境界性パーソナリティ障害の口癖と改善するための方法
精神科訪問看護とはふとした時に出てしまう口癖。それが、あなた自身を苦しめたり、大切な人との関係を難しくすることはありませんか?もしかしたら、その口癖は、境界性パーソナリティ障害(BPD)の症状と深く関係しているかもしれません。
この記事では、境界性パーソナリティ障害の口癖について、その背景にある心理状態から、具体的な改善策、そして回復への道筋まで、詳しく解説していきます。
大阪市、寝屋川市、守口市、
門真市、大東市、枚方市全域対象
“精神科に特化”した
訪問看護ステーション
「くるみ」
平日・土曜・祝日 9:00〜18:00
【日曜・お盆・年末年始休み】
※訪問は20時まで
対応させていただいております。
境界性パーソナリティ障害(BPD)とは?

「自分の口癖や言動はBPDと関係があるのでは?」と感じている人や、身近な人の言動の背景を知りたい人に向けて、ここではBPDの基本を分かりやすく解説します。この理解を踏まえ、後半ではBPD特有の口癖や心理、その改善方法にも触れていきます。
境界性パーソナリティ障害の定義と特徴
境界性パーソナリティ障害(BPD)は、感情・対人関係・自己イメージが不安定になりやすい精神疾患です。感情が些細なことで急激に変化したり、見捨てられることへの強い不安を抱えやすいことが特徴です。
また、衝動的な行動や自分が何者なのかという感覚の揺らぎも見られます。人間関係では、相手を極端に理想化したかと思えば突然否定するなど、評価が激しく変わることがあります。これらの症状により、本人も周囲の人も関係が不安定になりやすく、日常生活に影響が出ることがあります。
境界性パーソナリティ障害の原因
BPDは単一の原因ではなく、遺伝・環境・脳機能の3つが複雑に関わって発症すると考えられています。家族に同じ傾向の人がいる場合、遺伝的な影響を受けやすいことがわかっています。また、幼少期の虐待や育児放棄、不安定な養育環境、親の精神疾患などの逆境体験もリスクを高めます。
さらに、感情を調整する脳の働きに違いが見られる場合、感情の起伏が大きくなったり、衝動性が強まりやすいとされています。BPDは性格の問題ではなく、生物学的・心理的背景によって生じる疾患であることを理解することが重要です。
境界性パーソナリティ障害の代表的な口癖
境界性パーソナリティ障害(BPD)を抱える方の中には、ご自身でも気づかないうちに、あるいは意図せずとも、特定の口癖が出やすいことがあります。これらの口癖は、BPDの根底にある心理状態、特に「見捨てられ不安」や「自己否定感」、「感情の不安定さ」と深く結びついています。ここでは、代表的な口癖の例を、その背景にある心理と共にご紹介します。
自己否定的な口癖
「どうせ私なんて」「私には無理」「私がやったって無駄だよ」
このような自己否定的な言葉は、BPDの方によく見られる特徴です。これは、幼少期の経験や、過去の人間関係での傷つきなどからくる、極端に低い自己肯定感の表れであることが多いです。
「自分には価値がない」「自分は誰からも愛されない」といった強い思い込みが、無意識のうちにこのような口癖となって現れます。たとえ周囲から励まされたり、成功体験があったとしても、それを素直に受け止められず、「一時的なものだ」「私には本当はできない」と否定してしまう傾向があります。
見捨てられ不安を訴える口癖
「一人にしないで」「どうせ私なんて嫌われる」「私がいなくなったら困るでしょ?」
BPDの最も中心的な症状の一つである「見捨てられ不安」は、様々な形で口癖となって現れます。これは、愛する人や大切な人から見捨てられることへの極度の恐怖心からくるものです。
そのため、相手にしがみついたり、相手の気を引こうとしたり、あるいは相手が離れていくことを先回りして口にしてしまうことがあります。これらの言葉は、相手に罪悪感を抱かせたり、関係を維持しようとする必死のメッセージであることが少なくありません。
感情的になりやすい口癖
「もう耐えられない!」「なんで分かってくれないの!」「全部あなたのせいだ!」
BPDの方は、感情の波が激しく、その感情をうまくコントロールするのが難しい場合があります。そのため、怒りや悲しみ、不安といった強い感情に襲われた際に、衝動的に激しい言葉を発してしまうことがあります。
