起立性調節障害の「新起立試験」とは?目的から手順、従来の検査との違いまで徹底解説
精神科訪問看護とは
朝起きられない、めまいや立ちくらみがひどい、午前中に体調が優れない――こうしたお子様の症状でお悩みではありませんか?これらの症状は、決して「怠け」や「甘え」ではなく、「起立性調節障害(OD)」という病気の可能性があります。この起立性調節障害を正確に診断し、適切な治療法を見つけるために医療機関で行われる重要な検査が「新起立試験」です。
本記事では、新起立試験の概要や目的、具体的な手順、従来の検査との違いまでを詳しく解説します。また、なぜこのような症状が起こるのかという背景、ご家族でできる日常生活の対応方法、そして私たち訪問看護ステーションが診断後の生活をどのように支援できるかもご紹介します。医療機関(小児科など)の受診を検討している方や、お子様の健康管理に不安をお持ちの方は、ぜひ参考になさってください。
参照:
関連記事:起立性調節障害とは?原因や症状、治療法・予防法を徹底解説
ご不安な気持ちが強い時や、文章を読むのがお辛い時は、無理をせず私たちにお声がけください。
精神科の専門スタッフが、あなたの状況に合わせてお話をお伺いします。まずはお気軽にご相談ください。
大阪市、寝屋川市、守口市、 平日・土曜・祝日 9:00〜18:00 ※訪問は20時まで
門真市、大東市、枚方市全域対象“精神科に特化”した
訪問看護ステーション
「くるみ」
【日曜・お盆・年末年始休み】
対応させていただいております。
起立性調節障害(OD)とは?病気の概要と主な症状
起立性調節障害(OD:Orthostatic Dysregulation)とは、立ち上がる際に自律神経による血圧の調整がうまく働かず、重力によって血液が下半身に過剰に移動し、脳や全身への血流が低下してしまう状態を指します。特に小学生高学年から中学生といった思春期の子どもに多く見られる疾患で、身体の急激な成長に自律神経の働きや発達が追いつかないことが主な原因です。近年では、患者数の増加が調査データとしても認められており、教育現場や社会的な課題としても注目されています。
主な症状と特徴
- 朝なかなか起きられず、起床が困難(学校の欠席や遅刻の理由になりがち)
- 立ち上がるとめまいや立ちくらみ、激しい動悸がする
- 脳の血流低下により一時的に意識が遠のき、失神することがある
- 慢性的な頭痛や腹痛、強い倦怠感が続く
- 午前中に体調不良が続くが、午後や夕方には比較的回復する
こうした症状は午後から夜にかけて回復する傾向があるため、「夜更かしが原因」「学校に行きたくないだけ」などと誤解されやすく、結果として不登校にもつながりやすいのが実情です。また、精神的・社会的ストレスが自律神経の乱れをさらに悪化させ、症状の長期化につながるケースも珍しくありません。
類似症状を持つ「鉄欠乏性貧血」や「迷走神経反射」、他のアレルギー疾患等と正確に区別するためにも、まずは医療機関での適切な受診が重要です。
関連記事:朝起きられない中学生は「怠け」じゃない|原因と対策・受診先を解説
関連記事:起立性調節障害と不登校の関係とは?親ができる対応と学校との連携法を解説
関連記事:思春期の起立性調節障害(OD)に向き合う!親が知るべき原因と症状、学校との連携法
なぜ症状が起きる?自律神経の働きと発症の背景
人間の体は立ち上がった時、重力で血液が下半身に溜まるのを防ぐため、自律神経(交感神経)が自動的に下半身の血管を収縮させ、心臓へ戻る血液の量を調節しています。しかし、起立性調節障害の患者さんはこの自律神経の働きに乱れがあり、血管の収縮が十分に起こらず脳の血流が低下し、起立性低血圧などを起こしてしまいます。
思春期は心身ともに変化が大きい時期。急激な身長の伸びと神経系の発達のアンバランスだけでなく、進学やクラス替えといった環境の変化、人間関係の悩みなど、さまざまなストレスが複雑に絡み合って発症することも多いのが特徴です。したがって、「気の持ちよう」で済ませられるものではなく、医療的なアプローチと周囲の正しい理解が不可欠な病気であることを理解しておきましょう。
新起立試験とは?実施する目的と検査の内容
新起立試験は、主に起立性調節障害の診断や症状の重症度判定に使われる、非常に重要な検査です。ただ一度血圧を測定するのではなく、起立時の血圧・心拍数の変化を連続的に追いかけることで、どのタイプの起立性調節障害であるかを正確に見きわめるために行われます。
起立性調節障害には、立ち上がった直後に血圧が大きく下がる「起立直後性低血圧」、血圧低下は目立たないものの心拍数が異常に上昇する「体位性頻脈症候群」、失神を伴う「神経調節性失神」など、主に3つ以上のサブタイプ(型)があります。新起立試験で得られるデータにより、お子様の症状の型に合わせた適切な薬物療法や生活指導の選択が可能となります。
新起立試験の具体的な手順と判定基準
