大阪市全域を訪問区域とする『訪問看護ステーションくるみ』の代表、中野誠子が綴る『社長エッセイ』第7弾!
みなさん、こんにちは!
最近朝や夕方は少し暑さが和らぐ日が増えてきましたね!
いかがお過ごしでしょうか?
先週は社長エッセイの投稿のお休みをいただいたのですが……
実は、家族全員でインフルエンザA型に感染してしまい、
2歳の息子は入院にまで発展……
今週やっと全員復活して、日常を取り戻しつつあります。
こんな真夏にインフルエンザ?! と驚きましたが、
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)以降、
少しずつ変化して今はこの季節でもインフルエンザが増えているそうです。
個人的には、中学生ぶりのインフルエンザ、
41℃の高熱に体の痛み……
か・な・り! 堪えました。
もう二度とかかりたくない。笑
みなさんも外出後の手洗い、うがいや10分置きの水分補給など……
ありとあらゆるウイルスへの感染対策をして、
なるべく何にも感染しないようお気をつけくださいね(;_;)
それでは今から誠子さんの社長エッセイ
『仕事のやりがい』
スタートです♡
どんなことにやりがいを感じているのか……
ぜひぜひ楽しんでください!
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『仕事のやりがい』ってなんだろう?
このテーマをもらって改めて考えました。
少し話は逸れますが、物事を改めて見つめなおすっていいですね。
このエッセイを始めてから、
いろんなことを改めて考えなおすいいキッカケになっています。
今日は、仕事のやりがいについて。
それは年齢によって変化していっているような気がします。
そのときどうしてそう感じたのか、
今の自分なら客観視して考えられるような気がするので
自己分析も含め話をしていき、
最後に今の自分が考える仕事のやりがいを書ければと思っています。
看護師になって初めての就職先は精神科でした。
入職して最初の1年は
毎日仕事を覚えるのに必死でした。
九州生まれの私は
患者さんの話す関西弁の意味もわからない、語尾も強く怖い、精神科の症状を見て怖い……
本当にここで働いていけるのか、不安しかありませんでした。
そんな私でも「人の役になっている!」と初めて思えたエピソードがあります。
それは看護師になって2年目のときです。
いつもソワソワ、病棟内を歩いている患者さんがいました。
Aさんとしましょう。
私は以前から
Aさんがソワソワしているときの表情が気になっていたので、
一緒に病棟を歩いて話をしてみることにしたのです。
出勤の日はできるだけ毎日、
同じように歩きながら話をするようになったのですが、
Aさんは
前を向き、表情を変えることなく、ただ私の質問に答えてもらうだけ
そんなコミュニケーションが続きました。
ある日歩いていたAさんがくるっと振り返られました。
私は予想外の行動に驚きびっくりした表情をしていたと思います。
Aさんは「ちょっときて」と言って私を部屋に連れていき、椅子に座るよう促してくれました。
「なんやろ、嫌やったんかな?」と思っていると、
Aさんは
「いつもありがとね。私と一緒に歩いてくれたからうれしかってん。
他の人はなんで歩くのか聞くのにあなたは聞かないから。安心できたんよ」
と話し始めてくれました。
私はいつも、天気や食事のこと、レクレーションのことなど
本当にたわいもない話ばかりしていました。
きっと何かしらの不安があるんだろうな、
それを考える時間が少しでも減らすことができていればいいな、
という気持ちで毎日お話ししていたので、
私がそれを言わなくても伝わっていたのがとてもうれしかったです。
その旨をAさんに伝えたところ
「なんか言わなと思うとわからんくなるねん。言いたくないこともあるしな。そうしてくれてよかったんよ」
と言ってくださいました。
当時の私は、
患者さんの思いを全部聞いて
アセスメントをしないとわからない
と、どこかでまだ思っていて、
「情報収集をしないと」
と、必死になっていた私に
Aさんは大きな気づきをくださいました。
それとともに、
私は患者さんに成長させてもらっているな
と実感しました。
患者さんにケアを提供するだけではなく、患者さんから成長させてもらっている。
そこから相互関係が築けて、いい影響を与えることができる。
信頼関係を築くことは時間がかかりますが、
お互い成長していけることがやりがいの一つであると思っています。
次に重症心身障害児者の施設で働いていたときのお話です。
施設にはさまざまな年齢層の方が入所されています。
障害を抱えながら日常生活でできることが増えるように、
今できていることが長くできるように、リハビリに励まれています。
そこで就学前の子どもたちと関わることがありました。
もともと障害があり、肩や手首の動きに制限もあって、
自分で食事をすることができないだろうと思っていた子が、
作業療法士さん、理学療法士さん、言語聴覚士さんの
毎日のリハビリにより
自助具を使いながら食事をとることができるようになって。
それを見たとき、子どもの成長のすごさはもちろんですが、
リハビリをするスタッフの方のアセスメント力、
保育士さんの関わりなど
さまざまなスタッフが一丸となって話し合い、考え、
リハビリや日常生活支援を行うこと、
諦めずに支援していくこと
が、どれだけ大切かということがわかりました。
多職種で話し合い、支援ができること。
これが施設での看護のやりがいではないかと思っています。
看護学校で働いていたときは、
自分が看護をするというより「教える、伝える」ということが増えました。
その中でわかったことは「自分の知識の曖昧さ」です。
今まで自分がどうしてそうしてきたのかを教えるうえでは根拠が必要です。
それを学び直すことでわかったこともたくさんありました。
そして学生と話をしていると自分の頭が固いことに気づきました。
看護学校で授業をたくさんしながら
学生と関わり、感じた私のやりがいは
学び続ける楽しさがあるということです。
看護師は常に学び続け、内省を行いながら成長をしていくからこそ、患者さんにあった看護ができる。
それができることがやりがいであり、楽しいと思っています。
今の私が考える仕事のやりがいのキーワードは『成長』だと、書いていて思っています。
内省を常に行い自分に向き合うことで自己理解が深まり成長をしていく。
自己成長はもちろん、患者さまの成長、スタッフの成長です。
『成長までの過程を一緒に一喜一憂しながら進み成長を一緒に喜んでいける』
それが今の私にとっての仕事のやりがいです。
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