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過眠症の薬に関する疑問を解決!種類・効果・副作用を徹底解説

精神科訪問看護とは

日中の強い眠気に悩まされ、仕事や勉強に集中できないと感じていませんか。過眠症と診断され、薬による治療を検討しているものの、どのような薬が使われるのか、不安や疑問を抱えている方も多いでしょう。

この記事では、過眠症の治療に用いられる薬の種類や期待できる効果、副作用、服用時の注意点について、専門医の視点からわかりやすく解説します。

過眠症の診断方法

過眠症の診断は、日中の強い眠気が生活習慣や他の病気によるものではないかを確認したうえで、過眠症の種類を特定するために行われます。自己判断は難しく、専門医による総合的な評価が欠かせません。

診断ではまず詳細な問診が行われ、眠気が起こる状況や頻度、睡眠時間・睡眠の質、既往歴、服用中の薬、生活習慣などを確認するケースが一般的です。睡眠日誌があると、日々の睡眠状態を客観的に把握する助けになるでしょう。

その後、終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)や複数睡眠潜時検査(MSLT)を実施し、他の睡眠障害の有無や日中の眠気の程度を客観的に評価します。これらの結果を総合して診断と治療方針が決定されます。

関連記事:ADHDと眠気の関係|日中の眠気の原因と効果的な対策法

過眠症の治療に使われる薬の種類

過眠症の治療では、日中の過度な眠気を軽減し、生活の質を向上させることを目的として薬物療法が中心となります。しかし、過眠症と一口に言っても、症状(ナルコレプシー、特発性過眠症など)によって処方される薬はさまざまです。ここでは、それぞれの過眠症の症状や原因に応じた主な治療薬について解説します。

覚醒を促す薬

日中の強い眠気に対しては、覚醒状態の維持を目的とした薬が用いられます。これらの薬は、脳内の神経伝達物質に作用し、覚醒レベルを高める点が特徴です。

代表的な薬の一つがモダフィニルで、脳内のヒスタミンやドーパミンなど覚醒に関与する物質の働きを強め、日中の覚醒状態を保ちます。主な副作用として頭痛や吐き気、不眠などが報告されており、服用時間によっては夜間の睡眠に影響するため注意が必要です。

また、ピトリンサントはヒスタミン神経系を活性化させて覚醒を促す作用があり、ナルコレプシーに伴う情動脱力発作の軽減も期待されます。ただし、不眠や頭痛などの副作用がみられるケースがあり、他の覚醒作用を持つ薬との併用には慎重な判断が欠かせません。

ナルコレプシー治療薬

ナルコレプシーは、日中の強い眠気に加え、情動脱力発作や入眠時幻覚、睡眠麻痺などの特徴的な症状を伴う睡眠障害です。これらの症状に対しては、ナルコレプシーに特化した治療薬が用いられます。

代表的な薬の一つが、オキシベートナトリウムです。夜間の深い睡眠を促す作用があり、睡眠の質を整え、日中の眠気や情動脱力発作、入眠時幻覚、睡眠麻痺の改善が期待されます。一般的には、就寝前と夜間の途中に2回服用します。

一方で、吐き気やめまい、頭痛、夜間の覚醒、寝ぼけなどの副作用が報告されているため、服用時は十分な注意が必要です。また、中枢神経を抑制する作用があり、アルコールや鎮静作用のある薬との併用は危険です。呼吸抑制のリスクも踏まえて医師の厳重な管理のもとで使用しましょう。

その他の薬

過眠症の治療では、症状の内容や合併症に応じて、覚醒を促す薬以外の薬が補助的に用いられるケースもあります。

例えば、三環系抗うつ薬やSSRI、SNRIは、ナルコレプシーに伴う情動脱力発作の軽減や、夜間睡眠の質を整える目的で処方される薬の一つです。服用により、脳内の神経伝達物質のバランスを調整しながら症状の緩和を目指します。

ただし、口渇や便秘、服用初期の眠気、吐き気、性機能障害などの副作用があるため注意が必要です。症状や程度には個人差がありますが、医師と相談しながら容量や服用方法を調整しましょう。

また、夜間の睡眠の質が日中の眠気に影響している場合には、睡眠を整える薬が併用されることもありますが、これらはあくまで補助的な治療として位置づけられます。

関連記事:寝てしまう病気とは?原因・症状と対策を解説

市販の眠気覚まし薬は過眠症に有効?

