アルコール依存症の家族への接し方|介護が限界と感じたときの相談先も紹介
精神科訪問看護とは
家族の誰かがアルコール依存症になった場合、家庭内にはさまざまな問題が生じます。
アルコール依存症の方における問題を乗り越えるには、本人だけでなく家族も病気について理解することが大切です。
この記事では、アルコール依存症の症状や家族への影響などを解説します。
アルコール依存症患者に対する家族への接し方や対処法、相談する窓口についてもまとめていますので、ぜひ最後までお読みください。
アルコール依存症は本人だけでなく、家族にも大きな負担がかかる病気です。「どう支えればいいのか分からない」「一人で抱え込んでしまっている」と悩むご家族も少なくありません。訪問看護ステーションくるみでは、アルコール依存症に悩む方とその家族に寄り添い、在宅での生活や回復を専門的にサポートしています。
大阪市、寝屋川市、守口市、 平日・土曜・祝日 9:00〜18:00 ※訪問は20時まで
門真市、大東市、枚方市全域対象“精神科に特化”した
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アルコール依存症とは

アルコール依存症とは、飲酒をやめたいと思ってもコントロールが効かなくなる精神疾患です。飲酒が日常生活に深刻な影響を及ぼすようになり、身体的な健康障害だけでなく、社会的な生活や人間関係にも問題を引き起こします。早期に治療へつなげることが重要です。
アルコール依存症の経過と症状を正しく理解する
アルコール依存症は、気づかないうちに少しずつ進行していく病気です。早い段階で変化や特徴を知っておくことで、重症化を防ぎ、適切な支援につなげやすくなります。ここでは、依存症の進み方や注意すべきサイン、身体への影響について解説します。
飲酒問題が深刻化していく過程
アルコール依存症は、ある日突然発症するものではなく、段階を踏んで進行します。最初は「気分転換」や「習慣」としての飲酒でも、徐々に量や頻度が増え、飲まないと落ち着かない状態へと変化していきます。
さらに進むと、飲酒を自分でコントロールできなくなり、生活や仕事、人間関係に支障が出始めます。本人の自覚が乏しいまま進行しやすい点が特徴です。
早期に気づきたいアルコール依存症のサイン
アルコール依存症の初期には、飲酒量の増加や記憶が抜け落ちる経験が増えることがあります。また、飲酒について指摘されると強く否定したり、隠れて飲むようになったりする行動も注意が必要です。
飲まない時間に不安や落ち着かなさを感じる場合も、見逃してはいけない変化の一つです。こうした兆候に早く気づくことが、回復への第一歩になります
検査結果から分かる身体への影響
長期間の飲酒は、身体にもさまざまな影響を及ぼします。健康診断では、肝機能の異常や血圧の上昇、脂質バランスの乱れなどが指摘されることがあります。これらの数値の変化は、飲酒習慣を見直す重要なサインでもあります。
身体面の異常をきっかけに、専門的な相談や治療につなげることが大切です。
関連記事:アルコール離脱症状のピークと対処法を解説
アルコール依存症の症状と家族への影響
家族のうち誰かがアルコール依存症になると、本人だけでなく家庭全体に影響が出ることがあります。
この章では、アルコール依存症の症状と家族への影響を詳しく見ていきましょう。
飲酒をコントロールできなくなる
アルコール依存症の代表的な症状は「飲酒の欲求がコントロールできなくなること」です。
飲み過ぎだと理解していても自制できず、アルコールを摂取しなければ気が済まなくなってしまいます。
場所や時間に関係なく飲酒するため、家族や他人に迷惑をかけてしまう方も珍しくありません。
禁酒すると離脱症状が出現する
アルコール依存症で深刻なのが、禁酒した際の「離脱症状」です。
アルコールが体内から切れてくると、以下のような症状が出現します。
・不眠
・頭痛
・発汗
・手の震え
・けいれん
・血圧上昇
・幻覚症状 など
上記のような身体症状に加え、いらいらや不安を覚える場合もあり、落ち着かせるためにまた飲酒してしまう方もいます。
言動が攻撃的になる
アルコール依存症になると、家族や周りの人に暴力をふるってしまうケースもあります。
言葉の暴力や身体的な暴力だけでなく、経済的な暴力、性的な暴力が見られる場合もあるため注意が必要です。
アルコールによる暴力は、DVや児童虐待など家庭崩壊の原因になってしまうため、早めに対処しなければいけません。
