注意欠如多動症(ADHD)とは?症状・診断・治療を解説
精神科訪問看護とは「集中力が続かない」「落ち着きがない」「忘れ物が多い」…もしかしたら、それは多動症 注意欠如(ADHD)かもしれません。この記事では、ADHDの症状から診断、治療、そして日常生活での具体的な解決策まで、詳しく解説します。あなたの悩みを解決し、より良い生活を送るための第一歩を踏み出しましょう。
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ADHD(注意欠如多動症)とは?

「集中力が続かない」「じっとしていられない」「衝動的に行動してしまう」といった特性は、もしかしたらADHD(注意欠如多動症)によるものかもしれません。ADHDは、これらの症状が日常生活や社会生活に影響を及ぼす、神経発達症(発達障害)の一つです。ここでは、ADHDの基本的な定義と特徴、そして核となる主な症状について解説します。
ADHDの定義と特徴
ADHD(Attention-Deficit / Hyperactivity Disorder)は、日本語では「注意欠如多動症」と訳されます。これは、脳の機能的な特性に起因すると考えられており、発達の過程で現れる特性です。
ADHDの特性は、幼少期に現れることが多いですが、成人になっても続くことがあります。その特性は、大きく「不注意」「多動性」「衝動性」の3つに分類されますが、これら全てが当てはまるわけではなく、個人によって現れ方や程度は様々です。
ADHDは、本人の意思や努力だけではコントロールが難しい特性であり、適切な理解とサポートによって、その困難さを軽減し、強みを活かすことが可能です。
ADHDの主な症状
ADHDの主な症状は、「不注意」「多動性」「衝動性」の3つに分けられます。これらの症状が、日常生活の様々な場面で困難を引き起こすことがあります。
- 不注意
- 細かな点に不注意で、学業、仕事、その他の活動でミスをする。
- 活動や遊びに集中することが難しい。
- 人の話を聞いていないように見えることがある。
- 指示されたことを最後までやり遂げることが難しい(注意が移りやすい)。
- 課題や作業を順序立てて行うことが苦手。
- 精神的集中力を維持することが難しい(例:授業、電話、長時間の読書など)。
- 持ち物をなくしやすい(文房具、本、道具、財布、鍵、書類、眼鏡、携帯電話など)。
- 外部からの刺激によって、簡単に注意がそらされる。
- 日々の活動(宿題、仕事、家庭での用事など)を忘れっぽい。
- 多動性
- 手や足をそわそわと動かす、または椅子の上で身をもじもじする。
- 席に着いているべき状況で、席を離れる。
- 不適切な状況で、走り回ったり、高いところに登ったりする(思春期や成人では、そわそわ感として現れることもある)。
- 静かに遊んだり、余暇活動に取り組んだりすることが難しい。
- 「じっとしていられない」「常に動き回っていないと落ち着かない」と感じる。
- 過度におしゃべりをする。
- 衝動性
- 質問が終わる前に、出し抜けに答える。
- 順番を待つことが難しい。
- 他の人の邪魔をしたり、話を妨害したり、人のものを取ったりする。
- 自分の行動の結果を考えずに、衝動的に行動してしまうことがある。
これらの症状は、個人の年齢や発達段階、置かれている環境によって、その現れ方が異なります。例えば、幼い子供では多動性が顕著に現れることが多いのに対し、成人では不注意や内面的なそわそわ感として現れることがあります。
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ADHDの原因

ADHD(注意欠如多動症)の発症メカニズムは、単一の原因で説明できるものではなく、複数の要因が複雑に絡み合っていると考えられています。ここでは、科学的根拠に基づき、ADHDの原因となりうる様々な要因について、専門家の知見を分かりやすく解説します。
遺伝的要因
ADHDは、遺伝的な影響が強く関与していることが多くの研究で示されています。親から子へと遺伝する可能性は高く、ADHDの人の約75%は家族歴があるとも言われています。具体的には、ドーパミンやノルアドレナリンといった神経伝達物質の働きに関わる遺伝子が関連している可能性が指摘されています。
