大阪市全域を訪問区域とする『訪問看護ステーションくるみ』の代表、濱脇直行が綴る『専務エッセイ』第55弾!
本格的に梅⾬⼊り宣⾔が出ましたね。
私の誕⽣⽇前後に梅⾬⼊りすることが多くてですね。
そんなわけで、なんだかんだこの時期を意識してしまう、代表の濱脇です。
私ごとではありますが、梅⾬⼊りとともに、⼀つ歳を重ねました(笑)。
さて、そんな梅⾬の時期。
ジメジメしていて過ごしづらいですよね。
でもこの「ジメジメ」は、気候だけじゃないような気がするんです。
こころまでジメジメしてしまう……そんな感覚、ありませんか?
私の個⼈的な感覚ですが、この時期は精神のご利⽤者様も、なんとなく調⼦を崩される⽅が多いように感じます。
というわけで今回は、「梅雨とこころ」について書いてみようかなと思います。
⽇本には四季というものがあります。
その中でも梅⾬という季節は、少し特別な位置づけだと思うんです。
春のあたたかくて穏やかな空気が終わり、これからくる夏のまぶしい日差しの前触れのよう、空はどんより灰⾊に包まれて、⾬も多い。
5⽉下旬から6⽉上旬にかけて、徐々に天気が崩れる⽇が増えてきて、6⽉に⼊ると天気予報には連日傘マーク。
「あー、洗濯物が乾かない!」とイライラしてしまう方も多いんじゃないでしょうか。
でも、こういうのはあくまで「物理的な不便さ」ですよね。
それとはまた別に、「なんとなく気分が落ちる」——この感覚、実はけっこう⾒過ごされているんじゃないかと思います。
私⾃⾝も梅⾬の時期になると、ちょっとした倦怠感や頭痛が出たり、朝起きるのがいつもより億劫になったりします。
「気圧のせいかな」「この時期は五⽉病もあるし、気分が落ちやすいんよね……」と、そんなふうに自分でも曖昧な理由をつけてみたり。
空はどんより暗く、湿度は⾼い、⾜元は濡れがちで、なんか、なんとなくこころまで重い荷物を背負っているような、鈍い圧迫感すら覚えることがあります。
実はこうした「季節による気分の落ち込み」には、いくつか科学的な背景があると⾔われているらしいんです。
例えば、梅雨時期って⽇照時間が短くなります。
知っている⼈も多いと思いますが、太陽の光には体内時計を整える働きがあって、光を浴びることで「セロトニン」という、いわゆる「幸福ホルモン」が分泌されます。
このセロトニンが減少すると、気分が安定しにくくなったり、気⼒や集中⼒が低下すると⾔われています。
つまり、曇りや⾬の⽇が続くことでセロトニンの分泌が減ってしまい、こころが沈みがちになるのは、ある意味“自然な反応”なのかもしれないですね。
もうひとつ、この時期に出てくる「気圧の変化」も、体調や気分に影響を与えると⾔われています。
これもちゃんと根拠があるみたいなんですよ。
低気圧が続くと、副交感神経というリラックスの神経が優位になるそうで、それが過剰になると、だるさや眠気、やる気の低下につながると。
つまり、私たちの体は、知らないうちに天気の影響をかなり受けているということです。
でも、こうした外的要因に加えて、現代の⽣活スタイルも梅⾬時期の気分の落ち込みに拍⾞をかけているように思います。
例えば、⻑時間の室内⽣活。
外に出たくても⾬が降っていれば、つい家にこもりがちになるし、運動不⾜や⼈との会話の減ってしまうこともありますよね。
こころのエネルギーというものをじわじわと奪っていく感じがします。
でも、こうした季節の憂鬱とどう向き合うかで、梅⾬の過ごし⽅は⼤きく変わると思うんです。
無理に元気を出そうとせず、「今⽇はちょっと静かに過ごしてみようかな」と気持ちを切り替えてみる。
好きな⾳楽を聴く、本を読む、映画鑑賞をする……。
そんな「内向きの楽しみ」を充実させて、梅⾬ならではの落ち着いた時間を味わってみるのもいいかもしれません。
ここは、共感できる⼈がどれぐらいいるかわかりませんが、「⾬⾳」にはヒーリング効果があると⾔われていて、⾃然界の中でも珍しいとってもリズミカルで⼼地よい⾳の⼀つと考える⼈もいるでしょう。
静かに部屋で過ごしながら、窓の外に広がる濡れた⾵景を眺めると、不思議と⼼が穏やかになる⼈もいるかもしれませんね。
ここまでいろいろ話してきましたが、梅⾬は確かに気分が落ちやすい季節です。
でも、それは⾃然の流れの中で誰しもが感じること。
⼤切なのは、その「落ち込み」に必要以上に抗わず、⾃分のこころに正直でいることではないかと思います。
無理に前向きになろうとせず、少し⽴ち⽌まって、今の⾃分に優しくする。
それが、梅⾬という曇天の季節を乗り越える、ささやかながら確かな⽅法なのかもしれません。
では、今⽇はこの辺で。
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