躁鬱(双極性障害)とは?症状・原因・治療をわかりやすく解説|「気分の波」とどう付き合うか
精神科訪問看護とは「躁鬱(そううつ)って、単に気分の浮き沈みが激しいこと?」
「性格の問題や、気合が足りないだけじゃないの?」
世間ではよく耳にする「躁鬱」という言葉ですが、実際は単なる“気分のムラ”ではありません。日常生活、仕事、そして大切な人との人間関係を壊しかねない、「脳の機能」に関わるれっきとした精神疾患です。
この記事では、日々現場で利用者様に寄り添う訪問看護ステーション「くるみ」の視点から、以下について分かりやすく整理してお伝えします。
- 躁鬱(双極性障害)とは何か
- 「躁」と「うつ」の具体的な症状と注意点
- 躁とうつが混ざり合う「混合状態」の危うさ
- 回復に向けてどう付き合っていけばいいのか
大阪市、寝屋川市、守口市、
門真市、大東市、枚方市全域対象
“精神科に特化”した
訪問看護ステーション
「くるみ」
平日・土曜・祝日 9:00〜18:00
【日曜・お盆・年末年始休み】
※訪問は20時まで
対応させていただいております。
1. 躁鬱とは?正式名称と基本的な考え方
躁鬱とは、正式には「双極性障害」と呼ばれる精神疾患です。
最大の特徴は、以下の2つの極端な状態を繰り返すことです。
・躁(そう)状態: 気分が異常に高揚し、エネルギーに満ちあふれる
・うつ状態: 気分が深く沈み、何も手につかなくなる
これは、今日は元気で明日は落ち込む、といった「日替わりの気分」のレベルではありません。
数週間、時には数ヶ月単位でこの「極端な波」が続き、本人の意思ではブレーキがかけられないのがこの病気のつらさです。
2. 躁状態の症状|「調子がいい」と勘違いしやすいサイン
躁状態は、一見すると「仕事ができる人」「明るくエネルギッシュな人」に見えるため、周囲も本人も病気だと気づきにくいのが特徴です。
躁状態によく見られる「あるある」エピソード
・万能感: 「自分は何でもできる」と根拠のない自信に溢れる。
・活動性の増加: 寝る間も惜しんで仕事や趣味に没頭する。
・多弁: 相手が口を挟めないほど、弾丸のように喋り続ける。
・衝動的な行動: 必要のない高級車を契約する、無謀な投資に全財産をつぎ込む、突然仕事を辞める。
・怒りっぽさ: 自分のスピードに周りがついてこないと、激しく攻撃的になる。
周囲は「最近ちょっとおかしいな」と感じても、本人は最高に気分が良いので、受診を拒否しやすい時期でもあります。
3. うつ状態の症状|躁状態との「落差」の苦しみ
躁状態が嵐のように去った後、深い谷底へ落ちるようにやってくるのが「うつ状態」です。
うつ状態によく見られる症状
・強い悲しみ、虚無感、絶望感。
・今まで好きだったことに1ミリも興味が湧かない。
・体が鉛のように重く、起き上がることも、お風呂に入ることもできない。
・激しい自責の念: 躁状態の時の自分の行動(浪費や対人トラブル)を思い出し、「なんてことをしてしまったんだ」と自分を責め続ける。
躁状態の時の「万能感」を知っているからこそ、動けない自分への自己否定がより強くなってしまうのです。
4. 【要注意】躁とうつが混ざり合う「混合状態」とは?
正しい理解のために知っておきたいのが、躁とうつが同時に現れる「混合状態」です。
これは、「気分は絶望的(うつ)」なのに「エネルギーだけが過剰(躁)」という、非常に不安定で苦しい状態です。
⚠️ 最も注意が必要な時期です
イライラや焦燥感が強く、エネルギーがあるために「衝動的に死を選ぼうとしてしまう」危険性が最も高い時期と言われています。
「うつなのに、じっとしていられない」
「死にたい気持ちが強くて焦る」
と感じたら、一人で抱えず、すぐに医療機関やサポートを求めてください。
5. 躁鬱(双極性障害)の種類と原因
種類について
・双極Ⅰ型: 激しい躁状態があり、入院が必要になることもあるタイプ。
・双極Ⅱ型: 軽い躁状態(軽躁)とうつを繰り返すタイプ。うつが主体のことが多く、「うつ病」と誤診されやすい傾向があります。
原因は「甘え」ではありません
躁鬱は、性格や育て方の問題ではありません。
脳内の神経伝達物質のバランスが乱れることが主な原因と考えられています。
遺伝的要因や、睡眠不足、過度なストレスが引き金になることはありますが、あくまで「治療が必要な脳の不調」です。
6. 治療と「くるみ」が大切にしている付き合い方
躁鬱の治療の基本は「薬物療法(気分安定薬など)」です。
薬で激しい波を小さくし、穏やかな凪(なぎ)の状態を長く維持することを目指します。
私たち「くるみ」では、医療的なケアと並行して、以下の「生活の整え」を重視しています。
① 睡眠リズムの守り人
睡眠不足は「躁」の最大の引き金です。夜更かしをしたくなる衝動を抑え、生活リズムを守るお手伝いをします。
② 自分の「波」のパターンを知る
「このサインが出たら躁の前兆かも」と、一緒に予兆を見つけます。早めに気づければ、波を小さく抑えることができます。
③ 「頑張りすぎない」の練習
躁の時に頑張りすぎると、その反動で後のうつが深くなります。あえて「6割」で抑えるペース配分を、私たちが伴走しながら練習します。
まとめ|躁鬱とは「自分を取り戻すプロセス」
躁鬱は、一朝一夕で治る病気ではないかもしれません。
しかし、「波がある自分」を否定せず、その乗りこなし方を学んでいけば、自分らしい生活を取り戻すことは十分に可能です。
「一人でこの激しい波を乗り越えるのは、もう疲れた」
そう感じたときは、私たちのような支援者を頼ってください。
あなたは決して、怠けているわけでも、ダメな人間なわけでもありません。ただ、少しだけ「気分の調整」が苦手な脳を持っているだけなのです。
焦らず、少しずつ、一緒に歩んでいきましょう。




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