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【社長エッセイ】Vol.55 「お風呂に入るまでがしんどい」——どうしたらいい?

2025.06.20 くるみの社長エッセイ精神科訪問看護とは誠子さんシリーズ

大阪市全域を訪問区域とする『訪問看護ステーションくるみ』の代表、中野誠子が綴る『社長エッセイ』第56弾!

 

ジメジメした季節、梅雨ですね。

関西に来て25年になりますが、この湿気にはいまだに慣れません。

不快指数が高くて、やる気も何もかも奪われてしまいそうになります。

私はこの時期も、アロマの力を借りてなんとか乗り切っています。

 

さて、今回のテーマですが、前回「朝起きること」についてお話ししたので、今回は“衣食住”の「住」から――「お風呂」についてお話ししようと思います。

みなさんは、お風呂に入ることって好きですか?

私は…めんどくさい気持ちが勝ってしまうタイプです(笑)。

なので、シャワーで済ませることも多いんです。

よく「疲れを取るには、湯船に浸かったほうがいいよ」と言われますが、私にとっては正直、余計なお世話。

“お風呂は気持ちいいもの”という価値観を押しつけられているような気がして、ちょっと苦手です。

 

なぜそんなにお風呂が億劫なのかというと、まず、お風呂って狭くて密閉された空間ですよね。

私はトイレもあまり得意ではなく、こうした閉ざされた空間に長くいることに、どこか恐怖を感じてしまいます。

だから「お風呂に行く」という行為そのものが、私にとっては一つのハードルなんです。

それに加えて、お風呂から出たあとの疲労感がすごい。

入ったあともやることがたくさんあって、「結局めんどくさいな」と感じてしまいます。

とにかくめんどくさい。

この気持ち、わかる方いらっしゃいますか?(笑)

 

とはいえ、「お風呂に入りたくない」というわけではないんです。

人にも会うし、匂いも気になりますし、やっぱり入らなきゃとは思っています。

入るんですけど。

でも、入る前にいろんな葛藤があるんですよね。

実際、私のまわりにも「お風呂に入るまでがつらい」「気力がわかない」と感じている方がいらっしゃいます。

自分ではよかれと思ってアドバイスしたことが、相手にとっては負担になることもある。

そんな経験から、今回は私自身の気持ちを正直に書いてみました。

 

訪問中に「お風呂に週1〜2回しか入れなかったんです」と話してくださる方もいらっしゃいます。

そんなとき私は、「週に1〜2回でも入れたなら、すごいことですよ」とお伝えします。

すると「でも、みなさんは毎日入ってますよね。私だけおかしいですよね」と返されることも少なくありません。

“まわりと比べてできていない自分”を責めてしまう方が、本当に多いのだなと感じます。

でも私は、そういうときこそ「入れた」という事実を一緒に喜びたいと思っています。

少しでも自信につながるように。
「できなかったこと」ではなく「できたこと」に目を向けてほしいのです。

 

そんな私ですが、葛藤を抱えながらも、ちゃんとお風呂には入っています。

どうしてかというと――“こだわりの強い自分の特性”をうまく活かして、いろんな「決まりごと」を作っているからなんです。

たとえば、「お風呂に入らないまま布団に乗らない」と自分にルールを決める。

そうすると「仕方ないな、入るか…」と重い腰を上げられます。

また、シャンプーやトリートメント、ボディーソープやタオルなど、自分の“お気に入り”を揃えて、「それを使いたいから入る」というふうに気持ちを動かすようにしています。

こんなふうに、マイルールやお気に入りを駆使して、なんとか自分を動かしているんです。

 

生活習慣って、どうしても周りと比べてしまいがちですよね。

でも、本当は比べなくていいんです。

自分のペースで、少しずつ前に進めればそれでいい。

時には立ち止まったり、後戻りしたりしながらでも、人生を歩んでいければいいと私は思っています。

人の価値観って、本当にさまざまです。

自分が「良かれ」と思っていることも、相手にとってはそう感じられないこともある。

だからこそ、相手の気持ちに寄り添いながら話せたらいいですね。

みなさんのちょっとした思いやりで、少しずつ優しい世界が広がっていく。

私は、そんなふうに信じています。

それでは今回はこの辺で。

 

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