関連記事:アルコール依存症の家族会とは?支援内容や開催場所を解説
アルコール依存症の家族への影響

依存症は本人だけでなく、家族にも大きな影響を与えます。経済面や精神面での負担が積み重なり、家族全体が疲弊してしまうケースも少なくありません。
経済的な負担
アルコール購入費用が家計を圧迫し、食費や教育費といった必要な支出に回せなくなるケースが多く見られます。さらに飲酒による体調不良で欠勤や失職につながれば収入減にも直結し、医療費の増加とも重なります。家計の悪化は生活水準を下げるだけでなく、家族の将来設計にも深刻な影響を及ぼすことがあります。
精神的な負担
飲酒に伴う暴言や攻撃的な言動に日常的にさらされることで、家族は強いストレスや不安を抱えます。特に配偶者や子どもは精神的に追い詰められ、うつ症状や適応障害を発症する場合もあります。また「周囲に知られたくない」という思いから孤立しやすく、相談できないまま悩みを抱え込むことが、さらに精神的な重荷となってしまいます。
アルコール依存症の末期症状
アルコール依存症が進行すると、飲酒以外のことが考えられなくなり、日常生活に支障をきたすおそれがあります。
仕事に行けず収入がなくなり、家庭に大きな影響が出る場合も。
中には、食事よりも飲酒を優先して体調を崩してしまう方もいるため、症状が深刻になる前に治療することが大切です。
家族ができる関わり方を考える(アルコールの問題)
アルコールの問題は、本人だけでなく家族にも大きな影響を与えます。「どう接すればいいのか」「何が正解なのか」と悩み続けてしまうことも少なくありません。ここでは、家族が無理をしすぎず、回復につながる関わり方のヒントを紹介します。
まずは正しい理解を身につける
アルコール依存症は、意志や性格の問題ではなく、治療や支援が必要な病気です。依存症の仕組みや経過を知ることで、本人の行動を感情だけで受け止めずに済むようになります。知識を持つことは、家族自身を守ることにもつながります。
専門的な支援や回復につながる場所を活用する
家族だけで問題を解決しようとすると、心身ともに疲れ切ってしまいます。医療機関や相談窓口、支援団体など、外部の力を借りることは決して逃げではありません。本人がすぐに動けない場合でも、家族が先に相談することで状況が整理されることもあります。
自分自身の心と体を休ませる時間を持つ
支える立場の家族も、強いストレスや不安を抱えがちです。誰かに気持ちを話したり、休息を取ったりすることはとても大切です。「家族だから我慢しなければ」と思いすぎず、自分の心身を守ることを優先しましょう。
無理のない関わり方を考えていく
本人への声かけや関わり方について、場当たり的に対応するのではなく、専門家の助言をもとに方針を考えることが重要です。どこまで関わるのか、どこからは支援につなぐのかを整理することで、家族の負担を減らしつつ、回復への道筋をつくることができます。
アルコール依存症に対して行われる主な治療法
アルコール依存症の治療は一つではなく、状態や生活環境に応じて複数の方法が組み合わされます。ここでは代表的な治療の考え方を紹介します。
飲酒を断つことを目標にする治療
治療の基本は、アルコールを飲まない状態を継続することです。単に「我慢する」のではなく、支援や環境調整を行いながら断酒を目指します。無理な方法は長続きしないため、段階的な取り組みが重要です。
同じ悩みを持つ人と支え合う場への参加
断酒会などの自助グループでは、同じ経験を持つ人同士が気持ちや体験を共有します。孤立感が軽減され、「一人ではない」と感じられることが回復の支えになる場合があります。
医療機関で専門的な治療を受ける
精神科や心療内科、依存症専門外来では、症状や生活状況に合わせた治療が行われます。診察を通じて状態を把握し、必要な治療や支援につなげることができます。
薬を使って飲酒欲求を抑える治療
抗酒剤などの薬物療法は、飲酒への欲求を和らげたり、再飲酒を防ぐ目的で用いられます。医師の管理のもとで行われるため、安全性を確保しながら治療を進めることができます。
考え方や行動の癖を見直す心理的アプローチ
認知行動療法では、飲酒につながりやすい思考や行動パターンを整理し、別の対処方法を身につけていきます。再発予防を目的とした治療として活用されることが多い方法です。
社会生活を取り戻すためのリハビリ支援
回復期には、生活リズムの再構築や社会復帰を目指したリハビリテーションが行われることもあります。日常生活を安定させることで、断酒を継続しやすい土台を整えていきます。