新起立試験は一般的に次のような手順で行われます。患者さんの体調に十分配慮しながら実施される点も特徴です。
-
安静時の測定
まず、静かな環境でベッドなどに仰向けに寝て約10分間安静にし、血圧と心拍数を測定します。ここで得た数値が基準となります。 -
起立時の測定
その後、自力で立ち上がり、起立直後から約10分間、血圧と脈拍の変動を定期的に記録します。
血圧変化と判定基準
特に重要となるのは、起立前後や数分後の血圧や脈拍の変化率、そして「血圧回復時間」です。立ち上がったあと血圧がどれだけ早く安静時の値に回復するか、例えば回復に25秒以上かかる場合などは自律神経の異常が疑われます。
こうした変化のグラフ化や具体的な判定基準をもとに、より正確な分類・診断が可能になります。
従来の検査との違い・メリット
これまでの起立試験との最大の違いは、データの緻密さと診断基準の明確さにあります。旧来の検査は血圧低下の有無を一度測るだけの簡易的なものが多く、心拍の変動や回復時間まで追いきれない場合もありました。
新起立試験では、起立直後から持続的かつ詳細に血圧・心拍の変化をチェックするため、従来は見逃されやすかった軽度の自律神経異常の発見や、他疾患との的確な鑑別ができるようになっています。これにより診断精度が大幅に向上しています。
医療機関(小児科など)での診療の流れと費用について
起立性調節障害が疑われる場合、適切な医療を受けるための基本的な流れは以下の通りです。
-
問診・診察
まず医師による丁寧な問診が行われます。発症時期や症状の経過、家族歴やアレルギーの有無なども確認されます。日常の観察メモや家族からの情報も診断の重要な助けとなります。 -
新起立試験の実施
問診の内容をふまえ、必要に応じて新起立試験を行います。また貧血や甲状腺疾患等の除外目的で血液検査も追加されることがあります。 -
結果説明と治療方針の決定
検査結果に基づき、どの型に該当するかを説明され、薬物療法や生活指導など今後の治療方針を医師と一緒に決めていきます。
関連記事:起立性調節障害を診てくれる病院の探し方|親・子ども・大人向けの受診ガイド
保険点数と費用について
新起立試験は保険適用のある標準的な検査で、多くの医療機関で受診可能です。自己負担額は初診料や他検査の有無で異なりますので、受診前に医療機関へ問い合わせておくと安心です。
Q&A
初めてこの検査を受ける患者さんやご家族が抱くことの多い疑問をまとめました。
Q. 新起立試験は痛みを伴いますか?
A. 基本的には血圧計による検査なので、注射のような痛みはありません。ただし、起立時に気分不良やめまいが現れることがあるため、少しでも不調を感じた場合はすぐに医師・看護師に伝えてください。
Q. 結果が出るまでの時間は?
A. 測定データはその場で確認できるため、通常は当日中、早ければ診察時に結果や診断方針を聞くことが可能です。
Q. 受診の際の注意点は?
A. 日常の症状出現時刻や状況(特に朝・午前中)を事前にメモし、受診時に医師へ伝えると的確な診断につながります。ご家族が同席し助言するのも有効です。
日常生活でできる対応と治療法(薬物療法・非薬物療法)
新起立試験で診断されたあとは、医師の指導に従って適切な治療を進めていきます。
非薬物療法(生活習慣の改善)
- 水分と塩分摂取:1日1.5〜2Lの水分と、やや多めの塩分補給で起立性低血圧を防ぎます。
- 起き上がり方の工夫:急に立ち上がらず、布団の中で体をゆっくり動かしてから頭を上げるようにしましょう。
- 睡眠と食事の調整:スマートフォンやゲームによる夜更かしを避け、毎朝同じ時間に起きて体内時計を整えることが重要です。適度な運動で下半身の筋力をつけるのも効果的です。
薬物療法
- 症状が強い場合は、血圧を上げる薬や自律神経を調整する薬が処方されることがあります。自己判断で服薬を中止せず、必ず医師の指示に従いましょう。
まとめ
新起立試験は、起立性調節障害の正確な診断や治療方針決定に欠かせない重要な検査です。
「朝起きられないのは怠け」などとご自身やお子様を責めず、まずは小児科などの適切な診療科を受診し、検査で現状を正しく把握してください。
診断後はご家族だけで全て抱え込もうとせず、医療機関や私たち訪問看護ステーション等の専門家を頼りつつ、お子様に合ったサポート体制を整えていきましょう。起立性調節障害や不登校など、ご家庭での療養生活に不安がある場合は、訪問看護ステーション「くるみ」へお気軽にご相談ください。
ひとりで抱え込まないでください。私たちがそっと寄り添います。
ご家族やご本人だけで抱え続けることの苦しさを、私たちは知っています。
「少し話を聞いてほしい」だけでも大丈夫です。まずはお気軽にご相談ください。
大阪市、寝屋川市、守口市、 平日・土曜・祝日 9:00〜18:00 ※訪問は20時まで
門真市、大東市、枚方市全域対象“精神科に特化”した
訪問看護ステーション
「くるみ」
【日曜・お盆・年末年始休み】
対応させていただいております。