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うつ病の人に家族ができることとは?上手な対応・接し方を解説

精神科訪問看護とは

うつ病の家族へ「早く前向きになって欲しい」と思うあまり、一生懸命に励まそうとしたり、常に側で支えたりする方も少なくありません。

しかし、良かれと思って取った言動が状況を悪化させるケースもあるため、適切な距離感や接し方を理解しておくことが大切です。

この記事では、うつ病の家族への上手な対応や接し方を解説します。


うつ病の克服には家族の理解とサポートが重要

うつ病の克服には、家族による病気の理解と、日常生活へのサポートが重要です。

うつ病になると、気分の落ち込みや無力感、体調不良などが出現し、一日中自宅へ引きこもるようになります。
食事や衛生面の管理など、自分の身のまわりの世話ができなくなるケースも珍しくありません。

その場合、近くで様子を見守り、必要なときに手助けできる家族の存在が大きな支えとなるのです。

家族にうつ病の方がいる場合は、うつ病のケアで心掛けるべき接し方や、見逃してはいけないサインなどを理解しておきましょう。

参照:厚生労働省/こころの耳 ご家族にできること
関連記事:うつ病の初期症状とは?心と身体のサインに気付いて!早期発見と対処法について解説


うつ病の家族との上手な接し方

うつ病の家族と接する際のポイントには、以下があります。

・安心できる環境を作る
・無理に励まそうとしない
・適切な距離感で見守る
・自殺のサインを見逃さない

それぞれ詳しく解説します。


安心できる環境を作る

うつ病の療養中は、本人が落ち着いて過ごせる環境作りが重要です。

うつ病になると、食欲の減退や不眠など、さまざまな不調が現れます。

なかには、自分で不調や生活リズムの乱れを自覚できず、健康や衛生面に支障が出る方も多いです。

食事の用意や部屋の片づけなど、生活環境を整える手助けをしていけば、本人の過ごしやすい環境を作れるでしょう。


無理に励まそうとしない

うつ病の克服を急かしたり、無理に励ましたりするのは逆効果になる場合があります。

落ち込んでいる様子を見て外出や気分転換に誘いたくなるでしょう。

しかし、うつ病の方にはそのエネルギーがない場合も多く、むしろ家族の期待に応えられない自分へ罪悪感を抱えてしまう場合もあります。

無理な声がけや催促をするのではなく、自分から行動する意欲が出るのを待ちましょう。


適切な距離感で見守る

うつ病の方と接する場合、適切な距離感を保つのも重要なポイントです。

心配だからと言って声を掛け過ぎたり、本人が求めていない手助けをしたりすると、窮屈に感じてしまうかもしれません。

とはいえ、放置してしまうと「自分は見捨てられたんだ」と落ち込んでしまう場合も。

本人が一人で落ち着ける時間や空間を作りつつ、適度に様子を伺うようにしましょう。


自傷・自殺のサインを見逃さない

うつ病の方に見られる自傷や自殺のサインには細心の注意を払いましょう。

「死にたい」「自分はいないほうがいい」などの言葉が聞かれたり、自傷行為を繰り返したりするのは、うつ病の症状が重度であるサインです。

自傷行為や自殺をほのめかす言動は、身近な家族だからこそ気付ける場合があります。

サインに気付いたら、本人のつらい気持ちに耳を傾け「一人ではない」と伝えて安心させてあげましょう。


家族だけでうつ病へ対応するには限界もある

うつ病は、家族だけでケアするのが難しいケースも少なくありません。

なかには、支える側の家族が心身に不調を来たしてしまう場合もあります。
うつ病の家族と上手に付き合っていくには、自分の心の限界を理解し、必要なときには手助けを求めるのも大切です。


支える側にも休息が必要

うつ病を支える家族は、自分の心や身体の限界を理解し、適度に休息を取るようにしましょう。

落ち込んでいる様子を見続けたり、つらい気持ちに耳を傾け続けたりしていると、支える方の気分が落ち込む場合もあります。

支える側が精神を病んでしまわないよう、誰かに悩みを聞いて貰う、気分転換に出かけるなど、心を休める機会を設けましょう。


困ったら医師や専門家を頼ることも大切

家族だけでは対応できないと感じた場合は、医師や精神疾患の専門家を頼るのも大切です。

うつ病は目に見えない心の病だからこそ、症状の見極めや接し方が難しく、家族だけでは対応しきれないケースもあります。

接し方や対応に悩んだときは、精神科の受診へ付き添った際に医師へ相談する、保健所や精神保健福祉センターなどの相談窓口を頼るなどして、専門的なサポートやアドバイスを求めてみてください。

さらに直接的な支援が必要な場合は、訪問看護を利用するのも手段の1つです。

訪問看護では、うつ病の方の自宅に看護師が訪問し、症状や生活環境に合わせたケアを提供します。

本人のケアだけでなく、家族に対するケアや悩みの相談も可能であり、うつ病の克服を総合的にサポート可能です。

家族だけで対応しきれないと感じた場合は、訪問看護ステーションへの相談も検討してみてください。


うつ病は家族のサポートで乗り越えられる!対応が難しいなら「くるみ」に相談を

うつ病の克服を目指す場合、家族からの理解やサポートは重要な要素です。本人が安心して過ごせる環境作りや、心地よい距離感を意識しながら接するのが支えになります。

家族だけでは対応しきれない場合は医師や専門家を頼り、支える側の心身も大切にしながらケアを行いましょう。

『訪問看護ステーションくるみ』では、うつ病の方やご家族に対するサポートを提供しています。

興味のある方は『こちら』から、お気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

鬼頭怜那

鬼頭 怜那(きとうれな)

看護師 / 産業心理カウンセラー

看護師資格を取得後、産科病棟で勤務。その後、精神科の急性期・慢性期病棟にて、精神疾患だけでなく身体疾患のある患者の看護にも携わる。精神科の訪問看護での勤務経験も活かしながら、現在はライターとして医療・薬理・在宅ケア・メンタルヘルスに関する記事を執筆中。

この記事を監修した人

鬼頭怜那

鬼頭 怜那(きとうれな)

看護師 / 産業心理カウンセラー

看護師資格を取得後、産科病棟で勤務。その後、精神科の急性期・慢性期病棟にて、精神疾患だけでなく身体疾患のある患者の看護にも携わる。精神科の訪問看護での勤務経験も活かしながら、現在はライターとして医療・薬理・在宅ケア・メンタルヘルスに関する記事を執筆中。

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