アルコール依存症患者に対する家族の接し方
アルコール依存症を改善するには、本人の努力だけでなく、家族の理解や関わり方に対する工夫が必要です。
この章では、アルコール依存症の方に対する家族の接し方を見ていきましょう。
病気に対して干渉しすぎない
アルコール依存症は、他人から指摘されると症状が悪化する場合があるため、干渉しすぎないように注意が必要です。
本人も症状に苦しんでいる場合、飲酒を責めたり行動を監視したりすることは逆効果につながるおそれがあります。
本人のつらさを理解しながらも、一定の距離感を保つよう意識しましょう。
飲酒による失敗に手を出さない
飲酒による失敗を家族が手助けしてしまうと、本人は飲酒が問題になっていることを自覚できなくなります。
本人が起こした問題は自分で責任を取らせ、家族が肩代わりしないよう注意しましょう。
アルコール依存症患者に対する避けるべき行動
家族の善意や焦りからの行動が、結果的に依存を悪化させる場合があります。ここでは避けるべき具体的な対応を整理します。
すべてお世話をする
食事や金銭管理、身の回りのことをすべて家族が引き受けると、本人が自分の生活に責任を持たなくなり依存が強まります。過剰な支援は「飲んでも何とかなる」という誤った安心感を与え、自立を妨げます。できることは本人に任せ、必要な部分だけをサポートする姿勢が大切です。
脅し
「飲んだら離婚する」「出て行け」といった脅しは一時的に飲酒を抑えるように見えても、恐怖や孤立感を強め逆効果となります。本人が萎縮すれば問題を隠すようになり、治療や相談につながりにくくなります。責めるのではなく、冷静に病気として向き合う姿勢が必要です。
家族内で解決しようとする
依存症を「家族だけで解決しよう」と抱え込むのは非常に危険です。専門的治療や支援が不可欠であり、家族だけで向き合えば心身ともに疲弊し関係が悪化します。無理をせず医療機関や家族会、相談窓口を活用することで、適切な治療と支援につながり、家族自身も守られるのです。
関連記事:うつ病とアルコールの危険な関係|飲酒リスクと正しい対処法
家族がアルコール依存症になったときの対処法

家族が病気を正しく理解し、外部支援を取り入れることで回復の道筋が見えてきます。学びと相談を重ねることが第一歩です。
アルコール依存症について学ぶ
アルコール依存症は意思の弱さではなく脳の病気であると理解することが大切です。正しい知識を得ることで感情的な対応を避け、冷静に支援できるようになります。書籍や公的機関の情報を活用し、家族自身の心の負担を軽減する効果もあります。
アルコール依存症の「家族会」へ参加する
家族会は、同じ悩みを抱える人たちとつながり、経験や知識を共有できる場です。孤独感を和らげるだけでなく、実際に役立つ対処法を学べるのが大きな利点です。支援者や専門家からのアドバイスも得られるため、家族が抱えるストレスを軽減する大きな支えになります。
病院への受診
専門医の診察と治療は回復に欠かせません。精神科や依存症専門外来を早めに受診することで、本人の状態を正しく把握できます。家族も一緒に治療方針を理解し、協力する姿勢を持つことが重要です。外来や入院治療を組み合わせることで、回復の可能性は大きく高まります。
家族のアルコール依存症の相談窓口
アルコール依存症は精神科などの医療機関や保健所、精神保健福祉センターなどで相談可能です。
精神科医や保健師などの専門家からアドバイスを受けることで、対処法や問題の解決方法をスムーズに理解できるでしょう。
相談窓口となる機関で家族会を開催していることもあります。
また、訪問看護ステーションの利用も選択肢の1つです。
自宅でケアやサポートを受けられるため、ほかの相談窓口よりも個別性の高いケアやアドバイスを受けられます。
本人はもちろん、家族もケアを受けられる点が特徴です。
じっくり相談したい方は、訪問看護の利用も検討してみましょう。
アルコール依存症は家族で協力して乗り越えよう
アルコール依存症は本人だけでなく、家族もつらい思いをする場合があります。
改善するには本人の努力も必要ですが、家族で協力して問題解決に取り組むことが大切です。
アルコール依存症の方への接し方や対処法に悩んでいる方は、ぜひ一度『訪問看護ステーションくるみ』へご相談ください。
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