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【CEOエッセイ】Vol.035 アウトプット拡張スパイラル

2025.08.20 HEROさんシリーズくるみの社長エッセイ

こんにちは。株式会社Make Careの代表取締役CEOであり、訪問看護ステーションくるみでマーケティングを担当している石森寛隆です。XではHEROと名乗っていますので、もしよろしければフォローください。

AIの恩恵を受けて、ここ最近は仕事の効率が格段に上がっています。ChatGPTで壁打ちして、Gensparkでサクッと資料化して、さらにNotebookLMに知見を溜め込む。以前なら丸一日かかっていた作業が、ほんの数時間で終わってしまうこともある。まさに「AI時代の加速感」を実感しています。

それなのに、不思議なことがある。
睡眠時間が、まったく変わらないのです。むしろ「忙しさ」が増しているようにさえ感じる。
いったいなぜなのか?

僕はこれを「アウトプット拡張スパイラル」と呼ぶことにしました。

大阪市、寝屋川市、守口市、
門真市、大東市、枚方市全域対象

“精神科に特化”した
訪問看護ステーション
「くるみ」

06-6105-1756 06-6105-1756

平日・土曜・祝日 9:00〜18:00 
【日曜・お盆・年末年始休み】

なぜ睡眠時間は変わらないのか ― 4つの理由

AIで効率化しているのに、睡眠時間が増えないのはなぜか。僕自身の体験を振り返ると、主に4つの理由があると気づきました。

1. 浮いた時間に新しいタスクを突っ込んでしまう

効率化で生まれた時間は、本来「休む」ために使えるはずです。ところが僕は、その余白に自然と新しいタスクを入れてしまう。
「あと1本記事が書けるな」「せっかくだから資料も整えておこう」――こうした発想が常態化し、結果として仕事量が以前よりも増えてしまっている。効率化の成果を“休養”ではなく“生産拡大”に使っているのです。

2. 思考が加速して、頭が休まらない

ChatGPTに壁打ちをすると、次々にアイデアが返ってきます。NotebookLMに知識を整理すれば、「もっと深掘りできる」「別の切り口もまとめよう」と欲が湧く。
これはとても楽しく、知的好奇心を満たしてくれます。けれどその分、脳の稼働時間は延びる。肉体労働は減っているのに、思考労働はむしろ膨れ上がり、頭が休まるタイミングを逃してしまうのです。

3. AIは24時間、止め時を与えてくれない

人との会議や打ち合わせなら「今日はここまで」と区切りがあります。けれどAIは、僕が止めない限り延々と付き合ってくれる。
「キリの良さ」が存在しないため、気づけば深夜。気がつけば睡眠時間を後ろ倒しにする原因になっています。

4. 習慣としての“休養”を後回しにしている

もっと根本的な問題は「習慣」です。効率化によって浮いた時間を「休むために使う」という習慣が、まだ身についていない。
「この1時間で原稿が書ける」「あと少しで仕上がる」と思ってしまい、睡眠を後回しにする。効率化の成果を休養に振り向けられていないのです。

アウトプット拡張スパイラルという現象

こうして見えてくるのは、「効率化が新しい仕事を呼び込み、その仕事をまた効率化が支える」というスパイラルです。
AIによって時間が浮く → その時間で新しいアウトプットを生む → さらにAIがそれを加速する → また新しいアウトプットに手を伸ばす。

この循環は止まらない。僕はこれを「アウトプット拡張スパイラル」と名付けました。
言葉にすると少し笑えますが、これはAI時代の働き方の光と影を象徴する現象だと思っています。

休む勇気、やらない勇気

AIは僕たちに圧倒的な“可能性”を与えてくれました。以前は届かなかった量や質の仕事を、いまや現実的に手にできるようになった。
でもだからこそ大事なのは、「どこまでやるか」を自分で決めることです。AIは止めてくれないし、睡眠も確保してはくれない。

つまり、効率化の先に必要なのは「やらない勇気」だと僕は思います。
アウトプットを増やすことは容易になった。だからこそ、アウトプットしない時間をどう守るか。これはこれからの働き方を考えるうえで欠かせない問いです。

AI時代の働き方は、効率化と生産性だけでなく、「休むこと」や「余白を残すこと」まで含めてデザインしていかなければならない。
そうでなければ、僕たちはスパイラルに飲み込まれ、アウトプットは増えても、人生の豊かさは削られてしまうかもしれません。

だからこそ、今日も僕は自分に言い聞かせています。
「やらない勇気を持とう。休む勇気を持とう」と。

この記事を書いた人

石森寛隆

株式会社 Make Care 代表取締役 CEO

石森 寛隆

Web プロデューサー / Web ディレクター / 起業家

ソフト・オン・デマンドでWeb事業責任者を務めた後、Web制作・アプリ開発会社を起業し10年経営。廃業・自己破産・生活保護を経験し、ザッパラス社長室で事業推進に携わる。その後、中野・濱𦚰とともに精神科訪問看護の事業に参画。2025年7月より株式会社Make CareのCEOとして訪問看護×テクノロジー×マーケティングの挑戦を続けている。

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