思春期の起立性調節障害(OD)に向き合う!親が知るべき原因と症状、学校との連携法
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朝起きられない、頭痛やだるさを訴える、立ちくらみがする。もしかしてそれは、「起立性調節障害」かもしれません。
起立性調節障害は、小学生から大人まで幅広く発症する可能性がありますが、特に思春期のお子さんに多く見られる病気であり、決してサボりや怠けではありません。
本記事では、起立性調節障害の原因や症状、小児科などの医療機関での診断方法、そして家庭でできる治療法や対策、学校との連携について分かりやすく解説します。
参照:一般社団法人日本小児心身医学会
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親がまず確認したいポイント(受診の目安)
お子さんが朝起きられず体調不良を訴えているとき、親としてまず大切なのは、怠けではなく体の不調として捉えることです。そのうえで、日々の生活の中で次の点を確認してみてください。
まず、午前中に症状が強く、午後から夕方にかけて軽くなる「日内変動」があるかどうかです。
次に、立ち上がったときに立ちくらみ、めまい、動悸が出やすいかどうかも重要なサインです。
そして何より、遅刻や欠席、保健室登校が増えるなど、学校生活に明確な支障が出ているかを確認しましょう。
これらが複数当てはまり、数週間以上続いている場合は、無理をせずに早めに小児科などの医療機関を受診し、医師に相談することをお勧めします。
思春期に多い「起立性調節障害(OD)」とは?どんな病気?
起立性調節障害(ODとも呼ばれます)は、自律神経の働きが乱れることで、血圧や脈拍などの調節がうまくいかなくなる状態です。
自律神経には体を活動させる交感神経と、休ませる副交感神経がありますが、このバランスが崩れると、立ち上がったときに血圧が下がったり、脳への血流が一時的に不足したりして、さまざまな不調が起こります。
特に小学校高学年から中学生にかけての思春期に多く発症し、中学生の約1割に見られると言われています。
午前中は症状が重く、午後から夕方にかけて楽になりやすいのも特徴です。そのため、午前中は体調不良で休んでいるのに午後は元気に見える、ということも起こりやすく、周囲に誤解されやすい病気でもあります。
起立性調節障害の主な症状とセルフチェック
起立性調節障害の代表的な症状には、朝起きられない、寝つきが悪いといった睡眠の問題や、立ちくらみ、めまいが起こりやすいことが挙げられます。また、全身の強い倦怠感やだるさ、慢性的な頭痛や腹痛、少し動いただけで起こる動悸や息切れ、食欲不振、顔色が悪いと言われるなどのサインが出ることもあります。
こうした症状が重なり、生活に支障が出ている場合は、起立性調節障害の可能性も考えられます。症状の程度には個人差があり、軽症から、学校生活に大きな支障をきたして不登校状態に陥ってしまう重症例まで様々です。
セルフチェックの目安
次の項目が複数当てはまる場合は、起立性調節障害の可能性があります。
- 朝起きるのが極端につらい/午前中に症状が強い
- 立ちくらみ、めまい、ふらつきが起こりやすい
- 動悸、息切れ、頭痛、腹痛が続く
- 食欲不振がある、疲れやすい、顔色が悪いと言われる
- 遅刻や欠席が増える、保健室登校・別室登校が増えた
※症状だけで決めつけるのは難しいため、心配な場合は医療機関で相談しましょう。
起立性調節障害に見られる4つのタイプ(サブタイプ)
医学的には、立ち上がった際の血圧や心拍の変化から、主に4つのタイプに分類されます。
1つ目は起立直後性低血圧です。立ち上がった直後に血圧が急に下がり、回復に時間がかかるタイプで、強い立ちくらみを伴います。
2つ目は体位性頻脈症候群です。血圧の低下は目立たないものの、起立後に心拍数が大きく増えて、動悸や息切れが起こりやすくなります。
3つ目は神経調節性失神です。立っている最中に急激に血圧が下がり、突然失神してしまうことがあるタイプです。
4つ目は遷延性起立性低血圧と呼ばれ、立っている状態が続くと数分後から徐々に血圧が下がり、気分が悪くなったり、失神に至ることもあるタイプです。
なぜ思春期に多い?起立性調節障害の原因
起立性調節障害の発症には、思春期特有の身体的変化だけでなく、いくつもの要因が関わっていると考えられています。
思春期に集中しやすい理由のひとつは、体が急激に成長する一方で、その変化に自律神経の調整が追いつかないことがあるためです。
これに加えて、次のような要因が発症や悪化のリスクを高めます。
遺伝的要素や体質として、約半数に遺伝的な関与があるとされ、親兄弟に経験者がいると発症しやすい傾向があります。また、水分や塩分が不足すると血液量が保ちにくくなり、立ち上がったときに脳への血流が減りやすくなります。
足の筋肉は血液を心臓へ戻すポンプの役割を担っていますが、運動不足などで筋力が落ちると、血流が滞りやすくなります。さらに、精神的なストレスも影響します。
学校の人間関係や進学、クラス替えといった環境の変化など、日常のストレスが自律神経の乱れにつながることがあります。真面目で気を遣うタイプのお子さんがなりやすいとも言われています。
