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大人の起立性調節障害とは?症状や原因、仕事との両立と何科を受診すべきか解説

精神科訪問看護とは

起立性調節障害は、中学生前後の思春期に多い自律神経の病気として知られています。しかし現代のストレス社会では、大人になってから発症するケースや、子どもの頃の症状が治りきらないまま大人になるケースも、決して珍しくありません。

朝どうしても起き上がれず会社に遅刻してしまう、怠けているわけではないのに午前中は体が重くて動けない——そんな悩みを抱えている方は、もしかしたら大人の起立性調節障害が原因かもしれません。

この記事では、大人が起立性調節障害を患った場合の具体的な症状や原因、自律神経失調症との違い、治療法、そして仕事との両立に向けた対策について詳しく解説します。

参照:一般社団法人起立性調節調節障害改善協会
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大人の起立性調節障害の主な症状とセルフチェック


起立性調節障害は、自律神経系である交感神経と副交感神経のバランスが崩れることで起こる病気です。健康な状態であれば、朝目覚めたとき、睡眠中に優位だった副交感神経から交感神経へとスムーズに切り替わります。ところが起立性調節障害のある方は、この切り替えがうまくいかないことがあります。

さらに、立ち上がったときや立ち続けているとき、下半身の血管が十分に収縮できず、血液が重力に引っ張られて下半身に滞留してしまいます。その結果、心臓や脳への血流が不足し、午前中に症状が強く出やすく、午後になるにつれて楽になっていくという特徴的なパターンが生まれます。

代表的な症状としては、立ちくらみやめまい、起立時の強い気分不良が挙げられ、ひどい場合には失神することもあります。朝起き上がることが非常につらく、午前中は激しい倦怠感やだるさで身動きが取れないという訴えも少なくありません。

セルフチェックの目安として、次のような症状が複数当てはまる場合は、起立性調節障害の可能性も考えられます。

  • 朝起き上がれない、午前中に強い倦怠感がある
  • 立ちくらみ・めまいが起こりやすい
  • 立ち上がったときに気分が悪くなる(ふらつく、吐き気がするなど)
  • 少し動いただけで動悸や息切れがする
  • 頭痛や腹痛が続く/食欲不振がある
  • 乗り物酔いしやすい、顔色が青白いと言われる

ただし、症状だけで自己判断するのは難しいため、生活に支障が出ている場合は早めに医師へ相談しましょう。

 

大人の起立性調節障害に見られる4つのタイプ(サブタイプ)

起立性調節障害は、血圧や脈拍の変動の仕方によって、大きく4つのサブタイプに分類されます。

1つ目は「起立直後性低血圧」です。立ち上がった直後に血圧が急激に下がり、元に戻るまでに時間がかかります。目の前が暗くなるような強い立ちくらみを伴うのが特徴です。

2つ目は「体位性頻脈症候群」です。立ち上がった際の血圧低下は目立ちませんが、心拍数や脈拍が異常に増えてしまいます。そのため、激しい動悸や息切れ、ふらつきを強く感じやすくなります。

3つ目は「神経調節性失神」です。立っている最中に突然血圧が下がり、脳への血流が途絶えてしまうタイプです。場合によっては、そのまま意識を失って倒れてしまうこともあります。

4つ目は「遷延性起立性低血圧」と呼ばれます。立ち上がった直後は特に異常を感じません。しかし、数分から十数分ほど立ち続けていると、徐々に血圧が下がり始め、次第に気分が悪くなっていくのが特徴です。

参照:一般社団法人日本小児心身心身医学会

 

大人特有の原因と悪化要因(小児との違い)

子どもの起立性調節障害は、身体の急激な成長に自律神経のシステムが追いつかないことが主な要因とされています。一方で大人の場合は、社会生活における様々なストレスや環境要因が深く関わっています。

仕事のプレッシャーや複雑な人間関係といった強い心理的ストレスは、交感神経や迷走神経を含む副交感神経の働きを大きく乱してしまいます。さらに、慢性的な睡眠不足や不規則な食事といった生活習慣の乱れも、自律神経の機能を低下させる大きな原因です。

