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【社長エッセイ】Vol.60 ゲームと精神安定

2025.08.29 くるみの社長エッセイ精神科訪問看護とは誠子さんシリーズ

大阪市全域を訪問区域とする『訪問看護ステーションくるみ』の代表、中野誠子が綴る『社長エッセイ』第60弾!

 

日本には四季があり、暦を通して季節を感じる素敵な文化があります。

ですが、最近は暑い時期が長く、四季を感じる時間が短くなったように思えて、少し寂しい気持ちになっています。

まだまだ厳しい暑さが続きますので、皆さまお身体ご自愛くださいませ。

それでは、今回は「濱脇と同じテーマで書いてみよう」企画第2弾。

テーマは「ゲームと精神安定」です。
関連記事:【専務エッセイ】Vol.60 ゲームと精神安定

私なりの視点で書いていこうと思います。

 

◆ゲーム依存と楽しみのはざまで

最近、「ゲーム依存」という言葉をよく耳にするようになりました。

世界保健機構(WHO)は2019年に「ゲーム障害」を国際疾病分類(ICD-11)に含めています。

その特徴としては、

ゲームの頻度や時間をコントロールできない

ゲームが生活の他の活動より優先される

問題が明らかでもゲームをやめられない

12カ月以上続く場合、診断の対象になりうる

といったことが挙げられます。

E-スポーツやスマホゲームの普及に伴い、依存の問題が指摘されていますが、私にとってゲームは「楽しみ」であり「必要なもの」でもあります。

依存状態にある人も、きっと最初は「楽しみ」から始まったはずですが、さまざまな要因で「楽しみ」が「依存」に変わってしまうのだと思います。

 

◆子どもの頃にできなかったからこそ

私の幼少期は、ピアノやそろばん、習字などさまざまな習い事をしていました。

両親も厳しく、ゲームをすることは許されませんでした。

周りのみんなが「ゲームボーイ」や「たまごっち」の話題で盛り上がっていても、私は参加できず、ただ「いいなぁ」と思うだけ。

そんな私が成人し、自由になったとき、解禁されたゲームの楽しさにすぐ夢中になりました。

 

◆看護師という仕事と「逃げ場所」

看護師の仕事は「人と向き合う仕事」です。

日々、神経をすり減らす思いで多重課題をこなし続ける毎日。

もともとキャパが大きいほうではない私にとって、それは本当に大変なことでした。

「もう楽しく働けなくなるかもしれない」

そんなことを思っていたときに、私の「逃げ場」になっていたのがゲームでした。

私がやるのは、『ドラゴンクエスト』『ファイナルファンタジー』『モンスターハンター』『どうぶつの森』『桃太郎電鉄』などの主に一人で黙々と楽しむタイプのゲーム。

ゲームに没頭すると、現実を忘れて別の世界に旅をするような気持ちになります。

まるで旅行をしているかのように。

 

◆「逃げる」ことは悪いことじゃない

私はよく「ゲームの世界に逃げる」と表現します。

多くの人は「逃げる」=「悪いこと」と考えるかもしれません。

でも、私はそうは思わないんですよね。

現実を生きている私たちにとって、つらいことに立ち向かう力があるときもあれば、ないときもあります。

そんなときは、立ち止まったり、逃げてもいいと思うのです。

水前寺清子さんの歌のように「三歩進んで二歩下がる」でもいいと思います。

逃げ場所、止まる場所があるからこそ、また前に進める。

私にとってゲームは、その安心できる「逃げ場所」なんです。

 

◆没頭する時間がリセットになる

日曜や土曜の夜など、時間が確保できるときに「ゲーム時間」を作ります。

飲み物やおやつをそばに置き、ソファに陣取り、まるで本当にその世界に入り込むように。

『モンハン』をしていると、双剣を握って戦っている気分で声を出してしまうことも(笑)。

食事を忘れてしまうぐらい没頭してしまいます。

私にとってはそれが普通だと思っていたのですが、以前、テレビで二宮くんが同じようなことを話していて、共演者の方から「おかしい!」と言われているのを聞いて「え、これって普通じゃなかったの?」と驚きました。

でも、ゲームの世界に没頭している時間こそが、現実世界で焦る自分をリセットしてくれる。

だからこそ、ゲームは私にとって「精神安定」を図るものになっています。

 

「何事もやりすぎはいけない」と言われますが、長時間逃げたくなるぐらい現実がつらいときもあります。

そんなときは、ゲームでリフレッシュして、戻ってきて、現実の環境を少しずつ整えていけばいい。

ゲームを楽しむことで、また日常を頑張る力が湧いてくる。

それが私にとっての「ゲームと精神安定」の関係です。

 

逃げてもいい。立ち止まってもいい。

ゲームの時間は、私にとって前に進むための充電時間です。

次は何について書こうかな。

それでは、また。

この記事を書いた人

中野誠子

株式会社Make Care 代表取締役社長

中野 誠子

看護師 / (元)重症心身障害児者認定看護師

精神科病棟勤務・看護学校教員として経験を積み、「こころに寄り添う看護」を志す。石森・濱𦚰とともに株式会社Make Careを創業。現在は訪問看護ステーションくるみの代表として現場に立ちつつ、メディアにも積極的に登場し、地域精神医療の啓蒙とアップデートに挑む。

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