これらの言葉は、その瞬間の感情の高ぶりをそのまま表しており、後で冷静になると「あんなことを言ってしまった…」と後悔することもあります。感情の波に飲まれやすく、自分の言葉が相手にどう響くかを冷静に判断するのが難しい状況で、こうした口癖が出やすくなります。
その他の口癖
上記以外にも、BPDに関連する可能性のある口癖は様々です。例えば、
- 「いつもこうなるんだ」:物事が常に悪く展開するという悲観的な見方。
- 「私ばっかり」:自分だけが損をしている、苦しんでいるという感覚。
- 「(相手の名前)が悪い」:自分の問題や感情を他人のせいにすることで、一時的に責任を回避しようとする。
これらの口癖も、BPDの根底にある自己肯定感の低さや、不安定な感情、対人関係の困難さから生じていると考えられます。
関連記事:うつ病で「脳がおかしい」は本当? うつ病が脳に与える影響と対策を解説
口癖の背景にある心理状態

なぜBPDの人はそのような口癖を繰り返し言ってしまうのでしょうか? それは、BPDの核となるいくつかの心理状態が深く関係しています。ここでは、特に「見捨てられ不安」「自己肯定感の低さ」「感情の不安定さ」に焦点を当て、それらがどのように口癖として表れるのかを詳しく見ていきましょう。
見捨てられ不安
境界性パーソナリティ障害(BPD)の中心症状である「見捨てられ不安」は、親しい人に離れられることへの強い恐怖から生じます。その不安は、相手にしがみつく行動や、逆に突き放す言動として現れることもあります。
「どうせ誰にも必要とされない」「あなたがいなくなったら生きていけない」などの口癖は、相手の愛情を確認したい気持ちの裏返しです。しかしこれらの言葉は、相手に罪悪感を与えたり負担をかけ、長期的には関係悪化を招く可能性があります。不安の背景を理解し、感情調整のスキルを身につけることが改善の鍵となります。
自己肯定感の低さ
BPDの人は慢性的に自己肯定感が低く、自分の価値を過小評価しがちです。「私なんてダメだ」「どうせ無理」「役立たずだ」などの口癖は、自分を責める思考がそのまま言葉に表れたものです。これらは挑戦を避け、さらに自信を失う悪循環を生みます。
また、自分を否定する態度は周囲に「自分を大切にしていない人」という印象を与え、サポートを得にくくすることもあります。まずは否定的な思考に気づき、事実と感情を切り分ける練習をすることが大切です。小さな成功体験や肯定的フィードバックを受け入れる姿勢が、自己肯定感回復の一歩になります。
感情の不安定さ
BPDの大きな特徴である「感情の不安定さ」は、些細な刺激で怒り、不安、悲しみが一気に高まり、言葉に強く反映されます。「もう全部嫌だ」「最悪」「どうしよう…」といった言葉は、感情がピークに達した状態をそのまま表現するものです。
また、傷ついた瞬間に「もう話したくない」と衝動的に関係を断つような言葉が出てしまうこともあります。これらは本心というより、一時的な感情の爆発である場合が多く、誤解や衝突の原因になりやすいものです。感情に気づき、一度立ち止まる習慣をつけることで、言動のコントロールがしやすくなり、対人関係の安定につながります。
大阪市、寝屋川市、守口市、
門真市、大東市、枚方市全域対象
“精神科に特化”した
訪問看護ステーション
「くるみ」
平日・土曜・祝日 9:00〜18:00
【日曜・お盆・年末年始休み】
※訪問は20時まで
対応させていただいております。
口癖が人間関係や日常生活に与える影響
ここまでのセクションで、境界性パーソナリティ障害(BPD)の代表的な口癖とその背景にある心理状態について理解を深めてきました。では、これらの口癖は、私たちの実生活において具体的にどのような影響を及ぼしているのでしょうか。このセクションでは、人間関係と日常生活の二つの側面から、その影響を詳しく見ていきます。
人間関係への影響
BPDの口癖は、他者との関係において誤解や対立を生みやすく、良好な人間関係の構築を妨げることがあります。例えば、パートナーに対して「どうせ私なんて愛されてない」「あなたはいつも私を見捨てようとする」といった言葉を繰り返すことは、相手に罪悪感や無力感を与え、関係に亀裂を生じさせる可能性があります。
また、些細なことで感情的になり、「もうあなたとはやっていけない!」と極端な発言をしてしまうと、相手は常に緊張感を強いられ、疲弊してしまうでしょう。友人や同僚に対しても、自己否定的な言葉を頻繁に使うことで、「この人は何を言っても否定するから、話しかけづらい」と思われてしまうことも少なくありません。このように、BPDの口癖は、相手を遠ざけ、孤立を深める原因となりうるのです。