また、大人ならではの身体的変化も無視できません。女性の場合は、更年期や生理周期に伴うホルモンバランスの変動が引き金となって症状が悪化することがあります。加えて、長時間のデスクワークなどによる運動不足や、加齢に伴う下半身の筋力低下も要注意です。ふくらはぎの筋肉が減ると、血液を心臓へ押し戻すポンプ機能が弱まり、血圧を保ちにくくなってしまうのです。

なお、子どもの頃に起立性調節障害で不登校などを経験し、根本的な改善に至らないまま大人になり、症状が長引いているケースも存在します。

他の病気(自律神経失調症など)との違いと鑑別

似ている病気と病院での検査

自律神経の乱れが関係しているという点では、自律神経失調症とよく似ています。しかし、起立性調節障害は「立ち上がったとき」や「長く立っているとき」に症状がはっきりと現れるのが大きな違いです。

一方で、めまいや動悸、強い倦怠感といった症状は、貧血や心臓の病気、甲状腺の異常、あるいはうつ病など、他の病気でもよく見られます。そのため、「ただの疲れだろう」と自己判断で済ませず、医療機関で他の病気が隠れていないか鑑別診断を受けることが非常に重要です。

病院を受診すると、まずは一般的な血液検査や心電図検査などを行い、貧血や心疾患、ホルモン異常などがないかを確認します。これらの検査で異常が見つからなかった場合に、自律神経の不調を疑ってさらに詳しい検査へと進むのが一般的な流れです。

受診すべき診療科と診断・治療法 

疑わしい症状がある場合は何科を受診すればよいのでしょうか。大人の場合は、まず一般の内科を受診して身体的な異常がないか確認するのが基本です。しかし、ストレスや精神的な負担が強いと感じる場合は、心療内科や精神科への受診も検討してみてください。

新起立試験による客観的な診断

 起立性調節障害を正確に診断するため、病院では詳細な問診に加えて「新起立試験」と呼ばれる専門的な検査が行われることがあります。これは、ベッドで静かに横になった状態から立ち上がり、その後の血圧や脈拍の変化を約10分間にわたって測定し続ける検査です。この客観的なデータをもとに、先ほど紹介した4つのサブタイプのどれに当てはまるかなどを詳しく調べます。

参照:一般社団法人起立性調節調節障害改善協会


非薬物療法(日常生活の具体的な改善)


起立性調節障害の治療は、大きく「非薬物療法」と「薬物療法」に分けられます。大人の場合も、まずは規則正しい生活を送るといった非薬物療法が治療の土台となります。

血液の量を増やして血圧を維持するため、1日に1.5リットルから2リットル程度の多めの水分摂取がすすめられています。また、塩分についても症状の改善に役立つ場合がありますが、高血圧など持病がある方もいるため、医師の指示に沿った範囲で調整することが大切です。

下半身の筋肉を鍛えるために、ウォーキングなどの運動習慣を取り入れることも効果的です。

日常生活の動作にも工夫が必要です。朝起きるときや立ち上がるときは急に動かず、座った姿勢で一呼吸おいてからゆっくり動作を行うよう意識しましょう。立ち仕事が多い場合は、足を交差させたり足踏みをしたりして血液の循環を促すのがコツです。

医師に相談したうえで、下半身を圧迫して血流を助ける弾性ストッキングや着圧ソックスを使用することも対策の一つになります。特に持病がある方は、自己判断せず医師に確認したうえで取り入れてください。

 

薬物療法と漢方薬

生活習慣の改善だけでは十分な効果が得られない中等症から重症の場合は、医師の判断で薬物療法が検討されます。血圧を上げる薬や脈拍を整える薬などが処方され、つらい症状の軽減を図ります。また、患者さん自身の体質や症状に合わせて、身体全体のバランスを整える目的で漢方薬が処方されるケースも少なくありません。

 

病院へ行く・受診するタイミングの目安

「たかが寝不足だろう」と不眠や倦怠感を放置してしまうと、症状が慢性化してしまいます。その結果、集中力が著しく低下したり、うつ病などのリスクを高めたりする危険があります。

受診のタイミングとしては、午前中の不調やめまいといった症状が数週間から1ヶ月以上続いている場合がひとつの目安です。特に、気を失って倒れてしまう失神の症状があった場合や、日中の強い眠気や倦怠感のせいで仕事に遅刻してしまうなど、業務や日常生活に明確な支障が出ている場合は、危険を知らせるサインと捉えて早急に受診を検討しましょう。