これらの神経伝達物質は、注意、意欲、学習、感情の調節など、様々な脳機能に関与しており、そのバランスの乱れがADHDの症状に影響を与えると考えられています。
環境的要因
遺伝的要因だけでなく、環境的要因もADHDの発症に関与する可能性があります。妊娠中の母体の健康状態や、胎児への影響が考えられる要因としては、妊娠中の喫煙や飲酒、早産、低出生体重などが挙げられます。
また、出生後の環境においても、乳幼児期の鉛などの有害物質への曝露や、幼少期の脳への外傷などが、ADHDのリスクを高める可能性が示唆されています。ただし、これらの環境要因が直接的にADHDを引き起こすというよりは、遺伝的な要因と相互に作用することで発症リスクに影響を与えると考えられています。
脳の機能的特徴
ADHDを持つ人の脳では、特定の領域における機能的な特徴が見られることが研究で明らかになっています。特に、注意や実行機能(計画、衝動制御、ワーキングメモリなど)を司る前頭前野や、行動の調節に関わる基底核などの機能低下や、これらの領域間の情報伝達を担う神経回路のネットワークに違いがあることが指摘されています。
また、前述の神経伝達物質(ドーパミン、ノルアドレナリン)の受容体や輸送体の機能異常も、ADHDの症状と関連していると考えられています。これらの脳機能の偏りが、不注意、多動性、衝動性といったADHDの主な症状として現れると考えられています。
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ADHDの診断
ADHDの正確な診断は、適切な治療やサポートを受けるための第一歩です。ここでは、医療機関での診断プロセス、DSM-5などの公的な診断基準、そして自己チェックの活用方法と限界について詳しく解説します。読者が診断への不安を解消し、必要な情報に基づいて行動を起こせるように支援します。
診断の流れ
ADHDの診断は、専門の医療機関(精神科、心療内科など)で、医師による丁寧な問診と検査を経て行われます。まず、初診では、現在の困りごとや症状について詳しく話を聞かれます。いつから、どのような状況で、どのような困難を感じているのかを具体的に伝えることが重要です。
発達に関する過去の状況(幼少期の様子など)や、家族歴(血縁者にADHDの方がいるかなど)も診断の手がかりとなります。必要に応じて、心理検査や知能検査が行われることもあります。これらの情報を総合的に判断し、医師がADHDの診断基準に照らし合わせて診断を下します。診断には時間がかかる場合もありますが、焦らず医師の指示に従いましょう。
診断基準
ADHDの診断は、アメリカ精神医学会のDSM-5に基づき行われます。「不注意」または「多動性・衝動性」、もしくはその両方の症状が12歳以前から存在し、日常生活や社会生活に支障をきたしていることが条件です。
不注意には、集中力の維持が難しい、忘れ物が多い、整理整頓が苦手などが含まれます。一方、多動性・衝動性には、じっとしていられない、しゃべりすぎる、順番を待てない、他人の邪魔をするなどが該当します。これらの症状が6つ以上、かつ6ヶ月以上続くことが目安とされます。大人は不注意が目立ちやすく、他の疾患との鑑別も重要です。
自己チェック
ADHDの特徴に当てはまるかどうかを確認できるセルフチェックリストは、インターネットで手軽に利用できます。「集中力が続かない」「忘れ物が多い」「落ち着きがない」などの項目に該当するほど、ADHDの傾向がある可能性を示します。
ただし、セルフチェックは簡易的な目安であり、診断には使用できません。ストレス、睡眠不足、生活環境、他の精神疾患などでも同様の症状が見られるため、自己判断は禁物です。チェック結果は、専門医へ相談するきっかけとして捉え、必要に応じて正式な診断を受けることが大切です。
ADHDの治療法
