摂食障害とは、痩せていることへのあこがれや、体型・体重へのこだわりから発症する精神疾患の1つです。
摂食障害には大きく「拒食症」と「過食症」の2種類に分けられ、それぞれ症状が異なります。
摂食障害ごとの症状と原因を理解することで、早期発見、治療が可能となるでしょう。
この記事では、摂食障害の症状や原因を解説します。
治療するための相談先も解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
摂食障害とは?拒食症と過食症の違い
摂食障害には「拒食症」と「過食症」の2種類があり、症状も異なります。
この章では、それぞれの症状について詳しく解説します。
拒食症
拒食症とは、太ることを怖がり、痩せることに異常な執着を見せる状態を指します。
食べること自体を拒否したり食事量を極端に抑えたりするため、必要以上に痩せてしまうのが特徴です。
体重を増やさないために、食べたものを吐き出したり、利尿剤・下剤を過剰に利用したりする場合もあります。
また、低体重(BMI18.5以下)になり栄養状態が悪くなることで、ほかの病気や体調不良が生じる場合もあります。
不整脈や腎不全などの重篤な病気を合併するおそれもあるため、早めの相談や治療が必要です。
過食症
過食症とは、食事量をコントロールできず、短時間で大量にものを食べてしまう状態を指します。
大量に食べ物を摂取したあと、太りたくないために、嘔吐や下剤の使用などの行動が見られる点が特徴です。
過食症の方は食事をするため、低体重になることはあまりありません。
そのため、拒食症よりも身体症状は出現しにくくなりますが、嘔吐を繰り返すために歯が溶けたり手に吐きダコができたりします。
参照:厚生労働省e-ヘルスネット/摂食障害:神経性やせ症(AN)と神経性過食症(BN)
摂食障害の原因として考えられること
拒食症や過食症の明確な原因は判明していませんが、体型を気にする女性が発症しやすいとされています。
この章では、摂食障害の原因となる「生まれつきの性格や気質」「不安やストレス」について見ていきましょう。
生まれつきの性格や気質
摂食障害になる方は、生まれつき「周囲からの評価を気にする性格」や「几帳面・完璧主義などの気質」を持っている場合があります。
痩せていないと人から認めてもらえないと感じたり、太っていることを許せなかったりすることが、拒食症や過食症の原因になります。
また、発達障害の気質があり、ダイエットや細い体型に対する強いこだわりをもつことも原因の1つです。
不安やストレス
生活の中で感じるさまざまな不安やストレスから、摂食障害を発症することもあります。
職場や学校での人間関係の悩み、日々の生活に感じる不安や精神的苦痛など、心理的な要因が摂食障害を引き起こすケースも。
また、うつ病や不安障害などの精神疾患が原因となっている場合もあるため、医療機関で検査や治療を受けることが重要です。
母親が摂食障害の原因になる?
母親や家族の関わり方が、摂食障害を引き起こす場合もあるようです。
両親からの過保護や過干渉な関わり方は、子どもに精神的負担をかけ、摂食障害など精神疾患の原因となります。
ほかにも、家族から受けた身体的・心理的な虐待や家庭内トラブルも、拒食症や過食症を引き起こすため注意が必要です。
しかし、母親や家族の存在は、摂食障害を乗り越えるための支えにもなります。
本人だけでなく家族も摂食障害について学び、理解することが大切です。
拒食症と過食症の治療はどこに相談すればよい?
摂食障害の治療には、栄養状態の管理や精神面のケアが必要となるため、気になる症状が見られる場合には、早めに医療機関へ相談しましょう。
医師や看護師、心理士など、多職種のサポートを受けることで、スムーズな治療と再発予防が可能です。
また、全国に設置されている「摂食障害治療支援センター」にも相談できます。
支援センターでは電話相談のほか、市民向け講座や関係機関との連携などのサポートを受けられるため、気軽に相談してみましょう。
ほかにも、医療機関への通院や支援センターへの訪問が難しい場合、訪問看護を利用するのも手段の1つです。
訪問看護では、本人が自宅で摂食障害のケアを受けられるだけでなく、家族としての関わり方も相談できます。
通院が難しく自宅でケアを受けたい方、摂食障害について詳しく学びたい方は、訪問看護の利用を検討してみましょう。
参照:摂食障害治療支援センター設置運営事業/摂食障害全国支援センター
摂食障害の原因を知りたいときは訪問看護師に相談しよう
摂食障害は、生まれつきの性格や、日々の生活に感じる不安・ストレスなど、さまざまな要因によって発症します。
治療には医療的なケアのほか、摂食障害の理解を深めたり家族の関わり方を学んだりすることが大切です。
医療機関や支援センターへ相談し、摂食障害についての理解を深めましょう。
自宅で治療を進めたい方は、訪問看護の利用も選択肢の1つです。
拒食症や過食症に悩んでおり通院が難しい方は、ぜひ一度『訪問看護ステーションくるみ』へご相談ください。利用者さま一人ひとりの症状や状態に合わせたサポート内容をご提案いたします。