大阪市全域を訪問区域とする『訪問看護ステーションくるみ』の代表、中野誠子が綴る『社長エッセイ』第39弾!
やっと秋らしい気温になって、ほっと一息ついています。
今年の秋は、やっと当たったMr.Childrenのライブに行けるのでいい思い出ができそうです。
それを楽しみに、日々頑張っています。
さて、今日は「私の人生に大きな影響を与えた人」の中でも最も大きい存在のNさんについてお話をしようと思います。
前回お話ししたように、私は重症心身障害児者施設で働きはじめました。
新しいことを覚えるのに必死で、看護の質まで考える余裕のない日々が続いていました。
そんななか、一人の看護師さんの声掛けとその雰囲気に釘付けになりました。
それが、Nさんです。
Nさんの第一印象は、まるで太陽のような人。
Nさんが利用者さんに声をかけるとみんな笑顔になるのです。
どうしたらあんなふうになれるかな、と毎日Nさんの姿を観察することにしました。
Nさんはただ廊下を歩くだけではなく、いろんな利用者さんに声をかけて、積極的にコミュニケーションをとっていました。
私は仕事を覚えることに必死すぎて何も余裕がなかったため、バギーに乗ったりプロンボードで立っている利用者さんの前を通るときも、立ち止まって顔を見て声をかける、という意識がまったくありませんでした。
Nさんのようになりたい一心で真似をしようと決意し、毎日さまざまなところに目を向ける意識をしました。
すると、今まで自分では気づくことがなかった景色がたくさんありました。
それは利用者さんだけでなく、多職種の動きも目に入るようになり「意識をして見る」ことの大切さを学びました。
Nさんとは、子どもたちの担当を一緒に持たせていただき、園外活動などにも一緒に行くようになりました。
園外活動とは、施設から出て、さまざまな場所に行き楽しむ活動です。
子どもたちは友人と関わったり、多くの刺激を受けながら成長していきます。
施設で生活をしていると受けることができない刺激が与えられるこの活動は、子どもたちにとっていい機会でした。
Nさんは子どもの発達段階に応じた関わりはもちろんのこと、施設では得ることができない外部からの刺激を考えながら場所を設定していました。
そこで見せる子どもたちの表情は、施設では見ることができないものでした。
Nさんとともに子どもたちと関わり、支援していくなかで、障がいによってできなかったことが成長によってできるようになること、そして、その成長には大きな関わりという存在があるということを知りました。
障害によって「できない」のではなく、成長により「できるようになる」ために、発達段階を理解し、心身の成長を見守り支援することが大切だったのです。
Nさんはいつも後輩や周りを気にかけてくださり声をかけてくださっていました。
私がいろんなことに悩んでいるときも「どうした?」と声をかけてくださって、私の思いを見抜いていて「すごいなぁ」と思っていました。
最近、Nさんとお茶をする機会があって、そのときに「中野さんは周りの人に正直に意見を言いすぎて敵を作る喋り方をするから、社長をやって大丈夫かなと思ってたの」と言われました。
本当にそのとおりで、看護学校のときもその部分は気をつけながら働いていましたが、隠しきれない部分もあって困っていました。
そんな私の性格を理解しつつもサポートしてくださっていたんだなと思うと感謝しかありません。
私はNさんみたいになれないかもしれません。
でも、私の目指す看護師像の中にNさんの要素がたくさんあります。
Nさんからいただいたたくさんの学びを私なりに解釈し、今があります。
そこにいるだけで優しい雰囲気を作りだすNさんのように、人の可能性を信じ、サポートできる看護師を目指して、日々精進しないといけないなと思っています。
毎日たくさんのことがあってうまくいかないこともあります。
そんなとき「Nさんだったらどうするんだろう?」と考えると、自然と落ち着きます。
これからもそうだと思います。
あんな素敵な看護師さんになれるように頑張りたいです。
さて、次は看護学校編。
看護学校といえば、あの方とあの方しかいません。
書くのが楽しみです。
みなさんも楽しみにしていてください。
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