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精神科に家族をどうやって連れて行く?精神疾患の初期対応と訪問看護のメリットも解説!

2023.08.17 精神科訪問看護とは

子育てしながら調べる男性
精神疾患の疑いがあるご家族を精神科にどうやって連れて行くと良いのか、悩んでいる方は多いのではないでしょうか。この記事では、そんなご家族に向けて精神疾患の初期対応から精神科への適切な連れて行き方まで解説します。
また精神科訪問看護の導入の可否や、そのメリットについても紹介していきます。
ご家族の健康が気になる方、専門のケアが必要だと感じている方は、ぜひ最後までご覧ください。


精神疾患の初期対応

精神疾患を抱える方の人数は年々増加しています。2017年には外来患者数が約389.1万人と、2002年の223.9万人と比べると約165.2万人も増加しています。

また、ご家族が「もしかしたら何らかの精神疾患かもしれない」と気付いた際は、ショックを受けたり困惑したりするかもしれません。ただ気づいた際の対応が非常に重要となってきます。
ここからは下記の2つに分けてまず解説していきます。

・精神疾患の兆候を見つける方法
・精神疾患の兆候を見つけた場合の注意点

それぞれみていきましょう。

厚生労働省「令和4年6月9日|第13回 地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会|参考資料Ⅰ」


精神疾患の兆候を見つける方法

精神疾患の兆候を見つけるには、精神疾患にはどのようなものがあり、どのような症状が出現するのかを知っておくのが大切です。
ここでは精神疾患を有する患者の中でも、割合の大きい「気分障害(躁うつ病やうつ病)」「統合失調症」「神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害」また高齢化によっても増加傾向である認知症の主な症状を表にまとめました。

疾患名 症状
気分障害(躁うつ病やうつ病など) ・数日中悲しい気持ちが続いている
・イライラしていたり怒りっぽかったりする
・焦っている
・以前よりもよく喋るようになる
・趣味を楽しめない
・集中力が落ちる
・食欲が減少または増加する など
統合失調症 ・会話や行動にまとまりがなくなる
・突然叫び出すなど興奮する
・周囲へ無関心になる
・何かに怯えている(幻覚や妄想が要因のケースが多い)
神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害 ・数年など長期間、身体の症状を訴え続ける
・症状から大きな病気ではないかと過剰な不安を抱え続けている
・身体は問題がない、または要因が不明なのにもかかわらず立てない、歩けない、声が出ないなどの症状がある
認知症 ・理解力、判断力の低下
・忘れっぽくなる
・迷子になったり、トイレの場所がわからず失禁したりする
・時間や季節感がわからなくなる(時間に合わせて準備ができない、夏なのに冬着を着るなど)

これらの症状は一例であり、他の症状の場合も、上記の疾患に該当する可能性があります。

参照:厚生労働省「令和4年6月9日|第13回 地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会|参考資料Ⅰ」
参照:厚生労働省「10代、20代のメンタルサポートサイト|ヘルプノート|気分障害」
参照:厚生労働省「e-ヘルスネット|統合失調症」
参照:公益社団法人 日本精神神経学会
参照:厚生労働省「こころの耳|身体表現性障害」
参照:厚生労働省「認知症を理解する」


精神疾患の兆候を見つけた場合の注意点

前述のような精神疾患の兆候を見つけた場合に気をつける点があります。それは当事者には病識と言って、自分が病気かもしれないという認識がない可能性があることです。
いきなり精神科に行こうと声をかけても、当事者は疑問を抱えたり、反発する場合も多いです。
そのため関わり方には慎重になる必要があります。


精神科へはどうやって連れて行く?連れて行くためのコミュニケーションのポイント

精神疾患が疑われる方を精神科へ連れて行くには、コミュニケーションの取り方が重要です。
ここでは精神科へどうやって連れて行くのか、コミュニケーションのポイントを下記に分けて解説していきます。

・事前準備をして適切なタイミングを伺う
・当事者の感情へ配慮しながら必要なサポートについて理解を得る

それぞれ解説していきます。

事前準備をして適切なタイミングを伺う

精神科へ連れて行く前に、まずは事前準備として情報を集める必要があります。病院の連絡先や地域のリソース情報、予約が必要なのかや当日の流れの想定など、事前に考えておくとスムーズでしょう。
また本人の症状の出現に波があるのであれば、幻聴が落ち着いている時、感情の波が落ち着いている時、など適切なタイミングを伺う必要があります。


