こんにちは。株式会社Make Careの代表取締役CEOであり、訪問看護ステーションくるみでマーケティングを担当している石森寛隆です。XではHEROと名乗っていますので、もしよろしければフォローください。
これはただの業務提携ではない
ディズニーが OpenAI に10億ドルを出資し、
ミッキーマウスを含む200以上のキャラクターを、AI動画生成プラットフォーム「Sora」で扱えるようにする。
一見すると、巨大企業同士の戦略的提携。
だが、私はこれを単なる業務提携だとは思っていません。
これは、
エンタメ産業そのものに起きる「地殻変動の始まり」だと思っています。
なぜならディズニーは、
世界で最も「著作権を守る側」に立ち続けてきた企業だからです。
大阪市、寝屋川市、守口市、
門真市、大東市、枚方市全域対象
“精神科に特化”した
訪問看護ステーション
「くるみ」
平日・土曜・祝日 9:00〜18:00
【日曜・お盆・年末年始休み】
※訪問は20時まで
対応させていただいております。
これは「提携」ではない。「引き金」だ
ディズニーほど、自社IPの管理に厳格な企業は存在しません。
その姿勢は業界内では半ば都市伝説のように共有されていて、
日本のAV業界ですら
「ディズニーとジャニーズには気をつけろ」
が合言葉だったほどです。
背景にキャラクターが映り込むだけで訴訟リスクになる。
それほどまでに、ディズニーはIPを守り続けてきました。
そのディズニーが、生成AIに対して自ら扉を開いた。
この事実が意味するのは、
「AIに屈した」という話ではありません。
時代の変化を、最も冷静に、最も合理的に受け入れた
という判断です。
そしてこの一手は、
ディズニー一社にとどまらず、
ハリウッド全体を動かす「引き金」になる。
10億ドルという金額は、
実験でも、様子見でもない。
これは未来に対する明確な賭けであり、
同時に覚悟の表明です。
著作権の守護者ディズニーは、なぜ変わったのか
なぜディズニーは、そこまで著作権に厳しかったのか
ディズニーの歴史を振り返ると、
著作権への執着は異常とも言えるレベルです。
ミッキーマウスの著作権延長問題に象徴されるように、
ロビー活動を通じて法改正にまで影響を与えてきた。
それは単なる強欲さではありません。
ディズニーにとってIPとは、
「時間をかけて育て、世代を超えて継承するもの」だったからです。
キャラクターは商品ではなく、
世界観であり、
信頼の蓄積であり、
企業そのものの人格でもある。
だからこそ、
無秩序な二次利用や拡散は、
世界観を壊す行為として徹底的に排除してきました。
「守るほど、価値が減る」時代が来てしまった
しかし、その前提が崩れました。
SNSと生成AIが結びついた今、
キャラクターや世界観は、
もはや中央集権的に管理できるものではありません。
・誰かが勝手に再解釈し
・誰かが勝手に生成し
・誰かが勝手に拡散する
これを完全に止めることは不可能です。
そして皮肉なことに、
止めようとすればするほど、IPは人々の生活から遠ざかっていく。
触れてはいけないものになった瞬間、
キャラクターは消費されなくなる。
守ることが、
価値を守るどころか価値を減らす行為になり始めている。
この現実を、
ディズニーほど痛感していた企業はないはずです。
野放しにされるくらいなら、主導権を握る
だからディズニーが選んだのは、
禁止でも、放置でもない、第三の道でした。
野放しにされるくらいなら、
自分たちが主導権を握る。
今回の出資は、
「AIに学習を許した」という話ではありません。
「AIが扱う“公式のIP利用ルート”を、ディズニー自身が用意した」
という点に本質があります。
著作権を手放したのではなく、
著作権をAI時代仕様にアップデートした。
ここに、ディズニーのしたたかさがあります。
これはAIへの降伏ではない。「主導権の奪還」だ
学習と利用を切り分けるという発想
重要なのは、
「学習」と「利用」を切り分けて考えている点です。
・勝手に学習されることは許さない
・しかし、公式に提供した形での利用は許可する
この線引きは、
感情論ではなく、極めてロジカルで、かつ法的にも強い。
結果としてディズニーは、
AI時代のIP流通における主導権を奪い返した。
これは妥協ではありません。
戦略です。
ピクサーのDNAが、ディズニーを再び動かした
ピクサーは、もともと「テック企業」だった
ディズニーがAIに対して柔軟な判断を下せた理由は、
著作権戦略だけでは説明しきれません。
そこには、ピクサーという異物を取り込んだ歴史があります。
ピクサーは、
もともと映画会社ではありませんでした。
3DCG、レンダリング、計算機表現。
コンピュータで表現を拡張する、
純然たるテック企業だった。
その技術に「物語」を与えたことで、
映画の表現を根底から変えた。
AIは、3DCGと同じ「表現拡張の道具」だ
AIに対する拒否反応は、
3DCG登場時の反応とよく似ています。
・人の仕事が奪われる
・表現が均質化する
・魂が失われる
全部、過去に聞いた話です。
しかし現実には、
3DCGは物語の可能性を爆発的に広げました。
ディズニー内部に、
この歴史を知らない人間はいない。
今回の判断は、
AIを脅威ではなく、次の表現レイヤーと捉えた
極めてピクサー的な判断です。
ハリウッド全体に波及する「AI前提」の再編
ディズニーが動いた瞬間、他社は待てなくなった
ディズニーがOpenAIに出資した瞬間、
ワーナー、ユニバーサル、パラマウントに
「何もしない」という選択肢は消えました。
これは思想ではなく、
競争戦略の話です。
ディズニーだけが
AI×IPの公式ルートを握る未来を、
黙って許すわけがない。
ストリーミング赤字という構造的限界
現在のハリウッドは、
ヒットしても儲からない。
・制作費は高騰
・宣伝費は増加
・ストリーミングは定額
・ユーザーは飽きやすい
この構造の中で、
IPを何度も使う以外に生き残る道はない。
AIは、そのための最適解です。
エンタメは「作品」から「宇宙」になる
IPの本当の価値は「世界観」にある
エンタメの価値は、
一本の作品ではありません。
世界観です。
AIは、その世界を
無限に枝分かれさせる装置になる。
公式マルチバースという新しい常識
・本作
・IFルート
・別世界線
・敵視点
これらがすべて「公式」になる。
ディズニー×OpenAIは、
その第一歩です。
これは完成形ではない。序章だ
誤解してはいけません。
今回の出資は完成形ではありません。
ここから混乱が始まる。
だが確実に言えることがある。
エンタメの景色は、もう元には戻らない。
地殻変動は、静かに始まる
音を立てずに始まります。
ディズニー×OpenAIは、
まさにその始まり。
そしてこれは、
エンタメ業界だけの話ではありません。
知的財産を、どう未来に渡すか。
すべての産業に突きつけられた問いです。