サボりではない?医療機関での診断方法
お子さんが体調不良を訴えている場合、単なる夜更かしや怠けと決めつけず、まずは小児科などの医療機関を受診することが重要です。
医療機関では、問診で症状や生活状況を確認しながら、もやもや病や心疾患、貧血など、別の病気が隠れていないかを血液検査などで確認します。
こうした病気が否定され、起立性調節障害の疑いが強い場合には「新起立試験」が行われることがあります。これは、寝ている状態から立ち上がったときの血圧や脈拍の変化を測定し、自律神経の働きを客観的に評価する検査です。
症状を放置して長引くと、昼夜逆転による睡眠相後退症候群や、うつ病などを併発するリスクも高まります。重症化する前に、早めに受診して適切な対応につなげることが大切です。
起立性調節障害の治し方・治療法
起立性調節障害には、すぐに確実に治す特効薬は存在しません。治療は非薬物療法と薬物療法を組み合わせて進めます。
非薬物療法(生活習慣の改善)
副作用の少ない非薬物療法が治療の基本となります。まずは水分と塩分の摂取です。
主治医の指示を前提に、こまめな水分補給と、必要に応じた塩分の調整を行います。無理のない範囲で続けることが大切です。
次に睡眠と光環境の調整です。決まった時間に起床と就寝を心がけ、朝は太陽の光を浴びて体内時計を整えます。日中は横になりすぎず、座ったり上半身を少し起こして過ごすことで、体が「立つ状態」に慣れやすくなります。また、急に立ち上がらず、ゆっくり立ち上がる工夫も役立ちます。
長時間立ち続けるのがつらい場合は、足を交差させたり軽く足踏みをしたりして血流を促しましょう。無理のない範囲でウォーキングやストレッチを取り入れ、下半身の筋力を保つことも大切です。
薬物療法
生活習慣の改善だけでは効果が不十分な場合や症状が強い場合には、血圧を上げる薬や脈拍を調整する薬などを用いて症状を和らげる薬物療法が検討されます。医師の指導のもと、適切に行うことが重要です。
周囲の理解が不可欠!家庭や学校でできる対策とサポート
起立性調節障害の改善には、お子さん自身の努力だけでなく、家族や学校など周囲の理解と連携したサポートが欠かせません。
ご家庭での正しい接し方
この病気は気合いでどうにかなる問題ではないという性質を、家族全員で理解することが大切です。
無理に起こしたり強く促したりすると、本人の負担が増えて逆効果になることがあります。お子さんが午後から元気に活動できる場合でも、それをサボりと否定せず、「今できること」を評価して見守ってあげてください。
学校との連携・不登校への対応
学校側にも診断書を提出するなどして病気への理解を深めてもらうことが大切です。その上で、午後からの登校を認める、体調が悪い時は保健室や別室登校を活用する、体育の見学を許可するなど、お子さんの体調に合わせた柔軟な配慮をお願いしましょう。
医療・家庭・学校が三位一体で連携することが、回復への近道となります。
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よくある質問(FAQ)
いつ頃治るのでしょうか?
起立性調節障害は、身体の成長に伴って自律神経の働きが安定してくると、徐々に症状が和らいでいくことが多い病気です。多くの場合、数か月から数年単位でゆっくりと回復に向かいます。焦らず、お子さんのペースに合わせて長期的な視点で見守ることが大切です。
朝起きられない時は学校を休ませてもいいのでしょうか?
無理に登校させようとすると、身体的にも精神的にも大きなストレスとなり、症状を悪化させる原因になります。朝は無理をさせず、しっかりと休ませてあげてください。体調が回復してくる午後から登校するなど、学校と相談して柔軟な登校スタイルを見つけることが推奨されます。
まとめ
起立性調節障害によって不登校の状態が続くと、お子さんだけでなく、支える親御さん自身も「このまま学校に行けなくなるのでは」「自分の育て方が悪かったのでは」と精神的に追い詰められてしまうケースが少なくありません。
ご家庭だけで抱え込まず、外部のサポートを頼ることも有効な選択肢です。お子さんが体調不良の長期化によりうつ状態になってしまった場合や、ご家族自身が心身の疲労で限界を感じている場合など、精神的なケアが必要だと主治医が判断したときには、「精神科訪問看護」を利用できる場合があります。
精神科訪問看護は、主治医の指示のもと、看護師などがご自宅を訪問し、服薬管理のサポートや生活リズムへの助言、そして何より、ご本人やご家族の不安・悩みに寄り添う心理的ケアを行います。必要に応じて、ご家庭と医療機関・学校との連携をサポートすることもあります。
心身へのストレスを減らし、規則正しい生活を周囲が支えていくことが回復への第一歩です。少しでも不安があれば、決して一人で抱え込まずに医療機関や専門家にご相談ください。
ひとりで抱え込まないでください。私たちがそっと寄り添います。
ご家族やご本人だけで抱え続けることの苦しさを、私たちは知っています。
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