当事者の感情へ配慮しながら必要なサポートについて理解を得る

なぜ病院受診が必要なのか、当事者の感情へ配慮しながら理解を得るのも大切です。急に「精神科へ行こう」と言われても「なんで?」「何も悪くない」「大丈夫」などと感じる方も多いです。前述の病識がないと言った理由だけでなく、病院に行っても何が変わるのかわからないと言った理由や、精神科への偏見の感情などを抱えている可能性もあります。
精神科を受診することで、専門家による意見がもらえる点や、処方薬や生活上での対処法のアドバイスをいただけるかもしれない点など、本人の感情へ配慮しながら受けられるサポートに対して説明をすると良いでしょう。


精神科病院へ連れて行くと精神科訪問看護ステーションの利用は可能?

精神科の病院へ受診をした際に、訪問看護の導入も検討したいと考えているご家族の方もいるかもしれません。
訪問看護の導入には、主治医の指示書が必要なため、主治医に相談することで精神科訪問看護ステーションを紹介していただいたり、希望していた事業所宛に指示書を書いていただけたりする場合もあります。
詳しい利用方法は下記の記事をご覧ください。

関連記事:精神科の訪問看護を受けるには?対象者と利用の流れを解説!


精神科訪問看護の役割と期待できるサービス

最後に、精神疾患を抱えている方へ訪問看護を導入するに当たって、精神科訪問看護の役割と期待できるサービスについて解説します。主なサービスは下記の2つです。

・ご家庭でのケアと支援
・他職種との連携

それぞれ解説していきますので、精神科受診を検討している方は訪問看護の導入も合わせてご検討ください。


ご家庭でのケアと支援

精神疾患を抱えることで、家庭で感情の制御ができなくなったり、幻聴や幻覚などの症状で生活が難しくなったりすることもあります。また病院へ連れて行けたとしても、ご本人には病識が無いままで薬を適切に内服してくれないといったケースもあるでしょう。
そうした場合に、ご家庭でご本人もご家族も安心して生活ができるように、専門の知識を持った看護師やリハビリ職などが訪問し、ご本人の悩みを伺ったり、適切な内服ができるよう指導したりします。


他職種との連携

精神疾患を抱えたことで、仕事がうまくいかなくなったり、対人関係にトラブルが生じたりする方もいます。そうした方のために就労移行支援やA型・B型作業所などと連携を取り社会復帰を目指すことも可能です。
また通院にあたって費用がかさみ、経済的な負担を感じている場合もあるでしょう。精神疾患を抱えたことで利用できる福祉もありますが、あまり利用できると知られていないものも多いのが現状です。
そのため看護師が役所と連携を取ったり相談員などの他職種と連携をとりながら、社会資源の活用や導入を進めていき経済的負担を減らすことも可能です。例えば「自立支援医療制度」の導入によって、自己負担額が3割から1割に減らすことが可能です。詳しくは下記のページか、ご自身の管轄の自治体・役所等にお問い合わせください。

参照:厚生労働省「自立支援医療の患者負担の基本的な枠組み」

また、合わせて下記の関連記事もご参照ください。
関連記事:精神科訪問看護師の多職種連携における役割とは?多職種連携の重要性や実際に関わる職種も解説


精神科へどうやって連れて行くかわかったら、訪問看護の導入の検討も視野に入れてみて

ここまで精神科へどうやったら連れて行けるのか関わりのポイントや、訪問看護の役割も合わせて紹介しました。
関わり方を工夫することで、精神科へ受診できるでしょう。もしどうしても連れて行くのが難しい場合は、お住まいの管轄の障害者基幹相談支援センターや市役所などへご相談ください。

また、病院受診だけでなく在宅で安心して生活するためにも、訪問看護の導入も視野に入れてみてはいかがでしょうか。



「訪問看護ステーションくるみ」は、精神科に特化した訪問看護ステーションです。地域の福祉施設や行政と連携を図り、利用者さまとその家族に寄り添ったサポートを提供いたします。

「自宅での生活が不安」「気軽に相談できる人が欲しい」などとお考えの方は、精神科訪問看護利用を検討してみましょう。
サービスの利用にあたり、聞きたいことや確認したいことがある方は、こちらからお気軽にお問い合わせください。

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