
うつ病やPTSD、パニック障害など多くの症状や症例が存在する精神病。その中で精神科へ入院が必要になるのは、どのような症状がある時なのかと気になる方もいるのではないでしょうか。この記事では、精神科に入院が必要になるレベルや、治療の必要性、精神科へ入院する前に訪問看護を利用するメリットなどをご紹介します。
大阪市、寝屋川市、守口市、
門真市、大東市、枚方市全域対象
“精神科に特化”した
訪問看護ステーション
「くるみ」
平日・土曜・祝日 9:00〜18:00
【日曜・お盆・年末年始休み】
※訪問は20時まで
対応させていただいております。
精神科に入院が必要になる基準(レベル)は?

医師の判断によりますが、一般的に以下のような症状の場合、精神科に入院しての治療が必要になります。
・気分の落ち込みから睡眠や食事がとれないとき
・自傷行為や他害の恐れがあるとき
・幻聴や幻覚があり、社会生活へ影響を及ぼしているとき
・妄想から周囲とトラブルを起こすとき
・精神科の治療上、自宅での療養が難しいとき
症状ごとにそれぞれ詳しくみていきましょう。
1.気分の落ち込みから睡眠や食事がとれないとき
うつ病や双極性障害などの症状が悪化し、睡眠がとれず、1人で食事や水分がとれない場合は入院と判断される可能性が高いでしょう。
睡眠が適切に取れなかったり、食事がとれなかったりして日常生活に支障がある場合、入院治療によって生活習慣が改善し、症状が改善へと向かう可能性が高まります。
参照:国立精神・神経医療研究センター こころの情報サイト 精神科の入院について
2.自傷行為や他害の恐れがあるとき
病気の種類は問わず、自傷や他害の危険性がある時は、入院となる可能性があります。
・自分で命を絶つ危険性がある
・自分を傷つけてしまう
・他人に危害を加えようとする
・他人に迷惑をかけてしまう
このような場合、強制力のある入院措置がとられることもあります。
参照:厚生労働省HP 精神科医療について
参照:国立精神・神経医療研究センター こころの情報サイト 精神科の入院について
3.幻聴や幻覚があり、社会生活へ影響を及ぼしているとき
うつや統合失調症などで幻聴や幻覚がある、社会生活へ影響がある時は入院の可能性が高まります。
・日常生活がうまく送れない
・生活していくことが怖い
このように幻聴や幻覚、被害妄想が悪化している時は、自宅での療養が難しいため、入院治療が必要な場合があります。
参照:厚生労働省HP 精神科医療について
参照:国立精神・神経医療研究センター こころの情報サイト 精神科の入院について
4.妄想から周囲とトラブルを起こすとき
精神症状の悪化から、被害妄想や注察妄想(誰かに監視されているように感じる)などの妄想が強くなり、周囲とトラブルになる場合は、入院措置がとられることがあります。
・被害妄想から、他人を傷つけようとする
・興奮や混乱から、問題行動を起こす
このような場合、医師の判断により入院措置がとられる可能性があります。
参照:国立精神・神経医療研究センター こころの情報サイト 精神科の入院について
5.精神科の治療上、自宅での療養が難しいとき
事情により、自宅での療養が難しい場合、レスパイト入院になることもあります。
レスパイト入院とは「休息」「一時休止」の意味があり、患者本人や家族の肉体的、精神的負担の軽減を目的に行われます。
■患者本人の場合
・短期間入院して体を休めたい
・薬の調整をしたい
■家族の場合
・家族の負担になっているため、少し休みたい
・引きこもりがちなため、生活環境を変えたい
このような場合、事情に合わせて相談の上、短期間の入院ができる場合があります。
参照:厚生労働省HP レスパイト入院
参照:厚生労働省HP 長期入院精神障害者における現状 平成26年3月
精神科の4つの入院形態

精神科への入院形態は4つあります。
本人の同意の有無によりますが、本人が入院を拒否しても、精神科医が入院が必要と判断した場合、主治医の判断と家族の同意があれば、精神保健福祉法に基づき、入院治療を受けることもあります。
| 同意の有無 | 入院形態 | 詳細 |
| 本人の同意 あり |
