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双極性障害の有名人一覧|症状や治療法、活躍例を解説

2025.06.30 精神科訪問看護とは

双極性障害の有名人

双極性障害は、気分が高揚する「躁状態」と、落ち込む「うつ状態」が入れ替わり現れる精神疾患です。著名な芸能人や有名人の中にもこの病気を公表している人がいますが、その背景や克服の過程に勇気をもらう方も多いでしょう。

双極性障害の症状や治療、そして実際に公表している有名人の例を知ることで、早めの受診やケアに取り組むきっかけをつかんでみてください。

双極性障害の有名人一覧【日本と海外の著名例】

双極性障害の有名人の事例は、日本だけでなく海外でも報告されています。公表している芸能人やアーティストの存在は、同じ悩みを抱える人々にとって心強い励みとなる場合があります。ここでは日本と海外それぞれの有名人の一部を紹介し、さらに噂がある著名人の例にも触れます。

日本で公表している有名人

日本の芸能界やスポーツ界では、双極性障害を明言している方が少なくありません。たとえば、YouTuberのてんちむさんは、ご自身のチャンネルで「躁鬱」「ADHD」「HSS型HSP」であることを公表しています。

芸能人が病気を公表すると「心の不調は恥ずかしいものではない」と多くの視聴者が知るきっかけとなり、精神疾患への理解が広がります。さらに、公表に踏み切った人は「同じ境遇の人を勇気づけたい」と考える場合も多いため、当事者の生の声が社会に貴重な情報をもたらすでしょう。

海外で公表している有名人

海外では、日本以上に双極性障害を含むメンタルヘルス問題がオープンに語られる傾向があります。セレーナ・ゴメスさんやマライア・キャリーさんなど、ハリウッド俳優やトップアーティストなどが積極的に告白し、闘病体験や治療の経緯をインタビューで詳しく語ることも珍しくありません。

そうした告白は「一見華やかな世界にいる人でも悩みを抱えている」という事実を伝え、自分だけが苦しいわけではないと安心を与えてくれます。メンタルヘルスへの理解とサポートが充実している国もあり、世界的に見ると治療やカウンセリングの受けやすさにも差があるといえます。

双極性障害とは?【症状と特徴】

双極性障害とは?【症状と特徴】

双極性障害とは、気分の波が激しく上下し、正常な状態に戻りづらい状態が持続する精神疾患です。「躁うつ病」と呼ばれることもあります。双極性障害には主にⅠ型とⅡ型があり、躁(そう)の程度や症状の現れ方が異なります。ここでは躁状態、うつ状態、それぞれの特徴と診断基準について解説します。

躁状態の特徴

躁状態に入ると、本人はエネルギッシュに行動できると感じることが多いです。眠りが浅くても疲れを感じにくく、普段より大胆な決断や行動をとりがちです。具体的には、衝動買いが増える、大量に仕事を引き受けてしまう、活動が深夜まで続くなどの例が挙げられます。

一見プラスに見える側面もあるため、最初は周囲も病的なサインに気づかないことがあります。しかし、極端な支出や対人トラブルを引き起こしやすいことから、あとで大きな問題に発展するケースがあるため注意が必要だといえます。

うつ状態の特徴

うつ状態になると、過度な落ち込みや無気力、食欲不振、睡眠障害などが見られやすくなります。趣味や好きだったことに興味を持てなくなり、自分を否定する思考が強まることもあります。

日常生活のなかで何をしても楽しくなく、外出も億劫になるなど、社会活動から離脱しがちになります。うつ状態が長引くと、人間関係がさらに希薄になることもあるでしょう。こうした症状とうつ状態の期間の長さは、双極性障害の診断における大切な指標になります。

関連記事:うつ病の気分転換におすすめの5つの方法|心の健康を取り戻すために

双極性障害の診断基準

双極性障害の診断は、DSM(精神障害の診断と統計マニュアル)などの基準に基づいて専門医が行います。躁状態とうつ状態が一定期間以上続くこと、また他の疾患や薬物の影響ではないことなどが診断のポイントです。

