもの看護にも関わっているため、
成長発達や制度・法律の変化に合わせてその時期に必要な支援を考え、
今後も続けていきたいと思っています。
4.「顔の見える」多職種・地域連携
精神科医、MSW、相談支援事業所とのカンファレンスでは、
本音を伝え合える関係づくりを大切にしています。
「くるみさんなら」と言っていただけるような、
安心して頼ってもらえる存在であり続けたいと思っています。
5.24時間対応について
夜間に、不安な気持ちが強くなることは少なくありません。
そうした思いに対応できるよう、
オンコール体制を整え、夜間対応を行っています。
夜間の電話相談や緊急訪問には、
看護師である私自身が向かえる体制を組んでいます。
◆改定があっても、看護の軸は変わらない
改定はチャンスでもあります。
ただ、ルールの追いかけっこになってしまうと
看護の本質を見失ってしまう。
私はいつも、こう考えています。
「診療報酬が変わっても、くるみの看護は変わらない」と。
どうしてこのステーションをつくろうと思ったのか。
3人で語り合った、あのときの想いを忘れずに。
先を見ながら、今を考え、
利用者さんもスタッフも守れるステーションであり続けたいと思っています。