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【第二回社長エッセイ】学生時代の思い出

2023.06.07 くるみの社長エッセイ精神科訪問看護とは誠子さんシリーズ

私は看護科のある高校に通っていました。
私が母校を選んだ理由は、一刻も早く看護師さんになりたかったからです。
昔からこうと決めたら猪突猛進、一心不乱。人のアドバイスも聞かずに行動する傾向がありました(今もそうですが)。
高校選びをしていたときに、母校のパンフレットを見て、見学会に行って、「ここにします!」と決めました。

ほぼ即決した高校の看護科でしたが、それは想像以上に厳しいものでした。
高校の勉強をしつつ、看護の勉強をしていきます。不器用で二つのことをいっぺんにできない私はかなり苦労をしました。
また、県外の高校だったため寮生活になりました。この寮生活がまたしんどかった……!
おかげでいろいろなことが学べましたし、それも学生時代の大きな思い出の一つですね。

学校の思い出といえば本当にいろいろありますが、驚いたことの一つに入学式前の「入学式の練習」というものがあります。入学式の練習なんて初めて経験しました。
お辞儀の角度など細かいことまでたくさん言われて、ここでやっていけるのか……? と入学前から不安になったことを覚えています(笑)。
それから体育祭。入学式でさえも練習があったほどの学校です。体育祭の練習も当然「そんなにする?」というほど、行進の練習をしました。
厳しい毎日が繰り返されていくなか、だんだんとそれが普通になっていく自分にも驚きました。

寮生活でもいろいろありました。
寮生活では寮長という大役を任せていただけることになり、人前で何かを伝えることや決断をすることなどを学び、それはもうさまざまな経験もしました。
寮長は嫌われ役も買って出ないといけないです。
寮長だったM先輩がとても素敵な人で、周囲の信頼を得ているからこそできることがある、そのために何をしないといけないか、ということを教えてもらいました。それは今でもこころに残っています。
寮長をすることはしんどい部分も多かったですが、M先輩に教えてもらいながら学べたことは、自分にとって大きな経験だったと思います。

そして、寮生活を語るうえで外せない思い出は「Mr.Children」との出会い。
寮では3~4人一部屋で、私は3年生と2年生の先輩と同じ部屋でした。
学校で会うのも緊張するのに、部屋に帰ってからも緊張しながら過ごさなくてはいけなくて、気が休まらない日々が続きました。
そんな毎日がつらくなってきていたある日、先輩のラジカセからある曲が流れてきました。
「これ何? この曲いい!!」。すぐ先輩に「これ、誰が歌っているんですか?」と聞き、ミスチルの曲だということを教えてもらいました。
スマホなんてない時代ですので先輩に聞くしかなく、どうしてもこの「ミスチルの曲」を知りたかった私は緊張していることも忘れ、先輩に質問していたのです。
それから、ミスチルが『Mr.Children』というアーティストだということ、この曲が『抱きしめたい』という曲名であることを聞き、その週末さっそくTSUTAYAに行きました。これが私のMr.Childrenとの出会いです。『Kind of Love』というアルバムを見つけて借り、ダビングしたのを今でも鮮明に覚えています。

あの日から今でもずっと、こうして聞き続けているMr.Childrenの曲ですが、私が看護師を目指してあの学校を選び、寮生活を送らなければ、Mr.Childrenに出会っていなかったのかもしれないなぁと思います。

学生時代は個性の強い担任の先生やクラスメイトとの思い出もたくさんあります。
担任の先生の中で一番こころに残っているのが、専攻科2年のときに担任だったS先生です。優しさと厳しさのメリハリがあって、生徒のことを常に思ってくださっている、大好きな先生でした。
実習でこころがバッキバキに折れた帰校日にはいつもさりげなく声をかけて励ましてくれたり、国家試験の合否発表のあとも手紙を送ってくれたり、いつも気にかけてくださっていました。
あのときいただいた手紙を見て、挫けそうな新人時代を乗り越えました。今でも大事にとっています。

5年間一緒にあの環境を乗り越えてきた同級生とは、今でも連絡を取り合っています。
つらい日々を支え合い、たくさんの挫折をともに乗り越え、達成感をともに味わい……、そうして学校生活や寮生活をともに戦ったという印象があるため、「同級生」という言葉ではなく、「戦友」という言葉が一番しっくりくるような気がします。

看護師という職業を選んで、少しずつ育っていく基礎となる経験をした5年間。
学生時代は、「なんで自分たちばっかりこんなにしんどい思いをしなければいけないのか」「他校の友達はあんなに楽しそうなのに」と、しんどいことばかりだと思っていました。
しかし、寮生活だったからこそ、すぐそばには同じ環境のなか頑張っている仲間がいて、テストや国家試験の勉強も、みんなで頑張り、励まし合ってきたからこそ、乗り越えることができました。
あの5年間がなければ、今こうして看護師として働くことはできていないでしょう。

今考えるといい思い出のほうが多い学生時代。
これを書きながらいろんなことを思い出し、いろんな場所、国で頑張っている同級生を思い出し、私もまた頑張ろうと思えました。

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