日常生活への影響
口癖は、人間関係だけでなく、仕事や学業、そして自分自身の内面にも深刻な影響を及ぼします。例えば、「私には無理だ」「どうせ失敗する」といった自己否定的な口癖は、新しい挑戦への意欲を削ぎ、能力を発揮する機会を奪ってしまいます。
仕事でミスをした際に「やっぱり私にはできない」と落ち込んでしまうと、改善のための具体的な行動に移すことが難しくなり、同じミスを繰り返してしまう可能性が高まります。また、これらの口癖は、慢性的な自己肯定感の低下につながり、日常生活全般に対する意欲や楽しみを失わせる原因ともなり得ます。
常にネガティブな言葉を自分自身に投げかけることで、精神的な疲労が蓄積し、うつ病などの二次的な問題を引き起こすリスクも高まるのです。このように、BPDの口癖は、社会生活や個人的な成長の妨げとなり、生きづらさを増幅させてしまうのです。
口癖を改善するための具体的な方法
ここでは、境界性パーソナリティ障害(BPD)の特性からくる口癖を改善し、よりポジティブなコミュニケーションを築くための具体的な方法を3つご紹介します。これらの方法は、専門的なアプローチに基づきながらも、ご自身で実践しやすいように工夫されています。
認知行動療法(CBT)の活用
認知行動療法(CBT)は、思考の癖や行動が感情や口癖にどう影響しているかを理解し、より現実的で建設的な思考に修正する療法です。まず、口癖が出た状況・感情・思考を記録し、自動思考の歪みを見つけます。
次に「本当にそうか?」と問いかけ、反証となる事実を探し、偏った思考を和らげます。「どうせ私なんて…」を「できていることもある」など現実的な考えに置き換えることで、口癖や感情反応が徐々に変化します。継続することで自己理解が深まり、自動思考のコントロールがしやすくなります。
自己肯定感を高める方法
自己否定的な口癖の背景には、慢性的な自己肯定感の低さがあります。改善には、毎日肯定的な言葉を唱えるアファメーション、小さな成功体験を書き留める習慣、自分の強みをリスト化するなどが効果的です。周囲の人に長所を聞くことで、新しい自己イメージに気づくこともあります。
また、「完璧でなくていい」と考えることで、過度な自己批判を減らせます。小さな成功を積み重ね、自分を丁寧に扱うことが、自己肯定感の回復につながり、否定的な口癖も減っていきます。
感情コントロールの練習
BPDでは感情の波が激しく、衝動的な口癖が出やすいため、感情調整スキルを身につけることが重要です。マインドフルネスは“今ここ”に意識を向け、感情をそのまま観察する練習で、飲み込まれにくくなります。
深呼吸や筋弛緩法などのリラクゼーションも、心身を落ち着かせるのに有効です。また「怒り」「不安」など感情に名前をつけるラベリングは、客観視を助け、感情に流されにくくします。継続することで、衝動的な発言が減り、落ち着いて人と向き合えるようになります。
周囲の人がBPDの人に接する際の注意点

境界性パーソナリティ障害(BPD)の症状を持つ方との関わりは、時に難しさを伴うことがあります。しかし、適切な理解と接し方を知ることで、より建設的で安定した関係を築くことが可能です。ここでは、BPDのある方と接する上で大切なポイントを3つご紹介します。
傾聴と共感の姿勢
BPDのある方は、感情の波が激しく、強い不安や苦痛を感じやすい傾向があります。そのような時、まずは否定せずに相手の話をじっくりと耳を傾けることが重要です。「そう感じているんだね」「つらい気持ちなんだね」と、相手の感情を受け止め、共感する姿勢を示すことで、相手は「理解してもらえている」と感じ、安心感を得ることができます。
すぐにアドバイスをしようとしたり、意見を押し付けたりするのではなく、まずは相手の感情に寄り添うことを意識しましょう。ただし、共感と、相手の言動を無条件に受け入れることは異なります。相手の言動のすべてを肯定する必要はありません。
健全な境界線の設定
BPDのある方を支えたいという気持ちは大切ですが、同時にご自身の心身の健康を守ることも不可欠です。そのためには、健全な境界線を設定することが重要になります。具体的には、「~してくれると嬉しい」といった要望を伝えたり、「~まではできるけれど、それ以上は難しい」といった、ご自身ができること・できないことの範囲を明確に伝えたりすることが挙げられます。