最近では、スマートフォンを使って医師の診察を受けられるオンライン診療に対応したクリニックも増えています。生活に支障が出ていると感じたら、無理をせず、相談しやすい方法から医師に相談してみてください。

 

仕事との両立・職場での配慮と相談の手順

大人の起立性調節障害で直面しやすい最大の壁が、仕事や社会生活への影響です。朝起きられずに遅刻を繰り返してしまったり、めまいや倦怠感で思うように業務が進まなかったりすることがあります。

社内での相談手順と配慮の求め方

無理をして症状をさらに悪化させないためにも、まずは職場に自分の病気の状態を正しく伝え、理解を得ることが大切です。相談の順序としては、直属の上司や人事担当者に状況を伝えましょう。もし社内に産業医がいる場合は、産業医との面談を設定してもらうとスムーズです。その際、主治医に診断書を作成してもらい、具体的な症状や必要な配慮を客観的に伝えると、周囲からの理解を得やすくなります。

時差出勤やテレワークといった柔軟な勤務形態を取り入れられないか相談してみるのも手です。ほかにも、午前中の重要な会議を避けてもらう、長く立ち続ける業務を控えるなど、具体的な配慮を求めてみましょう。

社会的支援と専門機関の活用

今の仕事をそのまま続けるのが困難な場合や、休職を余儀なくされた場合は、一人で抱え込まずに外部の専門機関を頼ってください。病気休業中に生活を保障してくれる制度として、健康保険から支給される傷病手当金があります。受給には医師の証明が必要となるため、まずは主治医に相談してみましょう。

また、退職して体調に合った新しい働き方を探す場合は、ハローワークや就労移行支援事業所などを活用することで、就職活動や職場定着のサポートを受けることができます。

 

よくある質問(FAQ)

症状はいつまで続く?完治するのか?

起立性調節障害は、天候や気圧の変化によっても症状が大きく左右されるため、日によって調子の波があります。気長に付き合っていく必要がある病気です。大人になってからの発症や、子どもの頃からの持ち越しケースは、回復までに時間がかかる傾向にあります。しかし、適切な治療を根気よく続けることで、徐々に症状が軽くなるケースも多くあります。完全に治し切ることだけを目標にするのではなく、日常生活や仕事に大きな支障が出ない状態を目指して、うまく病気と付き合っていくことが大切です。

まとめ

大人の起立性調節障害は、思春期特有の病気ではなく、現代のストレス社会においては誰もが発症しうる身体的な病気です。朝起きられない、立ちくらみがするといった症状が見られたら、自分を責めたり怠けだと決めつけたりせず、早期に内科や心療内科などの医療機関へ相談してください。適切な治療と周囲の温かい理解、そして生活習慣の改善を組み合わせることで、症状はコントロールしやすくなります。

なお、起立性調節障害によって仕事に行けない日々が続いたり、生活リズムが大きく崩れたりすると、二次的にうつ症状や強い不安感といった精神的な不調を引き起こしてしまうケースも少なくありません。

そのような精神的な不調が辛いときや、自宅での療養生活に不安がある場合は、医療機関での治療と並行して精神科訪問看護を利用することも一つの選択肢です。精神科訪問看護は、主治医の指示のもと、看護師がご自宅へ訪問し、服薬管理のサポートや、不安な気持ちに寄り添う心理的ケアなどを行います。精神科訪問看護ステーション「くるみ」でも、主治医の指示のもと、看護師がご自宅へ訪問し、お薬が正しく飲めているかの確認や心理的ケアなどを行っています。

決して一人で抱え込まず、必要に応じて医療機関や社会的支援を上手に活用しながら、無理のないペースで健康的な生活を取り戻していきましょう。

 

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この記事を監修した人

中野誠子

株式会社Make Care 代表取締役社長

中野 誠子

看護師 / (元)重症心身障害児者認定看護師

精神科病棟勤務・看護学校教員として経験を積み、「こころに寄り添う看護」を志す。石森・濱𦚰とともに株式会社Make Careを創業。現在は訪問看護ステーションくるみの代表として現場に立ちつつ、メディアにも積極的に登場し、地域精神医療の啓蒙とアップデートに挑む。

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