任意入院 | 原則として、開放病棟に入院 本人が同意した場合、閉鎖病棟に入院することも任意入院の場合、本人が希望すればいつでも退院可能 |
| 本人の同意なし | 医療保護入院 | 本人の病状により、入院の同意が得られない時指定医が入院が必要と判断し家族等の同意が得られた場合 |
| 措置入院 | 警察などから通報があり保護された自傷他害の恐れがある場合、精神保健指定医2名が診察し2名とも必要と判断した場合、都道府県知事の命令によって入院「緊急措置入院」:夜間や緊急時は同意が得られなくても、本人の身体の保護ができないと判断された場合、72時間以内に限り入院の方法がとれる | |
| 応急入院 | 応急入院指定病院で指定医が診察した結果、緊急入院治療の必要があると判断された場合誰の同意もなくできる入院形態のため一般的ではない |
参照:厚生労働省HP 参考資料
参照:公共社団法人 全国精神保健福祉会連合 精神科への入院と入院形態
参照:国立精神・神経医療研究センター こころの情報サイト 精神科の入院について
精神科の4つの入院形態
精神科の入院にはいくつかの種類があり、患者の状態や同意の有無によって形態が分かれます。代表的なのは任意入院、医療保護入院、措置入院、応急入院の4つです。それぞれの特徴を理解しておくと安心につながります。
任意入院
任意入院は本人の意思で行われる入院です。治療を受けたいという希望が尊重されるため、最も一般的な形態です。症状が安定すれば退院も本人の意思で可能です。外来での治療が難しいときや生活リズムを整える必要があるときに利用されます。強制力がないため患者の権利が守られ、安心して治療に専念できる点が特徴です。
医療保護入院
医療保護入院は、本人が治療に同意できない場合でも、家族などの同意と医師の判断によって行われる入院です。症状が重く、治療を受けなければ危険があるときに適用されます。自傷や他害の恐れがある場合にも選択されることがあり、安全を確保しながら適切な治療を進めます。本人の権利を尊重しつつも、必要な医療を提供するための仕組みです。
措置入院
措置入院は、本人が強い自傷や他害の恐れを持つと判断された場合に行政の判断で行われます。2名以上の精神保健指定医による診察が必要で、法律に基づいて実施される強制力のある入院です。公共の安全を守る目的があり、医療と社会的な責任の両面を持つのが特徴です。患者の人権を守るための監査も行われ、厳格な手続きの下で進められます。
応急入院
応急入院は緊急の対応が必要な場合に行われます。家族の同意が得られなくても、精神保健指定医の診察により72時間以内の入院が認められます。危険性が高い状態で速やかに治療を開始するための措置です。応急的な対応であり、期間を過ぎた場合は他の入院形態へ切り替えるか退院が検討されます。命や安全を守るための重要な制度です。
精神科の入院中に行われる治療
入院中には安全を確保しつつ、症状を安定させ社会復帰を目指す治療が行われます。主な内容は生活リズムの改善、薬物療法、精神療法、リハビリテーションです。
生活リズムの改善
精神疾患では睡眠や食事の乱れが症状を悪化させる要因となります。入院中は規則正しい生活を送り、体調を安定させることが治療の基本です。決まった時間に起床や就寝を行い、栄養バランスの取れた食事を提供することで心身の回復を促します。日中に活動し、夜は休むリズムを整えることで再発予防にもつながります。
薬物療法
入院中は医師の管理のもとで薬物療法が行われます。抗うつ薬、抗精神病薬、抗不安薬などが症状に応じて処方され、副作用の有無や効果を細かく確認します。外来では調整が難しい投薬管理も、入院では安全に行えます。必要に応じて薬の種類や量を変更しながら、最適な治療を進めます。継続的な観察により、症状の安定を早める効果が期待できます。
精神療法
精神療法は患者の考え方や行動を整える治療です。個別カウンセリングや認知行動療法、集団療法などが行われ、安心して気持ちを表現できる場が提供されます。ストレスへの対処法を学び、思考の偏りを修正していくことで再発を防ぐ効果があります。入院中に習得したスキルは退院後の生活にも役立ち、社会復帰の準備につながります。