ADHDの治療は、症状の軽減と生活の質の向上を目的として、多角的に行われます。ここでは、薬物療法、行動療法、カウンセリングといった主要な治療法について、それぞれの特徴、効果、そして選択肢について解説します。読者が自身の状況に合った治療法を見つけるための情報を提供します。
薬物療法
ADHDの薬物療法は、脳内の神経伝達物質の働きを整えることで、不注意や多動性・衝動性を軽減することを目的としています。代表的な薬には、中枢神経刺激薬(コンサータ、リタリンなど)と非刺激薬(ストラテラなど)があり、前者は即効性が高く、後者は比較的副作用が少ないとされています。
ただし、食欲不振や不眠、吐き気などの副作用が現れることもあるため、医師と相談しながら適切な薬剤や用量を見つけることが重要です。薬物療法は必ず専門医の診断と定期的なフォローのもとで行われます。
行動療法
行動療法は、ADHDの特性から生じる行動上の困難を改善し、より適応的な行動習慣を身につけるための治療法です。代表的なものには、認知行動療法(CBT)とソーシャルスキルトレーニング(SST)が挙げられます。
CBTでは、否定的な思考を現実的かつ前向きに捉え直し、時間管理や先延ばし対策のスキルを学びます。SSTでは、会話の仕方や気持ちの伝え方など、対人関係に必要なスキルをロールプレイを通して習得します。専門家の指導のもとで取り組むことが効果的です。
カウンセリング
カウンセリングは、ADHDによって生じる心理的負担を軽減し、より良い生活を送るためのサポートを得る手段です。個人カウンセリングでは、当事者が自身の特性や感情を整理し、ストレス管理や問題解決のヒントを得られます。
また、家族カウンセリングでは、家族間の理解を深め、適切な関わり方を学ぶことができます。ADHDは二次的に不安やうつを引き起こすこともあるため、専門家が安心できる環境で話を聞くことは大きな支えになります。医療機関や地域相談窓口で利用可能です。
ADHDの人が日常生活でできること

ADHDの特性は、仕事、家事、人間関係など、日常生活の様々な場面で困難を引き起こすことがあります。ここでは、これらの困りごとに対する具体的な解決策、工夫、そして活用できるツールやサービスを紹介します。記事のユニーク要素である「具体的な事例紹介」や「おすすめツール紹介」を盛り込み、読者がすぐに実践できるヒントを提供します。
仕事での工夫
職場では環境調整とタスク管理が重要です。デスク周りを整え、ノイズを減らすことで集中しやすくなります。ポモドーロテクニックやタスクの細分化を取り入れると作業効率が向上します。
ToDoリストや管理ツールで優先順位を明確にし、リマインダーで締切を管理する方法も有効です。会議ではメモを取る習慣をつけ、不明点は必ず確認することでミスや抜け漏れを防げます。
家事での工夫
家庭生活では、物の定位置を決め、視覚的に分かりやすい収納を整えることが効果的です。「とりあえず置き場」を活用したり、1日5分だけ片付ける習慣をつけると負担が減ります。玄関のチェックリストで忘れ物を防ぎ、タイマーで家事の時間管理をするのもおすすめ。
スマートタグやスマートスピーカーを活用すれば、紛失防止やタスク管理が一段と効率化します。
人間関係での工夫
人との関係では、傾聴や具体的な伝え方が鍵となります。「Iメッセージ」を使うことで相手を責めずに気持ちを伝えやすくなります。感情が高ぶりやすい場合は、深呼吸や席を離れるなどクールダウンの時間を設ける工夫が有効です。
信頼できる相手には特性を共有し、フィードバックを受けることで誤解を減らし良好な関係を築けます。感情管理アプリの活用も役立ちます。
子供のADHDへの対応
前のセクションではADHDの治療法について解説しました。ここでは、特に子供のADHDに焦点を当て、ご家庭での具体的なサポート方法と、学校との連携について詳しく見ていきましょう。お子さんの健やかな成長を支えるために、親御さんができることはたくさんあります。
家庭でのサポート
家庭はADHDのある子供にとって最も安心できる環境であり、適切なサポートが重要です。まず、整理整頓しやすい環境づくりや、視覚的にわかるスケジュール掲示などで、忘れ物や混乱を防ぎます。刺激の多い環境を避け、集中しやすい場所を整えることも効果的です。
