大阪市全域を訪問区域とする『訪問看護ステーションくるみ』の代表、中野誠子が綴る『社長エッセイ』第56弾!
ジメジメした季節、梅雨ですね。
関西に来て25年になりますが、この湿気にはいまだに慣れません。
不快指数が高くて、やる気も何もかも奪われてしまいそうになります。
私はこの時期も、アロマの力を借りてなんとか乗り切っています。
さて、今回のテーマですが、前回「朝起きること」についてお話ししたので、今回は“衣食住”の「住」から――「お風呂」についてお話ししようと思います。
みなさんは、お風呂に入ることって好きですか?
私は…めんどくさい気持ちが勝ってしまうタイプです(笑)。
なので、シャワーで済ませることも多いんです。
よく「疲れを取るには、湯船に浸かったほうがいいよ」と言われますが、私にとっては正直、余計なお世話。
“お風呂は気持ちいいもの”という価値観を押しつけられているような気がして、ちょっと苦手です。
なぜそんなにお風呂が億劫なのかというと、まず、お風呂って狭くて密閉された空間ですよね。
私はトイレもあまり得意ではなく、こうした閉ざされた空間に長くいることに、どこか恐怖を感じてしまいます。
だから「お風呂に行く」という行為そのものが、私にとっては一つのハードルなんです。
それに加えて、お風呂から出たあとの疲労感がすごい。
入ったあともやることがたくさんあって、「結局めんどくさいな」と感じてしまいます。
とにかくめんどくさい。
この気持ち、わかる方いらっしゃいますか?(笑)
とはいえ、「お風呂に入りたくない」というわけではないんです。
人にも会うし、匂いも気になりますし、やっぱり入らなきゃとは思っています。
入るんですけど。
でも、入る前にいろんな葛藤があるんですよね。
実際、私のまわりにも「お風呂に入るまでがつらい」「気力がわかない」と感じている方がいらっしゃいます。
自分ではよかれと思ってアドバイスしたことが、相手にとっては負担になることもある。
そんな経験から、今回は私自身の気持ちを正直に書いてみました。
訪問中に「お風呂に週1〜2回しか入れなかったんです」と話してくださる方もいらっしゃいます。
そんなとき私は、「週に1〜2回でも入れたなら、すごいことですよ」とお伝えします。
すると「でも、みなさんは毎日入ってますよね。私だけおかしいですよね」と返されることも少なくありません。
“まわりと比べてできていない自分”を責めてしまう方が、本当に多いのだなと感じます。
でも私は、そういうときこそ「入れた」という事実を一緒に喜びたいと思っています。
少しでも自信につながるように。
「できなかったこと」ではなく「できたこと」に目を向けてほしいのです。
そんな私ですが、葛藤を抱えながらも、ちゃんとお風呂には入っています。
どうしてかというと――“こだわりの強い自分の特性”をうまく活かして、いろんな「決まりごと」を作っているからなんです。
たとえば、「お風呂に入らないまま布団に乗らない」と自分にルールを決める。
そうすると「仕方ないな、入るか…」と重い腰を上げられます。
また、シャンプーやトリートメント、ボディーソープやタオルなど、自分の“お気に入り”を揃えて、「それを使いたいから入る」というふうに気持ちを動かすようにしています。
こんなふうに、マイルールやお気に入りを駆使して、なんとか自分を動かしているんです。
生活習慣って、どうしても周りと比べてしまいがちですよね。
でも、本当は比べなくていいんです。
自分のペースで、少しずつ前に進めればそれでいい。
時には立ち止まったり、後戻りしたりしながらでも、人生を歩んでいければいいと私は思っています。
人の価値観って、本当にさまざまです。
自分が「良かれ」と思っていることも、相手にとってはそう感じられないこともある。
だからこそ、相手の気持ちに寄り添いながら話せたらいいですね。
みなさんのちょっとした思いやりで、少しずつ優しい世界が広がっていく。
私は、そんなふうに信じています。
それでは今回はこの辺で。
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