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【CEOコラム】Vol.033 精神、小児重心、そして“小児精神”へ – くるみが掲げる「第3の専門性」

2025.07.04 HEROさんシリーズくるみの社長エッセイ

こんにちは。株式会社Make CareのCEOであり、訪問看護ステーションくるみでマーケティングを担当している石森寛隆です。
XではHEROと名乗っていますので、もしよろしければフォローください。

さて、おかげさまで弊社、株式会社Make Careは何とか無事に3期目を終え、
7月1日から4期目のスタートを切ることが出来ました。

これもひとえに日々、利用いただく利用者の皆さま、関係各所の方々、スタッフの日々の働きに助けられてのことです。
経営陣一同、感謝の念が絶えないところです。

4期目をスタートするにあたり、
精神的に辛い時期も重なっていたため、株主としての関わりから始まった会社との関係が、
一社員としての関わりに変わり、経営の意思決定のイニシアチブをある程度持つようになっていました。

そこで、執行役員CEO、暫定CEOのような立場でいたのですが、
いよいよ、意思決定に責任を持つ立場であるべきタイミングだと言うこともあり、4期目にして代表取締役に就任することにしました。

4期目の役員体制は以下となります。

代表取締役CEO : 石森 寛隆
代表取締役社長 : 中野 誠子
専務取締役COO : 濱𦚰 直行
取締役CHRO : 天谷 裕

来期こそはここに、CFOを迎え入れられるようになりたいものです。

と言っても、特段、何か大きく現場の体制が変わる、と言うわけではなく、意思決定の責任の度合いが変わった、と言うだけではあります。

大阪市、寝屋川市、守口市、
門真市、大東市、枚方市全域対象

“精神科に特化”した
訪問看護ステーション
「くるみ」

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06-6105-1756

第4期を迎えて――問い直す専門性の意味

そんなわけで、このコラムでは、第3期の振り返りとともに、役員体制変更も踏まえて第4期の挑戦を語ってみようと思います。そしてその中心に置くべきだと考えているのが、「精神」「小児重心」に続く“第3の専門性”としての「小児精神」の位置づけです。

この決断は、単なるサービス拡張ではありません。

僕たちが訪問看護という営みを通して、どんな社会にコミットし、どこに手を差し伸べ、なにをあえて手放すのか――。

それを言語化し、社会に向けて提示する覚悟でもあります。

第3期の足跡――数字と広がり、そして確信

第3期(2024年7月〜2025年6月)は、くるみにとって「拡張と確信の1年」でした。

売上:2期 1.24億円 → 3期 2.2億円(+77%)

契約者数:2期 171人 → 3期 263人(+92人)

対応エリア拡大:大阪市全域 → 枚方市、寝屋川市、門真市、大東市、守口市まで拡大

SEO強化:精神訪問看護領域で自然検索順位と流入数を大幅に伸ばす

メディア露出

テレビ大阪「やさしいニュース」にて地上波初出演(YouTube再生70万回目前)

共同通信の取材記事が全国地方紙に掲載

まいどなニュース、CHANTOなどネット記事掲載多数

これらの数字や露出は、単なる自己満足ではありません。

精神科訪問看護や小児の在宅支援に対する社会的関心の高まり、そして何より、僕たちの現場が発信すべき価値を持っているという確信を得た一年でもありました。

第4期(2025年7月〜2026年6月)を迎え、くるみは以下の3つの明確な目標を掲げることにしました。

① 単独売上3.6億円の達成(前年比+1.4億 / 163%)

月商換算で3,000万円台から6,000万円水準へ。
数を追うのではなく、必要とされるケアの濃度と質を上げたうえで、収益構造を成立させることに挑みます。

② 債務超過からの脱却と黒字化の実現

財務基盤を整えることは、ステーションにとって“ケアの持続可能性”を保証するもの。
人件費構造・稼働効率・単価設計を見直し、経営としての強度と覚悟を持った訪問看護へと進化させます。

③ 機能強化型Ⅲの取得 → 段階的にⅠ型を目指す

現時点で、機能強化型Ⅲの要件はほぼすべてクリア済みです。
唯一のハードルである「小児重心利用者10名以上の確保」を突破することで申請が可能となります。
そこから半年〜1年以内にⅠ型取得を目指し、訪問看護の質と信頼の象徴として「機能強化型Ⅰ」を構造的に実現していきます。

