心の不調があるとき、病院を受診したほうが良いのか悩んだ方もいるのではないでしょうか。
初めて受診する際、精神科と心療内科のどちらを受診したらいいのかわからないという方もいるでしょう。
この記事では、精神科と心療内科の違いと選び方や、どのような場合に受診が必要なのかを解説します。
ご家族が受診を悩んだ場合も参考にしてください。
精神科と心療内科の違いは?
精神科と心療内科のどちらもこころの病気をみる場所ですが、違いがわかりにくいという方もいるかもしれません。
ここでは精神科と心療内科の違いについて詳しく解説します。
心療内科とは
心療内科はこころの不調をもとに起こる体へのさまざまな不調(胃潰瘍、喘息など)が現れる心身症を対象としています。
こころが不調で起こった体の不調を心身両方から総合的に診断します。
しかし、心療内科専門医は全国で287名と非常に少ないです。(2023年2月1日現在)
「心療内科」と掲げていても、実際にはこころの病気を主にみる医療機関もあります。
参照:一般財団法人日本心身医学会「心療内科専門医一覧」
参照:厚生労働省「e-ヘルスネット|心療内科」
精神科とは
精神科はこころの病気を専門にみる医療機関です。
うつ病、統合失調症、不安症、発達障害など幅広い精神疾患に対して治療します。
「精神科」「精神神経内科」と表記がありますが、診療内容は同じです。
参照:厚生労働省こころをメンテしよう「こころを専門に診る病院の種類は?」
精神科や心療内科にはどんな人が行く?
体の病気やケガと異なり、精神科や心療内科は受診が必要という明確な判断基準がありません。
また人により症状や程度の個人差が大きいため、基準を決めることも難しい現状があります。
どのような状態になったら受診するべきなのか、判断に迷うこともあるでしょう。
そのため、気分の落ち込みや意欲低下などの精神症状が、「日常生活に支障をきたすかどうか」が受診の目安と考えておくと良いでしょう。
次に精神科や心療内科はどのような状態で受診が必要か、それぞれ解説します。
精神科の場合
明確な精神症状がある場合、精神科を受診しましょう。
具体的な症状の例は以下のとおりです。
・幻聴や幻覚
・気分の落ち込みが強い
・食欲がなく、食事がとれない
・寝られない、夜中に何度も目が覚める
心療内科の場合
こころの不調のサインが体に現れているなど、明確な精神症状がなくてもなんらかの不調があるときは心療内科を受診しましょう。
具体的な症状は以下のとおりです。
・体がなんとなくだるくやる気が起きない
・気持ちが落ち着かない
・理由もないのに不安な気持ちになる
心療内科に行くか悩んだら?
なんとなく不調を感じていても、受診をするかどうか、悩むこともあるでしょう。
受診するかどうか悩んだ時でも、早めに医療機関を受診することをおすすめします。
こころの病気は治療にある程度の期間が必要になることもあります。
そのため、早めに受診し治療すれば、重症化を防げる場合もあるのです。
医師に自分の症状や気持ちを伝えることが難しい場合は、メモに書いておくといいでしょう。
家族はどう接する?注意点について
こころの不調は自分で気がつかないことも多く、気づいていてもまわりに相談せず1人で抱えこんでしまうケースもあります。
ご家族の不調に気がついた時には、周囲のサポートが非常に重要です。
ここからはこころの不調がある方に対する、ご家族の接し方や注意点について解説します。
療養を支える
できるだけ治療を進めて、病気を治してほしいと思う気持ちもあるでしょう。
しかし、その強い気持ちがプレッシャーとなってしまうこともあります。
病気や治療について正しい知識をもち、療養を支えましょう。
相談先を見つける
本人が相談先を見つけられる場合は、相談窓口や医療機関などで相談できます。
しかし、本人が相談に抵抗感がある場合は、家族が相談することも可能です。
医療機関や地域包括支援センター、地方自治体の該当窓口、障害者期間相談支援センターなどの相談窓口で対処方法や対応の仕方について相談できます。
支援に悩んだら訪問看護の導入を検討してみて
本人が受診や通院に抵抗を感じている場合や、なかなか外に出られず受診が難しい場合など、家族が支援に悩むこともあるでしょう。医療機関を受診し医師が必要と判断した場合、主治医の指示書を受けて、訪問看護の導入が可能です。
訪問看護を導入すると、社会復帰のための支援や日常生活のサポートを専門職によって行ってもらえます。
関連記事:精神科の訪問看護を受けるには?対象者と利用の流れを解説!
訪問看護の導入も検討してみて
精神科訪問看護は、精神疾患がある方を対象とする訪問看護です。
医療機関の主治医の指示をもとに訪問し、看護を提供します。
・日常生活の支援(生活環境の調整、生活リズムの調整)
・家族へのサポート(社会資源の提示など)
・服薬管理
・自立支援、社会復帰への支援
・地域や他の医療機関との連携
このように訪問看護では状況によりさまざまなサービスが利用可能です。精神科訪問看護では、自宅に訪問し看護が行われるため、外出ができない方や定期的な受診が難しい場合でも、状況に応じてサポートを受けられます。
本人の悩みだけでなく家族の悩みについても相談できるため、相談先がほしいと思っている場合に利用されることも少なくありません。
「訪問看護ステーションくるみ」は、精神科に特化した訪問看護ステーションです。
地域の福祉施設や行政と連携を図り、利用者さまとその家族に寄り添ったサポートを提供いたします。
サービスの利用にあたり、聞きたいことや確認したいことがある方は、こちらからお気軽にお問い合わせください。