日中の強い眠気に悩み、市販の眠気覚まし薬の使用を考える方もいるかもしれません。しかし、市販薬は過眠症の治療薬とは性質が異なります。多くの眠気覚まし薬はカフェインを主成分としており、一時的に覚醒作用を高めて眠気を和らげる効果は期待できるものの、根本的な改善は期待できません

過眠症は、睡眠と覚醒を調整する脳の機能異常などが関与する病気です。むしろカフェインの過剰摂取により、不眠の悪化や依存、動悸や吐き気などの体調不良を招く可能性もあります。過眠症が疑われる場合は、市販薬に頼らず専門医を受診し、適切な診断と治療を受けましょう。

薬以外の過眠症の治療法

過眠症の治療は薬物療法が中心となりますが、生活習慣の見直しや行動面の工夫によって、症状の安定や生活の質の向上が期待できます。

まず重要なポイントが、毎日同じ時間に就寝・起床する規則正しい睡眠習慣です。体内時計を整えることで、自然な睡眠と覚醒のリズムを保ちやすくなります。日中の眠気対策としては、15〜20分程度の短い昼寝を計画的に取り入れる方法も効果的です。ただし、長時間の昼寝は逆効果になる可能性があるため避けましょう。

また、夕方以降のカフェイン摂取や就寝前のアルコールは睡眠の質を低下させるため注意が必要です。適度な運動やストレスをため込まない工夫も、睡眠の質改善につながります。これらの対策は薬物療法を補完する役割を持つため、医師と相談しながら無理なく継続することが大切です。

過眠症の薬を服用する上での注意点

過眠症の薬は、日中の眠気を軽減し、生活の質を向上させるうえで効果的です。しかし、安全かつ効果的に治療を進めるためには、薬の服用にあたっていくつかの重要な注意点を理解しておく必要があります。ここでは、副作用への対処法、運転時のリスク、そして専門医との継続的な連携について詳しく解説します。

副作用について

過眠症の治療薬は覚醒を促す作用を持つため、いくつかの副作用が現れる可能性があります。代表的なものとして、頭痛や吐き気が挙げられ、比較的多くの薬でみられる一般的な症状です。軽度であれば経過をみるケースもありますが、長引く場合は医師へ相談しましょう。

また、服用時間や用量によっては夜間の不眠を引き起こすおそれがあります。覚醒作用が強い薬では、食欲不振や体重減少がみられる場合もあり、十分な食事がとれないときは注意が必要です。

さらに、不安感やイライラ、気分の高揚などの精神的な変化、動悸や血圧上昇といった心血管系への影響も報告されています。副作用を感じた際は自己判断で服用を中止せず、必ず医師や薬剤師に相談し、必要に応じて薬の調整をしましょう。

運転について

過眠症の症状そのものが運転能力に大きな影響を与えるだけでなく、治療薬の服用も運転に際して注意が必要です。日中の強い眠気や集中力の低下は、交通事故のリスクを高めます。

治療薬によっては、眠気を軽減する一方で、服用初期にめまいやふらつき、集中力の低下を引き起こす可能性のあるものも少なくありません。特に、新しい薬を飲み始めたばかりの頃や、薬の量が調整された直後は、体が薬に慣れるまで運転を控えるべきです。医師や薬剤師から運転に関する具体的な指示があった場合は、必ず従いましょう。

また、薬を服用していても、強い眠気を感じる場合は決して運転せず、休憩を取るか、公共交通機関を利用するなど、安全を最優先に行動することが大切です。

専門医への相談

過眠症の治療では、専門医と継続的に連携を取ることが、症状の改善に向けた重要なポイントとなります。治療薬の効果や副作用には個人差があるため、定期的な診察を通じて現在の状態を正確に伝え、治療方針を共有が欠かせません。

処方された薬を一定期間服用しても眠気の改善が感じられない場合は、薬の種類や用量が合っていない可能性があります。また、副作用が強く日常生活に支障をきたしている場合や、症状が長く続く場合も、我慢せず医師に相談しましょう。

さらに、眠気の現れ方が変化したり、新たな症状が出現した場合には、治療計画の見直しが必要となるケースもあります。必要に応じて薬の変更や他の治療法を検討してもらうほか、納得のいく治療のためにはセカンドオピニオンの活用も一つの選択肢です。

まとめ

過眠症は、日中の強い眠気によって日常生活に支障をきたす病気ですが、適切な診断と治療によって症状を管理し、快適な生活を取り戻すことが可能です。この記事では、過眠症の治療に用いられる薬の種類、それぞれの効果や副作用、そして服用する上での注意点について詳しく解説しました。

覚醒を促す薬やナルコレプシー治療薬など、様々な選択肢がありますが、どの薬が最適かは個々の症状や体質によって異なります。自己判断で市販薬に頼るのではなく、必ず専門医の診察を受け、適切な診断のもとで治療計画を立てることが大切です。

薬物治療においては、副作用の理解と対処、運転などの日常生活における注意点も欠かせません。疑問や不安があれば、遠慮なく医師や薬剤師に相談し、納得のいく形で治療を進めていきましょう。過眠症と上手に付き合い、日中の活動を充実させるために、ぜひこの記事で得た知識を役立ててください。

この記事を監修した人

石飛美春

株式会社Make Care Webクリエイター

石飛 美春

看護師 / Webクリエイター

看護師として臨床を経験後、一度Web業界に転身。ものづくりの楽しさを知る一方で、やはり人と関わる現場に戻りたいという想いから、訪問看護ステーションくるみに入職。現在は訪問業務とあわせて、Web制作の経験を活かし、HPやSNSの更新を担当している。

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