これらの目標は、経営指標というだけでなく、「誰に、どんな看護を、どう届けるのか?」という姿勢そのものを社会に示すチャレンジでもあります。

介護保険領域を「請けない理由」――“断らない”と“譲る”の境界線

くるみは、介護保険の指定は取得しています。

しかし原則として、介護保険領域の訪問依頼は請けていません。

もちろん、緊急度や連携の必要性によっては伴走しますし、依頼されたケースを頭ごなしに断るようなことはありません。僕たちは「原則、依頼は断らない」というスタンスを大切にしてきました。

ただその上で、こう考えています。

介護保険には介護保険のプロフェッショナルがいる。
身体には身体の専門家がいる。

特に大阪府・大阪市は、日本全国で最も訪問看護ステーションの数が多い地域です。

だったら、僕たちは不得意なことをあえてやらずに、得意な誰かにお願いした方がいい。

「自分たちがやるべきでないことは、誰かに任せる」。
これは、逃げではなく、譲るという誠意だと考えています。

そして実際のところ、今のくるみには、身体領域や介護保険領域において専門家と呼べる人材がいません。そこにモチベートされているスタッフもいません。

つまり、僕たちの中に“物語”がまだ生まれていない領域なのです。

ただし、精神科訪問看護の指示に基づき支援しているなかで、併発的に身体的な看護処置が必要になることもあります。そういったケースに対して、

「これは身体だから」「これは介護保険だから」と言って、ケアを切り離したり、投げ出したりするようなことは絶対にしません。

あくまで、“主たる目的”に沿って関わるべきかどうかを判断するだけであって、
現実の暮らしの中で発生する苦しさや不安を前にして、制度の壁を理由に手を引くことは、くるみのケアではありません。
それが、僕たちの訪問看護の根っこにある信念です。

精神、小児、そして小児精神には、その人がいて、その物語がある。

だから、そこに集中します。

精神、小児重心、小児精神――「3本の矢」がそろう意味

第4期を迎えるにあたり、くるみは「3本の専門性」を明確に打ち出します。

🌱 精神科訪問看護(成人・高齢・ひきこもりなど)
👶 小児重症心身障害児(医療的ケア児含む)
🧠 小児精神(発達・情緒・不登校・思春期メンタル)

この3本は、制度の狭間にいる人に訪問看護の力を届けるという点で共通しています。

そして“小児精神”については、すでに水面下で多くの支援実績がありました。
・不登校の小学生
・摂食障害や自己傷害に悩む思春期
・医療にも福祉にもつながらず、家庭で孤立する親子

そこに、訪問看護師として僕たちは入ってきました。
だけどこれまで、それを専門性として明文化してはこなかった。

第4期では、それをあえて言葉にして掲げる。
組織として、正式な“柱”として小児精神に取り組む。
これは、くるみの未来像そのものです。

機能強化型加算への挑戦――現実と戦略

くるみはこれまで、機能強化型加算を一切算定してきませんでした。

精神や小児といった領域のニーズが高く、制度に依存せずとも運営が成立する構造を作ってきたからです。

でも、第4期からは違います。

まずは機能強化型Ⅲを取得する。
現時点でほぼすべての要件はクリア済みで、
唯一のハードルが「小児重心利用者10名以上の確保」です。

ここを突破することで、半年〜1年以内にⅠ型への昇格を視野に入れます。
これは単なる加算取得ではなく、

「地域を支える拠点ステーションとしての信頼」
を目に見えるかたちで表す戦略的な布石です。

専門性を言語化し、社会と対話するために

このタイミングで「専門性」を打ち出すのは、
単なる組織戦略でもマーケティングでもありません。

なぜ訪問看護をやるのか?
誰のために、この支援を届けているのか?
どこに、私たちの意義があるのか?

これらの問いに、“自分たちの言葉で”答える必要がある。
それが、今、くるみが進んでいる道の“次の段階”です。

精神、小児重心、小児精神。
これはくるみの事業メニューではない。

制度の余白に届くための、“思想としての専門性”です。

おわりに――やらないことを、誠実に選ぶ

支援は万能じゃない。看護師も万能じゃない。訪問看護ステーションも、全部はできない。

だからこそ、僕たちは「やらないこと」をちゃんと決めています。

それは逃げじゃない。
むしろ、本当にやるべきことに集中するための“構造的な覚悟”です。

くるみがやるのは、精神、小児重心、小児精神。

それ以外は、“できない”ではなく、“今は譲る”。

その分野に想いを持つ誰かに任せる。
そうやって、社会のなかで、それぞれが専門性を発揮し合える訪問看護の未来を作っていけたら――。

そう願いながら、僕たちは第4期もビジョンマップを旗印に進んでいきます。

ビジョンマップ(表)

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