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【社長エッセイ】Vol.59 自分を大切にするということ

2025.08.15 くるみの社長エッセイ精神科訪問看護とは誠子さんシリーズ

大阪市全域を訪問区域とする『訪問看護ステーションくるみ』の代表、中野誠子が綴る『社長エッセイ』第59弾!

 

外気温が38度、39度を超える日が続き、呼吸するたびに気管が焼けているような感覚があります。

マスクもしているので、息苦しさも倍増です。

秋さん、駆け足で来てください(笑)──心からお待ちしております。

 

さて、今回から少し趣向を変えて、専務の濱脇と二人で同じテーマについて書くことにしました。

関連記事:【専務エッセイ】Vol.59 自分を大切にするって、どういうこと?

同じような内容になるかもしれませんし、まったく違う視点になるかもしれません。

そんな違いも楽しみながら読んでいただければ嬉しいです。

 

大阪市、寝屋川市、守口市、
門真市、大東市、枚方市全域対象

“精神科に特化”した
訪問看護ステーション
「くるみ」

06-6105-1756 06-6105-1756

平日・土曜・祝日 9:00〜18:00 
【日曜・お盆・年末年始休み】

 

テーマは「自分を大切にすること」

このテーマを決めたとき、正直なところ、

「私、自分を大事にできていないのに何を書こう…」と思いました。

そこでまずは、「どうして自分を大事にできていないのか」からお話ししようと思います。

 

長女として育った私の「我慢グセ」

私は長女として生まれました。長女の皆さんには、きっとわかっていただけるでしょう。

「お姉ちゃんだから我慢しなさい」

この言葉を、子どもの頃、何万回も聞いた気がします。

小さい頃の私は、実際にはそんなことなかったのだと思いますが、感覚的に妹ばかり優遇されているように感じていました。

同じお菓子が一つしかないときは、妹に譲るのが当たり前。それが日常でした。

その頃から私は、自分の思いを押し殺すことに慣れ、それに苦痛を感じなくなっていました。

それどころか、「自分が我慢して周りが平和なら、それでいいやん」と自然に思うようになったのです。

 

「空気を読む」ことで丸く収める日々

この性格は学校生活でも表れました。

たとえば、学級委員を決めるとき。

誰も手を挙げず、先生が困っている──そんな場面で、

「私がやれば丸くおさまるやん」と思って委員長や係を引き受けていました。

決して積極的な性格ではなく、私なりの空気の読み方です。

自分の思いを押し殺し、うまくいく方法を考える。それが私の習慣であり、楽な選択でもありました。

 

ヨガとの出会いがくれた気づき

そんな私が「自分を大切にする」ことを考えるきっかけになったのは──ヨガでした。

軽い気持ちで始めたヨガでしたが、先生の話を聞きながら体を伸ばす時間が心地よかったのです。

そしてある日、12月31日に行われる「108回の太陽礼拝」に参加しました。

無心に煩悩の数だけ、太陽礼拝を繰り返す。

正直、めちゃくちゃしんどかったのですが、終わったときには驚くほどスッキリしていました。

その理由を考えたとき、

「あの時間、私は自分の気持ちと向き合っていたんだ」

と気づきました。

自分と向き合うこと自体は、思いのほかしんどく感じず、むしろいろいろな自分を受け止められていることにも気づいたのです。

 

 

自分の気持ちを押し殺さない

それから、意識的に自分の気持ちと向き合うようになりました。

「素直な気持ちを言ったら、周りに迷惑じゃないかな」──以前はそう思っていました。

でも、実際に伝えてみても、周りの反応はほとんど変わらなかったのです。

びっくりしました。

「今までなんのために我慢していたんだろう」と、自分に少し怒ったりもしました。

それでも、我慢したのは自分。

「仕方ない!」と、それからは少しずつ自分に優しくするようになりました。

 

「グレーゾーン」を手に入れる

「完璧主義な自分」と向き合うことで、白でも黒でもない「グレーゾーン」を手に入れました(笑)。

『今日やらないといけないことと、明日でもいいことを見極める』──これが私の新しいルール。

一見、たいしたことないように見えるかもしれませんが、私にとってはかなり大きな発見でした。

 

自分の頑張りを認め、ご褒美をあげる

もう一つの方法は、自分の頑張りをちゃんと認めて、ご褒美をあげることです。

以前の私は「頑張って当然、もっと頑張らないと」と思っていて、自分を褒めることがありませんでした。

でも今は、何かをやり遂げたら美味しいものを食べて、身体と心を喜ばせるようにしています。

 

自分を大切にできるから、人も大切にできる

この二つを続けていくうちに、他人の目があまり気にならなくなりました。

大事なのは、「他人にどう見られるか」ではなく、「自分を自分がきちんと見ているか」だと気づいたのです。

「もしかして、これが自分を大切にするってことなのか?」──そう思えるようになったのは、本当に最近のことです。

 

【まとめ】今からでも遅くない

もっと早くできていたら人生は違ったかもしれませんが、今の自分はなかったでしょう。

物事を始めるのに遅いことはありません。

もし今これを読んで、「自分を大切にできていないな」と思った方がいたら、少し立ち止まってみてください。

案外、周りはあなたのことをそこまで気にしていないものです。

そして、自分を大切にできなければ、大切な人も大切にできない──これはまだ私の仮説ですが、少しずつ検証していきたいと思います。

これからも、自分に優しく、自分を大切にしながら、見えてくる景色の変化を楽しみたいと思います。

さあ、次は何を書こうかな。

この記事を書いた人

中野誠子

株式会社Make Care 代表取締役社長

中野 誠子

看護師 / (元)重症心身障害児者認定看護師

精神科病棟勤務・看護学校教員として経験を積み、「こころに寄り添う看護」を志す。石森・濱𦚰とともに株式会社Make Careを創業。現在は訪問看護ステーションくるみの代表として現場に立ちつつ、メディアにも積極的に登場し、地域精神医療の啓蒙とアップデートに挑む。

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