Ⅰ型の場合は重度の躁状態が少なくとも一度経験されることが条件となり、Ⅱ型では軽躁状態と明確なうつ状態を繰り返すことが特徴とされています。自己判断は難しいため、気になる症状があれば早めに精神科や心療内科を受診することが大切でしょう。

双極性障害になりやすい要因

双極性障害になりやすい要因

双極性障害の発症要因は一つではなく、遺伝的な影響や環境ストレス、性格傾向などの複数の要素が組み合わさって起こると考えられています。発病リスクを完全に防ぐことは難しいのですが、要因を理解することで早期の対処や生活習慣の見直しが期待できます。

遺伝要因と家族歴

家族に双極性障害を含む気分障害の既往歴がある場合、そうでない人に比べて発症リスクが高いといわれます。もちろん家族歴があっても必ず発症するわけではありません。

しかし、同様の症状が見られやすいことは事実のため、身内で同じ病を抱えている人がいるなら注意しておくといいでしょう。早めに異変を感じ取れる場合が多く、専門医の診察にスムーズにつなげられるメリットもあります。家庭内での情報共有が、発見と治療の出発点になります。

環境ストレスとの関係

急激な生活環境の変化や強いストレスにさらされると、双極性障害の症状が誘発されやすいと考えられています。たとえば転職や引っ越し、身近な人の死別などにより、心身へ大きな負荷がかかった際に躁うつの波が顕著に現れることがあります。

日常の忙しさが続くことで睡眠不足や過労となり、脳内のホルモンバランスが崩れやすくなるのも要因の一つです。こうしたストレスフルな状態が続く時期こそ、意識して休息を取り、体調と気分の変化を確認することが必要でしょう。

真面目で完璧主義な性格傾向

双極性障害は性格だけで決まる病気ではありませんが、真面目で完璧主義な人は注意が必要だとされます。仕事や勉強において常に高い成果を求め、自分を追い込みすぎることで、心身のバランスを崩しやすくなるからです

また、物事にのめり込みやすい人は、躁状態に傾いた際にブレーキが効きにくくなることがあります。結果として、過度に活動的になりすぎたり、人との摩擦が増えたりするリスクが高まるでしょう。日常的に適度な休息やリフレッシュが大切です。

双極性障害と有名人の関係

双極性障害を抱えながら活躍する有名人がいることは、同じ病を抱える人々にとって大きな希望となります。とくに創作活動や舞台芸術などクリエイティブな業界には、気分の波が創造性を高めると考える意見もあります。ここでは有名人と双極性障害の関係性を、いくつかの視点で見ていきます。

創造力との関連

双極性障害の躁状態では、アイデアや想像力が活性化することがあります。作家やアーティスト、俳優など表現活動に携わる有名人が、「創作活動に没頭できたが、そのあとに強いうつが来る」というエピソードを語ることがあるように、躁うつの振れ幅は創造力に影響を及ぼす場合があるといえます。

ただし、あくまでプラス面だけでなく、大きな疲労や心身の疲弊を伴う点も無視できません。才能を伸ばす一方で、適切な治療やサポートを受けてバランスを保つ必要があります。

多忙なスケジュールやストレス

有名人にとって過密なスケジュールやプレッシャーは日常的です。映画の撮影、コンサートツアー、取材対応など休む暇もない生活を続けると、睡眠時間が削られやすく、情緒の安定が難しくなります。

さらに、世間からの注目度や評価が気になることで心労が重なり、躁とうつの波を繰り返すことに拍車がかかることもあるでしょう。多忙な生活は双極性障害の症状を悪化させやすいため、適切なマネージャーやサポートスタッフによるケアの重要性が高いのです。

公表された背景と社会的意義

有名人が双極性障害であることを公表する背景には、「同じ苦しみを抱える人たちに役立ちたい」という思いが含まれる場合が多いです。公表によって一時的にバッシングを受けるリスクはありますが、病気への偏見を減らし、理解を広げる一歩になると考えられます。

実際、著名人がメンタルヘルスを積極的に語ることで、一般社会でも心の病について語りやすくなり、早期受診や治療につながるケースが増えることが期待されています。これは有名人ならではの影響力といえるでしょう。

双極性障害の治療方法とポイント

双極性障害の治療は長期的な視点で行われます。主な治療法は薬物療法と精神療法で、生活習慣の見直しや社会的なサポート体制も欠かせません。治療のゴールは症状の寛解や再発予防であり、無理なく続けられるかどうかが大切です。

