交友関係や恋人との関わり、仕事の人間関係がうまくいかない場合「大人の愛着障害」が原因の可能性があります。
大人の愛着障害に悩んでいる場合「愛着形成のやり直し」に取り組み、適切な人間関係を構築できるようになるのがポイントです。
この記事では、大人の愛着障害で起こる問題点や、愛着形成のやり直し方法を解説します。
大人の愛着障害とは?
大人の愛着障害とは、子どもの頃に形成された愛着障害の影響が成長してからも残っており、社会性や人間関係の構築に支障をきたしている状態です。
愛着障害は、子どもの頃に養育者との間に絆をうまく形成できず、人との接し方に問題が生じる障害を指します。
子どものころに生じた愛着障害を放置していると、大人になっても他人との正しい距離感や関わり方を理解できなくなる場合があるため、適切なアドバイスのもと解消を目指すのが重要です。
大人の愛着障害は社会性に影響する場合がある
大人になっても愛着障害を抱えていると、社会性に影響し、日常生活や社会生活に支障が出る場合があります。
大人の愛着障害で見られる問題点の例は以下です。
・対人関係がうまくいかない
・情緒が不安定になりやすい
・自分がどんな人間か客観視できない
上記の問題点から、友人や恋人、職場の人との人間関係や、仕事そのものに支障が出てしまい、自立した生活が困難になる場合もあります。
人間関係や仕事が長続きしない、人と接すると疲れるなどと感じる場合、愛着障害が影響しているかもしれません。
参考:日本総研/愛着(アタッチメント)
※厚生労働省の内示を受けて作成された資料です。
愛着形成のやり直し方に大切な4つのステップ
愛着障害を克服したい場合「愛着形成のやり直し」を実施するのが重要です。
子どものころに行うのが一般的ですが、大人になってからでも愛着形成のやり直しは可能です。
1.信頼できる人と関係を構築する
2.ネガティブな感情を整理する
3.ポジティブな感情を育てる
4.他人との関係構築に挑戦する
それぞれ見ていきましょう。
1.信頼できる人と関係を構築する
愛着形成のやり直しに欠かせないのが「キーパーソン」の存在です。
キーパーソンは「安全基地」とも呼ばれ、つらい出来事が起こった場合に頼ったり相談したりする役割があります。
安全基地があることにより「人との関わりに失敗しても大丈夫」と安心できます。
2.ネガティブな感情を整理する
キーパーソンの支援を受けながら、自分の中のネガティブな感情やこれまでに抱えてきた心の「わだかまり」の解消に挑戦します。
これまでどんな場面で困ってきたか、なぜ困ったのか、どのように受け止めれば今後に活かせるのかを考察し、人との接し方や距離感を理解するのが重要です。
ネガティブな感情に向き合うのが難しいと感じた場合は、キーパーソンに相談したり、医師や専門家の助けを借りたりするのもよいでしょう。
3.ポジティブな感情を育てる
ネガティブな感情を整理できたら、人と関わる際の「ポジティブな感情」に目を向けます。
どのような出来事があれば嬉しい、楽しいと感じるかを理解できると自己肯定感が育てられ、他人と接する際の抵抗感をやわらげることも可能です。
4.他人との関係構築に挑戦する
安全基地の存在が無くとも他人と関われるよう、少しずつ他人との関わりに挑戦していきます。
キーパーソンの力を借りずとも人と関われるようになれば、社会性が身につき、交友関係や職場の人間関係も解決できるでしょう。
大人の愛着障害の相談先
大人の愛着障害について悩む場合や、近しい人が居らずキーパーソンがいない場合、精神科に相談して支援を受けましょう。
精神科では愛着障害のタイプや人間関係の問題点を診断でき、克服に向けたアプローチを受けられます。
また、安全基地となる方がいない場合、訪問看護を利用するのも手段の1つです。
訪問看護では、自身の愛着障害について、担当の看護師と個別に相談できます。
1対1でじっくりと相談できれば、愛着障害を克服する過程で生じるつらさや苦しさの緩和に繋がり、適切な人間関係を構築できるようになるでしょう。
ただし、訪問看護の利用には診断名がついていることが条件になります。
訪問看護の利用を希望する場合は、一度精神科や心療内科を受診しましょう。
大人の愛着障害は「信頼できる人」のサポートを受けて乗り越えよう
大人になってから愛着障害に気付いた方や、愛着障害によって社会性に問題が生じている場合、専門家のサポートを受けましょう。
『訪問看護ステーションくるみ』では、愛着障害を抱える方に対するサポートを提供しています。
興味のある方は『こちら』から、気軽にお問い合わせください。
