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【専務エッセイ】Vol.71 ミラノ・コルティナ冬季オリンピックの熱狂から学ぶ|日常で活かせる「折れないこころ」のつくり方

くるみの社長エッセイハムさんシリーズ精神科訪問看護とは

大阪市全域を訪問区域とする『訪問看護ステーションくるみ』の代表、濱脇直行が綴る『専務エッセイ』第71弾!

 

少しずつ暖かい日が増え、春の兆しを感じる頃になりましたね。

とはいえ、花粉や黄砂の影響もあり
インフルエンザ以外でもマスクが手放せない時期です。
訪問時の服装が少し軽やかになってきた専務の濱脇です。

2月22日に幕を閉じたミラノ・コルティナ冬季オリンピック
皆さんはご覧になりましたか?
私はかなり観ていました。

雪と氷を舞台に繰り広げられる
トップアスリートたちの極限のパフォーマンス。

メダル最有力といわれた選手が怪我やミスで悔し涙を流す姿、
伏兵と呼ばれた選手が大活躍する展開。
勝敗を分けたのは、わずか100分の1秒、
あるいは数センチの差だったのかもしれません。

あの極限のプレッシャーの中で、
なぜあれほどの力を発揮できるのか。

「特別な才能だから」と思われがちですが、
私はそうではないと思っています。

あの強靭なメンタルは、
日々の積み重ねによって鍛え上げられた“技術”であり
“努力の結晶”なのではないでしょうか。

そしてその技術は、アスリートだけのものではありません。

仕事、勉強、人間関係
日々プレッシャーやストレスと向き合う私たちにとっても
大きな武器になるはずです。

今回は、オリンピックの熱戦から見えてきた
「精神のあり方」を
日常で活かせる3つのポイントに分けてお伝えします。

 

大阪市、寝屋川市、守口市、
門真市、大東市、枚方市全域対象

“精神科に特化”した
訪問看護ステーション
「くるみ」

06-6105-1756 06-6105-1756

平日・土曜・祝日 9:00〜18:00 
【日曜・お盆・年末年始休み】

※訪問は20時まで
対応させていただいております。

 

1.「コントロールできること」だけに集中する

冬季競技は、自然との戦いでもあります。
気温、雪質、風
どれも選手自身ではどうにもできない“制御不能”な要素です。

それでも一流の選手たちは
「風が強くて最悪だ」と
嘆くことにエネルギーを使いません。

彼らが集中するのは
「この風の中で自分の重心をどう保つか」という
自分でコントロールできることだけです。

余計なことにエネルギーを消耗せず、使うべきところに全力を注ぐ。
これは私たちの日常にも応用できます。

理不尽な言葉、他人の感情、天候による交通の乱れ。
私たちは、コントロールできないことに心をすり減らしてしまいがちです。

トラブルが起きたとき、まずは深呼吸して問いかけてみる。

「これは自分で変えられることだろうか?」

変えられないのは「他人の感情」と「過去」。
変えられるのは「自分の捉え方」と「これからの行動」。

この線引きを意識するだけで、
無駄なストレスは驚くほど減ります。

もちろん簡単ではありません。

私自身、日々修行中です。

 

2.こころの「スイッチ」となるルーティーンを持つ

スタート前、選手がふっと表情を変える瞬間があります。
ゴーグルに触れる、深呼吸をする、胸を叩く、空を見上げる。

あれは単なるおまじないではなく
「いつもどおり」を再現するための
メンタルコントロールなのだと思います。

極度の緊張下でも、決まった動作をすることで
脳に「いつもと同じ状態だ」と認識させる。
そうして実力を引き出しているのではないでしょうか。

これは訪問看護の現場でも活かせます。

初めての利用者様のご自宅へ向かうとき。
難しいご家族対応が予想されるとき。
大きな判断を求められる場面。

私たちの仕事も、実は“本番”の連続です。

そんなときのために、
自分なりの小さなルーティーンを持っておく。

深呼吸を3回する。
首をゆっくり回す。
お気に入りの曲を聴く。
温かいお茶を一口飲む。

平常時に繰り返し行い
「これをすると落ち着く」という回路をつくっておくのです。

いざというとき、
その小さな儀式がこころを整える心強い味方になります。

 

3.失敗は「人格否定」ではなく「データ」として扱う

競技中に転倒すれば、大きなタイムロスになります。
それでも一流の選手は一度のミスで崩れません。
すぐに立て直し、最後までやり切ります。

彼らは失敗を
「自分はダメだ」と感情的に受け止めないのだと思います。

「踏み切りが0.1秒遅れた」「エッジの角度が浅かった」
つまり、客観的な“データ”として処理しているのです。

これは看護の現場でも同じです。

ミスをしたとき、
「自分は向いていないのではないか」
「またやってしまった」
と、自分を責めてしまうことはありませんか?

実は私も、どちらかというと自分を責めてしまうタイプです。
反省は必要。
でも、自己否定は前に進む力を奪います。

「確認が不足していた」
「睡眠不足で集中力が落ちていた」
「優先順位を見誤った」

起こった事実だけを切り出して分析する。

失敗は価値を下げる出来事ではなく、
次をよりよくするための“貴重なデータ収集”です。

そう考えられたとき、こころは少し軽くなります。

 

オリンピックでメダルを手にできるのは
ほんの一握りの選手だけです。

それでも、
結果に届かなかった選手たちの涙や
やり切ったあとの清々しい笑顔に
私たちは心を打たれます。

それは、
結果以上に“プロセス”を誇れる姿
だからではないでしょうか。

訪問看護の仕事も同じです。

努力が必ずしもすぐに成果につながるとは限りません。

それでも、
利用者様の生活に寄り添い、
試行錯誤を重ね、
自分自身を磨き続けるその過程こそが、
確実にこころを強くしていきます。

ミラノ・コルティナの熱狂が教えてくれたのは、
特別な才能ではなく
日々の小さな意識の積み重ねが
「折れないこころ」をつくるということ。

まずは今日、「コントロールできること」に目を向けることから。
できることを一つずつ、コツコツと。

私も現場で実践しながら
皆さんと一緒に成長していきたいと思っています。

では、今日はこの辺で。

この記事を書いた人

濱𦚰直行

株式会社Make Care 専務取締役COO

濱𦚰 直行

看護師

オペ看護師としての豊富な経験を活かし、精神科訪問看護の現場へ。地域密着型のケアと現場主義を貫く実践派。石森・中野とともに株式会社Make Careを創業し、現在は訪問看護ステーションくるみの統括責任者として、現場支援と組織運営の両立に挑んでいる。

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