薬物療法

双極性障害の治療では、気分安定薬や抗精神病薬などが使用されることが多いです。気分の極端な揺れを抑え、安定した精神状態を維持するのが目的とされています。

処方薬の種類や投与量は症状や個人差によって異なるため、自己判断で薬をやめず、医師の指示に従う必要があります。副作用が気になる場合は、勝手に減薬せず主治医に相談しながら調整することが重要です。適切に薬物療法を続けることで、再発リスクを抑え、日常生活を安定させる一助となります。

関連記事:よく使われる精神薬の種類と作用を解説|服薬する際の注意点とは?

精神療法

カウンセリングや認知行動療法といった精神療法は、薬物療法とあわせて受けるケースが多いです。自分の思考パターンや行動を振り返り、ストレスへの対処法を学ぶことで、症状が出にくい心の状態を作ることが狙いです。

セラピストやカウンセラーとの対話を通じて、感情の波を客観的にとらえられるようになり、現実的な解決策を探るきっかけにもなります。周囲のサポートだけではカバーできない部分を補う意味で、精神療法の役割は大きいといえます。

生活習慣の調整と支援

睡眠リズムや食事の内容など、生活習慣を整えることは双極性障害の治療に欠かせない要素です。躁状態になると夜更かしや不規則な生活が続きやすく、うつ状態では家事や食事が疎かになることもあります。

そこで家族や訪問看護、福祉サービスを活用して、規則正しい睡眠や適度な運動をサポートする体制を整えると効果的です。また、職場や学校へ理解を求めることも再発予防に役立ちます。些細な体調変化にも気づけるよう、周囲と情報を共有し合うことが大切です。

双極性障害の克服事例【回復と社会復帰】

双極性障害の克服事例【回復と社会復帰】

双極性障害を抱えながらも、適切な治療とサポートを受けて社会復帰を果たす人は少なくありません。治療と仕事や学業を両立しているケースから、家族や職場の協力で病気と向き合う事例まで、多様な形の克服パターンが存在します。

治療と仕事の両立

薬物療法や定期的な通院を続けながら、フルタイムの仕事をしている方もいます。カギになるのは、自分の調子をしっかりと把握し、無理をしすぎないスケジュール管理です。調子の良いときこそ予定を詰め込みすぎない、疲労を感じたら早めに休むなど、自分なりのペースを見極めることがポイントになります。

また、職場の上司や同僚にある程度理解してもらえる環境が整っていると、症状が現れたときにも柔軟に対応できるため、長く働き続けやすくなるでしょう。

家族や周囲の理解

双極性障害は、本人だけではなく家族や周囲の協力が欠かせません。症状が落ち着いているときには症状の特徴や治療方法、再発予防について一緒に勉強するのも有益です。また、家族が早い段階で変調に気づき、必要に応じて医療機関や訪問看護サービスにつなぐ事例もあります。

一人で抱え込まないよう、普段からオープンにコミュニケーションを取り合うことで、うつ状態でもサポートを得やすくなるでしょう。周囲の理解が回復への大きな後押しとなります。

再発予防に向けた取り組み

双極性障害は再発を繰り返しやすいといわれますが、事前に対策を立てておけばリスクを下げることが可能です。例えば、症状が安定しているうちに専門家と一緒に「早期警戒サイン」をリストアップし、兆候を感じたら通院間隔を短くしたり、薬の調整を行ったりします。

さらに、家族や支援者がこまめに声かけを行い、生活パターンが乱れていないかを把握することも有効です。こうした予防的なアプローチによって、長期的に安定した生活を続ける事例は少なくありません。

まとめ

双極性障害は、著名な芸能人や有名人を含む多くの人が悩む病気ですが、正しい知識と周囲のサポートがあれば安定した生活を送れます。躁とうつの波を理解し、早期受診や治療に取り組むことが大切です。

双極性障害で悩んでいる方は、訪問看護を利用する選択肢も検討してみてください。相談をすることで適切な支援を得られる可能性がありますので、ぜひ「訪問看護ステーションくるみ」へご相談ください。