リハビリテーション
リハビリテーションでは作業療法やレクリエーション活動を通じて、社会生活に必要な力を取り戻します。料理や運動、手工芸などを行い、楽しみながら生活リズムを整えます。グループ活動を通して人との関わりを回復することも大きな目的です。社会復帰を見据え、実践的なスキルを身につけられるのがリハビリの強みです。
精神科への入院が必要になる前に、早めの治療を
精神科への入院が必要になる前に、早めに通院することをおすすめします。
心の病気も、体の病気と同様に、早めに専門機関へ通院し、治療を受けることで、症状の悪化を防いだり、社会復帰しやすくなったりします。
症状が悪化してしまうと、治療が難しくなる可能性があるので、いつもと違うなと感じたら、我慢せずに早めに通院しましょう。
大阪市、寝屋川市、守口市、
門真市、大東市、枚方市全域対象
“精神科に特化”した
訪問看護ステーション
「くるみ」
平日・土曜・祝日 9:00〜18:00
【日曜・お盆・年末年始休み】
※訪問は20時まで
対応させていただいております。
多く人が誤解する精神科
精神病に関するステレオタイプは根拠のない誤解です。精神疾患を持つ人々は、一般的に危険な存在ではなく、ほとんどのケースで治療や支援を通じて社会的な生活を送ることができます。監禁というイメージは、歴史的な偏見や映画、テレビでの誇張された描写に由来していますが、現代の精神医療では、患者の権利や尊厳を尊重することが重視されています。治療は対話療法や薬物療法が主流であり、強制的な入院や拘束は法律に基づき、極めて稀なケースでのみ適用されます。精神疾患の理解とサポートが進む中、こうしたステレオタイプは過去のものです。
診療の流れ:https://cocoromi-mental.jp/cocoromi-ms/other/psychiatry/psychiatry-visit/
精神科に入院する流れ

精神科への入院は、急に決まるものではなく医師の診断や家族との相談を経て進められます。初めての入院に不安を感じる方も多いため、一般的な流れを理解しておくことは安心につながります。
入院の流れは、まず外来での診察から始まります。医師が症状や生活状況を丁寧に確認し、入院が必要かどうかを判断します。次に、入院形態(任意入院や医療保護入院など)が説明され、本人や家族の同意を得ます。
その後、病棟への案内や必要書類の手続きが行われ、入院生活がスタートします。入院中は定期的に診察や面談があり、治療方針や退院後の生活支援についても相談が進められます。こうしたプロセスを踏むことで、本人も家族も安心して治療に専念できます。
関連記事:【精神科訪問看護師が解説!】精神疾患を抱える方への重要な看護師のコミュニケーション方法とは?
入院になる前に訪問看護の利用も検討してみて
うつ病などの精神疾患がある場合、再発や再入院になる可能性が高いと言われています。
精神科訪問看護では、定期的なケアや症状の確認により、再入院の予防に効果的です。
退院後自宅で過ごしている間に症状が悪化し、再入院になってしまうのを避けるためにも、薬の管理や、生活リズムを整え、「衣食住」のサポートができる精神科訪問看護の利用を検討してみてはいかがでしょうか。
参照:厚生労働省HP 長期入院精神障害者における現状 平成26年3月
「訪問看護ステーションくるみ」は、精神科に特化した訪問看護ステーションです。地域の福祉施設や行政と連携を図り、利用者さまとその家族に寄り添ったサポートを提供いたします。
「自宅での生活が不安」「気軽に相談できる人が欲しい」などとお考えの方は、精神科訪問看護利用を検討してみましょう。
サービスの利用にあたり、聞きたいことや確認したいことがある方は、こちらからお気軽にお問い合わせください。
大阪市、寝屋川市、守口市、
門真市、大東市、枚方市全域対象
“精神科に特化”した
訪問看護ステーション
「くるみ」
平日・土曜・祝日 9:00〜18:00
【日曜・お盆・年末年始休み】
※訪問は20時まで
対応させていただいております。