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【保存版】モロー反射とは?いつまで続く?激しい時の対処法と「病気?」と不安な方へ

精神科訪問看護とは

赤ちゃんを抱っこしている時や、布団に寝かせた瞬間に、急に両手をパッと広げて驚いたような動きをすることはありませんか?

「どこか痛いの?」「何かに怯えているの?」と心配になる親御さんも多いですが、これは「モロー反射」という赤ちゃん特有の生理現象です。この記事では、モロー反射が起こる原因から、いつ消えるのかという時期の目安、そして夜泣きに繋がる際の対処法まで、専門的な視点で徹底的に解説します。

1. モロー反射とは?なぜ起こるのか

1-1. 生き残るための「原始反射」のひとつ

モロー反射は、赤ちゃんの脳幹(のうかん)という部分が司る「原始反射」の一種です。自分の意思で動かしているのではなく、外部からの刺激に対して体が勝手に反応する「自動的なシステム」です。

1-2. なぜこのような動きをするの?

一説には、お母さんから落ちそうになった時に「しがみつこうとする名残」だと言われています。また、外部の刺激に対して瞬時に身を守るための、防衛本能に近いものと考えられています。

2. モロー反射の特徴的な動きとチェックポイント

2-1. 具体的な一連の動作

・パッと開く: 両腕と両足を左右対称に大きく開きます。
・抱きつく: その後、ゆっくりと腕を胸の前で丸め、何かに抱きつくような動きをします。
・泣く: 自分の動きに驚いて、そのまま泣き出してしまうこともよくあります。

2-2. 刺激のトリガー(きっかけ)

・音: ドアの閉まる音、くしゃみ、テレビの音など。
・光: 急に明るくなった時や、フラッシュの光。
・重力変化: 抱っこから布団へ下ろす時の「ふわっ」とした感覚。
・自身の体動: おむつ替えで足を持ち上げた時や、自分のくしゃみ。

3. モロー反射はいつからいつまで?(時期の目安)

3-1. 開始時期:新生児期から全開

モロー反射は、ママのお腹の中にいる時から既に備わっており、生後すぐ(新生児期)から最も活発に見られます。

3-2. 消失時期:生後4ヶ月〜6ヶ月頃

赤ちゃんの脳が発達し、自分の意思で手足を動かせる(随意運動)ようになると、原始反射は自然に消えていきます。

・生後1ヶ月(新生児期): ピークの時期。ちょっとした光や音でも「ビクッ!」と反応します。

・生後2〜3ヶ月: 徐々に反応が「まろやか」になります。首がすわり始める頃、動きにキレがなくなってきます。

・生後4〜5ヶ月: 消失の準備期間。自分の意思で手を動かす「ハンドリガード」などが始まると、反射は影を潜めます。

・生後6ヶ月以降: ほとんどの赤ちゃんで見られなくなります。

4. 【お悩み解決】モロー反射で寝ない!「背中スイッチ」対策

多くの親御さんを悩ませるのが、「モロー反射のせいで赤ちゃんが起きる」という問題です。これが「背中スイッチ」の正体の一つです。

4-1. おくるみ・スワドルの活用

腕を適度に固定してあげることで、反射が起きても自分の手の動きで目が覚めるのを防ぎます。

ポイント: 股関節は自由に動かせるよう、下半身はゆとりを持たせて包むのが安全です。また、寝返りの兆候が見られたら、腕を出せるタイプに移行しましょう。

4-2. 「足から」着地させる寝かしつけ

抱っこから布団へ下ろす際、頭から下ろすと重力変化を感じて反射が出やすくなります。**「お尻→足→背中→最後に頭」**の順で、体に密着させたままゆっくり下ろすのがコツです。

4-3. ホワイトノイズを利用する

急な物音に反応させないよう、テレビの砂嵐音や換気扇の音のような「ホワイトノイズ」を流しておくことで、周囲の突発的な音をかき消すことができます。

5. 育児現場の「モロー反射あるある」エピソード

教科書通りの解説だけでなく、実際の現場で起こるシーンをご紹介します。

・「自分のくしゃみ」で自爆: 静かな部屋で赤ちゃんがくしゃみをし、その衝撃でモロー反射が発生。自分の動きに驚いてギャン泣きする切ない光景。

・パパの忍び足がアダとなる: 起こさないように慎重に歩いたパパの「床のきしみ音」にだけ過敏に反応。

・おむつ替え中の万歳: 足を持ち上げた瞬間に「落とされる!」と勘違いして、おむつを替えている最中に両手をパッ!

6. 注意が必要なケース:左右差や病気との見分け方

通常、モロー反射は左右対称に起こります。しかし、以下のような場合は早めに小児科へ相談しましょう。

6-1. 片側だけ反応がない(左右差がある)

片方の腕だけが動かない場合、分娩時の鎖骨骨折や、腕の神経の損傷(分娩麻痺)の可能性があります。

6-2. 反応が全く見られない

脳や神経系の発達に課題がある可能性が考えられます。1ヶ月健診などで医師に相談しましょう。

6-3. 「点頭てんかん(ウエスト症候群)」との違い

モロー反射: 音などの刺激に反応する。単発で起こる。

点頭てんかん: 刺激に関係なく、数秒おきに「カクン」と頭を下げる動作を繰り返す(シリーズ形成)。寝入りばなや起きた直後に多い。

7. よくある質問(FAQ)

Q. モロー反射が激しいのは、将来「発達障害」になるサイン?

A. 直接的な因果関係はありません。反射がしっかり出ていることは、神経系が正常に働いている証拠ですので、安心してください。

Q. 6ヶ月を過ぎても「ビクッ」とするのは異常?

A. 完全に消える時期には個人差があります。ただし、7ヶ月を過ぎても激しい反射が続く場合や、発達の遅れ(お座りしない等)が気になる場合は、専門医を受診しましょう。

8. まとめ:モロー反射は一生に一度の「成長の証」


モロー反射は、赤ちゃんが一生懸命に外の世界に適応しようとしている証拠です。

激しくて心配になることもあるかもしれませんが、数ヶ月もすれば懐かしい思い出に変わります。「今だけ見られる貴重な反応」と捉え、おくるみなどの便利なアイテムを使いながら、親子でリラックスして過ごしてください。もし不安な動きがあれば、スマホで動画を撮影して医師に見せるのが、最も確実で安心できる方法です。

この記事を監修した人

中野誠子

株式会社Make Care 代表取締役社長

中野 誠子

看護師 / (元)重症心身障害児者認定看護師

精神科病棟勤務・看護学校教員として経験を積み、「こころに寄り添う看護」を志す。石森・濱𦚰とともに株式会社Make Careを創業。現在は訪問看護ステーションくるみの代表として現場に立ちつつ、メディアにも積極的に登場し、地域精神医療の啓蒙とアップデートに挑む。

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