境界線を引くことは、相手を突き放すことではなく、お互いにとって無理のない関係を維持するために必要なことです。境界線を伝える際は、感情的にならず、冷静かつ具体的に伝えるように心がけましょう。例えば、「あなたのことは大切に思っているけれど、夜遅くの連絡は、私自身が休まなくてはいけないから難しいんだ」のように、自分の気持ちや状況を伝えることが有効です。
専門家のサポートを勧める
BPDの症状は、ご本人にとっても周囲にとっても、大きな負担となることがあります。ご自身の力だけで抱え込まず、専門家のサポートを求めることを検討しましょう。相手が専門的な助けを求めるように促す際には、非難するような口調ではなく、あくまで「あなたのつらさを軽減するため」「より良く生きるため」という応援する気持ちで伝えることが大切です。「専門家の力を借りることで、もっと楽になれるかもしれないよ」「一緒に相談できるところを探してみようか」など、寄り添う姿勢で提案してみましょう。
精神科医や臨床心理士などの専門家は、BPDの症状に合わせた適切な治療やサポートを提供してくれます。自助グループなどの情報も、同じ悩みを持つ人々と繋がるきっかけとなり、大きな支えとなることがあります。
利用できるサポート
境界性パーソナリティ障害(BPD)の回復の道のりは、一人で抱え込む必要はありません。専門的なサポートや、同じ経験を持つ仲間との繋がりは、大きな力となります。ここでは、あなたが利用できる具体的なサポートについてご紹介します。
カウンセリング
カウンセリングは、BPDの回復において非常に有効な手段の一つです。専門のカウンセラーは、あなたの抱える感情の波や対人関係の困難、自己否定的な思考パターンなどを理解し、それらと向き合うための安全な空間を提供してくれます。
特に、認知行動療法(CBT)や弁証法的行動療法(DBT)といった、BPDに特化したアプローチを用いたカウンセリングは、感情のコントロールや対人スキルの向上に役立ちます。カウンセリングを受ける際は、まずは信頼できるカウンセラーを見つけることから始めましょう。初回は、お互いの相性を確認する良い機会となります。
精神科医による治療
精神科医は、BPDの診断を下し、医学的な観点から治療計画を立てます。診断が確定すると、必要に応じて薬物療法が検討されることがあります。これは、感情の不安定さや衝動性を和らげるための補助的な役割を果たすものです。
しかし、BPDの治療の中心となるのは、多くの場合、精神療法(心理療法)です。精神科医や、精神科医と連携する臨床心理士による専門的な精神療法を通じて、BPDの根本的な原因にアプローチし、症状の改善を目指します。定期的な受診と、医師との信頼関係の構築が、治療を成功させる鍵となります。
自助グループ
自助グループは、境界性パーソナリティ障害を持つ人々が集まり、経験や悩みを共有し、互いに支え合う場です。ここでは、専門家から直接指導を受けるわけではありませんが、同じような困難を経験した人々からの共感や、実践的なアドバイスを得ることができます。他者との繋がりを感じることで、孤立感を軽減し、回復への希望を見出すことができるでしょう。
自助グループは、匿名で参加できる場合も多く、安心して自分のことを話せる環境が整っています。まずは、お住まいの地域やオンラインで利用できる自助グループを探してみることをお勧めします。
まとめ
境界性パーソナリティ障害(BPD)による口癖や人間関係の悩みは深刻ですが、適切な支援があれば必ず改善へ向かうことができます。治療を継続することで「感情を客観的に見られるようになった」「以前より生きやすくなった」と語る当事者も多くいます。認知行動療法やDBTなどの専門的治療は、感情の波や対人関係の問題に効果的です。
また、家族や友人の理解、適切な距離感を保ったサポートも大きな助けになります。同じ悩みを共有できる自助グループの存在も心強い味方です。BPDの回復は一人で進むものではありません。希望を捨てず、自分のペースで確かな一歩を踏み出していきましょう。
大阪市、寝屋川市、守口市、
門真市、大東市、枚方市全域対象
“精神科に特化”した
訪問看護ステーション
「くるみ」
平日・土曜・祝日 9:00〜18:00
【日曜・お盆・年末年始休み】
※訪問は20時まで
対応させていただいております。