声かけは具体的に、一度にひとつずつ伝えることがポイントです。努力や小さな成功を具体的に褒め、自信を育てましょう。叱る場合は感情的にならず、理由と改善策を丁寧に説明します。肯定的な関わりを増やすことで、親子の信頼関係が深まり、日常の困りごとに取り組みやすくなります。
学校との連携
学校生活は子供の成長に大きな影響を与えるため、家庭と学校が協力してサポートすることが重要です。担任の先生には、子供の特性や家庭での困りごと、効果的な声かけなどを具体的に伝え、早めに相談しましょう。
着席場所の工夫、指示の分かりやすい伝え方、忘れ物防止のサポートなど、必要な配慮について依頼します。休憩時間の過ごし方についても、特性に合わせた調整が効果的です。定期的な面談や連絡帳で学校との情報交換を続けることで、一貫した支援体制が整い、子供が安心して学校生活を送れる環境が整います。
ADHDに関するよくある質問(FAQ)
ここからは、ADHDに関して読者の皆様からよく寄せられる疑問について、Q&A形式で分かりやすくお答えしていきます。ADHDの「治癒」の可能性から、他の障害との違い、未診断・未治療の場合の影響、そして利用できる相談窓口まで、皆さんの疑問を解消し、次のステップへと進むためのお手伝いができれば幸いです。
ADHDは治りますか?
ADHDは「治す」よりも「特性と上手く付き合う」考え方が主流です。成長とともに多動性や衝動性が軽減することはありますが、不注意は成人後も続くことがあります。ただし、薬物療法・行動療法・カウンセリング、生活環境の調整などによって困りごとを大幅に減らすことが可能です。適切な治療と理解により、強みとして活かすこともできます。
ADHDと他の障害(例:学習障害、自閉スペクトラム症)との違いは?
ADHDは「不注意・多動性・衝動性」が特徴の神経発達症です。学習障害(LD)は読み書きなど特定の学習能力の困難、ASDはコミュニケーションや対人関係の特性が中心で、それぞれ異なる診断基準があります。ただし併存するケースも多く、正確な診断には専門家の詳細な評価が欠かせません。
ADHDの診断を受けずに放置するとどうなりますか?
診断を受けず放置すると、特性が「怠慢」「やる気の問題」と誤解され、自己肯定感の低下やストレスによる二次的な精神疾患につながる恐れがあります。仕事や学業のミス、人間関係のトラブルも増えやすく、生活全体に長期的な支障が生じます。早期の診断と支援は、リスクを防ぎ、能力を発揮するための大きな助けになります。
ADHDの当事者や家族が利用できる相談窓口や支援機関は?
ADHDは精神科や心療内科などで専門医の診断・治療を受けられます。公的機関では精神保健福祉センターや保健所が相談窓口となり、適切な支援先を紹介してくれます。また、NPOや自助グループでは当事者同士の交流や情報交換が可能です。地域の相談先は自治体サイトや医療機関に問い合わせることで見つけられます。
まとめ
これまで、ADHD(注意欠如多動症)の定義、症状、原因、診断、治療法、そして日常生活や子育てにおける具体的な対応策について詳しく解説してきました。この記事を通じて、ADHDに対する理解が深まり、ご自身の状況や身近な方の困難に対して、より建設的に向き合えるようになることを願っています。
ADHDは、決して「怠けている」「やる気がない」ということではありません。脳の機能的な特性によるものであり、適切な理解とサポートがあれば、その特性を強みとして活かすことも可能です。日常生活での工夫や、必要に応じた専門的な治療や支援を組み合わせることで、多くの困難は軽減され、より充実した生活を送ることができます。
もし、この記事を読んでご自身のADHDについてさらに深く知りたい、あるいは専門的なサポートを受けたいと感じた場合は、まずはかかりつけ医や専門機関に相談することをお勧めします。一人で抱え込まず、適切な支援を求めることが、前向きな一歩を踏み出すための鍵となります。この記事が、あなたのADHDと共に歩む人生を、より豊かで希望に満ちたものにするための一助となれば幸いです。
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